JPH0480493B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0480493B2 JPH0480493B2 JP58083350A JP8335083A JPH0480493B2 JP H0480493 B2 JPH0480493 B2 JP H0480493B2 JP 58083350 A JP58083350 A JP 58083350A JP 8335083 A JP8335083 A JP 8335083A JP H0480493 B2 JPH0480493 B2 JP H0480493B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- graphite
- alloy
- graphite substrate
- metal
- ray tube
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N Carbon Chemical compound [C] OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 111
- 229910002804 graphite Inorganic materials 0.000 claims description 108
- 239000010439 graphite Substances 0.000 claims description 108
- 239000000758 substrate Substances 0.000 claims description 63
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 claims description 38
- 239000002184 metal Substances 0.000 claims description 38
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 claims description 31
- 239000000956 alloy Substances 0.000 claims description 31
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 26
- 239000002131 composite material Substances 0.000 claims description 23
- 239000002344 surface layer Substances 0.000 claims description 23
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 claims description 21
- 238000005219 brazing Methods 0.000 claims description 18
- 239000010410 layer Substances 0.000 claims description 15
- 229910001080 W alloy Inorganic materials 0.000 claims description 14
- 239000000463 material Substances 0.000 claims description 8
- QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N atomic oxygen Chemical compound [O] QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 6
- 239000007789 gas Substances 0.000 claims description 6
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 claims description 6
- 229910052760 oxygen Inorganic materials 0.000 claims description 6
- 239000001301 oxygen Substances 0.000 claims description 6
- 238000002485 combustion reaction Methods 0.000 claims description 4
- 239000007788 liquid Substances 0.000 claims description 4
- 238000005229 chemical vapour deposition Methods 0.000 claims 1
- 239000000945 filler Substances 0.000 description 9
- 229910052721 tungsten Inorganic materials 0.000 description 7
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 6
- 230000005484 gravity Effects 0.000 description 6
