JPH05145108A - 光電変換装置の駆動方法 - Google Patents

光電変換装置の駆動方法

Info

Publication number
JPH05145108A
JPH05145108A JP3332785A JP33278591A JPH05145108A JP H05145108 A JPH05145108 A JP H05145108A JP 3332785 A JP3332785 A JP 3332785A JP 33278591 A JP33278591 A JP 33278591A JP H05145108 A JPH05145108 A JP H05145108A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoelectric conversion
conversion device
layer
voltage
band width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3332785A
Other languages
English (en)
Inventor
Ihachirou Gofuku
伊八郎 五福
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP3332785A priority Critical patent/JPH05145108A/ja
Priority to DE69231398T priority patent/DE69231398T2/de
Priority to EP92119795A priority patent/EP0543391B1/en
Publication of JPH05145108A publication Critical patent/JPH05145108A/ja
Priority to US08/352,688 priority patent/US5767560A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 傾斜バンドギャップの操り返し構造を有する
APDを搭載した光電変換装置において、S/N比を低
下させずにダイナミックレンジを大きく確保できる駆動
方法を提案する。 【構成】 傾斜バンドギャップ層912a〜912cを
含むキャリア増倍層912を有する光電変換装置におい
て、印加バイアスVV を、電流の増倍が飽和する電圧:
ionmax,単位電荷量:q,ニー特性を起こし始める光
量:IKnee,1画素の面積:A,電荷蓄積時間:ts
光電変換素子部の容量:CPD,及びスイッチ素子の蓄積
容量:CD とによって、 VV =Vionmax+q・k・IKnee・A・ts /(CPD
D ) …(1) で与えることを特徴とする光電変換装置の駆動方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光電変換装置の駆動方法
に関し、より詳細には電荷蓄積型動作を行なう光電変換
装置の出力飽和特性の改善を図る駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ファクシミリ、デジタル複写機、
イメージリーダー、或はビデオカメラなどの画像情報処
理装置の普及に伴って、フォトセンサを一次元に配列し
た長尺ラインセンサや、二次元に配列したエリアセンサ
が多用されている。これらに用いられる光電変換素子と
しては、CCDやBASIS(BAse Stored
Image Senser)、MOS型その他種々の形
態の固体撮像素子が一般的であるが、近年画像の高品位
化に従い素子のより高密度高集積化が進み、その結果画
素の開口率の低下、信号電荷転送系の雑音の増大などに
よりS/N比の確保が充分にできなくなってきた。これ
に対し球面レンズの利用や、アモルファスシリコンなど
の材料を用いた光電変換素子をCCDなどの上に積層す
る形態(特開昭49−91116ほか)などが開発さ
れ、入射光の有効利用が図られてきているが、転送系の
雑音に関しては依然大きな問題であった。
【0003】そこで、次に光信号を光電変換素子の内部
で増幅し、転送系の雑音を相対的に低くするという、ア
バランシェフォトダイオード(APD)利用が考案され
てきた(信学技報Vol.86 No.205 ’8
6)。APDは一般的には光通信の分野で広く用いられ
