JPH10281239A - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機

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JPH10281239A
JPH10281239A JP9086627A JP8662797A JPH10281239A JP H10281239 A JPH10281239 A JP H10281239A JP 9086627 A JP9086627 A JP 9086627A JP 8662797 A JP8662797 A JP 8662797A JP H10281239 A JPH10281239 A JP H10281239A
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automatic transmission
clutch
gear
thrust force
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Masahiro Hayabuchi
早渕正宏
Mitsutaka Ito
伊藤光孝
Takuya Ogino
荻野拓也
Atsushi Mori
森篤
Akitoshi Kato
加藤明利
Noriyuki Takahashi
高橋徳行
Masafumi Kinoshita
木下雅文
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Toyota Motor Corp
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Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特定のスラストベアリングに作用するスラスト
力を軽減し、かつシールリングの数を削減して、自動変
速機のコンパクト化と機械効率の向上とを図る。 【解決手段】前進の変速段のとき歯車組で発生する後方
へのスラスト力が入力軸2を介してスラストベアリング
25で支持される。また、前進最高速段以外の低速段で
係合するクラッチC1の油圧サーボ32に、高圧の作動
油が入力軸2の後端部2aの軸方向孔31と径方向孔3
4とを通して導入される。前進低速段では、作動油の高
圧の油圧が入力軸2の後端面2dに作用するので、入力
軸2にはこの油圧による力が後方へのスラスト力に常に
対向して作用し、ベアリング25が支持するスラスト力
が、油圧による力の分軽減される。また、入力軸2の軸
方向孔31と径方向孔34とで作動油を導入するので、
1本のシールリング36で済む。これで、自動変速機A
のコンパクト化および機械効率の向上が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の自動変速機
の技術分野に属し、特に、入力軸に作用するスラストを
軽減することができるようにした自動変速機の技術分野
に属するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車等の自動変速機において
は、複数の回転要素を有する歯車組およびこの歯車組の
いずれかの回転要素をそれぞれ係合または係止させるク
ラッチやブレーキからなる複数の摩擦係合要素および一
方向の回転のみを係合させるワンウェイクラッチを有す
る自動変速機構を備えた自動変速機が種々開発されてい
る。この自動変速機は、複数の摩擦係合要素の係合およ
び非係合を適宜制御して入力軸から伝達される歯車組の
回転要素の回転を制御することにより、入力軸の回転を
自動変速制御するようになっている。
【0003】ところで、このような自動変速機において
は、歯車組の回転要素の1つである歯車には、伝動がき
わめて円滑であるとともに振動音が少なく、しかも大き
なトルクを伝えることができることから、一般に、はす
ば歯車が用いられている。しかし、このはすば歯車どう
しの噛合により、歯車組が回転すると、この回転に伴
い、はすば歯車には自動変速機の前後方向のいずれかの
方向にスラスト力が発生する。このスラスト力は、はす
ば歯車から自動変速機の入力軸に伝達されるので、この
スラスト力を支持するために、従来から、例えば特開平
4ー126634号公報等に開示されているように、ス
ラストベアリングが必要な箇所に配設されている。
【0004】図6は、このようなスラストベアリングが
配設されたこの公報の自動変速機を部分的に示す断面図
である。図6に示すように、自動変速機のケース61の
軸方向突出部61aに、入力軸62の後端部62aが回
転自在に支持されており、この後端部62aに設けられ
たフランジ部62bが、スラストベアリング63を介し
てケース61に軸方向にかつ回転自在に支持されてい
る。また、入力軸62の外周に中空軸64が入力軸62
と相対回転自在に支持されており、この中空軸64に設
けられた多板摩擦係合要素である第1のクラッチ65の
内径側クラッチハブ65aが、スラストベアリング66
を介してフランジ部62bに軸方向にかつ回転自在に支
持されている。更に、内径側クラッチハブ65aには、
リングギヤ67の径方向回転部材67aがスラストベア
リング68を介して軸方向にかつ相対回転自在に支持さ
れているとともに、この径方向回転部材67aにキャリ
ヤ69がスラストベアリング70を介して軸方向にかつ
相対回転自在に支持されている。更に、中空軸64には
サンギヤ71が設けられているとともに、このサンギヤ
71およびリングギヤ67にともに噛合しかつキャリヤ
69に支持されたプラネタリギヤ72が設けられてお
り、これらギヤ67,71,72は、この公報には開示さ
れていないが、一般にはそれぞれ、はすば歯車で形成さ
れている。更に、入力軸62の後端には、入力軸62の
中心に穿設された軸方向孔62cを通して、低圧の潤滑
油が導入されるようになっている。
【0005】一方、入力軸62のフランジ部62bに多
板摩擦係合要素である第2のクラッチ73の外形側クラ
