JPH05144741A - アモルフアスシリコン膜の形成方法 - Google Patents

アモルフアスシリコン膜の形成方法

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JPH05144741A
JPH05144741A JP3306340A JP30634091A JPH05144741A JP H05144741 A JPH05144741 A JP H05144741A JP 3306340 A JP3306340 A JP 3306340A JP 30634091 A JP30634091 A JP 30634091A JP H05144741 A JPH05144741 A JP H05144741A
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Japan
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light
film
order silane
reaction chamber
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Yutaka Kitsuno
裕 橘野
Kotaro Yano
幸太郎 矢野
Shoichi Tazawa
昇一 田沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液体原料への光照射による堆積方法により高
品質なa−Si膜を形成させる。 【構成】 液状の高次シランを基板上に塗布した後、不
活性ガス雰囲気中で波長400nm以下の光を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光電変換装置、薄膜ト
ランジスタ、感光体、及びLSI用途でのポリシリコン
形成用等に用いられるアモルファスシリコン(以下「a
−Si」という)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、a−Si膜の形成方法としては、
反応性スパッタリング法、プラズマCVD(Chemical V
apor Deposition )法、光CVD法、熱CVD法等が試
みられており、一般的にはプラズマCVD法が広く用い
られ企業化されている。しかるに、プラズマCVD法に
おいては、プラズマの制御性に困難があるため、荷電粒
子の衝突による膜質の劣化、デバイスにおける界面状態
の劣化等のa−Si膜の物性上の問題点が生じる。さら
に、粉の発生が多いため、装置の汚染及び洗浄、デバイ
スの歩留り等の問題点も生じる。光CVD法によるa−
Si膜の形成では、荷電粒子が存在せず光エネルギーに
よるラジカル反応のみであるため、膜の損傷が起きず高
品質な膜が得られる。また装置も高周波発生装置等複雑
で高価な装置を必要とせず、制御が容易であり、大面積
化も容易である等の大きな利点を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに従来の光CV
D法では、光源としては例えば低圧水銀ランプを用いる
方法(特開昭59−89407号公報参照)や、レーザ
ーを用いた方法(Zarnani.Hら:J.Appl
ied Physics,60巻(1986年)第25
23頁参照)や、マイクロ波放電を用いた方法(特開昭
60−74426号参照)等が知られている。これらの
場合一般には反応室を減圧にするため、反応室への光透
過窓に大気圧との差圧が加わり、透過窓の面積を大きく
することが困難であり、大きくする場合は透過窓の厚み
を増加させなければならず、光透過率が悪くなる。また
これらの場合一般には、光源からの光を透過窓を通して
導入するように構成されているため、光分解によって生
じたケイ素の一部が透過窓の内側に付着して照射光を吸
収し、反応ガスへの照射光強度が著しく低下するという
欠点があった。以上の問題点により、従来の光CVD法
は膜表面に損傷を与えないという利点を有しながらもプ
ロセスとして実用化されるに至っていない。本発明はか
かる点に鑑みてなされたもので、気体原料を用いず液体
原料への光照射による堆積方法により高品質なa−Si
膜を大面積に効率良く提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意努力した結果、一般式Sin
2n+2(但し、nはn≧2の整数)であらわされる高次シ
ランを用いて光分解により基板上にa−Si膜を形成す
る方法において、液状の高次シランを基板上に塗布した
後、不活性ガス雰囲気中で波長400nm以下の光を照射
することにより分解して、基板上にa−Si膜を堆積さ
せることにより高品質なa−Si膜を大面積に効率良く
形成できることを発見した。
【0005】以下、本発明の方法を説明する。基板上に
塗布する液体原料として本発明で使用する高次シラン
は、一般式Sin2n+2(但し、nはn≧2の整数)で
あらわされ、ジシラン(Si26 )、トリシラン(S
38 )、テトラシラン(Si410)、あるいはペ
ンタシラン(Si512)以上のものである。高次シラ
ンは、1種用いても2種以上の混合液を用いてもよい。
【0006】高次シランを液状にて塗布する際、一般に
はスピナーのような回転板上に基板を保持して液の滴下
にて行なう方法、あるいは高次シランの液中に基板を浸
漬後引き上げる方法などがあるが、反応室中で行なって
も、反応室外で不活性ガス雰囲気中で行なって反応室に
搬送する形式いずれでもかまわない。回転板を用いる場
合の回転数は、一般には100〜10000RPM、好