ており、数十倍から数百倍の出力増幅が可能である。こ
れよりAPDの撮像装置への応用が実現できれば、S/
N比の充分な向上が期待できるわけである。
【0004】しかしながら、ショットキー,PN,PI
Nなど、一般に撮像装置に用いられる光電変換素子と比
べて、APDはその駆動方法が大きく異なるために撮像
装置への本格的な応用が阻まれてきたのである。具体的
には通常光通信分野で用いられるAPDは、素子の2端
子間に高電圧を印加し、キャリアの電界加速によってア
バランシェ増倍を誘起するものであるため、数十から数
百ボルトという非常に大きな電圧を必要とし、固体撮像
素子の駆動電源としては異常なものになる。さらにアバ
ランジェ増倍は電界強度に強く依存するため、固体撮像
装置の一般的な駆動方法である電荷蓄積モードでの利用
を考えると、入力の光強度に対し直線的な出力が得られ
る領域が存在しない。このため電荷蓄積部分に付加容量
を設け、電荷蓄積に伴う電界強度の変化を抑えて入出力
の直線性の確保を図る(ITEJTechnical
Report Vol.11,No.28,pp67〜
72)という改良手段が考案されてきたが、厳密には出
力信号分の電圧変化に応じて入出力の直線性が損なわれ
るし、依然高電圧の電源を要するという問題は残された
ままである。
【0005】そこで、アバランシェ増倍を起こさせる領
域として傾斜型バンドギャップを組み合わせ、ヘテロ接
合部分でキャリア増倍の促進を図る構成(特開昭58−
157179など)が考案されている。この方法による
と、キャリアのイオン化に必要なエネルギーはヘテロ接
合部のエネルギー段差で与えられるため、電荷蓄積に伴
う電源電圧の変化によって増倍率が変動することはな
い。また増倍層に印加する電圧は各傾斜バンドギャップ
層を空乏化させる程度で良いので、具体的には各傾斜層
に1〜2Vで傾斜層の数だけの電圧を印加すれば良い。
例えば傾斜層が5段で各層2V印加とすると、合計10
Vの電圧で充分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような光電変換装置では、電荷蓄積動作において素子へ
の実効印加バイアスが変動しても、キャリア増倍率が変
化しないという、入出力の直線性が安定に得られること
を最優先しているため、印加バイアスなどの駆動条件に
よってはダイナミックレンジが低下することの補償はな
されていない。そのため高感度、広ダイナミックレンジ
の光電変換装置の実現のためには、上記APDにおい
て、印加バイアスの最適化を図った駆動方法の考案が必
要であった。以下、簡単に説明する。
【0007】図6は、素子構成として3段のキャリア増
倍部を持つ、従来のAPDのゼロバイアス時のエネルギ
ーバンド図(a)、及びキャリア増倍を起こすのに必要
なバイアスを印加した時のエネルギーバンド図(b)を
示すものであり、図6において、V0 はEg2 の材料の
電子親和力χ2 とEg3 の材料の電子親和力χ3 の差
(χ2 −χ3 )のエネルギーを表わし、VD はバイアス
印加時のヘテロ接合部の伝導帯の段差のエネルギー、E
ion はキャリアのイオン化エネルギーを示すものであ
り、VD =V0 ≧Eion の関係になっている。
【0008】また、図2(a)は、図6に示した従来
の、素子構成として3段のキャリア増倍部をもつAPD
の電流−電圧特性を示す。
【0009】図6の従来例では、キャリア増倍を行なう
傾斜バンドギャップ層間のヘテロ接合部におけるバンド
オフセットエネルギーが、ゼロバイアスの時点で最小バ
ンドギャップ部のイオン化エネルギーを越えるため、素
子へのバイアス印加が進むと、全ての傾斜バンドギャッ
プ層はほぼ同時に空乏化し、図2(a)のように空乏化
電圧Vdep を越えると、量子効率がほぼ8の値に相当す
る大きな電流が急激に流れ始める。
【0010】一方、図3(a)は、図6の従来の光電変
換素子を、電荷蓄積動作させたときの入出力の関係(実
線)を、量子効率1の素子の関係(破線)と比較したも
のである。これより、APDを搭載した素子では、感度
は上がっているが、飽和光量の低下が起こり、ダイナミ
ックレンジが縮小していることがわかる。
【0011】即ち、従来のように、高感度出力を安定に
得ることを優先するような光電変換素子とその駆動方法
の選定の仕方では、ダイナミックレンジの縮小を招くと
いう問題があった。
【0012】(発明の目的)本発明は、このような従来