- CSCPPACGZOOCGX-UHFFFAOYSA-N Acetone Chemical compound CC(C)=O CSCPPACGZOOCGX-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 229910000691 Re alloy Inorganic materials 0.000 description 4
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 4
- 229910052702 rhenium Inorganic materials 0.000 description 4
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 4
- 230000003746 surface roughness Effects 0.000 description 4
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 3
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 3
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 3
- 230000005496 eutectics Effects 0.000 description 3
- 239000012535 impurity Substances 0.000 description 3
- 238000005304 joining Methods 0.000 description 3
- 239000002245 particle Substances 0.000 description 3
- 238000007747 plating Methods 0.000 description 3
- 239000000047 product Substances 0.000 description 3
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 239000012790 adhesive layer Substances 0.000 description 2
- 229910052799 carbon Inorganic materials 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 150000002739 metals Chemical class 0.000 description 2
- 229910052750 molybdenum Inorganic materials 0.000 description 2
- 229910052726 zirconium Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000001856 Ethyl cellulose Substances 0.000 description 1
- ZZSNKZQZMQGXPY-UHFFFAOYSA-N Ethyl cellulose Chemical compound CCOCC1OC(OC)C(OCC)C(OCC)C1OC1C(O)C(O)C(OC)C(CO)O1 ZZSNKZQZMQGXPY-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000004873 anchoring Methods 0.000 description 1
- 238000005422 blasting Methods 0.000 description 1
- 230000001680 brushing effect Effects 0.000 description 1
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 1
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 238000007872 degassing Methods 0.000 description 1
- 238000001312 dry etching Methods 0.000 description 1
- 238000000635 electron micrograph Methods 0.000 description 1
- 229920001249 ethyl cellulose Polymers 0.000 description 1
- 235000019325 ethyl cellulose Nutrition 0.000 description 1
- 238000000227 grinding Methods 0.000 description 1
- 238000003384 imaging method Methods 0.000 description 1
- 230000000977 initiatory effect Effects 0.000 description 1
- 230000003993 interaction Effects 0.000 description 1
- 238000002844 melting Methods 0.000 description 1
- 230000008018 melting Effects 0.000 description 1
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 1
