JPH05144748A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JPH05144748A
JPH05144748A JP3333923A JP33392391A JPH05144748A JP H05144748 A JPH05144748 A JP H05144748A JP 3333923 A JP3333923 A JP 3333923A JP 33392391 A JP33392391 A JP 33392391A JP H05144748 A JPH05144748 A JP H05144748A
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光範 坂間
Mitsuhiro Ichijo
充弘 一條
Hisashi Abe
寿 阿部
Shunpei Yamazaki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】装置専有面積の小さい、多量処理可能なプラズ
マ処理装置において、安定なプラズマ放電を実現した新
規なプラズマ処理装置を提案する。 【構成】反応室内の放電領域内が基板、サセプターおよ
びコンテナにより囲まれた陽光柱型のプラズマ放電にお
いて、プラズマ放電にさらされる部分の表面の電位をフ
ローティングとすることにより、均一で安定なプラズマ
放電を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は新規なコンテナまたは基板
支持体(サセプター)構造を持つ陽光柱型プラズマ処理
装置に関する。
【0002】
【従来技術】プラズマ処理法とは、特定の物質に電磁波
等のエネルギーを加えてプラズマ化して活性の強いラジ
カルとし、当該ラジカルを基体に接触させ基体上へ膜を
形成させたり、基体表面の材料のエッチング、アッシン
グ等のプラズマ処理を行う方法をいい、プラズマ処理装
置とはこの処理を施す装置全般をいう。このようなプラ
ズマ処理装置は、プラズマ生成用の原料ガスの導入手段
と排気手段を備えた真空容器であるプラズマ処理室、当
該プラズマ処理室に導入された原料ガスをプラズマ化す
るための電磁波等のエネルギー供給手段、被プラズマ処
理基体及びその支持手段、そして必要に応じてこの基体
を温めるための加熱手段を備えている。
【0003】ところで、このようなプラズマ処理はラジ
カルの活性に依存するところが多く当該ラジカルを発生
するプラズマ放電の状態や生成されたラジカルの密度分
布により、被処理基体におけるプラズマ処理の程度が大
きく変化する。大面積にわたって均一なプラズマ処理を
する上で必要なことは、ラジカルを大面積にわたって均
一で且つ多量に生成するようなプラズマ放電の状態を選
択することである。この原料ガスをプラズマ化するため
の電磁波エネルギーとしては13.56MHzの高周
波、マイクロ波、直流あるいは低周波の電磁波エネルギ
ーが使用され通常は高周波によるプラズマ放電がよく使
用される。
【0004】このようなプラズマ放電において、その形
式として、誘導結合型と容量結合型がある、誘導結合型
はいわゆる無極放電と呼ばれるもので、容量結合型は平
行平板電極型が良く知られている。この平行平板電極型
のプラズマ処理装置の一例としてプラズマCVD装置の
概略図を図2に示す。このように、一対の平行平板電極
(100)、(101)が反応室(106)内に設けら
れ各々は高周波電源(102)に接続されている。被処
理基体(103)は通常は一方の電極上に載置され、こ
の基体はヒーター等の加熱手段(104)によって加熱
されている。
【0005】反応用のガスはガス導入口(105)より
反応室内に導入された後、電極に供給された高周波電力
により分解活性化され、基体(103)上に膜形成され
る。この基体上に均一なプラズマ処理(被膜形成)を行
うには均一なプラズマ放電を実現する必要がある。図2
のようにこの均一性を補う為に基体を載置した電極を回
転する場合もあるが装置が複雑化したり、大型化する欠
点がる。また、一般にプラズマ処理の際にはその被処理
基体を平行平板電極の陰極(カソード)または陽極(ア
ノード)上またはこれらの近傍に発生する陰極暗部また
は陽極暗部に配設するのが通常であった。このため、電
極の寸法より被処理面を大きくすることができなかっ
た。
【0006】ところで、半導体素子や電子機器部品等の
製造技術において、プラズマCVD、プラズマエッチン
グ等の技術が広く実用化されており、量産化のためのこ