ましくは500〜2000RPMが用いられる。
【0007】光の照射は、ヘリウム、ネオン、アルゴ
ン、窒素、水素等の高次シランとは不活性なガス雰囲気
中にて、光透過窓を通して行なう。圧力はいかなる圧力
をも用いることができるが、常圧±0.1気圧程度の近
常圧が装置設計上、及び操作上好ましい。
【0008】照射する光の光源としては高次シランが吸
収して分解するために、波長400nm以下の光の光源が
用いられる。これには例えば、低圧水銀ランプ光、H2
や重水素、あるいはAr、Kr、Xe等の希ガスの放電
光、エキシマレーザー光などが用いられる。低圧水銀ラ
ンプ光は、184.9nmと253.7nmにピークを持
ち、一般には10〜5000Wの出力のものが用いられ
るが、通常は100〜1000Wで十分である。基板上
の照度も1〜100mW/cm2 で十分である。低圧水
銀ランプ光を用いる場合、一般に窓材には石英ガラスが
使用される。H2や重水素、あるいはAr、Kr、Xe
等の希ガスの放電光は、一般には重水素ランプ光が良く
用いられる。重水素ランプ光は、115nm〜400nmに
発光スペクトルがあり、160.8nmに最大のピークを
持つ。一般には30〜200Wの出力のものが用いられ
る。窓材は150nm以下の短波長を利用するために一般
にはLiF、MgF2 などが使用される。エキシマレー
ザー光には、Xel、XeBr、KrBr、XeCl、
KrCl、ArCl、XeF、KrF、ArF、Ne
F、Ar2 、Kr2 、Xe2レーザー等があるが、一般
には波長193nmの光の光源であるArFレーザーがよ
く使われる。
【0009】基板温度は、操作圧力下で高次シランが液
体状態を保つ温度であればいかなる温度でもよいが、近
常圧下であれば一般には使用する高次シランの融点以上
の温度が好ましい。光照射して形成したa−Si膜は、
基板温度が150℃以下と低いときには、膜中に水素を
多量に含みそのままでは特性が十分ではない場合がある
が、この場合加熱処理により特性の改善を行なうことが
できる。加熱温度は、好ましくは150℃〜350℃で
ある。350℃以上では逆に水素の不足により特性が劣
化する。
【0010】
【作用】一般式式Sin2n+2(但し、nはn≧2の整
数)であらわされる高次シランを用いて光分解により基
板上にa−Si膜を形成する方法において、液状の高次
シランを基板上に塗布した後、不活性ガス雰囲気中で波
長400nm以下の光を照射することにより分解して、該
基板上にa−Si膜を堆積させることにより光電気伝導
度等の物性が優れた高品質なa−Si膜が形成できる。
他のa−Si膜を形成する方法と比べて本発明では複雑
で高価な装置を必要とせず、さらに従来の光CVD法で
は困難であった大面積基板にも効率良く高品質なa−S
i膜が形成できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を参考にし
て説明する。本発明に用いる装置の一例を示せば図1あ
るいは図2のようになる。図1は光源として低圧水銀ラ
ンプ光を使用した例、図2は光源として重水素ランプ光
を使用した例である。
【0012】図1の装置において、反応室101内へは
低圧水銀ランプ102から石英ガラス製の光照射窓10
3を通して光を照射する。反応室101内にはヒーター
及び冷媒等によって加熱及び冷却可能な100φの円形
の基板台105が設けられ、その上に基板104がホル
ダー等によって保持される。基板台105はモーター1
06によって回転できるようになっている。低圧水銀ラ
ンプ102は、(株)オーク製作所製の300W、30
0mm×459mm、U字タイプのものを設置した。基板1
04上の光の照度は約80mW/cm2 であり、18
4.9nmの光が全体の約30%、253.7nmの光が全
体の約70%である。高次シランは高次シラン液量計1
07によって基板104上に滴下される。不活性ガスは
不活性ガス流量計108によって反応室101に導入さ
れる。反応室101において高次シランは光の照射によ
り分解し基板104上にa−Si膜を堆積させる。反応
に用いられた高次シランは膜堆積後、排気系109を通
って排出される。
【0013】図2の設置において、反応室201内へは
重水素ランプ202からMgF2 製の光照射窓203を
通して光を照射する。反応室201内にはヒーター及び
冷媒等によって加熱及び冷却可能な100φの円形の基
板台205が設けられ、その上に基板204がホルダー
等によって保持される。基板台205はモーター206
によって回転できるようになっている。重水素ランプ2
02は、浜松ホトニクス(株)製の150W、25φの
ものを設置した。光のスペクトルは115nm〜400nm
に分布し、160.8nmに最大のピークを持っている。
高次シランは高次シラン液量計207によって基板20
4上に滴下される。不活性ガスは不活性ガス流量計20
8によって反応室201に導入される。反応室201に
おいて高次シランは光の照射により分解し基板204上
にa−Si膜を堆積させる。反応に用いられた高次シラ
ンは膜堆積後、排気系209を通って排出される。
【0014】以下実施例、比較例において、次の物性に
ついて測定を行ない結果を表1に示した。 光電気伝導度‥‥AM−1.5、100mW/cm2
光照射下で行ない、電気伝導度はAl蒸着により、コプ
レーナー型のセルを形成して測定した。 光学ギャップ‥‥光吸収係数αより、
【0015】
【数1】 プロットの切辺として求めた。
【0016】実施例1 実験装置として図1に示した装置を使用した。まず不活
性ガスとしてヘリウムを常圧まで導入する。基板台10
