JPH0514036Y2 - - Google Patents

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JPH0514036Y2
JPH0514036Y2 JP864488U JP864488U JPH0514036Y2 JP H0514036 Y2 JPH0514036 Y2 JP H0514036Y2 JP 864488 U JP864488 U JP 864488U JP 864488 U JP864488 U JP 864488U JP H0514036 Y2 JPH0514036 Y2 JP H0514036Y2
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sleeve
lubricating oil
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shift
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、一般的には車両の潤滑構造に関し、
より詳しくは、4輪駆動車の2輪−4輪切換機構
や車両のトランスミツシヨンの駆動力伝達系路切
換装置の潤滑構造に関する。
従来の技術 4輪駆動車の2輪−4輪切換機構や車両のトラ
ンスミツシヨンの駆動力伝達系路切換装置は、一
般には、カムフオロアー又はチエンジレバーを軸
線方向に移動し、カムフオロワー又はチエンジレ
バーに連動するシフトロツドを軸線方向に移動
し、シフトロツドに支持されたシフトフオークに
よつてスリーブを軸線方向に押圧移動させて、駆
動力伝達系路を運転状態に即して切換えるように
構成されている。かかる駆動力伝達系路切換装置
には、回転するスリーブとこれに係合するシフト
フオークとの摩擦係合部分即ち摺動面を潤滑する
ための潤滑構造が設けられる。この潤滑構造とし
て、例えば実開昭58−86950号に開示された変速
機の潤滑構造が知られている。
この知られた潤滑構造は、変速機のアウトプツ
ト軸の軸心部に給油孔を設け、且つこの給油孔か
らインプツト軸上のクラツチ装置のスリーブに対
応する位置のアウトプツト軸の外周面に貫通する
貫通孔を形成し、この貫通孔からクラツチ装置の
スリーブとシフトフオークとの摩擦係合部分に潤
滑油を供給するように構成されている。
また、シフトフオークを支持するシフトフオー
ク軸に潤滑油の主供給路を穿設するとともに、主
供給路と連通する給油路をシフトフオークに形成
してなる潤滑構造が知られている(特開昭58−
74957号公報)、この潤滑構造では、シフトフオー
ク軸の主供給路とシフトフオークの給油路とが常
時連通した状態に保持されるので、潤滑油供給源
と、給油路の潤滑油吐出口とが常に流体連通して
いる。
考案の解決しようとする問題点 かかる潤滑構造においては、シフトフオークの
作動状態にかかわらず常に潤滑油が潤滑部分に供
給される。このため、実際にはシフトフオークと
スリーブとが摩擦係合しておらず或いは摩擦抵抗
が小さく、潤滑する必要がないときにも、係合部
分を強制潤滑するための潤滑油圧送用オイルポン
プが常時運転し、潤滑油が供給され続け、この結
果潤滑油が必要以上に消費され且つオイルポンプ
の運転効率が悪いという問題があつた。かかる問
題点は更に、車両の燃費の向上にとつて障害とな
つていた。
考案の目的 本考案の目的は、シフトフオークがスリーブを
押圧してシフトフオークとスリーブとが摩擦係合
しているときのみ、これらの摩擦係合部分に潤滑
油を供給する潤滑構造を提供することにより、必
要量以上の潤滑油の供給を防止し、オイルポンプ
の運転効率を改善し、車両の燃費を向上させるこ
とにある。
考案の構成 本考案のかかる目的は、シフトロツドに支持さ
れたシフトフオークがスリーブに係合し且つこれ
を前記シフトフオークが押圧移動することによつ
て駆動力伝達系路を切換えるようになつた駆動力