の課題を解決するものであり、傾斜バンドギャップの操
り返し構造を有するAPDを搭載した光電変換装置にお
いて、S/N比を低下させずにダイナミックレンジを大
きく確保できるような、駆動条件を提案することを、目
的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するための手段として、電荷注入阻止層間に配置され
た所要の禁制帯幅Eg1 を有する光吸収層と、スイッチ
素子と接続するキャリア増倍層を含んで構成される光電
変換部を有し、かつ、上記キャリア増倍層が、最小禁制
帯幅Eg2 及び最大禁制帯幅Eg3 を交互に備え、かつ
両禁制帯の間でその禁制帯幅が連続的に変化するステッ
プバック構造になる少なくとも一層の層を有し、かつ少
なくとも上記最小禁制帯幅Eg2 を持つ層、または上記
最大禁制帯幅Eg3 を持つ層に、半導体型制御のための
不純物が添加されている光電変換装置の駆動方法におい
て、上記光電変換装置の印加バイアスVV として、 VV =Vionmax+q・k・IKnee・A・ts /(CPD+CD ) …(1) (ただし、 Vionmax:電流の増倍が飽和する電圧、
q:単位電荷量、k:増倍率 IKnee:ニー特性を起こし始める光量、A:1画素の面
積、ts :電荷蓄積時間、CPD:光電変換素子部の容
量、CD:スイッチ素子の蓄積容量とする。)を満足す
る電圧VV を印加して駆動することを特徴とする、光電
変換装置の駆動方法を提供するものであり、S/N比を
低下させずにダイナミックレンジを大きく確保できるよ
うな、駆動条件を提案する。
【0014】
【作用】本発明は、上述のような手段を用いることによ
って、傾斜バンドギャップの繰り返し構造を有するAP
Dを搭載した光電変換装置において、S/N比を低下さ
せずにダイナミックレンジを大きく確保できるような、
駆動条件の提案を実現する。以下、詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明の実施例の光電変換装置の
構成断面図(a)と、そのゼロバイアス時のエネルギー
バンド図(a)、及びキャリア増倍を起こすのに必要な
バイアスを印加した時のエネルギーバンド図(b)であ
る。
【0016】前述した、図6に示した従来例のエネルギ
ーバンド図に比較して、図1の本発明のエネルギーバン
ド図では、ヘテロ接合部に不純物ドーピングがなされて
いないため、バイアス印加によるエネルギー段差の増加
が無いという点が異なる点であり、これは、本発明の駆
動方法により得られる特徴となる点である。
【0017】また、図2(b)は、素子構成として図1
に示すように3段のキャリア増倍部をもつAPDの電流
−電圧特性を示す。図2に示されるように、本発明の光
電変換装置の駆動方法では、イオン化開始電圧1Vion1
を越える付近で、急激に量子効率2に相当する電流が流
れ始め、その後、Vion2,Vion3付近から量子効率4,
8に相当する電流が階段的に流れ出す。
【0018】また図3(b)は、本素子に前記Vion3
上のバイアスを印加して、蓄積動作を行なったときの入
出力の関係を示す。出力はある光量を越えると、入力に
対する傾きが変化し、電流電圧特性の段差に応じた数だ
け傾きが緩くなって、飽和に至るという変化を示す。上
記のような出力飽和特性は、いわゆるニー(Knee)
特性といわれるものと近似的にみなすことができ、本特
性を利用してダイナミックレンジの拡大を図ることがで
きる。即ち、対象とする光量域の境界を飽和特性の始ま
る点に重ねてやれば、ダイナミックレンジはニー特性を
持たない場合に比べて、増倍率と同程度だけ(本説明例
では、8倍程度)、拡大されることがわかる。
【0019】図4は、本発明に用いる光電変換装置の等
価回路の一例を示す図である。同図において、光電変換
素子PDで発生し、増倍された電荷は、PDの容量CPD
とスイッチMOSトランジスタ−TrH のソース部の接
合容量CD に分配して蓄積される。蓄積時間をts とす
ると、ある光量Iの光が入射したときの出力電圧ΔV
は、 ΔV=q・k・I・A・ts /(CPD+CD ) で与えられる。ここで、 q:単位電荷量 k:増倍率 A:PDの面積 である。
【0020】図3(b)において、ニー特性が始まる光
量(例えば、これをニー開始光量IKneeと呼ぶ)では、
3段のヘテロ増倍部を持つAPDの印加バイアスがちょ