れら装置も多数提案されている。近年、半導体素子の基
板ウエファーの大口径化や基板寸法の大型化が著しくな
ってきている。特に、液晶電気光学装置のスイッチング
素子として、薄膜トランジスタを形成したアクティブマ
トリクス型液晶電気光学装置の場合、その大型化は著し
く、対角で15〜20インチのサイズの基板上に薄膜ト
ランジスタ用の半導体被膜を形成したり、エッチング処
理を行う必要が生じてきた。あわせて、製造コストを下
げる目的で処理時間の短縮化が望まれており、処理装置
のスループットの向上や多量の基板処理が可能な装置が
必要とされてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような要望に答え
るために、プラズマ処理装置の大型化がはかられている
例えばその一例として、図2に示すような装置の電極の
寸法を拡大することが行われる。すなわち、図2のよう
な装置の場合、基板を直接電極上に設置する為、処理能
力の向上の為には電極の大面積化が最も簡単な手法であ
る。このような平行平板型のプラズマ処理装置の場合、
電極寸法を拡大することはそのまま装置寸法の拡大につ
ながり、少ない床面積の装置で大型基体の処理を望むユ
ーザーにとっては問題となっていた。
【0008】加えて、電極面積が増加することによっ
て、被処理基体表面に接するプラズマの密度が不均一
(放電の状態が不均一)となってしまい、均一なプラズ
マ処理を施せないという問題が生じていた。このような
問題を解決する一つの手段として、反応室内に複数の平
行平板電極対を設けこの電極上に被処理基体を設ける方
法が提案されているが、装置構造が複雑化する問題が発
生する。さらに、この方法によっても、大面積化された
ことによるプラズマ放電の不均一さが残り、均一なプラ
ズマ処理が行えない状況にあった。
【0009】また、別の方式として、一対の基板間に基
板を複数枚一定の間隔をおいて設置し、プラズマ処理を
施す方法が提案されている。すなわち、この方法はプラ
ズマグロー放電の陽光柱領域を利用し、この陽光柱領域
内に複数の被処理基体を配置してプラズマ処理を行うこ
とを基本思想としている。この陽光柱を利用したプラズ
マCVD法としては本出願人の出願による特開昭59−
59834、59−59835に記載されている。この
方式を図3に示す。図にあるように一対の電極(10
0)(101)間に複数の基板(103)が基板サセプ
ター(110)によって載置されている。また、このサ
セプターはコンテナ(113)と同体または一体物とし
て設けられ、このコンテナを反応室より出し入れするこ
とにより、基板のハンドリングを行う。この図において
は簡略化の為、プラズマ放電の領域付近のみ記載してい
る。この方式ではプラズマの陽光柱を有効的に利用する
ために電極周辺に電極シールド(111)(112)を
設け、この電極シールドとコンテナ(113)の外周壁
とで反応領域を限定し、この領域外で放電が生じないよ
うにプラズマを閉じ込めている。
【0010】このような方式の場合、プラズマ処理能力
の向上と装置専有容積の縮小を行うには、基板と基板の
間隔を詰めることや基板サセプターと電極の間隔とを極
力狭くすることが考えられる。しかしながら、従来の方
式の場合、これらの間隔を狭めることにより、プラズマ
放電が不安定になり、放電が消滅あるいは不均一とな
り、均一なプラズマ処理が行えなくなってしまう問題が
あった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の如き問題
を解決するものであり、大型の被処理基体を短い処理時
間で処理可能であり、かつ均一なプラズマ処理が行える
プラズマ処理装置の新規な構造を提案するものである。
さらに、プラズマ処理を行う領域を限られた電極暗部の
面で行うのではなく陽光柱領域という空間でプラズマ処
理を行ない、この空間中に複数の被処理基体を配設し、
このプラズマ空間を複数の個別のプラズマ処理空間に分
割し、この個別の処理空間でのプラズマの状態を均一に
し、かつ各々の個別空間でプラズマ状態に差が生じない
ようにすることで、多量の処理と大面積の基体の処理を
可能とするものである。
【0012】以下に図1の概略図を本発明一例として記
載し、この図に従って説明を行う。図1は概略図であ
り、反応室内のプラズマ放電領域周辺部分のみを記載し
ている。本発明のプラズマ処理装置の放電領域は電極シ
ールド(1)(2)とコンテナ(3)の外周壁とによっ
て囲まれた空間(4)に限定されており、このうち、電
極シールドは電極と他の部分との放電(寄生放電)を防