伝達系路切換装置におけるシフトフオーク及びス
リーブの摩擦係合部分を潤滑するための潤滑構造
において、前記シフトフオークには、前記シフト
フオークと前記スリーブの前記摩擦係合部分を潤
滑するようにその一端がスリーブに向けて開口
し、他端がシフトロツドに向けて開口する第1の
潤滑油流路が形成され、前記シフトロツドには、
その一端が前記シフトフオークに向けて開口し、
他端がオイルポンプと流体連通する第2の潤滑油
流路が形成され、前記シフトフオークと前記シフ
トロツドとは、前記スリーブの移動抵抗に相応し
て相対的に移動可能なように連結され、このシフ
トフオークとシフトロツドとの相対移動によつて
前記第1の潤滑油流路と前記第2の潤滑油流路と
は、前記シフトフオークが前記スリーブを押圧移
動させるにつれて流体連通して、前記摩擦係合部
分に潤滑油を供給するように構成して成る、こと
を特徴とする駆動力伝達系路切換装置の潤滑構造
を提供することによつて達成される。
作 用 本考案のかかる構成によつて、本考案による潤
滑構造においては、スリーブを作動していないと
きにはシフトフオークとシフトロツドとに各々形
成された第1の潤滑油流路と第2の潤滑油流路と
の間の流体連通は遮断されており、潤滑油はシフ
トフオーク及びスリーブの摩擦係合部分即ち摺動
面に供給されないが、スリーブを押圧移動させる
と、スリーブの移動抵抗に相応してシフトフオー
クとシフトロツドとが相対的に移動し、それにつ
れて各々に形成された第1の潤滑流路と第2の潤
滑流路とが流体連通し、潤滑油はオイルポンプの
圧力によつて第2の潤滑流路から第1の潤滑流路
へ送られ、さらに第1の潤滑流路を通つてシフト
フオーク及びスリーブの摺動面に供給される。
実施例 以下、添付図面に基づき、本考案の実施例につ
いて、詳細に説明を加える。
第1図は、本考案にかかる駆動力伝達系路切換
装置の潤滑構造を備えた2輪−4輪切換機構を有
する4輪駆動車の全体構成図である。
第1図において、本実施例の4輪駆動車におい
ては、エンジン1、主変速機2、副変速機3及び
トランスフアー装置4を車体方向に一列に連結し
たパワープラント5が車体前部に設けられ、左右
の前輪6,6間および後輪7,7間に、それぞれ
前輪差動装置8および後輪差動装置9が設けられ
ている。トランスフアー装置4の側部から前方へ
延びる第1プロペラシヤフト10が、前輪差動装
置8に、トランスフアー装置4から後方へ延びる
第2プロペラシヤフト11が、後輪差動装置9
に、それぞれ連結され、また、前輪差動装置8か
ら左右に延びる車軸12,12が左右の前輪6,
6に、後輪差動装置9から左右に延びる車軸1
3,13が左右の後輪7,7に、それぞれ連結さ
れて、パワープラント5により前輪6,6を駆動
する前輪駆動系14と、後輪7,7を駆動する後
輪駆動系15が構成されている。また、前輪差動
装置8と前輪6の一方との間に、これらの間を断
接するリモートフリーホイール16が備えられ、
2輪駆動状態においては、これらの間を断絶し
て、燃費の向上が図られている。
第2図は、本実施例の4輪駆動車における副変
速機3とトランスフアー装置4の構成の詳細を示
す図面である。第2図において、副変速機3は、
主変速機2の出力軸20に同心状に連結された入
力軸21、入力軸21の後方に同心状に配置さ
れ、トランスフアー装置4内に延びる中間軸2
2、これら入力軸21および中間軸22間に配置
された減速歯車機構23および減速歯車機構23
の動力伝達経路を切換える変速段切換機構24に
より構成されている。
減速歯車機構23は、サンギア25と、その周
囲に配置された複数のピニオンギア26と、これ
らのピニオンギア26を回転自在に支持するキヤ
リヤ27と、各ピニオンギア26の外側に配置さ
れたリングギア28とよりなるプラネタリギア機
構によつて構成されている。キヤリヤ27は中間
軸22に結合され、また、リングギア28はミツ
シヨンケース29に固定されている。
変速段切換機構24においては、入力軸21の