うど図2(b)におけるVion3に一致すると考えれば良
い。
【0021】つまり、本光電変換素子に印加するビデオ
バイアスVV として、 VV =Vion3+q・k・IKnee・A・ts /(CPD+CD ) 即ち、一般にn段のヘテロ増倍部を持つAPDに対して
はn段の全てで増倍が起こるのに必要な電圧(電流の増
倍が飽和する電圧)をVionmaxとした場合、 VV =Vionmax+q・k・IKnee・A・ts /(CPD+CD ) …(1) (ただし、 Vionmax:電流の増倍が飽和する電圧、
q:単位電荷量、k:増倍率 IKnee:ニー特性を起こし始める光量、A:1画素の面
積、ts :電荷蓄積時間、CPD:光電変換素子部の容
量、CD:スイッチ素子の蓄積容量とする。)を設定す
れば、最適のダイナミックレンジと感度が得られること
となる。
【0022】これによって、高感度でかつ、ダイナミッ
クレンジの大きな光電変換装置を提供することが可能に
なる。
【0023】(実施態様例)以下、本発明の実施態様例
について説明する。
【0024】まず、本発明で用いる光電変換装置の基板
としては、絶縁性基板、半導体基板、金属基板などいず
れでも良く、基板上に形成する膜の堆積温度や処理のた
めの酸、アルカリ、溶剤などに耐性のあるものであれば
良い。例えば絶縁性基板では、ガラス、石英、セラミッ
クスおよびそれらの上にスイッチ素子、走査素子などを
形成したものが多く用いられる他、耐熱樹脂フィルムな
ども用いられる。また半導体基板ではスイッチ素子、ア
ンプ、走査素子など信号処理回路を作り込んだものが使
われるが、信号処理回路の代表的なものにはCCD,M
OS型、BBD,BASISなどがあり、いずれを用い
ても構わない。
【0025】次に電極膜としては、一方の側は光入射の
ために透光性電極が用いられるが、その種類としては数
10Å〜数100Åの膜厚の金属膜や、SnO2 ,IT
O,ZnO2 ,IrOx などの導電性金属酸化膜が用い
られる。またもう一方の側の電極膜としては、主として
金属膜が用いられるが、抵抗率、化学的性質など要求す
る条件に合せて選べば良い。
【0026】次に光導電性膜及びキャリア増倍層として
は、本発明に対しては価電子制御の可能な半導体が対象
となり、主としてテトラヘドラル系(IV族)の半導体
か、III −V族の化合物半導体が用いられる。IV族の半
導体には、Ge,Si,C、及びそれらの複合体である
SiGe,SiC,SiGeCと、さらにSiN,Si
O,SiSnなどがある。半導体の構造としては、i層
部(非ドープまたは微量ドープ層)に対しては結晶、多
結晶、微結晶、非晶質いずれでも良い。
【0027】ここで微結晶とは、非晶質中に数10〜数
100Åの結晶粒を含み、結晶化率が数10〜100%
近くまでになっている構造のことをいう。
【0028】価電子制御のために添加される不純物とし
ては、N型制御にはV族物質、P型制御にはIII 族の物
質が使われる。V族ではP,As,Sb,Bi、III 族
ではB,Al,Ga,In,Taのいずれを用いても良
い。多結晶または微結晶構造の高濃度不純物層の作成
は、主としてプラズマCVD法、光CVD法、熱CVD
法、uW−CVD法、LP−CVD法、常圧CVD法な
ど種々のCVD法や、スパッタ法などで行なわれるが、
その結晶粒径はパワー、基板温度、光量、圧力、ガスフ
ローレートなどの条件を選んで制御される(条件を決め
る際の結晶粒径の評価は、X線回折法のほかTEMなど
による直接観察法で行なわれる。)。
【0029】III −V族の半導体には、AlGaAsS
b,InAsSb,InGaAsSbや、InGaAl
Asや、InAsPSb,InGaAsSbや、AlG
aPなどがある。価電子制御にはN型制御にはVI族物
質、P型制御にはII族の物質が使われる。VI族ではS,
Se,Te,Po、II族ではBe,Mg,Ca,Sr,
Ba,Ra,Zn,Cd,Hgのいずれを用いても良
い。
【0030】ヘテロ接合部において、オフセットエネル
ギーの不足を補うため、電界集中を起こすための不純物
添加層については、膜厚と不純物添加量を以下のように
決めれば良い。
【0031】膜厚は、利用する材料について、増倍を行
なうキャリアの平均自由行程程度に決めてやれば良い。
またこれに応じて傾斜バンドギャップ層単層の膜厚も決
まり、ヘテロ接合部の不純物添加層膜厚の3倍以上にす
れば良く、望ましくは10〜20倍程度にすれば良い。
