JPH05140761A - 合成ヘミモルフアイト耐食皮膜の形成方法 - Google Patents

合成ヘミモルフアイト耐食皮膜の形成方法

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JPH05140761A
JPH05140761A JP30084991A JP30084991A JPH05140761A JP H05140761 A JPH05140761 A JP H05140761A JP 30084991 A JP30084991 A JP 30084991A JP 30084991 A JP30084991 A JP 30084991A JP H05140761 A JPH05140761 A JP H05140761A
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hemimorphite
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silicate
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corrosion resistant
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正昭 伊藤
Hideki Nagata
英樹 永田
Toshiyuki Takakura
利幸 高椋
Takashi Amamiya
隆 雨宮
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水道系配管等への優れた耐食性を有する合成
ヘミモルファイト耐食性皮膜の形成方法の提供。 【構成】 亜鉛を含有する表面層を有する基材をアルカ
リ溶液中に浸漬させて水酸化亜鉛層を形成したのち、珪
酸または珪酸塩溶液中に浸漬維持することによって、酸
化亜鉛と珪酸塩との複合化、結晶化が進み、ヘミモルフ
ァイト化が促進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、とくに、水道管、下水
道管等の給水または排水を目的とする配管、温水器の配
管、給湯管、冷暖房用冷温水系の循環配管、給湯設備の
貯水タンク等、水設備あるいは配管の内面への合成ヘミ
モルファイト耐食皮膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、水道系配管として亜鉛めっき
した鋼管が最も一般的に使用されているが、近年の大都
市における水源汚染に伴い配管の腐食が著しくなってき
ている。
【0003】かかる亜鉛めっきに代わる表面処理法とし
て、特公昭53−37255号公報、特開昭54−29
45号公報、特開昭54−13429号公報、特開昭6
2−37378号公報等に開示されている金属塩と珪酸
塩を複合化した皮膜の適用が試みられているが、とくに
家庭用配管において、長期間の使用においても錆の発生
を防ぐという点では充分なものとは言えない。
【0004】一方、本願の発明者は、かかる水道・下水
系配管の腐食機構についての研究報告を1989年、
「腐食防食 '89」に発表した。この報告は亜鉛の腐
食生成物として、ヘミモルファイトの腐食配管断面での
分布についても言及しており、とくに注目すべき現象と
して、腐食水道管内面の局部的に腐食した錆こぶと称す
る部分以外の均一腐食部分には、ヘミモルファイトが多
く存在し、この層の下部には腐食が発生していないとし
ている。
【0005】このヘミモルファイトは、Zn4(OH)2
Si27 ・H2 Oの化学式を有する斜方晶系であっ
て、結晶は明瞭な異極像を示す。また、ヘミモルファイ
トは天然では亜鉛鉱床の水脈に沿って形成される安定し
た鉱物であり、水道水中においても安定である。
【0006】本願発明者は、この現象の解明を基にして
研究を進めた結果、亜鉛・珪酸塩複合皮膜が鉱物ヘミモ
ルファイトに近似した組成構造を有する場合、基材組織
と連続した組織を有し基材との結合性も高く、また水道
水中で安定して存在することから優れた耐食性を有する
ことを解明した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ように優れた耐食性を示す合成ヘミモルファイト皮膜を
効果的に形成するための手段を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のヘミモルファイ
トの表面皮膜からなる耐食性皮膜の形成方法は、亜鉛を
含有する表面層を有する基材をアルカリ溶液中に浸漬さ
せて水酸化亜鉛層を形成したのち、珪酸または珪酸塩溶
液中に浸漬維持して、水酸化亜鉛と珪酸塩の複合化合物
をヘミモルファイト化することを特徴とする。
【0009】アルカリ溶液としては、基材表面のZnを
水酸化する水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液