後端部外周と、減速歯車機構23のサンギア25
の延長部外周と、キヤリア27に結合されたリン
グ部材30の内周とに、それぞれ、スプライン3
1,32,33が形成され、入力軸21の外周の
スプライン31にスリーブ34がスライド可能に
嵌合されている。第2図における実線で示される
位置では、スリーブ34の端部外周に設けられた
スプラインが、リング部材30のスプライン33
に嵌合して、スリーブ34およびリング部材30
を介して、入力軸21とキヤリヤ27とが結合さ
れ、入力軸21の回転が、キヤリヤ27を介し
て、そのまま中間軸22に伝達される高速段が得
られ、他方、スリーブ34を破線で示す位置にス
ライドさせると、スリーブ34の端部外周に設け
られたスプラインが、入力軸21のスプライン3
1とサンギア25のスプライン32とにまたがつ
て嵌合し、スリーブ34を介して、入力軸21と
サンギア25とが結合され、入力軸21の回転が
サンギア25に入力されるが、このとき、減速歯
車機構23においては、リングギア28が固定さ
れているので、サンギア25に入力された回転が
減速された上で、キヤリヤ27から中間軸22に
伝達されることになり、低速段が得られる。
一方、トランスフアー装置4は、第2図に示す
ように、副変速機3から延びる中間軸22の後方
に同心状に後輪用出力軸51を、また、中間軸2
2に平行に前輪用出力軸52を、それぞれ配置
し、後輪用出力軸51に第2プロペラシヤフト1
1を、前輪用出力軸52に第1プロペラシヤフト
10を、それぞれ連結するとともに、中間軸22
と後輪用出力軸51との間にセンタデフ53を、
中間軸22と前輪用出力軸52との間に巻掛け伝
動機構54を、それぞれ配置し、さらに、中間軸
22上のセンタデフ53と巻掛け伝動機構54と
の間に、駆動モード切換機構55を配置した構成
とされている。
センタデフ53は、サンギア56と、その周囲
に配置された複数のピニオンギア57と、これら
のピニオンギア57を支持するキヤリヤ58と、
各ピニオンギア57の外側に配置されたリングギ
ア59よりなるプラネタリギア機構によつて構成
されている。キヤリヤ58は中間軸22に、ま
た、リングギア57は後輪用出力軸51に、それ
ぞれ連結されている。
巻掛け伝動機構54は、中間軸22上に遊嵌合
された第1スプロケツト60と、前輪用出力軸5
2に一体形成された第2スプロケツト61と、第
1、第2スプロケツト60,61間に巻掛けられ
たチエーン62とにより構成されている。
駆動モード切換機構55は、センタデフ53の
サンギア56と一体回転するクラツチハブ63の
両側に、センタデフ53のリングギア59の延長
部と、第1スプロケツト60の延長部を隣接させ
るとともに、これらの外周囲に同一諸元のスプラ
イン64,65,66を設け、これらのスプライ
ン64,65,66にまたがつて、スライド可能
にスリーブ67を嵌合させた構成よりなつてい
る。ここに、クラツチハブ63と第1スプロケツ
ト60の延長部との間には、スリーブ67の移動
に伴つて、これらの回転速度を同期させる同期装
置68が介設されている。
スリーブ67を、第2図のように、クラツチハ
ブ63のスプライン64と、リングギア59のス
プライン65にまたがつて嵌合させた位置にお
いては、クラツチハブ63とスリーブ67を介し
て、センタデフ53のサンギア56とリングギア
59とが結合され、センタデフ53が一体回転す
るようにロツクされるとともに、センタデフ53
と第1スプロケツト60との間が切断され、その
結果、中間軸22からセンタデフ53のキヤリヤ
58に入力された回転が、リングギア59から後
輪用出力軸51にそのまま出力される2輪駆動モ
ードが得られる。
また、スリーブ67の位置を、第2図の位置
までスライドさせると、スリーブ67が、クラツ
チハブ63のスプライン64およびリングギア5
9のスプライン65に嵌合するとともに、第1ス
プロケツト60のスプライン66にも嵌合し、セ