【0032】不純物添加量は、不純物層が完全空乏化し
たときにかかる電圧が、オフセットエネルギーの不足分
より大きくなるように決定される。即ち、不純物層が傾
斜バンドギャップ層の両端にある場合と一端にある場合
とで、以下のように決められる。
【0033】不純物層が傾斜バンドギャップ層の両端
にある場合は、 を満たすようなN1 、N2 の組み合わせになる。
【0034】上式において、添え字1,2はそれぞれワ
イドギャップ、ナロウギャップに対応するものであり、
また、ε1 ,ε2 は不純物層の誘電率、N1 ,N2 は不
純物濃度、χ1 ,χ2 は不純物層の電子親和力、Eion
はキャリアのイオン化エネルギー、d1 ,d2 は不純物
層の膜厚である。ただし上式は電子電流の場合であり、
正孔電流の場合は、 である。なお、Eg1 ,Eg2 は不純物層のバンドギャ
ップである。
【0035】不純物層が傾斜バンドギャップ層の一端
にある場合は、 で決められる。上式において、εは不純物層の誘電率、
Nは不純物濃度、dは不純物層の膜厚である。ただし上
式は電子電流の場合であり、正孔電流の場合は、 である。
【0036】以上のようにして製作された光電変換装置
から、その印加バイアス電圧VV を求めるため、前述し
た各パラメータ、Vionmax:電流の増倍が飽和する電
圧、q:単位電荷量、IKnee:ニー特性を起こし始める
光量、A:1画素の面積、ts :電荷蓄積時間、k:増
倍率 CPD:光電変換素子部の容量、CD :スイッチ素子の蓄
積容量を求め、 VV =Vionmax+q・k・IKnee・A・ts /(CPD+CD ) …(1) を満足する電圧VV を印加して駆動することにより、従
来より低電圧で光電変換装置を駆動することができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明していく。
【0038】図1は、本発明の実施例の光電変換装置の
構成断面図(a)と、そのゼロバイアス時のエネルギー
バンド図(a)、及びキャリア増倍を起こすのに必要な
バイアスを印加した時のエネルギーバンド図(b)であ
る。
【0039】また、図5は本発明の光電変換装置の製作
工程断面図である。以下、工程に従って、本実施例で用
いる光電変換装置について説明していく。
【0040】先ず、通常のMOSプロセス技術により、
MOSトランジスタで構成した、走査用IC基板を製作
する(a)。
【0041】続いて光電変換素子を積層形成するため
に、基板表面平坦化の工程を行なう。これにはまず、工
程(a)で引き出し電極908を形成したあと、SiO
2 膜909を8000Å堆積し、さらに通常のフォトレ
ジストをスピンコートして表面を平坦な形状とする。そ
の後、RIEでエッチバックして、平坦性を保ったまま
電極908の頂部を露出させる(b)。
【0042】このあと、通常のスパッタ法により、Cr
を2000Å堆積し、続いて通常のフォトリソ工程によ
って所望の形状にして、画素電極910を形成する
(c)。
【0043】その後、試料を容量結合型プラズマCVD
装置内にセットし、SiH4 ガスを6SCCM、GeH
4 ガス流量を54SCCM、H2 ガスで10%に希釈さ
れたPH3 ガスを20SCCM前記装置内に導入し、ガ
スの全圧0.2Torrで約5.5分高周波放電を行な
い、a−SiGe:Hのn型高濃度不純物層よりなるホ
ールブロッキング層911を約1000Åの厚さに堆積
した。このとき、基板温度は300℃、放電パワー密度
は約0.2W/cm2 であった。
【0044】引き続き前記CVD装置において、SiH
4 ガスを60SCCMから6SCCMへ、GeH4 ガス
を0SCCMから54SCCMに、連続的に変化させ、
基板温度300℃、ガスの全圧0.2Torr、高周波
パワー密度約0.5W/cm2 の条件で、2.8分間高
周波放電を行ないa−SiGe:Hの傾斜バンドギャッ
プ層912aを約500Åの厚さに堆積した(堆積プロ
セス1)。
【0045】つぎに、前記CVD装置において、SiH
4 ガスを24SCCM、CH4 ガスを36SCCM、H
2 ガスで10%に希釈されたB26 ガスを6SCCM
導入し、基板温度300℃、ガスの全圧0.3Tor
r、高周波パワー密度約0.2W/cm2 の条件で、5
6秒間高周波放電を行ないa−SiC:Hのp型層91
2bを約100Åの厚さに堆積した。(堆積プロセス
