JPH05146137A - モータの磁極板の構造並びにその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 モータの性能を、ステータ外観を変えること
なく行える磁極板構造を提供する。 【構成】 外ステータ２と内ステータ１２とに磁極歯係
合固定孔６を設け、別に塑性加工によって作られた磁極
歯本体３の頭部３ａを磁極歯係合固定孔６の小孔１０に
係着したモータの磁極板。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はモータ特にステッピング
モータの磁極板の構造並びにその製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より使用されているこの種のモータ
は外ステータと内ステータとよりなり、外ステータは外
周をカップ状又は円筒状に塑性加工し、その内周部に放
射状に打ち抜いてほぼ円筒状を形成するように垂直に折
曲した磁極歯群を具え、又内ステータは平面板に放射状
に打ち抜いてほぼ円筒状を形成するように垂直に折曲し
た磁極歯群を具え、この外ステータと、内ステータを磁
極歯群が対面交叉するように外ステータ内に内ステータ
を組みつけた構造である。図８は内ステータａの構成を
図示するもので、同（Ａ）の平板ｂに磁極歯ｃを放射状
に打ち抜いて、これらの磁極歯ｃを円筒状を形成するよ
うに垂直に折曲ｄしたものである。尚、外ステータは全
体がカップ状に形成されている以外は内ステータと同一
形状の磁極歯を具えているから、外ステータの図示及び
説明は省略する。

【０００３】

【発明の解決すべき課題】従来例のモータ磁極板は円筒
状体又は平面板に打ち抜きを施して外ステータ、内ステ
ータの磁極歯を構成するものであるから、磁極歯の長さ
は外ステータ、内ステータの円筒状体又は平面板のサイ
ズ特に外径に依存することになり、磁極歯の長いモータ
を得ようとすれば、外ステータ、内ステータの円筒状体
は平面板の径の大きいものを使用しなければならない。
従って外ステータ、内ステータの大きさをそのままにし
て、磁極歯の長さを変えるのには限界がある等の問題点
があった。その結果モータの性能を向上するために磁極
歯の長さを自由に変えることはできなかった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決するための手段すなわちモータの磁極板の構造並び
にその製造方法を提供する。先ず、モータ磁極板の構造
を述べれば、円筒状体の平面板４に磁極歯の係合固定孔
６を穿設した外ステータ２と平面板に外ステータと同形
の磁極歯係合固定孔６を穿設した内ステータ１２と頭部
３ａと折曲脚部３ｂを具えた磁極歯３とを有し、前記磁
極歯係合固定孔６の小孔１０へ磁極歯頭部３ａを係着し
てなるモータの磁極板の構造であり、磁極板は次の方法
により製造されたものである。すなわち、磁性材料を塑
性加工することにより円筒体を形成する工程と円筒体の
平面板４に磁極歯係合固定孔６を穿設する工程とにより
外ステータ２を形成し、磁性材料を打ち抜きにより平面
板を形成する工程とこの平面板に磁極歯係合固定孔６を
穿設する工程とにより内ステータ１２を作成し、平面磁
性材料を打ち抜き加工により磁極歯本体３を形成する工
程とこの磁極歯本体３を折曲して頭部３ａと折曲脚部３
ｂとを形成する工程とにより磁極歯を作成する工程と、
前記外ステータ２と内ステータ１２のそれぞれの磁極歯
係合固定孔６の小孔１０に磁極歯頭部３ａを係着する工
程とよりなるモータ磁極版の製造方法である。

【０００５】

【作用】円筒状外ステータの平面板に穿設した磁極歯係
合固定孔及び内ステータ平面板に穿設した磁極歯係合固
定孔にそれぞれに磁極歯の頭部を挿入係着して、外ステ
ータの磁極歯群と内ステータ磁極歯群とが対面交叉する
ように外ステータと内ステータを組み合わせる。