ンタデフ53がロツクされた状態で、センタデフ
53と第1スプロケツト60とが結合される。そ
の結果、中間軸22からセンタデフ53に入力さ
れた回転は、後輪用出力軸51に出力される一
方、第1スプロケツト60、チエーン62および
第2スプロケツト61よりなる巻掛け伝動機構5
4を介して、前輪用出力軸52にも出力され、セ
ンタデフ53がロツクされた4輪駆動モードが得
られる。
さらに、スリーブ67の位置を、第2図の位置
までスライドさせると、スリーブ67が、クラ
ツチハブ63のスプライン64および第1スプロ
ケツト60のスプライン66とにのみまたがつて
嵌合する状態となり、センタデフ53のサンギア
56と第1スプロケツト60とが結合される一
方、センタデフ53のサンギア56とリングギア
59とが分離される。その結果、中間軸22から
センタデフ53のキヤリヤ58に入力された回転
は、リングギア59から後輪用出力軸51に出力
され、かつサンギア56から第1スプロケツト6
0ないし前輪用出力軸52に出力されるととも
に、リングギア59とサンギア56との差動動作
が可能となつて、前後輪間の回転速度差が許容さ
れるセンタデフフリーの4輪駆動モードが得られ
る。
かかる3種類の駆動モードの切換えのために、
モータ70がトランスフアー装置4に設けられ、
このモータ70は、歯車装置71を介してチエン
ジドラム72を回転駆動する。チエンジドラム7
2にはチエンジドラム72の回転運動をカムフオ
ロワー74の軸線方向の運動に変換するために、
全体的にほぼ螺線形状の溝73が形成されてお
り、シフトロツド75と共に軸線方向に移動自在
なカムフオロワー74の先端部分が溝73に係合
している。チエンジドラム72が回転すると、溝
74のカムフオロワーに係合する部分は軸線方向
に移動してカムフオロワー74を軸線方向に押圧
移動し、カムフオロワー74に連結されたシフト
ロツド75と該シフトロツドに連動するシフトフ
オーク76とを軸線方向に移動させる。この結
果、シフトフオーク76の外端部分はスリーブ6
7に衝合して、これと係合しスリーブ67を軸線
方向に移動させる。
スリーブ67はクラツチハブ63と一体回転し
ているため、シフトフオーク76の外端部分がス
リーブ67に係合してこれを押圧する際にスリー
ブの半径方向の内面67A又は67Bがシフトフ
オーク76の外端部側面上を摺動し、これらの面
の間に摩擦が生じ発熱する。本実施例による潤滑
構造は、スリーブ67とシフトフオーク76との
摩擦係合部分を潤滑するための潤滑構造であり、
以下にこれを詳細に説明する。
第3図は本考案の実施例にかかる潤滑構造を使
用したシフトロツド75とシフトフオーク76の
詳細を位置の状態で示す概略断面図であり、こ
の状態においてはシフトフオーク76はスリーブ
67を押圧しておらず、従つて上述の摩擦面を潤
滑する必要はない。
シフトフオーク76は、シフトロツド75に対
して相対移動可能なように、シフトロツド75に
軸線方向に摺動可能に嵌合し且つシフトロツド7
5に固定されたばね支持体77に支持されたばね
77を介してシフトロツド75に連結されてい
る。更に、シフトフオーク76にはシフトロツド
75側からスリーブ67側までシフトフオーク7
6を半径方向に貫通する第1の潤滑油流路101
が形成され、一方シフトロツド75にはその略軸
心を軸線方向に延びる潤滑油流路であつて、前方
端部分からシフトフオーク側に半径方向に延びて
シフトロツド75の外周面に貫通する潤滑油流出
貫通孔102Aと、後方端から僅かに間隔を隔て
たところから半径方向に延びてシフトロツド75
の外周面に形成された潤滑油流入口103と連通
する潤滑油流入貫通孔102Bとを有する第2の
潤滑油流路102が形成されている。
第6図に第3図、A−A線におけるシフトフオ
ーク76及びシフトロツド75の概略断面図を、
第1の潤滑油流路と第2の潤滑油流路とを軸線方
向に一致させた状態にして示す。第1の潤滑油流
路101と第2の潤滑油流路102の流出貫通孔
