JPH0514090U - 運搬用昇降機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 床面を掘削することなく設置でき、一人で容
易かつ安全に昇降作業を行なうことが可能な運搬用昇降
機を提供することにある。 【構成】 荷物を搭載した台車を載置すべくこの台車の
車幅と車高に一致した凸形状部を有する鞍型台座１と、
この鞍型台座１に載置された前記台車の上昇と連動して
前記鞍型台座の上面より隆起して前記台車の転落を防止
する自動ストッパ２と、油圧バルブ開閉弁に取り付けら
れ、前記台車の上昇かつ下降速度を制御する可変ストッ
パーを含む油圧バルブ開閉調節器９とを具備する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、運搬用昇降機に関し、特に、測定器用昇降機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、測定器の昇降、例えば、図１２（ｂ）に示すような測定器を搭載（準固 定）した測定器用台車の床面から二重床への移動あるいは二重床から床面への移 動は人力により行なっていた。

【０００３】 以下、図１１（ａ）、（ｂ）、（ｃ）および図１２（ａ）を参照して、従来の 昇降機のいくつかの例について述べる。

【０００４】 図１１（ａ）は床埋め込み式荷物昇降機を示すものである。これは通常１階の 土間などに設置されるが、２階以上の床に設置される場合は床の補強や改造等が 必要となるのでコストが増大し、かつ、設置には高度の専門技術が必要である。 また、上げ下ろし作業時に台車が好転したり転落したりする危険を伴い、かつ、 昇降機を一度設置するとその移動は困難である。

【０００５】 図１１（ｂ）は据え置き式荷物昇降機を示す。運搬時、図１２（ｂ）に示すよ うな移動対象物を人力によって昇降機の上に持ち上げる必要があるので、複数の 運搬人を必要とするともに運搬人が腰を痛めやすい。

【０００６】 図１１（ｃ）は移動式荷物昇降機を示す。このような昇降機においては、測定 器を搭載（準固定）した測定器用台車を床面から昇降機上に移動（あるいはその 逆）させるために最低２名以上の運搬人が必要である。また、自動ストッパ等の 安全機能がないのでストッパを掛け忘れた場合、危険である。

【０００７】 図１２（ａ）は荷物昇降用スロープを設ける方式の昇降機である。このような 昇降機においては、スロープ自体が大きく大きな設置スペースを必要とする。ま た、台車が滑り落ちたり転落したりする危険があり安全性に欠ける。さらに、荷 物昇降用スロープを使用しての移動には複数人の作業者が必要であり、効率的で ないといった欠点がある。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

上記したように、従来の昇降機においては、以下に示す問題点がある。

【０００９】 すなわち、 (1) 二重床への上げ下ろし作業時に台車が横転したり転落したりする危険があ った。

【００１０】 (2) 重量物の移動を伴うので、二重床への上げ下ろし作業時に運搬人が腰を痛 めることがあった。

【００１１】 (3) 安全確保のため、二重床への上げ下ろし作業時には最低２名の運搬人を必 要とした。

【００１２】 本考案の運搬用昇降機はこのような課題に着目してなされたもので、その目的 とするところは、床面を掘削することなく設置でき、一人で容易かつ安全に昇降 作業を行なうことが可能な運搬用昇降機を提供することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案は、荷物を搭載した台車を載置すべくこ の台車の車幅と車高に一致した凸形状部を有する鞍型台座と、この鞍型台座に載 置された前記台車の上昇と連動して前記鞍型台座の上面より隆起して前記台車の 転落を防止する自動ストッパ手段と、油圧バルブ開閉弁に取り付けられ、前記台 車の上昇かつ下降速度を制御する可変ストッパーを含む油圧バルブ開閉調節器と を具備する。

【００１４】

【作用】

すなわち、本考案においては、台車の車幅と車高に一致した凸形状部を有する 鞍型台座に荷物を搭載した台車を載置し、鞍型台座に載置された前記台車の上昇 と連動して自動ストッパ手段を前記鞍型台座の上面より隆起させて前記台車の転 落を防止するとともに、油圧バルブ開閉弁に取り付けられた可変ストッパーによ って前記台車の上昇かつ下降速度を制御するものである。