- 239000003960 organic solvent Substances 0.000 description 1
- 229910052762 osmium Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000000149 penetrating effect Effects 0.000 description 1
- 239000012466 permeate Substances 0.000 description 1
- 238000010791 quenching Methods 0.000 description 1
- 239000002904 solvent Substances 0.000 description 1
- 230000003068 static effect Effects 0.000 description 1
- 229910052719 titanium Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000001039 wet etching Methods 0.000 description 1
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J35/00—X-ray tubes
- H01J35/02—Details
- H01J35/04—Electrodes ; Mutual position thereof; Constructional adaptations therefor
- H01J35/08—Anodes; Anti cathodes
- H01J35/10—Rotary anodes; Arrangements for rotating anodes; Cooling rotary anodes
- H01J35/108—Substrates for and bonding of emissive target, e.g. composite structures
Description
〔発明の利用分野〕
本発明は、X線管回転陽極用複合ターゲツトの
製造法に係り、特にW又はW合金等の金属又は合
金と黒鉛基体とを接合するX線管回転陽極用複合
ターゲツトの製造法に関する。 〔従来技術〕 従来からX線管回転陽極用複合ターゲツトとし
てはWの単板が用いられてきた。その性能改善の
ためWにRe、Osなどの元素が少量加えらえてい
る。Wは高融点、高密度であるためにX線管ター
ゲツトとして優れているが、最近医療機器用のX
線CTの画像の鮮明化と撮影時間の短縮のため大
容量のものが要求されている。このためダーゲツ
トの構成としては、直径を大きくするとともに軽
量化する必要がある。この目的のために、ターゲ
ツトの電子衝撃面のみをW合金を用い、その裏面
の部分に比重の小さいMoおよびグラフアイトを
接着させたW−Re/グラフアイトおよびW−
Re/Mo/グラフアイトの複合ターゲツトが提案
されてきた。しかしながら、このような複合ター
ゲツトの製造に問題がある。すなわち、W合金と
Moとの複合体は金属同志のため強固な接着が可
能であるので問題はない。しかし、W合金および
Moとグラフアイトとの接着法に問題がある。従
来このような複合ターゲツトの接着には、まずグ
ラフアイト基体にろう材としてZr、Mo、Re、W
などを単独あるいは数種を用いる。これにエチル
セルロースなどの有機溶剤を加え、ペースト状に
して塗布したもを中間層として形成する。次いで
その上にW合金板をのせ、加圧しながら、高温に
加熱して接着する方法が採用されている。この従
来法では製造中に溶剤から水分や不純物が排出し
また酸化物が解離する。これがろう材を酸化して
基板とのぬれ性を阻害するため、健全な接合層を
形成することができないという問題がある。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、金属又は合金とグラフアイト
(黒鉛)との接合強度の高いX線管回転陽極用複
合ターゲツトの製造方法を提供することにある。 〔発明の概要〕 本発明者らはX線管回転陽極用複合ターゲツト
の製造法として、合金共晶組成を有するろう材を
用い、強制還元雰囲気又は炭素雰囲気内でX線管
使用時におけるターゲツト温度で、かつ接着層の
温度は1350℃以上になるような温度で加熱するこ
とによつて生じる発生期の炭素等により被接着金
属および合金の表面酸化物を還元し、活性な表面
および共晶組成を生成させ、グラフアイトと被接
着金属および合金間のすきまから毛細管現象によ
り溶けたろう材が浸透させる方法を既に出願し
た。この方法ではグラフアイトと被接着金属およ
び合金のぬれはよく、かつ極めて薄い接着層ある
いは中間層が形成される。しかし、この方法は黒
鉛基体の種類、特にその黒鉛のみかけ比重の違い
による黒鉛基体の違いによつて黒鉛基体と金属又
は合金とのろう付接合部の強度が十分でない場合
も生じる。 本発明は、黒鉛基体のみかけ比重等の特性の如
何にかかわらず黒鉛基体と金属又は合金との接合
強度を高くするX線管回転陽極用複合ターゲツト
の製造法であつて、黒鉛基体表面にターゲツトと
なる金属または合金層を形成するX線管回転陽極
用複合ターゲツトの製造法において、黒鉛基体を
その黒鉛の燃焼開始温度以上で酸素を含む気体中
で加熱し、黒鉛基体表面に付着している付着物を
焼失させた後、金属または合金層を形成させるこ
とを特徴とする。 また本発明の別のX線管回転陽極用複合ターゲ
ツトの製造法は、黒鉛基体表面にターゲツトとな