102Aとは、図示の如く円周方向に一致するよ
うに位置決めされている。
トランスフアー装置4のケーシングにはオイル
ポンプからの潤滑油路(図示せず)と連通する潤
滑油流入孔104が形成され、潤滑油流入口10
3はシフトロツド75が軸線方向に移動した場合
にもこの潤滑油流入孔104と常に流体連通する
ように位置決めされ且つ軸線方向の長孔の形状を
有する。
第3図に示すようにスリーブ67が位置にあ
る状態では、流出貫通孔102Aのシフトロツド
75外周面の開口106と第1の潤滑油流路10
1のシフトロツド75側開口105とは、軸線方
向にずれて位置している。従つて、第1の潤滑油
流路101と第2の潤滑油流路102とは流体連
通しておらず、シフトフオーク76とスリーブ6
7との間の潤滑部分には潤滑油は供給されていな
い。
スリーブ67を位置から位置に押圧移動す
るために、モータ70を作動してシフトロツド7
5を第3図で左方向に即ち前方に移動させると、
シフトロツド75に連結されたばね77がシフト
フオーク76を押圧移動する。スリーブ67が同
期装置68のシンクロナイザリング110に噛合
いを始めるとスリーブ67とシンクロナイザリン
グ110との間の噛合い抵抗(同期抵抗)によつ
てシフトフオーク76に対して第3図で右方向即
ち後方に反力が生じ、この反力とシフトロツド7
5に固定された支持体78のばねに対する前方の
押圧力によつてばねは収縮する。即ち、シフトフ
オーク76とシフトロツド75とは相対移動す
る。この結果、第1の潤滑油流路の開口105と
第2の潤滑油流路の開口106とが互いに近ずく
ように移動し、噛合い抵抗が増大するにつれて両
開口が徐々に連通面積を増大させて、ついには完
全に流体連通する。両開口が近づいて軸線方向に
完全に一致したときの状態を第4図に示す。
第4図は第3図と同様の詳細を、シフトフオー
ク76がスリーブ67を押圧して、スリーブ67
を位置から位置へ移動させる間の状態で示す
概略断面図である。この間には、スリーブ67と
シンクロナイザリング110との噛合い抵抗が最
大となる位置が存在し、このときシフトフオーク
76の外端部分とスリーブの内面67Aとの摩擦
も最大となる。従つて、このときには、図示の如
く開口105と開口106とが軸線方向に一致し
て、第1の潤滑油流路101と流出貫通孔102
Aとが完全に流体連通している。これによつてオ
イルポンプが圧送する潤滑油は第2の潤滑油流路
102から第1の潤滑油流路101へ送られ、シ
フトフオーク76の外端面に吐出し、シフトフオ
ーク76の外面とスリーブ67の内面との間の隙
間を通つてシフトフオーク摩擦係合部分に供給さ
れる。かくして、摩擦係合部分即ちシフトフオー
ク76の外端部分とスリーブの内面67Aとが潤
滑される。このようにして同期が完了される。
その後、スリーブ67を位置に移動させるた
めに、第4図に示す状態からシフトロツド75を
更に前方に移動させると、該シフトロツドに連結
されたばねもこれまで同様シフトフオーク76を
前方に押圧する。この間、最初は第1の潤滑油流
路101と第2の潤滑油流路102とは流体連通
している。しかしながら、同期が完了しており、
スリーブ67とシンクロナイザリング110との
間の噛合い抵抗がばねの押圧力よりも小さい値へ
と減少してゆくので、これに伴いばね77は徐々
に伸長してスリーブ67をシフトフオーク76に
対して前方に押圧し、この結果開口105と開口
106とが互いに遠ざかるように移動する。この
ようにしてばね77は位置の状態と同様に伸長
し、開口105と開口106とが軸線方向にずれ
て第1の潤滑油流路101と第2の潤滑油流路1
02との間の流体連通が遮断され、潤滑油は摩擦
係合部分に供給されない。そして、この状態のま
まスリーブ67がスプライン66と噛合い位置
まで移動する。この状態を第5図に示す。
第5図は第3図と同様の詳細を、スリーブ67
がシフトフオーク76が位置に移動させた状態