止するために、直近に設置され且つその電位は設置され
ている。また、基板サセプター(5)はその表面電位が
浮いた状態(フローティング)にされている。このよう
にすることにより、サセプター(5)または基板(6)
によって個別に分割された放電空間(図1の場合は6つ
に分割されている)におけるプラズマが接する雰囲気は
一対の電極以外は基本的にフローティングな状態を実現
でき、これによって、均一な放電を実現でき、均一なプ
ラズマ処理が可能となったものである。
【0013】このサセプター(5)の表面電位をフロー
ティング状態とする手段の例としては図4(B)にその
コンテナあるいはサセプタに使用する材料の概略断面図
を示したように、コンテナ(3)および(基板サセプタ
ー(5)を同一材料で製作する場合、その外周全域にわ
たって、使用するプラズマ放電用電力に対して絶縁性の
ある材料を形成あるいはコーティングすることによって
可能である。具体的な材料としては、金属材料例えばア
ルミニウムニッケル等あるいはこれらの合金材料等を母
材(20)としてコンテナおよび基板サセプターを作成
しその表面に当該金属材料の酸化膜、窒化膜等の絶縁膜
あるいはその他の材料の絶縁膜(19)をプラズマ酸
化、プラズマ窒化、陽極酸化、プラズマ溶射等の技術に
より、形成することでサセプター表面の電位をフローテ
ィングにするコンテナまたはサセプターを提供すること
ができる。
【0014】また、このような絶縁材料がその表面に設
けられた材料によりコンテナおよびサセプターを作成す
るのではなく、通常の金属材料により、コンテナおよび
基板サセプターを製作し、この際にコンテナを二重構造
として、外側のコンテナと内側のサセプターを含むコン
テナとを電気的に絶縁して、フローティングなサセプタ
ーを実現することも可能である。この構造の概略図を図
4(A)に示す。この図はコンテナを上面からみた状態
の概略図であり、図にあるように外側のコンテナ(1
5)の内側にサセプター(18)を含んだ内側コンテナ
ー(16)が絶縁材料(17)を介して一定の間隔をあ
けて設けられている。反応容器内の所定の場所に当該コ
ンテナを設置するには外側のコンテナのみを支持して反
応室内に設置する。これにより、内側のコンテナおよび
サセプターはフローティングとすることが可能となる。
【0015】このように、基板を支持するサセプターお
よびコンテナの周辺壁等、プラズマ雰囲気に曝される部
分が絶縁表面を持っていれば、基板の保持間隔や電極と
サセプター間隔とのを狭めても、安定な放電および均一
なプラズマ処理を行うことが可能となる。即ち、図3に
示すような従来の陽光柱型プラズマ処理装置の場合、基
板保持間隔および電極とサセプター間隔とが狭くなる
と、電極(100)から電極(101)の間で、電流が
流れる通路として、サセプターおよび基板表面となる。
この様子を図3の波線(115)に示す。このため、放
電開始時にプラズマ放電が観察されていて、電力入射に
対して反射がない状態で、プラズマ放電が停止しても、
反射電力が観察されない。本発明はこのこような電流の
通路を存在させないことにより、安定で、均一な大面積
のプラズマ放電を実現するものである。
【0016】そのため、プラズマ放電雰囲気が接するコ
ンテナ壁やサセプターをフローティングにする、あるい
は絶縁表面とすることにより、このようなプラズマ発生
の為に投入された電力の通路を絶ち、安定な放電を実現
するものである。以下に、実施例を示し本発明を説明す
る。
【0017】
【実施例】『実施例1』本実施例では図1に示すような
放電領域の構造を陽光柱型のプラズマCVD装置に応用
した例を示す。図5にその概略図を示す。図にあるよう
に基板搬入室(21)、第1の反応室(22)、第2の
反応室(23)および基板取り出し室(24)が各々仕
切り弁(26)(27)(28)を挟んで連続して接続
されている。また、基板搬入室(21)と基板取り出し
室(24)には、各々仕切り弁(25)(29)が設け
られ外部と遮蔽されている。また、個々の室(22)
(23)(24)(25)には独立した真空排気系(3
0)(31)(32)(33)が接続されており、各々
の室を真空排気し、所定の圧力および雰囲気に維持する
こが可能である。この排気系は基本構成として排気流量
を調整するためのコンダクタンスバルブ(34)、スト
ップバルブ(35)(36)、オイルフリーの真空排気
が可能なターボ分子ポンプ(37)および低真空排気用
の水封ポンプ(38)を含んでいる。その他必要に応じ
て、排気バイパス系の設置や複数の排気系の設置等が行