る金属または合金層を形成するX線管回転陽極用
複合ターゲツトの製造法において、黒鉛基体をそ
の黒鉛の燃焼開始温度以上で酸素を含む気体中で
加熱し、黒鉛基体表面に付着している付着物を焼
失させた後、加熱温度より液体中に投入して急冷
し、次いで金属または合金層を形成させることを
特徴とする。 以下本発明をさらに詳細に説明する。 本発明において黒鉛基体と接合される金属又は
合金は、W又はW合金をあげることができ、また
W合金としてW−Re、W−Os等をあげることが
できる。これらの金属又は合金と接合される黒鉛
基体は金属又は合金との接合面側の表面層が内部
層よりも黒鉛の占有率が小さくかつその表面層に
ろう材やW又はW合金等が侵入されている。黒鉛
基体の表面層の黒鉛占有率は1.8/2.2より小さい
ことが望ましく、また黒鉛比重の理論値は2.2で
あり、黒鉛基体の密度が第1図に示すように1.8
以上のとき黒鉛基体の破壊回転数が特に多くなる
ので、内部層の黒鉛占有率は1.8/2.2以上である
ことが望ましい。黒鉛基体の表面層の黒鉛占有率
が1.8/2.2よりも大きい場合、その表面層に侵入
するろう材等の比率が少なくなるためろう材等に
よる錨効果が少なくなり金属又は合金と黒鉛基板
との接合強度が不十分なものとなる。一方黒鉛基
体の内部層の黒鉛占有率が1.8/2.2よりも小さい
場合、陽極ターゲツトとしての回転破壊強度が低
下するために望ましくない。また黒鉛占有率が1.
8/2.2よりも小さい表面層は黒鉛基体の表面から
1000μmまでの深さにあることが望ましい。金属
又は合金と黒鉛基体との接合強度面からみれば黒
鉛占有率の表面層の深さが深くとも差異ないが陽
極ターゲツトとしての回転破壊強度が低下するこ
とになる。 上記のような黒鉛占有率を有する表面層を得る
ための方法として例えば黒鉛は600℃で燃焼を開
始することから600℃以上の酸素を含む気体中で
加熱し、直ちに液体中に焼入れる方法が好適であ
る。この方法では黒鉛基体の表面の遊離微粉黒
鉛、揮発性成分等の不純物が焼失するために黒鉛
基体の表面層が黒鉛占有率の少ないものとなりま
た清浄かつ活性な黒鉛表面が得られる。 また黒鉛基体の表面は黒鉛表面粗さが1μm〜
1000μmとすることが望ましい。黒鉛表面粗さが
1μmよりも小さい場合黒鉛基体の表面層に金属
又は合金の侵入量が少なくなるために接着強度が
不十分であり、また黒鉛表面粗さが1000μm以上
となると陽極ターゲツトとしての回転破壊強度が
低下する虞れがある。特に黒鉛基体の黒鉛表面で
の黒鉛粒子の断面形状を円形又は楕円形に近似し
たときに粒子の大きさが直径で1〜30μmである
とき特に接合強度が高いものとなる。黒鉛基体の
表面粗さを所定の値にするための方法として、例
えば黒鉛基体の表面を機械研削、ヤスリ掛け、サ
ンドペーパー、シヨツトブラスト、ホーニング、
ブラスシング、湿式および乾式エツチング、レー
ザ照射等の手段によつて達成することができる。 上記のようにして表面層が所定の黒鉛占有率と
した黒鉛基体をW又はW合金と接合する方法とし
ては、ろう付方法が挙げられる。ろう材としては
Zr、Ti、Mo、WおよびRe等の従来公知のろう
材が使用できる。特にろう材としてはガス抜き時
及びターゲツト稼動温度以上で合金共晶組成を有
するろう材が好ましい。ろう付法によつて溶けた
ろう材は黒鉛基体の表面層に浸透する結果、表面
層に浸透したろう材が錨としての効果を有し接着
強度が極めて高いものとなる。また金属又は合金
と黒鉛基体とを接合する手段としてW又はW合金
を化学気相めつき法によつて直接黒鉛期体と接合
させることもできる。この場合化学気相めつきに
よるW又はW合金が黒鉛基体の表面層内に浸透す
る結果接着強度が極めて高いものとなる。 なお本発明において黒鉛基体の内部の黒鉛占有
率として1.8/2.2以上を望ましい例として説明し
たが、本発明において後記した第1表に例示され
た品種からなる黒鉛基体を用いることもできる。
第1表の黒鉛基体の品種内にはみかけ比重が1.8
以下のものも例示されており、従つてこの場合黒
鉛占有率は1.8/2.2よりも小さいものも例示され
ているが、このような黒鉛基体の表面層を上述し
た手段によつて表面層の黒鉛占有率を小さくする
ことにより黒鉛基体とW又はW合金等の金属又は
合金との接合強度を高めることができる。また第
1表において樹脂含浸タイプおよび金属含浸タイ
プの黒鉛基体も例示されているが、特に金属含浸
タイプの黒鉛基体の場合黒鉛基体の機械的強度が
高い点では有利であるが、ターゲツトの軽量化と
いう点からみかけ比重を調整する必要がある。 〔発明の実施例〕 実施例 1 別表の第1表の品名H−26の品種からなる黒鉛
基体としての黒鉛基板(30φ×50mm厚)をアセト
ン中で30分間洗浄し、次に真空中1600℃で1時間
から焼きし、揮発性物質を取り除いた。次にから
焼きした
製造法に係り、特にW又はW合金等の金属又は合
金と黒鉛基体とを接合するX線管回転陽極用複合
ターゲツトの製造法に関する。 〔従来技術〕 従来からX線管回転陽極用複合ターゲツトとし
てはWの単板が用いられてきた。その性能改善の
ためWにRe、Osなどの元素が少量加えらえてい
る。Wは高融点、高密度であるためにX線管ター
ゲツトとして優れているが、最近医療機器用のX
線CTの画像の鮮明化と撮影時間の短縮のため大
容量のものが要求されている。このためダーゲツ
トの構成としては、直径を大きくするとともに軽
量化する必要がある。この目的のために、ターゲ
ツトの電子衝撃面のみをW合金を用い、その裏面