2) 引き続き前記CVD装置において、SiH4 ガス流量を
24SCCMから60SCCMへ、CH4 ガス流量を3
6SCCMから0SCCMへ漸時変化させ、基板温度3
00℃、ガスの全圧0.3Torr、高周波パワー密度
約0.2W/cm2 の条件で約4.7分間かけて放電を
行ない、a−SiC:Hの傾斜バンドギャップ層912
cを約500Åの厚さに堆積した(堆積プロセス3)。
【0046】このあと、堆積プロセス1〜3を2回繰り
返し、傾斜バンドギャップ層を合計3層形成する。
【0047】続いて前記CVD装置でSiH4 ガス流量
を30SCCM、H2 ガス流量を30SCCMに設定
し、基板温度300℃、ガスの全圧0.3Torr、高
周波パワー密度約0.2W/cm2 の条件で約75分間
放電を行ない、厚さ約8000Åの光吸収層913を形
成した。引き続きSiH4 ガス流量を24SCCM、H
2 ガスで10%に希釈されたB26 ガスを20SCC
M、CH4 ガス流量を36SCCM導入し、他の堆積条
件は堆積プロセス2と同一にして約5分間放電を行ない
厚さ約500Åのブロッキング層914を形成した
(d)。
【0048】その後、半導体層911〜914を所望の
形状にパターニングして、素子のアイソレーションを行
なった。(e)。
【0049】ついで、試料を別の容量結合型プラズマC
VD装置にセットし、H2 ガスで10%に希釈されたS
iH4 ガスを10SCCM、99.99%のNH3 ガス
を100SCCM導入し、基板温度300℃、ガスの全
圧0.4Torr、高周波パワー密度約0.01W/c
2 の条件で約60分間放電を行ない、厚さ約3000
ÅのSiHx膜による保護層915を形成した。この
後、保護層915にスルーホールを開け、スパッタ法に
より厚さ700ÅのITO膜916を形成し、光電変換
装置とした(f)。
【0050】次に、本発明の駆動方法を実施するため、
前述した上記光電変換装置の印加バイアスVV を求める
関係式、 VV =Vionmax+q・k・IKnee・A・ts /(CPD+CD ) …(1) (ただし、 Vionmax:電流の増倍が飽和する電圧、
q:単位電荷量、k:増倍率 IKnee:ニー特性を起こし始める光量、A:1画素の面
積、ts :電荷蓄積時間、CPD:光電変換素子部の容
量、CD:スイッチ素子の蓄積容量とする。)に、本実
施例の場合の各パラメータ、 A=102 μm=10-6cm2 ,Iknee=3×1014cm-2・sec-1 k=8,tS =1.3×10-4sec,Vionmax=24,Cpd=εA/d(ε =12×8.85×10-14 F・cm-1,d=10-4cm),CD <<CPD, をあてはめたところ、 となり、電圧V として30Vを得た。
【0051】そこで、上記のプロセスにて形成された光
電変換装置に、印加バイアス電圧(ビデオ電圧)VV
して30Vを印加したところ、前記光電変換装置の表面
照度が約300ルックスとなるあたりで出力にニー特性
が見られはじめ、約2000ルックスで飽和し、約95
dBのダイナミックレンジが得られた。
【0052】また、感度は通常のPN、PIN、ショッ
トキーなどの素子を用いたときの8倍であり、高感度、
広ダイナミックレンジの動作が確認された。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
傾斜バンドギャップ層の繰り返し構造を有する光電変換
素子の印加電圧VV として、 VV =Vionmax+q・k・IKnee・A・ts /(CPD+CD ) …(1) を満足する電圧VV を印加する駆動方法により、S/N
比を低下させずにダイナミックレンジを大きく確保でき
るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の光電変換装置の概略構造断面
図(a)、及びそのゼロバイアス時のエネルギーバンド
図(b)、及びキャリア増倍を起こすのに必要なバイア
スを印加した時のエネルギーバンド図(c)である。
【図2】従来例(a)と本実施例(b)の電流−電圧特
性を比較した図である。
【図3】従来例(a)と本実施例(b)の電荷蓄積動作
を行なった際の入出力特性を示す図である。
【図4】本発明の駆動方法を実施した光電変換装置の等
価回路を示す。
【図5】本発明に用いた光電変換装置の製造工程を示す
断面工程図である。
【図6】従来例の光電変換素子のゼロバイアス時のエネ