えるようになっている。
【0018】さらに、個々の室には独立したガス供給系
(40)(41)(42)(43)が設けられており、
反応室(22)(23)へは反応雰囲気ガスの供給並び
にその他のガスを供給できるように複数の供給系統が設
けられている。これらのガス供給系には基本構成とし
て、流量コントローラー(44)およびストップバルブ
(45)が含まれている。加えて、本実施例ではプラズ
マCVD装置のため、基板搬入室(21)および反応室
(22)(23)に基板加熱の為にハロゲンランプ加熱
手段が設けられている。この基板加熱手段は図5の断面
では記載できない位置、すなわち、図5の平面の手前と
奥の面に設置されており、この面から光が基板面に平行
方向に照射され、基板を加熱するようになっている。こ
の加熱手段の設置位置はこの位置以外にも上下の電極が
設けられている面に設けることも可能で必要に応じて変
更できる。また、加熱手段もハロゲンランプ方式以外に
抵抗加熱方式、誘導加熱方式等様々な態様に変更可能で
ある。
【0019】このような装置構成のプラズマCVD装置
に図1の放電領域周辺のサセプター構造を適用した。本
実施例では基板を600mm×800mm×1.1mm
の表面が研磨加工されたガラス基板10枚をサセプター
(5)を挟んで設置した。このサセプター(5)および
サセプターを含むコンテナ(3)の外観形状を図6に示
す。このように本実施例ではサセプターに設置された基
板(6)がコンテナの外周面の一対の面を除いて、その
他の面は全てコンテナの外周壁で囲まれる構造となって
いる。
【0020】本実施例ではこのようなサセプターおよび
基板表面の電位をフローティングとする為にコンテナお
よびサセプターの材料をアルミニウム金属を採用して、
作製した。この後、コンテナおよびサセプターの外表面
全てを陽極酸化処理して、その外表面全てに厚さ1〜1
5μm本実施例では5μmのアルミナ膜を均一に形成し
た。すなわち、全てのコンテナおよびサセプターの部材
の断面を図4(B)のような構造を持たせるようにし
た。なお、本実施例の場合は基板加熱を行うため、この
熱により、コンテナおよびサセプターが熱膨張する、さ
らに処理を終え基板を取り出す際にコンテナおよびサセ
プターは熱収縮をする。この時、外側の絶縁膜と内部の
金属材料とのそつぼうちょうの程度の差により、外側の
絶縁膜が割れたり、クラックが入ることがある。その
為、本実施例の場合、一度外側の絶縁膜を所定の厚さよ
り薄く形成し、熱処理を行った後、再度絶縁膜を形成す
るとにより、この外側の絶縁膜の割れやクラックの発生
を抑えた。
【0021】また、放電用電極(1)および(2)とコ
ンテナ(3)またはサセプター(5)の最小距離は3〜
10mm、本実施例では6mmの距離とした。この距離
が10mm以上となると装置容積の増大をまねく為、極
力狭い間隔とした。また、狭すぎると、プラズマCVD
装置の為に基板加熱を行うので、コンテナ、サセプタ
ー、電極等か熱膨張して、接触する問題がある為、装置
寸法にもよるが大体3mm程度の距離は必要であった。
【0022】本実施例のプラズマCVD装置の場合、反
応室内でのコンテナー(3)およびサセプター(5)と
電極(7)(8)および電極シールド(1)(2)との
位置関係は図7のような関係にある。すなわち、図7
(A)は図1および図5と同様の方向から見た位置関係
を示す概略図であるが、電極シールド(1)(2)とコ
ンテナ(3)とは端部で左右の方向に対向して延長され
ている部分(13)(14)があるこの部分の間隔は2
〜5mm本実施例では3mmにとられている。このよう
にすることで、コンテナ(3)は図面の左右方向に移動
することが可能となる。また、図7(B)は図1および
図5の平面に対して法線方向の断面を見た概略図を示し
ている。この方向では、電極シールド(1)(2)の端
部のみが上下方向に延長された部分(13)がコンテナ
(3)の外周壁と間隔を2〜5mm開けて、重なってい
る。
【0023】このようなコンテナ(3)と電極シールド
(1)(2)の関係により、コンテナを移動することが
でき、かつプラズマ放電を電極シールド(1)(2)お
よびコンテナ(3)の外周壁にて囲まれた領域のみに閉
じ込めることが可能となる。さらに、図7(B)のよう
に電極シールドの端部を上下方向に延長することによ
り、装置の容積を縮小することができる特徴がある。
【0024】基板搬入室(21)にコンテナ(3)によ
って設置された基板(6)はこの処理室(21)にて、
到達真空度2×10-7Toorにまで真空排気され、そ