の部分に比重の小さいMoおよびグラフアイトを
接着させたW−Re/グラフアイトおよびW−
Re/Mo/グラフアイトの複合ターゲツトが提案
されてきた。しかしながら、このような複合ター
ゲツトの製造に問題がある。すなわち、W合金と
Moとの複合体は金属同志のため強固な接着が可
能であるので問題はない。しかし、W合金および
Moとグラフアイトとの接着法に問題がある。従
来このような複合ターゲツトの接着には、まずグ
ラフアイト基体にろう材としてZr、Mo、Re、W
などを単独あるいは数種を用いる。これにエチル
セルロースなどの有機溶剤を加え、ペースト状に
して塗布したもを中間層として形成する。次いで
その上にW合金板をのせ、加圧しながら、高温に
加熱して接着する方法が採用されている。この従
来法では製造中に溶剤から水分や不純物が排出し
また酸化物が解離する。これがろう材を酸化して
基板とのぬれ性を阻害するため、健全な接合層を
形成することができないという問題がある。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、金属又は合金とグラフアイト
(黒鉛)との接合強度の高いX線管回転陽極用複
合ターゲツトの製造方法を提供することにある。 〔発明の概要〕 本発明者らはX線管回転陽極用複合ターゲツト
の製造法として、合金共晶組成を有するろう材を
用い、強制還元雰囲気又は炭素雰囲気内でX線管
使用時におけるターゲツト温度で、かつ接着層の
温度は1350℃以上になるような温度で加熱するこ
とによつて生じる発生期の炭素等により被接着金
属および合金の表面酸化物を還元し、活性な表面
および共晶組成を生成させ、グラフアイトと被接
着金属および合金間のすきまから毛細管現象によ
り溶けたろう材が浸透させる方法を既に出願し
た。この方法ではグラフアイトと被接着金属およ
び合金のぬれはよく、かつ極めて薄い接着層ある
いは中間層が形成される。しかし、この方法は黒
鉛基体の種類、特にその黒鉛のみかけ比重の違い
による黒鉛基体の違いによつて黒鉛基体と金属又
は合金とのろう付接合部の強度が十分でない場合
も生じる。 本発明は、黒鉛基体のみかけ比重等の特性の如
何にかかわらず黒鉛基体と金属又は合金との接合
強度を高くするX線管回転陽極用複合ターゲツト
の製造法であつて、黒鉛基体表面にターゲツトと
なる金属または合金層を形成するX線管回転陽極
用複合ターゲツトの製造法において、黒鉛基体を
その黒鉛の燃焼開始温度以上で酸素を含む気体中
で加熱し、黒鉛基体表面に付着している付着物を
焼失させた後、金属または合金層を形成させるこ
とを特徴とする。 また本発明の別のX線管回転陽極用複合ターゲ
ツトの製造法は、黒鉛基体表面にターゲツトとな
る金属または合金層を形成するX線管回転陽極用
複合ターゲツトの製造法において、黒鉛基体をそ
の黒鉛の燃焼開始温度以上で酸素を含む気体中で
加熱し、黒鉛基体表面に付着している付着物を焼
失させた後、加熱温度より液体中に投入して急冷
し、次いで金属または合金層を形成させることを
特徴とする。 以下本発明をさらに詳細に説明する。 本発明において黒鉛基体と接合される金属又は
合金は、W又はW合金をあげることができ、また
W合金としてW−Re、W−Os等をあげることが
できる。これらの金属又は合金と接合される黒鉛
基体は金属又は合金との接合面側の表面層が内部
層よりも黒鉛の占有率が小さくかつその表面層に
ろう材やW又はW合金等が侵入されている。黒鉛
基体の表面層の黒鉛占有率は1.8/2.2より小さい
ことが望ましく、また黒鉛比重の理論値は2.2で
あり、黒鉛基体の密度が第1図に示すように1.8
以上のとき黒鉛基体の破壊回転数が特に多くなる
ので、内部層の黒鉛占有率は1.8/2.2以上である
ことが望ましい。黒鉛基体の表面層の黒鉛占有率
が1.8/2.2よりも大きい場合、その表面層に侵入
するろう材等の比率が少なくなるためろう材等に
よる錨効果が少なくなり金属又は合金と黒鉛基板
との接合強度が不十分なものとなる。一方黒鉛基
体の内部層の黒鉛占有率が1.8/2.2よりも小さい
場合、陽極ターゲツトとしての回転破壊強度が低
下するために望ましくない。また黒鉛占有率が1.
8/2.2よりも小さい表面層は黒鉛基体の表面から
1000μmまでの深さにあることが望ましい。金属
又は合金と黒鉛基体との接合強度面からみれば黒
鉛占有率の表面層の深さが深くとも差異ないが陽
極ターゲツトとしての回転破壊強度が低下するこ
とになる。 上記のような黒鉛占有率を有する表面層を得る
ための方法として例えば黒鉛は600℃で燃焼を開
始することから600℃以上の酸素を含む気体中で
加熱し、直ちに液体中に焼入れる方法が好適であ
る。この方法では黒鉛基体の表面の遊離微粉黒
鉛、揮発性成分等の不純物が焼失するために黒鉛
基体の表面層が黒鉛占有率の少ないものとなりま
た清浄かつ活性な黒鉛表面が得られる。 また黒鉛基体の表面は黒鉛表面粗さが1μm〜
1000μmとすることが望ましい。黒鉛表面粗さが
1μmよりも小さい場合黒鉛基体の表面層に金属
又は合金の侵入量が少なくなるために接着強度が
不十分であり、また黒鉛表面粗さが1000μm以上
となると陽極ターゲツトとしての回転破壊強度が
低下する虞れがある。特に黒鉛基体の黒鉛表面で
の黒鉛粒子の断面形状を円形又は楕円形に近似し
たときに粒子の大きさが直径で1〜30μmである
とき特に接合強度が高いものとなる。黒鉛基体の
表面粗さを所定の値にするための方法として、例
えば黒鉛基体の表面を機械研削、ヤスリ掛け、サ
ンドペーパー、シヨツトブラスト、ホーニング、