【００１５】

【実施例】

以下、図面を参照して本考案の一実施例を説明する。

【００１６】 図１は本考案の運搬用昇降機の全体構成を示す斜視図であり、図２は上面図、 図３は正面図、図４は側面図である。図において、１は鞍型台座、２は自動スト ッパー、３は凸型補助ストッパー、４はリフト支持部、５はリフト基底部、６は リフト油圧部、７は固定用脚部、８はペダル、９は油圧バルブ開閉調節器である 。

【００１７】 本考案は油圧ジャッキ式リフトに鞍型台座１、自動ストッパー２等を組み合わ せたことを特徴とする。

【００１８】 鞍型台座１は図５に示すような形状および寸法を有しており、各寸法の単位は ミリメートルである。これらの寸法は測定器用台車の車輪幅および車高に合わせ て決められる。図において、鞍型台座１の角部を僅かに削ってあるが、これは測 定用台車の出入れを容易にするためである。

【００１９】 鞍型台座１の屈曲部内側は補強材１０によって補強されている。また、鞍型台 座１のつば面１１には図に示すように５ｍｍ程度の隆起した半円柱状の補助スト ッパー３が設けられている。これより、図６に示すように台車が補助ストッパー ３によって係止されるので滑り落ちることがない。

【００２０】 図７は図５をａ−ａ′面で切断した断面図である。図において、自動ストッパ ー２は、鞍型台座１の昇降時にスプリング１２の動力によってガイド板１３に沿 って矢印の方向に作動する。すなわち、例えば、鞍型台座１の上昇時には、自動 ストッパー２は点線の位置から隆起して鞍型台座１とほぼ垂直になる（このとき の高さは約５５ｍｍである）。また、鞍型台座１の下降時には自動ストッパー２ は点線で示す位置に移動する。これによって、積載した測定器用台車が隆起した 自動ストッパー２によって係止されるので操作者側に滑り落ちることがない。本 実施例ではガイド板１３とスプリング１２とを使用しているがこれに限定されな い。さらに、固定用足部７は本考案の昇降機を床に固定するためのものであり、 固定金物からなる。

【００２１】 図８は油圧バルブ開閉調節器９の詳細な構成を示す。図に示すように、下降速 度制御用（図の左手）および上昇速度制御用（図の右手）の可変ストッパー１４ が設けられており、捻子止めでバルブ開閉弁１５の可動範囲を制限し、上昇速度 あるいは下降速度を制限する。

【００２２】 以下に、図９、１０を参照して本考案の運搬用昇降機の使用の一例を説明する 。

【００２３】 (1) まず、本考案の昇降機を床面を掘削することなく二重床１６と床面１７と の境に設置すべく、固定金物７と図示せぬ拡張型基礎ボルトによって床面に固定 する。なお、二重床１６の増設などで本考案の昇降機を移設する場合は、拡張型 基礎ボルトを外して移設し、再度、拡張型基礎ボルトで固定する。なお、二重床 １６の床面１７からの高さは例えば４５ｃｍである。

【００２４】 (2) また、図９に示すように、測定器１８を搭載（準固定）した測定器用台車 １９を押しながら、床面１７から二重床１６に移動させる場合は、 (a) まず、測定器１８を搭載（準固定）した測定器用台車１９を押しながら、 床面１７から昇降機の鞍型台座１上へ移動させる。

【００２５】 (b) 次に、ペダル（油圧ジャッキ）８を手、または足により操作し、鞍型台座 １のつば面１１が二重床１６の上部面に達するまで上昇させる（図１０）。本実 施例においては、鞍型台座１が数ｃｍ上昇すると自動ストッパー２が完全に動作 するようになっている。

【００２６】 (c) 次に、測定器１８を搭載（準固定）した測定器用台車１９を押しながら、 昇降機の鞍型台座１から二重床１６上に移動させる。

【００２７】 (3) 次に、測定器１８を搭載（準固定）した測定器用台車１９を二重床１６上 から床面１７に移動させる場合は、 (a) まず、測定器１８を搭載（準固定）した測定器用台車１９を押しながら、 二重床１６上から昇降機の鞍型台座１へ移動させる。

【００２８】 (b) 次に、油圧バルブ開閉弁１５を開放し、鞍型台座１を床面１７に達するま で降下させる。ここで、下降終了する数ｃｍ前に自動ストッパー２は引っ込み外 れる。