の後加熱手段により、300度まで加熱保持される。こ
の後、第1の反応室(22)とほぼ同様の圧力条件で、
仕切り弁(26)を開け、コンテナを第1の反応室(2
2)へ移動後、仕切り弁(26)を閉じる。この反応室
にて、所定の条件にて、第1の薄膜を形成後、再び真空
排気を行い第2の反応室と同様の圧力状態で仕切り弁
(27)を開け、コンテナを第2の反応室に移動し、第
2の薄膜を形成する。この後、再び真空排気を行い、基
板取り出し室(24)と同様の圧力条件下で仕切り弁
(28)を開け、コンテナを移動する。この後、この室
にて基板温度が下がるまで、放置あるいは、冷媒や冷却
気体等を取り出し室(24)へ導入して、基板温度を下
げてから取り出し室(24)を大気圧に戻し、仕切り弁
(29)を開けて、取り出す。このような流れにより、
多数の基板上への薄膜形成が行われる。このような装置
構成の場合、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜と半導体
層の形成や、太陽電池、ダイオード、等の電子素子の作
製に適用することができる。
【0025】このような構成により、プラズマ反応領域
内に閉じ込められた、プラズマ放電は、一対の電極
(7)(8)によって引き起こされ、且つ、基板表面お
よびサセプター表面上を入力された放電用電力が通過す
ることがなく、ほほ全ての投入電力が、空間中の気体に
供給され、安定な放電および均一なプラズマ放電を実現
することになる。従って、本実施例の装置では基板上に
形成された、被膜の基板面上での膜厚均一性はよく、6
00×800mmの基板サイズ内で±5%の膜厚均一性
を達成でき、同一ロット(本実施例では10枚)内での
膜厚均一性も±10%を達成することができた。
【0026】本実施例のようにサセプター表面の電位を
フローティングとする為はさまざまな方法がある。最も
簡単な手段としては、コンテナとサセプターまたはサセ
プターを絶縁材料、例えば石英等で作製するば、実現可
能であるが本実施例の基板サイズのコンテナあるいはサ
セプターを石英製とするには、技術的に不可能かあるい
は非常に高価となり、到底実用向きではない。さらに石
英製であると非常に脆く破損し易いため、将来の無人化
作業を行う際にロボットによる、コンテナの移動、設置
が困難となり、自動化のライン設計の障害となる。
【0027】さらにまた、本実施例のように、金属製の
材料をコンテナまたはコンテナとサセプターに利用した
場合、特にプラズマCVD等で基板加熱をする時に均熱
性が非常によく、基板上およびコンテナ内の基板の位置
の違いによる基板温度の分布も殆ど見られないという特
徴を有する。したがって、基板加熱の手段として、従来
の抵抗加熱等のように加熱手段の温度分布を均一にした
上で基板全体を加熱しなくとも、本実施例のように基板
の一方または両方の端方向より加熱を行っても基板全体
で均一な加熱を実現でき、加えて加熱速度も早く、プラ
ズマ処理の時間を短縮することができた。
【0028】『実施例2』本実施例では、放電領域の構
造はほぼ実施例1と同様であるが、コンテナ構造とし
て、図4(A)に記載のような2重外枠構造のコンテナ
を採用した。すなわち、ニッケル製の材料を使用して、
コンテナ(15)およびサセプター(16)を作製する
コンテナ(15)は2重枠構造となっており、その外側
に絶縁材料(17)を介して外枠(18)が設けられて
いる。このコンテナを反応室内で支持するのは、外側の
枠(18)となるようにしてある。これにより、内側の
サセプターは電気的にフローティング状態とすることが
できる。このような構造により、サセプター表面の電位
はフローティング状態を実現できかつ、金属材料を使用
してこのようなフローティング状態を実現できるので、
安価で、簡単な構造の、堅牢なコンテナとすることがで
きた。
【0029】この絶縁材料(17)としては碍子や耐熱
性のゴムや有機樹脂を使用できるが真空反応容器内で脱
ガスがなく、耐熱性を有するものであれば、その他の材
料も使用てきる。比較の為に本実施例の装置構成と従来
の装置構成(図3)の場合とで表1に記載の製膜条件で
珪素膜を形成した時の膜厚の均一性を測定した結果を表
2に示す。ここで、従来の装置構成の場合は、サセプタ
ーは金属製材料であり電位としてはアースに接続されて
おり、且つ放電の安定性が確保できないため、一回当た
りの基板処理枚数は6枚と本実施例の60%の状態とな
る金属製サセプターを使用した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】このように、本実施例の場合は従来に比較