ブラスシング、湿式および乾式エツチング、レー
ザ照射等の手段によつて達成することができる。 上記のようにして表面層が所定の黒鉛占有率と
した黒鉛基体をW又はW合金と接合する方法とし
ては、ろう付方法が挙げられる。ろう材としては
Zr、Ti、Mo、WおよびRe等の従来公知のろう
材が使用できる。特にろう材としてはガス抜き時
及びターゲツト稼動温度以上で合金共晶組成を有
するろう材が好ましい。ろう付法によつて溶けた
ろう材は黒鉛基体の表面層に浸透する結果、表面
層に浸透したろう材が錨としての効果を有し接着
強度が極めて高いものとなる。また金属又は合金
と黒鉛基体とを接合する手段としてW又はW合金
を化学気相めつき法によつて直接黒鉛期体と接合
させることもできる。この場合化学気相めつきに
よるW又はW合金が黒鉛基体の表面層内に浸透す
る結果接着強度が極めて高いものとなる。 なお本発明において黒鉛基体の内部の黒鉛占有
率として1.8/2.2以上を望ましい例として説明し
たが、本発明において後記した第1表に例示され
た品種からなる黒鉛基体を用いることもできる。
第1表の黒鉛基体の品種内にはみかけ比重が1.8
以下のものも例示されており、従つてこの場合黒
鉛占有率は1.8/2.2よりも小さいものも例示され
ているが、このような黒鉛基体の表面層を上述し
た手段によつて表面層の黒鉛占有率を小さくする
ことにより黒鉛基体とW又はW合金等の金属又は
合金との接合強度を高めることができる。また第
1表において樹脂含浸タイプおよび金属含浸タイ
プの黒鉛基体も例示されているが、特に金属含浸
タイプの黒鉛基体の場合黒鉛基体の機械的強度が
高い点では有利であるが、ターゲツトの軽量化と
いう点からみかけ比重を調整する必要がある。 〔発明の実施例〕 実施例 1 別表の第1表の品名H−26の品種からなる黒鉛
基体としての黒鉛基板(30φ×50mm厚)をアセト
ン中で30分間洗浄し、次に真空中1600℃で1時間
から焼きし、揮発性物質を取り除いた。次にから
焼きした
【表】
黒鉛基板を大気中1200℃で15分間加熱した後水中
に焼入れた。この焼入れによつて黒鉛基板表面層
のグラフアイト粉末が飛散した。これを大気中
300℃から400℃で乾燥した。この結果内部の黒鉛
占有率が2.0/2.2、表面から深さ900μmまでの表
面層の黒鉛占有率が1.6/2.2となつた黒鉛基板が
得られた。 次に第2図に示すように得られた黒鉛基板1お
よびW−Re合金2をセツトし、その間にZr−
31Moの溶製合金を入れて約5×10-5Torr真空中
で静圧を加えながら1600℃、10分間保持して接合
した。 実施例 2 別表の第1表の品名H−20の品種からなる黒鉛
基板(30φ×5mm厚)についても同様にしてアセ
トン洗浄後1600℃で30分間から焼きし、大気中
1000℃で25分間加熱し水中に焼入れ次いで乾燥し
た。この結果内部の黒鉛占有率が1.62/2.2表面か
ら深さ900μmまでの表面層の黒鉛占有率が1.42/
2.2となつた黒鉛基板が得られた。このようにし
て得られた黒鉛基板を実施例1同様にしてW−
Re合金と接合した。 実施例 3 別表の第2表のP−1からなる黒鉛基板(30φ
×50mm厚)についても実施例1と同様の方法で内
部と表面層の黒鉛占有率の異なる黒鉛基板を製造
し次いでW−Re合金とを接合させた。 実施例 4 別表の第1表の品名H−26の品種からなる黒鉛
基板(60φ×10mm厚)についても実施例1同様に
して内部と表面層の黒鉛占有率の異なる黒鉛基板
を製造し、次いでW−Re合金との接合を行なつ
た。 実施例 5 別表の第1表のH−26の品種からなる黒鉛基板
(60φ×10mm厚)について実施例1同様にして内
部と表面層の黒鉛占有率の異なる黒鉛基板を製造
した後その表面層にWの化学気相めつきを施し
た。 実施例1〜実施例5で得られた試料について剥
に焼入れた。この焼入れによつて黒鉛基板表面層
のグラフアイト粉末が飛散した。これを大気中
300℃から400℃で乾燥した。この結果内部の黒鉛
占有率が2.0/2.2、表面から深さ900μmまでの表
面層の黒鉛占有率が1.6/2.2となつた黒鉛基板が
得られた。 次に第2図に示すように得られた黒鉛基板1お
よびW−Re合金2をセツトし、その間にZr−
31Moの溶製合金を入れて約5×10-5Torr真空中
で静圧を加えながら1600℃、10分間保持して接合
した。 実施例 2 別表の第1表の品名H−20の品種からなる黒鉛
基板(30φ×5mm厚)についても同様にしてアセ
トン洗浄後1600℃で30分間から焼きし、大気中
1000℃で25分間加熱し水中に焼入れ次いで乾燥し
た。この結果内部の黒鉛占有率が1.62/2.2表面か
ら深さ900μmまでの表面層の黒鉛占有率が1.42/
2.2となつた黒鉛基板が得られた。このようにし
て得られた黒鉛基板を実施例1同様にしてW−
Re合金と接合した。 実施例 3 別表の第2表のP−1からなる黒鉛基板(30φ
×50mm厚)についても実施例1と同様の方法で内
部と表面層の黒鉛占有率の異なる黒鉛基板を製造
し次いでW−Re合金とを接合させた。 実施例 4 別表の第1表の品名H−26の品種からなる黒鉛
基板(60φ×10mm厚)についても実施例1同様に
して内部と表面層の黒鉛占有率の異なる黒鉛基板
を製造し、次いでW−Re合金との接合を行なつ
た。 実施例 5 別表の第1表のH−26の品種からなる黒鉛基板
(60φ×10mm厚)について実施例1同様にして内
部と表面層の黒鉛占有率の異なる黒鉛基板を製造
した後その表面層にWの化学気相めつきを施し