で一部を省略して示す概略断面図である。この状
態では、位置から位置への切換えが完了して
おり、シフトフオーク76がスリーブ67を押圧
していないので、シフトフオーク76の外端部分
とスリーブ67とは摩擦係合しておらず、前述の
摩擦係合部分を潤滑する必要はなく、従つて、流
出貫通孔102Aの開口106と第1の潤滑油流
路101の開口105とは、シフトロツド75の
軸線方向にずれて位置している。そのため、第1
の潤滑油流路101と第2の潤滑油流路とは流体
連通しておらず、シフトフオーク76はスリーブ
67との間の潤滑部分には潤滑油は供給されてい
ない。
以上のように、本実施例によれば、シフトフオ
ーク76がスリーブ67を押圧して、シフトフオ
ーク76とスリーブ67とが摩擦係合していると
きのみ、開口105と開口106とが連通して第
1の潤滑油流路101と第2の潤滑油流路102
とが流体連通し、オイルポンプからの潤滑油が第
2の潤滑油流路102から第1の潤滑油流路10
1を通つてシフトフオーク76の外端面に吐出
し、シフトフオーク76とスリーブ67との摩擦
係合部分が潤滑される。かくして、本実施例によ
つて、必要量以上の潤滑油の供給を防止し、オイ
ルポンプの運転効率の改善し、車両の燃費を向上
させる車両の駆動力伝達系路切換装置の潤滑構造
が達成される。
又、シフトフオーク76のスリーブ67に対す
る押圧力、即ちスリーブ67と同期装置68との
噛合い抵抗に相応してばね77が伸縮し、これに
対応して開口104と開口105との間の連通面
積が変化するため、噛合い抵抗が大きい程両開口
間の連通面積が大きくより多くの潤滑油が供給さ
れる。この結果、オイルポンプの運転効率は更に
向上し、燃費も良好となる。
尚、本実施例では、シフトフオーク76とスリ
ーブ67とが摩擦噛合していないときには第1の
潤滑油流路101と第2の潤滑油流路102とは
流体連通していないが、シフトフオーク76とス
リーブ67との摩擦係合開始に対する潤滑油供給
の応答の遅れを配慮して、シフトフオーク76を
作動していないときにも開口105と開口106
とを若干連通して、第1の潤滑油流路101と第
2の潤滑油流路102とを流体連通し、潤滑油を
少量供給しても良い。
本考案は以上の実施例に限定されることなく実
用新案登録の範囲に記載された考案の範囲内で
種々の変更が可能であり、それらも本考案の範囲
内に包含されるものであることはいうまでもな
い。
例えば、本実施例においては、シフトロツド7
5が移動するタイプの駆動力伝達系路切換装置に
対して本考案を適用して示したが、シフトロツド
が固定されシフトフオークが移動するタイプの装
置においては、スリーブとシンクロナイザリング
の噛合い抵抗が最大となるときのシフトフオーク
の位置を予測して、このときシフトフオークの第
1の潤滑油流路とシフトロツドの第2の潤滑油流
路とが流体連通されるように、第2の潤滑油流路
のシフトフオーク側開口を配置しておいても良
い。
又、同期噛合装置を備えていないものにおいて
も、スリーブに形成されているスプラインと、こ
れに噛合う、例えば本実施例におけるスプライン
66との噛合い時に噛合い抵抗が生じるので、本
考案を適用することができる。
考案の効果 本考案によれば、必要量以上の潤滑油の供給を
防止し、オイルポンプの運転効率の改善し、車両
の燃費を向上させる車両の駆動力伝達系路切換装
置の潤滑構造を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案による実施例にかかる駆動力
伝達系路切換装置の潤滑構造を備えた2輪−4輪
切換機構を有する4輪駆動車の全体構成図であ
る。第2図は、本実施例の4輪駆動車における副
変速機3とトランスフアー装置4の構成の詳細を
示す図面である。第3図は本考案の実施例にかか
る潤滑構造を使用したシフトロツド75とシフト
フオーク76の詳細を位置の状態で示す概略断
面図である。第4図は第3図と同様の詳細を、シ