して、一度に行う基板処理の枚数をふやすことができ、
且つ安定で均一なプラズマ放電を実現することができる
ために基板間の処理の程度のばらつきを少なくできると
いう特徴を持つ。
【0033】
【発明の効果】本発明の構成により、非常にコンパクト
な装置面積および装置容積にて、大面積基板を多量に処
理することができるプラズマ処理装置を実現することが
できた。さらに、大面積基板内でのプラズマ処理の程度
が均一にでき、液晶ディスプレーのスイッチング素子の
薄膜トランジスタの製造に応用すると製品の製造歩留り
を非常に高くすることが可能となった。また、安価で堅
牢なコンテナのため、ロボットのよる自動化のラインを
設計する際にコンテナ破損等の問題を綱領しなくても良
いという派生的な効果を持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ処理装置の放電領域付近の概
略図
【図2】従来のプラズマ処理装置の概略図
【図3】従来の陽光柱型プラズマ処理装置の放電領域の
概略図
【図4】本発明のコンテナおよびサセプターの概略図
【図5】本発明の構成をマルチチャンバー方式のプラズ
マCVD装置の摘要した際の概略図
【図6】本発明のコンテナびサセプター構造の一例
【図7】本発明のコンテナと電極シールドとの関係を示
す概略断面図
フロントページの続き (72)発明者 阿部 寿 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 (72)発明者 山崎 舜平 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧状態に排気可能な手段を備えた少な
    くとも一つの反応室と、前記反応室に気体を供給可能な
    気体供給手段と、前記反応室内に設置されプラズマ放電
    を発生する一対の電極と、前記一対の電極の少なくとも
    一部分に近接している電極シールドと、前記一対の電極
    間にサセプターに支持された複数の被処理基板を設置す
    るためのコンテナとを有するプラズマ処理装置であっ
    て、前記コンテナまたはサセプターの表面は電位的にフ
    ローティング状態に保持されていることを特徴とするプ
    ラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプラズマ処理装置であっ
    て、前記サセプターまたはコンテナは、金属製または合
    金製の材料の上に絶縁物を被覆した材料を使用して作製
    されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のプラズマ処理装置であっ
    て、前記コンテナは、二重構造として構成され、基板を
    支持しているサセプターと前記二重構造の外枠の何れか
    一方とは電気的に絶縁されていることを特徴とするプラ
    ズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 減圧状態に排気可能な手段を備えた少な
    くとも一つの反応室と、前記反応室に気体を供給可能な
    気体供給手段と、前記反応室内に設置されプラズマ放電
    を発生する一対の電極と、前記一対の電極の少なくとも
    一部分に近接している電極シールドと、前記一対の電極
    間にサセプターに支持された複数の被処理基板を設置す
    るためのコンテナとを有するプラズマCVD装置であっ
    て、前記コンテナまたはサセプターは金属または合金で
    作製され、その表面には絶縁物が被覆されていることに
    より、コンテナまたはサセプターを電気的にフローティ
    ング状態に保持して、被膜形成を行うことを特徴するプ
    ラズマCVD装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6855379B2 (en) * 1997-10-06 2005-02-15 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Method and device for surface-treating substrates
JP2015015382A (ja) * 2013-07-05 2015-01-22 株式会社島津製作所 成膜装置及び成膜方法

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