た。 実施例1〜実施例5で得られた試料について剥
以上のように本発明によれば、X線管回転陽極
用複合ターゲツトの製造法において、黒鉛基体を
その燃焼開始温度以上で酸素を含む気体中で加熱
するので、あるいは、黒鉛基体をその燃焼開始温
度以上で酸素を含む気体中で加熱し、その加熱温
度より液体中に投入して急冷するので、黒鉛基板
表面の遊離微粉黒鉛、揮発性成分等の不純物を焼
失させ、清浄で活性な表面が現われ接合性を良く
でき、かつ黒鉛内部層に比べて表面層の黒鉛占有
率を低くでき、この表面層にろう材又はWおよび
W合金等の金属又は合金が侵入するため強度的に
優れ、黒鉛基体の回転破壊強度も高いために大口
径の高性能ターゲツトとすることができる。
用複合ターゲツトの製造法において、黒鉛基体を
その燃焼開始温度以上で酸素を含む気体中で加熱
するので、あるいは、黒鉛基体をその燃焼開始温
度以上で酸素を含む気体中で加熱し、その加熱温
度より液体中に投入して急冷するので、黒鉛基板
表面の遊離微粉黒鉛、揮発性成分等の不純物を焼
失させ、清浄で活性な表面が現われ接合性を良く
でき、かつ黒鉛内部層に比べて表面層の黒鉛占有
率を低くでき、この表面層にろう材又はWおよび
W合金等の金属又は合金が侵入するため強度的に
優れ、黒鉛基体の回転破壊強度も高いために大口
径の高性能ターゲツトとすることができる。
第1図は黒鉛密度と破壊回転数との関係図、第
2図はX線管回転陽極用複合ターゲツトの断面を
示す説明図、第3図は本発明の実施例におけるタ
ーゲツトの断面組織を示す光学電顕写真、第4図
は比較例におけるターゲツトの断面組織を示す光
学電顕写真である。 1……黒鉛基板、2……金属部、3……ろう
材。
2図はX線管回転陽極用複合ターゲツトの断面を
示す説明図、第3図は本発明の実施例におけるタ
ーゲツトの断面組織を示す光学電顕写真、第4図
は比較例におけるターゲツトの断面組織を示す光
学電顕写真である。 1……黒鉛基板、2……金属部、3……ろう
材。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 黒鉛基体表面にターゲツトとなる金属または
合金層を形成するX線管回転陽極用複合ターゲツ
トの製造法において、前記黒鉛基体を該黒鉛の燃
焼開始温度以上で酸素を含む気体中で加熱し、前
記黒鉛基体表面に付着している付着物を焼失させ
た後、前記金属または合金層を形成させることを
特徴とするX線管回転陽極用複合ターゲツトの製
造法。 2 特許請求の範囲第1項において、前記黒鉛基
体の加熱後、表面層の黒鉛占有率が1.8/2.2より
小さく、内部のそれは1.8/2.2以上であることを
特徴とするX線管回転陽極用複合ターゲツトの製
造法。 3 特許請求の範囲第1項において、前記金属又
は合金と黒鉛基体とをろう材で接合することを特
徴とするX線管回転陽極用複合ターゲツトの製造
法。 4 特許請求の範囲第1項において、前記金属又
は合金が、W若しくはW合金、又はMoであるこ
とを特徴とするX線管回転陽極用複合ターゲツト
の製造法。 5 特許請求の範囲第1項において、前記合金が
W−Reであることを特徴とするX線管回転陽極
用複合ターゲツトの製造法。 6 特許請求の範囲第1項において、前記金属又
は合金を前記黒鉛基体上に化学気相めつきにより
形成することを特徴とするX線管回転陽極用複合
ターゲツトの製造法。 7 黒鉛基体表面にターゲツトとなる金属または
合金層を形成するX線管回転陽極用複合ターゲツ
トの製造法において、前記黒鉛基体を該黒鉛の燃
焼開始温度以上で酸素を含む気体中で加熱し、前
記黒鉛基体表面に付着している付着物を焼失させ
た後、前記加熱温度より液体中に投入して急冷
し、次いで前記金属または合金層を形成させるこ
とを特徴とするX線管回転陽極用複合ターゲツト
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8335083A JPS59207552A (ja) | 1983-05-12 | 1983-05-12 | X線管回転陽極用複合ターゲットの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8335083A JPS59207552A (ja) | 1983-05-12 | 1983-05-12 | X線管回転陽極用複合ターゲットの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59207552A JPS59207552A (ja) | 1984-11-24 |
JPH0480493B2 true JPH0480493B2 (ja) | 1992-12-18 |
Family
ID=13799982
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8335083A Granted JPS59207552A (ja) | 1983-05-12 | 1983-05-12 | X線管回転陽極用複合ターゲットの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59207552A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0731993B2 (ja) * | 1987-03-18 | 1995-04-10 | 株式会社日立製作所 | X線管用ターゲット及びそれを用いたx線管 |
