JPH0514625B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は熱転写式または感熱式などによるライ
ン形記録装置に係り、特にその記録ヘツドのプラ
テンに対する投入、引外しの駆動を行なわせる記
録ヘツド駆動機構に関する。

従来技術 一般に、ライン形の熱転写式記録装置にあつて
は、ドツト構成による記録素子が主走査方向に１
ライン分配設された記録ヘツドとプラテンとの間
に記録紙とインクシートとを圧接しながら副走査
送りさせて各１ライン分の熱転写による記録を順
次行なわせるようにしている。

このような熱転写式記録装置では、記録紙の給
紙タイミングにしたがつて記録ヘツドをプラテン
に対して一定の加圧力をもつて投入させる記録ヘ
ツド駆動機構が設けられている。しかしてこのよ
うな記録ヘツド駆動機構は、周囲に種々の部品が
入り組んで設けられた狭いスペース内に組み込ま
れて記録ヘツドの投入、引外しを確実に行なわせ
なければならないものとなつている。

従来、この種の記録ヘツド駆動機構としては１
ライン分の記録容量をもつた記録ヘツドの全面が
プラテンに対して同時に接触するように加圧スプ
リングの伸張力により投入しており、そのため記
録ヘツド投入時にインクシートや記録紙に傾きを
生じたり、しわが発生したりしてしまつている。

以上のことは、記録ヘツドの投入、引外しを行
なわせる感熱式などの他のライン形の記録装置に
あつても同様に問題となつている。

目 的 本発明は以上の点を考慮してなされたもので、
狭いスペース内に占積率良く組み込まれて記録ヘ
ツドの投入、引外しを確実に行なわせることがで
きるとともに、特にインクシートや記録紙に傾き
やしわなどを生じさせることなく記録ヘツドの投
入を行なわせることができるようにした構造簡単
な記録ヘツド駆動機構を提供するものである。

構 成 本発明はその目的達成のため、記録ヘツドをプ
ラテン側に投入させる部材を記録ヘツドの長手方
向に傾動自在に設けるとともに、その両端にそれ
ぞれ加圧スプリングを並設し、記録ヘツド投入、
引外し時における押圧部材の支点を各加圧スプリ
ングとの力学的平衡点から偏位した位置に設けて
シーソー的に記録ヘツドの投入、引外しを行なわ
せるようにするものである。

以下、添付図面を参照して本発明の一実施例に
ついて詳述する。

本発明による記録ヘツド駆動機構にあつては、
第１図に示すように、ドツト構成による記録素子
が主走査方向に１ライン分配設された記録ヘツド
１が載置され、プラテン２に対する記録ヘツド１
の投入、引外しを行なわせる部材３と、その部材
３の下側に設けられた一端が固定側に取り付けら
れた加圧スプリング４，５と、前記部材３の下側
に形成された枠部３１と共働してその部材３を下
方に押し下げるカム６と、そのカム６により部材
３が押し下げられたときにその部材の一端を係止
するストツパ７とによつて構成されている。

前記部材３は加圧スプリング４，５により支持
されて図示しないガイドにしたがつて上下に移動
できるようになつているとともに、記録ヘツド１
の長手方向に傾動自在に設けられている。また、
各加圧スプリング４，５は、互いにその長さおよ
びバネ定数が等しく、記録ヘツド１の中心Ｏに対
して等距離Ｌとなる位置にそれぞれ設けられてい
る。さらに、部材３の枠部３１におけるカム６と
の共働点Ａが記録ヘツド１の中心Ｏから加圧スプ
リング４の方へΔLだけ偏位するように、カム６
が設置されている。なお、カム６は図示しないモ
ータにより駆動される回転軸８に取り付けられ、
記録装置のコントローラ（図示せず）の制御下に
おいてモータの駆動制御がなされて記録ヘツド１
の投入、引外しが適宜行なわれるようになつてい
る。

このように構成された本発明による記録ヘツド
駆動機構では、まず第１図に示す記録ヘツド１の
投入状態からその引き外しを行なわせる場合、カ
ム６が図中矢印で示す方向に回転すると、共働点
Ａにおいてカム６が部材３の枠部３１と接触して
部材３を加圧スプリング４，５に抗して下方に押
し下げていく。

その際、部材３のカム６との共働点Ａが各加圧
スプリング４，５との力学的平衡点Ｏから加圧ス
プリング４側に偏位した位置にあるために、部材
３は先ず加圧スプリング４側に傾倒しながら押し
下げられていき、その部材３の先端がストツパ７
に係止されたのち加圧スプリング５側が押し下げ
られて、最終的に第２図に示すような位置に記録
ヘツド１が引き外される。そのときカム６は、そ
の頂点で枠部３１と接触した状態で停止すること
になる。

次に第２図に示す記録ヘツド１の引外し状態か
らその投入を行なわせる場合、カム６が図示の状
態からさらに回転し、それに応じて加圧スプリン
グ４，５の伸張力により部材３を上方に押し上げ
ていく。

その際、前述のように部材３のカム６との共働
点Ａが偏位しているために、部材３は先ず加圧ス
プリング５側が押し上げられていき、その記録ヘ
ツド１の先端がプラテン２に係止されたのち加圧
スプリング４側が押し上げられて、最終的に第１
図に示すような位置に投入され、記録ヘツド１が
加圧スプリング４，５の加圧力をもつてプラテン
２と接触する。そのときカム６は、枠部３１から
離れた状態で停止することになる。

しかして、記録ヘツド１の投入時には記録ヘツ
ド１がその一端から順次プラテン２側に押しつけ
らていくために、インクシートや記録紙に傾きや
しわを生じさせたりすることなく記録ヘツド１の
投入を行なわせることができる。

効 果 以上、本発明による記録ヘツド駆動機構にあつ
ては、その構造が簡単でかつコンパクトであるた
めに狭いスペース内に占積率良く組み込まれて記
録ヘツドの投入、引外しを確実に行なわせること
ができ、特にインクシートや記録紙に傾きやしわ
などを生じさせることなく記録ヘツドの投入を行
なわせることができるという優れた利点を有して
いる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による記録ヘツド駆動機構の一
実施例における記録ヘツドの投入状態を示す正面
図、第２図は同実施例における記録ヘツドの引外
し状態を示す正面図である。 １……記録ヘツド、２……プラテン、３……記
録ヘツド駆動用部材、４，５……加圧スプリン
グ、６……カム、７……ストツパ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 記録ヘツドが載置され、プラテンに対する記
   録ヘツドの投入、引外しを行なわせる部材を記録
   ヘツドの長手方向に傾動自在に設けるとともに、
   その両端にそれぞれ加圧スプリングを並設し、記
   録ヘツドの投入、引外し時における押圧部材の支
   点を各加圧スプリングとの力学的平衡点から偏位
   した位置に設けるようにした記録ヘツド駆動機
   構。