【００２９】 (c) 次に、測定器１８を搭載（準固定）した測定器用台車１９を押しながら、 昇降機の鞍型台座１から床面１７へ移動させる。

【００３０】 なお、本考案においては、鞍型台座の上部を利用すれば、測定器を搭載した台 車の運搬に限定されることなく、従来の荷物運搬用の昇降機としても使用可能で ある。

【００３１】 また、鞍型台座の形状の設計値を変えることによって、測定器を搭載した台車 以外の荷物運搬用の車両へも適用できる。

【００３２】 以上の実施例の説明から明らかなように、本考案においては、 (1) 測定器を搭載（準固定）した測定器用台車の二重床上への上げ下ろし作業 は、従来、その重量、形状などを考慮して複数者で行っていたが、鞍型台座の考 案により、一人で安全にかつ、容易、迅速に行うことができる。

【００３３】 (2) 鞍型台座の凸形状を測定器用台車の車幅、車高に合わせているため、横揺 れ等による転落を防止できる。

【００３４】 (3) 鞍型台座の考案により、床面を掘削することなく、本装置を設置でき、ま た、設置後の装置の移設も容易にできる。

【００３５】 (4) 測定器用台車を本装置に乗せて上昇させると同時に、転落防止用の自動ス トッパーが作動するので安全性が確保できる、すなわち、ストッパーの掛け忘れ がなくなる。

【００３６】 (5) 油圧バルブの開閉弁に可変ストッパーを取り付けたので、急激な台車の降 下を防止でき安全性が確保できる。

【００３７】 (6) 本装置を床面等に取り付けるための固定用金物を使用するので、昇降機本 体の横転も防止できる。

【００３８】

【考案の効果】

以上詳述したように、本考案によれば、床面を掘削することなく設置でき、一 人で容易かつ安全に昇降作業を行なうことが可能な運搬用昇降機を提供すること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の運搬用昇降機の全体構成を示す斜視
図。

【図２】本考案の運搬用昇降機の全体構成を示す上面
図。

【図３】本考案の運搬用昇降機の全体構成を示す正面
図。

【図４】本考案の運搬用昇降機の全体構成を示す側面
図。

【図５】鞍型台座の詳細な形状、寸法を示す図。

【図６】補助ストッパーの機能を説明するための図。

【図７】自動ストッパーの動作原理を説明するためのａ
−ａ′面断面図。

【図８】油圧バルブ開閉調節器の構造を示す図。

【図９】本考案の運搬用昇降機の使用方法を説明するた
めの図。

【図１０】本考案の運搬用昇降機の使用方法を説明する
ための図。

【図１１】図１１（ａ）、（ｂ）、（ｃ）はそれぞれ従
来の昇降機を示す図。

【図１２】図１２（ａ）は従来の昇降機を示す図であ
り、図１２（ｂ）は移動対象物の一例を示す図。

【符号の説明】

１…鞍型台座、２…自動ストッパー、３…補助ストッパ
ー、４…リフト支持脚、５…リフト基底部、６…リフト
油圧部、７…固定用足部（固定用金物）、８…ペダル、
９…油圧バルブ開閉調節器、１０…補強材、１１…つば
面、１２…スプリング、１３…ガイド板、１４…可変ス
トッパー、１５…バルブ開閉弁、１６…二重床、１７…
床面、１８…測定器、１９…測定器搭載用台車。

フロントページの続き (72)考案者 福田 豪三 東京都千代田区内幸町一丁目１番６号 日 本電信電話株式会社内 (72)考案者 白石 広徳 東京都千代田区内幸町一丁目１番６号 日 本電信電話株式会社内 (72)考案者 窪田 康弘 東京都千代田区内幸町一丁目１番６号 日 本電信電話株式会社内 (72)考案者 成田 勝徳 東京都千代田区内幸町一丁目１番６号 日 本電信電話株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 荷物を搭載した台車を載置すべくこの台
   車の車幅と車高に一致した凸形状部を有する鞍型台座
   と、 この鞍型台座に載置された前記台車の上昇と連動して前
   記鞍型台座の上面より隆起して前記台車の転落を防止す
   る自動ストッパ手段と、 油圧バルブ開閉弁に取り付けられ、前記台車の上昇かつ
   下降速度を制御する可変ストッパ−を含む油圧バルブ開
   閉調節器とを具備したことを特徴とする運搬用昇降機。