等が使用でき、水酸化亜鉛の安定性の点からpHを8.
5〜10.5に調整すると良い。
【0010】水酸化亜鉛と珪酸塩との複合化合物の析出
のための珪酸塩溶液としては、SiO2 濃度が、100
mg/lのメタ珪酸ナトリウム水溶液を使用し、水酸化
亜鉛と珪酸の反応促進の点から80〜99℃に維持した
雰囲気が良い。
【0011】形成されたヘミモルファイト皮膜は、Zn
4(OH)2 Si27 ・H2 Oの化学式を有する斜方晶
系であって結晶は明瞭な異極像を示す天然鉱物質と少な
くとも近似の特性を有することが必須である。そして、
その合成ヘミモルファイト皮膜の厚みは0.5〜50μ
mであることが望ましい。
【0012】本発明が適用できる基材として、その表面
が少なくとも亜鉛層を有するものであればよい。ここ
で、亜鉛層としては基材上にZn成分を表面に含有する
ものであれば如何なる形態のものであっても適用でき、
例えば、亜鉛基材そのもの、あるいはZnを合金材とし
て含有する基材、亜鉛あるいは亜鉛合金めっき層、合金
化溶融亜鉛めっきを有する基材に適用できる。
【0013】
【作用】中間生成物としての活性水酸化物の形成によ
り、珪酸塩との複合化、結晶化が進みヘミモルファイト
化が促進する。
【0014】水酸化亜鉛の場合、ヘミモルファイトが生
成する機構は、水酸化亜鉛とケイ酸イオンが反応し、水
酸基の脱水反応によってZn−O−Si結合が形成さ
れ、熟成によって結晶化がすすみ、ヘミモルファイトに
成長すると考えられる。
【0015】
【実施例】試料として、10×19×1mmの亜鉛板
を、pHを10に調整した水酸化ナトリウム水溶液中に
浸漬し、40日間室温で放置した後、この溶液中にポン
プを用い空気を4日間バブリングさせて、表面に水酸化
亜鉛を生成させた。
【0016】この亜鉛板をSiO2 含有量が100mg
/dm3 のメタケイ酸ナトリウム水溶液300cm3
に浸漬させ、80℃で30日間熟成し、水洗浄した後、
乾燥した。X線回折測定より亜鉛板表面上にヘミモルフ
ァイトが生成していることが確認された。図1に形成さ
れた皮膜のX線回折像を示す。図2は天然ヘミモルファ
イトのX線回折像を示す。
【0017】これらのヘミモルファイト合成皮膜の耐食
性評価は、85℃の水道水中に1週間浸漬させた各試料
表面の発錆面積を測定して行った。その判定は、次の通
りである。
【0018】評価点 5:発錆面積 0〜5% 評価点 4:発錆面積 6〜10% 評価点 3:発錆面積 11〜15% 評価点 2:発錆面積 16〜20% 評価点 1:発錆面積 21%以上 各条件で作成した試料の耐熱試験の結果を表1に示す。
【0019】
【表1】 この結果から、本発明によって形成されたヘミモルファ
イト皮膜は、その処理を行わない試料(実施例4)や他
の防食処理材料(実施例5)と比較して、どの実施例
(1〜3)においても耐熱性に優れ、防食効果のあるこ
とが判る。
【0020】
【発明の効果】
(1)水道水中で安定なヘミモルファイトの結晶を人工
的に亜鉛メッキ鋼等の表面に合成し、安定な耐食性皮膜
を形成させることができる。
【0021】(2)ヘミモルファイトの合成は、溶液に
浸漬し加温するだけであるので、特別に複雑な制御をす
ることなく単純な作業でヘミモルファイトの皮膜を合成
できる。
【0022】(3)形成されたヘミモルファイト皮膜
は、優れた耐食性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 形成された皮膜のX線回折像を示す。
【図2】 天然ヘミモルファイトのX線回折像を示す
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高椋 利幸 北九州市小倉北区中島2丁目1番1号 東 陶機器株式会社内 (72)発明者 雨宮 隆 北九州市小倉北区中島2丁目1番1号 東 陶機器株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛を含有する表面層を有する基材をア
    ルカリ溶液中に浸漬させて水酸化亜鉛層を形成したの
    ち、珪酸または珪酸塩溶液中に浸漬維持する合成ヘミモ
    ルファイト耐食皮膜の形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6322687B1 (en) 1997-01-31 2001-11-27 Elisha Technologies Co Llc Electrolytic process for forming a mineral
WO2021157745A1 (ja) * 2020-02-06 2021-08-12 株式会社オーアンドケー ヘミモルファイト含有の潤滑皮膜を形成させるための潤滑剤組成物および金属加工材の表面に該潤滑皮膜を形成する方法と、該潤滑皮膜を備えた金属加工材

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