AT391223B (de) * | 1987-08-03 | 1990-09-10 | Plansee Metallwerk | Verfahren zur herstellung einer drehanode fuer roentgenroehren |
FR2625033A1 (fr) * | 1987-12-22 | 1989-06-23 | Thomson Cgr | Procede de fabrication d'une anode de tube a rayons x et anode obtenue par ce procede |
US5204891A (en) * | 1991-10-30 | 1993-04-20 | General Electric Company | Focal track structures for X-ray anodes and method of preparation thereof |
US5148463A (en) * | 1991-11-04 | 1992-09-15 | General Electric Company | Adherent focal track structures for X-ray target anodes having diffusion barrier film therein and method of preparation thereof |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53102689A (en) * | 1977-02-18 | 1978-09-07 | Toshiba Corp | Manufacture for target for x-ray tube |
-
1983
- 1983-05-12 JP JP8335083A patent/JPS59207552A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53102689A (en) * | 1977-02-18 | 1978-09-07 | Toshiba Corp | Manufacture for target for x-ray tube |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59207552A (ja) | 1984-11-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5008918A (en) | Bonding materials and process for anode target in an x-ray tube | |
JP2004523093A (ja) | 炭素質サポートへのタングステンボディまたはモリブデンボディの反応ろう付け | |
JPS63162161A (ja) | 多重層にて被覆されたセラミック研摩粒子 | |
JP2004523093A5 (ja) | ||
US4978051A (en) | X-ray tube target | |
EP0273161B1 (en) | X-ray tube target | |
JPH06212389A (ja) | スプレーキャスト物品の結合部の構造的一体性を高める方法 | |
FR2984781A1 (fr) | Procede d'assemblage par brasage d'un substrat comprenant du pyrocarbone avec des pieces comprenant du pyrocarbone. | |
JPH05217532A (ja) | X線管陽極の焦点トラック構造とその製造法 | |
JPH0480493B2 (ja) | ||
EP1440045B1 (fr) | Procede de metallisation et/ou de brasage par un alliage de silicium de pieces en ceramique oxyde non mouillable par ledit alliage | |
US6428904B2 (en) | X-ray target | |
US5750202A (en) | Preparation of gold-coated molybdenum articles and articles prepared thereby | |
USH547H (en) | X-ray tube target | |
EP0249141A2 (en) | X-ray tube target | |
JPS59212188A (ja) | ろう材及びその使用 | |
EP0185598B1 (fr) | Anode tournante pour tube à rayons X | |
JPH0674193B2 (ja) | グラファイトのメタライズ方法及びこの方法を利用した部材 | |
JPH0771759B2 (ja) | X線ターゲット用ろう材及びx線管回転陽極用複合ターゲット | |
JPS6017063A (ja) | 高靭性セラミツクコ−テイング層およびその製造方法 | |
JPS5816298B2 (ja) | エツクスセンカンヨウロ−タリ− タ−ゲツトノセイゾウホウホウ | |
JPS61111979A (ja) | グラフアイトと高融点金属との接合材料の製造方法 | |
JPS617554A (ja) | X線管用回転ターゲットの製造方法 | |
JPH05295408A (ja) | 傾斜機能材料を用いた急冷凝固粉の製造方法 | |
JPH021329B2 (ja) |