ルギーバンド図(a)、及びキャリア増倍を起こすのに
必要なバイアスを印加した時のエネルギーバンド図
(b)である。
【符号の説明】
900 基板 901 画素分離領域(p+ 型不純物打ち込み部) 902 スイッチMOSソース、ドレイン(n+ 型不
純物打ち込み部) 903 ゲート絶縁膜 904 ゲート電極 905 層間絶縁膜 906 信号転送電極 907 層間絶縁膜 908 読み出し電極 909 平坦化層 910 画素電極 911 ホールブロッキング層 912 増倍層ユニット 913 光吸収層 914 電子ブロッキング層 915 パッシベーション層 916 上部電極(透明電極)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 5/335 E 8838−5C 8422−4M H01L 31/10 B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電荷注入阻止層間に配置された所要の禁
    制帯幅Eg1 を有する光吸収層と、スイッチ素子と接続
    するキャリア増倍層を含んで構成される光電変換部を有
    し、 かつ、上記キャリア増倍層が、最小禁制帯幅Eg2 及び
    最大禁制帯幅Eg3 を交互に備え、かつ両禁制帯の間で
    その禁制帯幅が連続的に変化するステップバック構造に
    なる少なくとも一層の層を有し、 かつ少なくとも上記最小禁制帯幅Eg2 を持つ層、また
    は上記最大禁制帯幅Eg3 を持つ層に、半導体型制御の
    ための不純物が添加されている光電変換装置の駆動方法
    において、 上記光電変換装置の印加バイアスVV として、 VV =Vionmax+q・k・IKnee・A・ts /(CPD+CD ) …(1) (ただし、 Vionmax:電流の増倍が飽和する電圧、 q:単位電荷量、 k:増倍率 IKnee:ニー特性を起こし始める光量、 A:1画素の面積、 ts :電荷蓄積時間、 CPD:光電変換素子部の容量、 CD :スイッチ素子の蓄積容量とする。)を満足する電
    圧VVを印加して駆動することを特徴とする、光電変換
    装置の駆動方法。
JP3332785A 1991-11-22 1991-11-22 光電変換装置の駆動方法 Pending JPH05145108A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3332785A JPH05145108A (ja) 1991-11-22 1991-11-22 光電変換装置の駆動方法
DE69231398T DE69231398T2 (de) 1991-11-22 1992-11-20 Photoelektrischer Wandler und Steuerverfahren dafür
EP92119795A EP0543391B1 (en) 1991-11-22 1992-11-20 Photoelectric conversion device and method of driving the same
US08/352,688 US5767560A (en) 1991-11-22 1994-11-30 Photoelectric conversion device and method of driving the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3332785A JPH05145108A (ja) 1991-11-22 1991-11-22 光電変換装置の駆動方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05145108A true JPH05145108A (ja) 1993-06-11

Family

ID=18258794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3332785A Pending JPH05145108A (ja) 1991-11-22 1991-11-22 光電変換装置の駆動方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05145108A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004079311A1 (ja) * 2003-03-07 2006-06-08 富士通株式会社 電磁放射線センサ及びその製造方法