フトフオーク76がスリーブ67を押圧して、ス
リーブ67を位置から位置へ移動させる間の
状態で示す概略断面図である。第5図は第3図と
同様の詳細を、スリーブ67がシフトフオーク7
6が位置に移動させた状態で、一部を省略して
示す概略断面図である。第6図はシフトロツド7
5及びシフトフオーク76の第3図、A−A線に
おける概略断面図である。 1……エンジン、2……主変速機、3……副変
速機、4……トランスフアー装置、5……パワー
プラント、6……前輪、7……後輪、8……前輪
差動装置、9……後輪差動装置、10……第1プ
ロペラシヤフト、11……第2プロペラシヤフ
ト、12,13……車軸、14……前輪駆動系、
15……後輪駆動系、16……フリーホイール、
20……主変速機の出力軸、21……副変速機の
入力軸、22……副変速機の中間軸、23……減
速歯車機構、24……変速段切換機構、25……
サンギア、26……ピニオンギア、27……キヤ
リヤ、28……リングギア、29……ミツシヨン
ケース、30……リング部材、31,32,33
……スプライン、34……スリーブ、51……後
輪用出力軸、52……前輪用出力軸、53……セ
ンタデフ、54……巻掛け伝動機構、55……駆
動モード切換機構、56……サンギア、57……
ピニオンギア、58……キヤリヤ、59……リン
グギア、60……第1スプロケツト、61……第
2スプロケツト、62……チエーン、63……ク
ラツチハブ、64,65,66……スプライン、
67……スリーブ、68……同期装置、70……
モータ、71……歯車装置、72……チエンジド
ラム、73……溝、74……カムフオロアー、7
5……シフトロツド、76……シフトフオーク、
77……ばね、78……ばね支持体、101……
第1の潤滑油流路、102……第2の潤滑油流
路、102A……潤滑油流出貫通孔、102B…
…潤滑油流入貫通孔、103……潤滑油流入口、
104……潤滑油流入孔、105,106……開
口。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 シフトロツドに支持されたシフトフオークがス
    リーブに係合し且つこれを押圧移動することによ
    つて駆動力伝達系路を切換えるようになつた駆動
    力伝達系路切換装置におけるシフトフオーク及び
    スリーブの摩擦係合部分を潤滑するための潤滑構
    造において、 前記シフトフオークには、前記シフトフオーク
    と前記スリーブの前記摩擦係合部分を潤滑するよ
    うにその一端がスリーブに向けて開口し、他端が
    シフトロツドに向けて開口する第1の潤滑油流路
    が形成され、 前記シフトロツドには、その一端が前記シフト
    フオークに向けて開口し、他端がオイルポンプと
    流体連通する第2の潤滑油流路が形成され、 前記シフトフオークと前記シフトロツドとは、
    スリーブの移動抵抗に相応して相対的に移動可能
    なように連結され、 このシフトフオークとシフトロツドとの相対移
    動によつて前記第1の潤滑油流路と前記第2の潤
    滑油流路とは、前記シフトフオークが前記スリー
    ブを押圧移動させるにつれて流体連通して、前記
    摩擦係合部分に潤滑油を供給するように構成して
    成る、ことを特徴とする駆動力伝達系路切換装置
    の潤滑構造。
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JP5644463B2 (ja) * 2010-12-15 2014-12-24 いすゞ自動車株式会社 潤滑機構付きスイング式シフトフォークを備えた変速装置
JP5644462B2 (ja) * 2010-12-15 2014-12-24 いすゞ自動車株式会社 潤滑機構付きスイング式シフトフォークを備えた変速装置
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