JPH0628551Y2 - 高所作業車の工具収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、配電線作業等の高所作業に用いられる高所
作業車のバケット内での工具収納装置に関する。

（従来の技術） 高所作業車を用いて配電線作業等の高所作業を行なう場
合、工具や機材等をバケット内に積み込む必要がある。

従来、これらの工具や機材等は、バケット内の床上に搭
載したり、バケットの側面にフックを設置してこれにつ
り下げることとしている。

（考案が解決すべき課題） ところで、工具等をバケット内の床上に搭載すると、作
業者が作業を行なう場合に邪魔になり、作業効率を低下
させる。

また、バケットの側面に設置したフックにつり下げる場
合、側面外側につり下げると、バケットを移動させる場
合に電線等の障害物に引かけないようにバケットを操作
する必要があり、バケットの操作が面倒になり、フック
から工具等を取り上げる場合に地上に落下させないよう
に慎重に行なうことも必要となる。

そして、バケットの側面内側につり下げると、バケット
内のその位置から作業を行なうことが必要な場合に、そ
れらの工具等が邪魔になって作業効率を低下させてい
る。

この考案は、かかる事情に基づいてなされたもので、高
所作業車のバケット内での作業の邪魔にならない工具収
納装置を提供することを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） この目的を達成するために、この考案は、車体に起伏可
能に設けたブームの先端にバケットを装着した高所作業
車において、前記バケットの開口縁に沿ってスライドレ
ールを設置し、工具収納装置を前記スライドレールに移
動可能に支持させたものである。

（作用） この考案によれば、高所作業車のバケット内での工具収
納装置の位置が作業の邪魔になるおそれがある場合に、
工具収納装置をスライドレールに沿って邪魔にならない
位置まで容易に移動させることができ、高所作業車のバ
ケット内での作業性を低下させないものである。

（実施例） 以下、図面に示す一実施例によりこの考案を説明する。

まず、第２図によって、高所作業車の全体概略を説明す
る。

１は高所作業車を示し、２は車体、３はブームである。

ブーム３は、車体２上に油圧シリンダで起伏可能に設置
され、また、テレスコピックに伸縮可能に構成されてい
る。

このブーム３の先端には、高所作業用のバケット４が装
着されている。

高所作業時には、作業員がこのバケット４に搭乗し、ブ
ーム３の角度および長さを適宜調節することによって、
作業員を所定の作業箇所に位置させるものである。

そして、前記バケット４には、以下に説明するようにこ
の考案にかかる工具収納装置５が設置されている。

すなわち、このバケット４の開口縁には、全周に渡って
環状にスライドレール６が固定されている。

このスライドレール６は、第３図に示すようにチャンネ
ル材からなり、開口６ａを上面に位置させて設置してあ
り、この開口６ａの両側には内側に屈曲したフランジ部
６ｂが形成されている。

このように構成されたスライドレール６には、後述のス
ライド手段７を介して工具収納装置５が移動可能に支持
されている。

工具収納装置５は、３段の棚板を有する工具棚として一
体に形成されており、これらの棚板上には所要の工具や
機材が収納されるようになっている。

そして、この工具収納装置５の背板５ａの上部はピン８
を介してスライド手段７に連結され、また該背板５ａの
下部両側端部には第４図に示すようにガイドローラ１１
が設置されている。

スライド手段７は、取付プレート１２と、この取付プレ
ート１２に支持され、前記スライドレール６内にはめ込
まれて回転自在に構成されたローラ１３を有する。

すなわち、取付プレート１２から下方に延びる垂直軸１
４の下端に支軸１５を固定し、この支軸１５の両端に、
前記ローラ１３を回転自在に装着したものである。

そのため、これらのローラ１３は、前記スライドレール
６の内側の底面あるいは前記フランジ部６ｂの内側面を
転動することにより、工具収納装置５はスライドレール
６に沿って容易に移動することができる。

そして、工具収納装置５の移動に際して、前記ガイドロ
ーラ１１が設置されているので、工具収納装置５の荷重
はこれらのガイドローラ１１を介してバケット４の側壁
４ａに支承されて工具収納装置５を垂直姿勢に維持する
ことができ、また、工具収納装置５がバケット４の角部
Ｃを通過する場合に、このガイドローラ１１が先に側壁
４ａに接触するので、角部Ｃを円滑に通過することが可
能となっている（第４図参照）。

そして、取付プレート１２には、第５図に示すように、
ストッパ手段２１が設置されている。

このストッパ手段２１は、取付プレート１２に形成した
ねじ穴１２ａと、このねじ穴１２ａに貫通してはめ合わ
されたボルト２２とを有し、このボルト２２の先端側と
なる取付プレート１２の下面には押圧プレート２３を装
着し、他方、取付プレート１２の上面側のボルト頭部に
はハンドル２４を装着したもので、前記押圧プレート２
３の下面にはフェルト等の摩擦部材２５が接着されてい
る。

したがって、工具収納装置５をスライドレール６に沿っ
た適当な場所に位置させた状態で、前記ハンドル２４を
操作して押圧プレート２３を押し下げ、摩擦部材２５を
介してスライドレール６の上面を押圧してこのストッパ
手段２１を作用させると、工具収納装置５の移動が不能
となる。

そのため、高所作業車１のブーム３を操作してバケット
４を所要の高所作業箇所に移動する場合等に、工具収納
装置５がみだりに移動する等の問題を生じるおそれもな
い。

（考案の効果） この考案は、以上説明したように構成したから、高所作
業車のバケット内での工具収納装置の位置が作業の邪魔
になるおそれがある場合に、工具収納装置を容易にスラ
イドレールに沿って邪魔にならない位置まで移動させる
ことができ、高所作業車のバケット内での作業性を低下
させないものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の実施例に関し、第１図はバケットの
上面図、第２図は高所作業車の側面図、第３図は第１図
のIII−III断面図、第４図は第３図のIV−IV断面図、第
５図はストッパ手段を示す断面図である。 １；高所作業車、 ２；車体、３；ブーム、４；バケット、 ５；工具収納装置、 ６；スライドレール、 ２１；ストッパ手段。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 石丸 昭彦 愛媛県松山市太山寺町甲630―１ (72)考案者 川上 謹司 香川県高松市中野町14番10号 (72)考案者 田嶋 篤彦 香川県木田郡牟礼町牟礼1368番地66 (56)参考文献 実開 平１−162496（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−80697（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体に起伏可能に設けたブームの先端にバ
   ケットを装着した高所作業車において、 前記バケットの開口縁に沿ってスライドレールを設置
   し、工具収納装置を前記スライドレールに移動可能に支
   持させたことを特徴とする高所作業車の工具収納装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の高所作業車の工具収納装置
   において、 前記工具収納装置とスライドレールとの間には、工具収
   納装置の移動を不能とするストッパ手段を設置したこと
   を特徴とする高所作業車の工具収納装置。