WO2013094945A1 (en) * 2011-12-18 2013-06-27 Lg Innotek Co., Ltd. Solar cell apparatus and method of fabricating the same
JP2015156493A (ja) * 2011-05-31 2015-08-27 キヤノン株式会社 検出装置の製造方法、その検出装置及び検出システム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004079311A1 (ja) * 2003-03-07 2006-06-08 富士通株式会社 電磁放射線センサ及びその製造方法
US7365327B2 (en) 2003-03-07 2008-04-29 Fujitsu Limited Electromagnetic radiation sensor and method for fabricating the same
JP2015156493A (ja) * 2011-05-31 2015-08-27 キヤノン株式会社 検出装置の製造方法、その検出装置及び検出システム
WO2013094945A1 (en) * 2011-12-18 2013-06-27 Lg Innotek Co., Ltd. Solar cell apparatus and method of fabricating the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6943051B2 (en) Method of fabricating heterojunction photodiodes integrated with CMOS
US20040046194A1 (en) Light-receiving element and photoelectric conversion device
JPH06151801A (ja) 光電変換装置及び光電変換装置の製造方法
US5084747A (en) Photoelectric conversion device having cells of different spectral sensitivities
JPH05198787A (ja) 固体撮像装置及びその製造方法
JPH07115184A (ja) 積層型固体撮像装置及びその製造方法
US4523214A (en) Solid state image pickup device utilizing microcrystalline and amorphous silicon
US7875491B2 (en) CMOS image sensors and methods of manufacturing the same
US5767560A (en) Photoelectric conversion device and method of driving the same
JPH0217992B2 (ja)
TWI416716B (zh) 固態影像裝置,其製造方法,及攝像設備
US5600152A (en) Photoelectric conversion device and its manufacturing method
JPH04261071A (ja) 光電変換装置
JPH05145108A (ja) 光電変換装置の駆動方法
JPH05145110A (ja) 光電変換装置及びその駆動方法
JP2528191B2 (ja) 赤外線放射検出装置
JPH05145109A (ja) 光電変換装置及びその駆動方法
Chikamura et al. A high-sensitivity solid-state image sensor using a thin-film ZnSe-Zn 1-x Cd x Te heterojunction photosensor
JPS6341227B2 (ja)
JPH07335936A (ja) 光電変換装置
JPH0982933A (ja) 固体撮像装置およびその製造方法
JPH038115B2 (ja)
JP4639502B2 (ja) 半導体装置の製造方法および固体撮像装置の選別方法
JPH09102627A (ja) 光電変換装置
JPH04261070A (ja) 光電変換装置