【０００６】

【実施例】以下添付図面を参照して、本発明の一実施例
を説明する。図１、図２は外ステータ２及び内ステータ
１２にそれぞれ磁極歯群３を組み付けた状態の完成図で
ある。図３、図４は外ステータ２、内ステータ１２と磁
極歯群３とが組立て以前の状態を示す斜視図である。先
ず第１に、外ステータ２を塑性加工等により一方向に開
口した円筒状体に形成し、この円筒状体の平面板４のほ
ぼ中心に打ち抜き加工等により磁極歯係合固定孔６を穿
設する。この磁極歯係合固定孔６は中心孔８とこれと連
設した複数の小孔１０を具えている。この小孔１０には
後述する磁極歯本体３の頭部３ａが係合可能である。磁
極歯本体３は一枚の平面磁性材料を用いてこれを打ち抜
き加工によって、図５に図示のように連続的に設けて、
各々を折曲して頭部３ａ、垂直脚部３ｂを形成して後切
断する。この頭部３ａは磁極歯係合固定孔６の中心孔８
に連設した小孔１０に係合可能である。前述のように製
作した磁極歯本体３を外ステータ２の磁極歯係合固定孔
６に組み付けた状態を図１に示す。磁極歯本体３の頭部
３ａは外ステータ２の平面板に穿設した磁極歯係合固定
孔６の小孔１０に係合固定されている。次に内ステータ
１２について説明する。先ず、平面材料を打ち抜き加工
等により作成した内ステータ１２の外径は前述の外ステ
ータ２の円筒状体の内径よりもやや小さく形成され、従
って内ステータ１２は外ステータ２内に収納可能であ
る。内ステータ１２の中心には外ステータ２と同一の方
法により同一数、同一形状の磁極歯係合固定孔６を設
け、中心孔８の外周に小孔１０を形成する。磁極歯本体
３を前述の外ステータ２と同様に内ステータ１２の磁極
歯係合固定孔６へ組み付ける。組み付けが完了した状態
を図２に示す。特に注目すべきは、形成される磁極歯本
体３の形状寸法である。すなわち、本発明に係る磁極歯
本体３の長さ特に垂直脚部３ｂの長さは打ち抜き、塑性
加工によって、外ステータ２、内ステータ１２の大きさ
に制約されることなく、所望の長さｌ、又はＬに形成で
きる（図６）。従って磁極歯本体３の脚部３ｂの長さを
所望の長さに設定することにより、モータの大きさつま
り外ステータ２、内ステータ１２の大きさは同一のまま
で、磁極歯本体３の脚部３ｂの長さを変えることによ
り、モータ自体の性能向上を計ることが可能となった。
図７（Ａ），（Ｂ）はステータの幅Ｗが同一で、磁極歯
本体３の脚部３ｂの長さが違うもの、つまり所望のｌ及
びＬで作られたステータの断面図である。磁極歯噛み合
い幅Ｐは、Ｐ＝２ｌ−Ｗ、Ｐ＝２Ｌ−Ｗで表され、磁極
歯の長さｌよりもＬの方が噛み合い幅Ｐは大となる。図
中符号１４はコイル、１６はコイル１４を巻回したボビ
ンである。

【０００７】

【効果】本発明においては、外ステータ、内ステータの
一部を折曲して磁極歯を形成するものでなく、外ステー
タ、内ステータとは別体に磁極歯を作成しておき、これ
らの磁極歯群を外ステータ、内ステータの係合固定孔に
挿入固定するものである。従って磁極歯の脚部の長さは
外ステータ、内ステータのサイズに制約されないので、
モータのサイズは同一であっても磁極歯の脚部の長さを
変えることが可能となり、モータ性能も変えることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る磁極板の外ステータの斜視図。

【図２】内ステータの斜視図。

【図３】本発明に係る磁極板の外ステータの分解斜視
図。

【図４】本発明に係る磁極板のうちステータの分解斜視
図。

【図５】打ち抜きにより連続的に形成した磁極歯の斜視
図。

【図６】長さの異なる磁極歯の斜視図。

【図７】図７（Ａ），（Ｂ）は本発明に係るステータ組
立て状態の断面図。

【図８】図８（Ａ），（Ｂ）は従来例の製作順序を示す
内ステータの斜視図。

【符号の説明】

２ 外ステータ ３ 磁極歯本体 ３ａ 頭部 ３ｂ 脚部 ４ 平面板 ６ 磁極歯係合固定孔 ８ 中心孔 １０ 小孔 １２ 内ステータ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状体の平面板に磁極歯の係合固定孔
   を穿設した外ステータと平面板に外ステータと同形の磁
   極歯係合固定孔を穿設した内ステータと頭部と折曲脚部
   を具えた磁極歯とを有し、前記磁極歯係合固定孔の小孔
   へ磁極歯頭部を係着してなるモータの磁極板の構造。
2. 【請求項２】 磁性材料を塑性加工することにより円筒
   体を形成する工程と円筒体の平面板に磁極歯係合固定孔
   を穿設する工程とにより外ステータを形成し、磁性材料
   を打ち抜きにより平面板を形成する工程とこの平面板に
   磁極歯係合固定孔を穿設する工程とにより内ステータを
   作成し、平面磁性材料を打ち抜き加工により磁極歯本体
   を形成する工程とこの磁極歯本体を折曲して頭部と折曲
   脚部とを形成する工程とにより磁極歯を作成する工程
   と、前記外ステータと内ステータのそれぞれの磁極歯係
   合固定孔の小孔に磁極歯頭部を係着する工程とよりなる
   モータ磁極板の製造方法。
3. 【請求項３】 磁極歯の材料又は外ステータ、内ステー
   タの材料として金属成形材料又は粉末治金材料を採用し
   たことを特徴とする請求項２記載のモータ磁極板の製造
   方法。
4. 【請求項４】 各磁極歯は、一枚の平板材料より打ち抜
   き加工により連続的に形成されて後、折曲、切断される
   ことを特徴とする請求項２記載のモータ磁極版の製造方
   法。