5を30℃と設定した後、高次シランとしてトリシラン
を高次シラン液量計107より基板104上に20μl
導入しモーター106によって600RPMの回転速度
で3秒間回転させ均一に塗布した後、低圧水銀ランプ1
02より光を20分間照射してトリシランを分解して、
基板104上にa−Si膜を堆積せしめた。基板104
として30mm角のコーニング社の7059ガラスを用い
た。反応に用いられたトリシランは膜堆積後、排気系1
09を通って排出した。その後基板台105を250℃
に昇温しヘリウムを不活性ガス流量計108より500
ml/minで導入しながら加熱処理を20分間行なっ
た。
【0017】実施例2 高次シランとしてジシランを用い、光を照射する際の基
板台105の温度を−30℃とした他は、実施例1と同
じにしてa−Si膜を形成せしめた。
【0018】実施例3 高次シランとしてジシラン、トリシラン、テトラシラ
ン、ペンタシランの重量比約5:2:1:0.5の混合
液を用いた他は、実施例1と同じにしてa−Si膜を形
成せしめた。
【0019】実施例4 基板104として100nmの熱酸化膜を形成したシリコ
ン単結晶基板を30mm角に切断したものを用い、実施例
1と同じにしてa−Si膜を形成せしめた。基板104
を取り出した後、Al蒸着によりソース及びドレイン電
極を形成し、チャンネル長100μm 、チャンネル幅2
00μm の薄膜トランジスタを作成した。得られたトラ
ンジスタの特性を測定したところ、電界効果移動度は、
電子移動度が2.2cm2 /Vs、ホール移動度が0.
2cm2 /Vsであった。オン電流とオフ電流の比は、
nチャンネル側で107 、pチャンネル側で106 であ
った。
【0020】実施例5 実験装置として図2に示した装置を使用した。まず不活
性ガスとしてヘリウムを常圧まで導入する。基板台20
5を30℃と設定した後、高次シランとしてトリシラン
を高次シラン液量計207より基板204上に20μl
導入しモーター206によって600RPMの回転速度
で3秒間回転させ均一に塗布した後、重水素ランプ20
2より光を15分間照射してトリシランを分解して、基
板204上にa−Si膜を堆積せしめた。基板204と
して30mm角のコーニング社の7059ガラスを用い
た。反応に用いられたトリシランは膜堆積後、排気系2
09を通って排出した。その後基板台205を250℃
に昇温しヘリウムを不活性ガス流量計208より500
ml/minで導入しながら加熱処理を20分間行なっ
た。
【0021】比較例 市販のプラズマCVD装置を用い、反応ガスとしてモノ
シランを用い、0.1Torrの圧力下、13.56MHzの
高周波出力20Wにて15分間プラズマCVD法を行な
いa−Si膜を堆積せしめた。実施例1〜5及び比較例
の膜堆積条件及び膜特性を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】表1から明らかなように、本発明により堆
積したa−Si膜は、プラズマCVD法により得られた
膜と比較して、光感度において1桁近くの向上がみられ
た。またトランジスタ特性も優れたものであった。また
堆積速度は、一般的な光CVD法と比較して十分に速い
ものとなっていた。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、液状
の高次シランを基板上に塗布した後、不活性ガス雰囲気
中で波長400nm以下の光を照射することにより分解し
て、基板上にa−Si膜を堆積させることができる。
【0025】本発明の方法では液状の原料を用いるた
め、プラスマCVD法と異なり装置が容易で粉末の発生
が防げる。また荷電粒子が存在せず光エネルギーによる
反応のみであるため膜の損傷が起きず、物性上の特性と
して光電気特性及びトランジスタ特性の優れたa−Si
膜が得られる。また、光の照射窓の問題が無くなり装置
が容易となり従来の光CVD法では困難であった大面積
基板にも効率良く高品質なa−Si膜が形成できる。ま
た以上述べたように、複雑で高価な反応装置を必要とし
ないため、半導体材料装置における設備費を極めて小さ
くできる等の長所を有する。
【0026】以上のことより本発明は、a−Si応用デ
バイスとしての光電変換装置、薄膜トランジスタ、感光
体等の製造方法あるいはポリシリコン形成用のa−Si
形成方法として広く利用でき、a−Si膜の利用分野の
飛躍的な拡大が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する装置の一例を示す図で
ある。
【図2】本発明の方法を実施する別の装置を示す図であ
る。
【符号の説明】
101、201 反応室 102 低圧水銀ランプ 103、203 光透過窓 104、204 基板 105、205 基板台 106、206 モーター 107、207 高次シラン液量計 108、208 不活性ガス流量計 109、209 排気系 202 重水素ランプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式Sin2n+2(但し、nはn≧2
    の整数)であらわされる高次シランを用いて光分解によ
    り基板上にアモルファスシリコン膜を形成する方法にお
    いて、液状の高次シランを基板上に塗布した後、不活性
    ガス雰囲気中で波長400nm以下の光を照射することに
    より分解して、該基板上にアモルファスシリコン膜を堆
    積させることを特徴とするアモルファスシリコン膜の形
    成方法。
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