ッチハブ73aが入力軸62と一体に回転可能に連結さ
れているとともに、ケース61の軸方向突出部61aに
回転可能に支持されている。また、第2のクラッチ73
の油圧サーボのサーボピストン73bが外形側クラッチ
ハブ73aに、液密におよび外形側クラッチハブ73a
に対し軸方向に相対移動可能にかつ相対回転不能に嵌合
されている。更に、このサーボピストン73bと外形側
クラッチハブ73aとには、第1のクラッチ65の油圧
サーボのサーボピストン65bが、液密におよびこれら
のサーボピストン73bと外形側クラッチハブ73aに
対し軸方向に相対移動可能にかつ相対回転不能に嵌合さ
れている。更に、ケース61の突出部61aには、サー
ボピストン65bを作動する高圧の作動油を導入するた
めの軸方向油路74と径方向油路75、およびサーボピ
ストン73bを作動する高圧の作動油を導入するための
軸方向油路(不図示)と径方向油路76がそれぞれ形成
されているとともに、各径方向油路75,76の開口端
を挟んで3本のシールリング77,78,79がそれぞれ
設けられている。
【0006】このような構成の従来の自動変速機におい
ては、はすば歯車の噛合により、入力トルクの伝達によ
るそれらの回転に伴ってサンギヤ71、プラネタリギヤ
72、およびリングギヤ67に前後方向のスラスト力が
発生する。そして、サンギヤ71に発生した後方へのス
ラスト力は、中空軸64、スラストベアリング66、フ
ランジ部62b、およびスラストベアリング63を介し
てケース61に伝えられて、このケース61で支持され
る。また、リングギヤ67に発生した後方へのスラスト
力は、径方向回転部材67aおよびスラストベアリング
68を介してクラッチハブ65aに伝えられ、更に前述
のサンギヤ71のスラスト力と同様にしてケース61で
支持される。更に、プラネタリギヤ72に発生した後方
へのスラスト力は、キャリヤ69、スラストベアリング
70を介して径方向回転部材67aに伝えられ、更に前
述のリングギヤ67のスラスト力と同様にしてケース6
1で支持される。更に、潤滑油の低圧が入力軸62の後
端に前方に向かって作用するようになる。
【0007】一方、作動油が軸方向油路および径方向油
路75,76を通して各油圧サーボに導入されることに
より、各サーボピストン65b,73bが同時にまたは
選択的に作動されるようになる。なお、図6に示されて
いるスラストベアリングは、いずれも後方へのスラスト
力を支持するものであるが、自動変速機には、前方への
スラスト力を支持するスラストベアリングも設けられて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動変速機
が収容されるエンジンルームは限られた狭い空間であ
り、この空間内に、自動変速機の他にエンジンを始め、
種々の装置や部品が多く収容されているため、できるだ
けこれらの装置や部品をコンパクトに形成することが望
まれている。このようなことから、自動変速機に対して
も、可能な限り小型にしてコンパクトでかつ軽量に形成
することが、近年ますます厳しく求められており、そこ
で自動変速機の部品であるスラストベアリングやシール
構造も、よりコンパクトに形成することが、自動変速機
の開発上、重要な課題となっている。
【0009】ところが、前述の歯車組の回転に伴うスラ
スト力は、自動変速機の変速段によりその大きさと方向
とが変化する。このため、軸方向の前後両方向に設けら
れるスラストベアリングは、スラスト力の最大値に対応
させて設定する必要があり、その分大型化せざるを得な
いものとなっている。その場合、図6に示す従来例の自
動変速機においても、このようにスラスト力の最大値に
対応させて大型のスラストベアリングが設定されている
と考えられるが、このスラストベアリングを小型化する
ことについては何らの対策も講じられていない。したが
って、前述の公報の自動変速機では、スラストベアリン
グの大型化のため、前述のように厳しく求められている
自動変速機のコンパクト化が妨げられているという問題
がある。
【0010】更に、この従来の自動変速機では、入力軸
62に作用するスラスト力が大きいことから、入力軸6
2の損失トルクが大きくなるため、自動変速機の機械効
率が必ずしも良好であるとは言えない。
【0011】また、油圧サーボに高圧の作動油を導入す
るための径方向油路の開口端の前後両側をシールしなけ
ればならないため、一般に2本のシールリングが必要と
なり、その分自動変速機の軸方向の長さを長大化せざる
を得ないものとなる。この図6に示す従来例では、2つ
の径方向の油路75,76に対して本来4本のシールリ
ングが必要になるのにもかかわらず、3本のシールリン
グ77,78,79しか設けられていないが、これは、2
つの油路75,76が隣接して設けられていて、1本の
シールリングが両油路75,76に対して共通とされて
いるために、シールリングが1本省略されていることは
言うまでもない。したがって、図6の自動変速機におい
ては、シールリングが1本省略されている分、自動変速
機の軸方向の長さが短くなるが、それでもなお、3本の
シールリング77,78,79が設けられていることか
ら、自動変速機の軸方向の長さが長くなっている。した
がって、前述の公報の自動変速機では、シールリングに
よる軸方向長さの長大化のため、前述のように厳しく求
められている自動変速機のコンパクト化がさらに一層妨
げられている。
【0012】しかも、前述の従来の自動変速機では、シ
ールリングが多く設けられることから、入力軸等の回転
に対してこれらのシールリングの引きずりトルクが大き
いものとなる。このため、自動変速機の機械効率が更に
良好ではないものとなっている。
【0013】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、入力軸に作用するスラス
ト力を軽減できるようにして、他のスラストベアリング
に過剰な負荷をかけることなく、特定のスラストベアリ
ングに作用するスラスト力を軽減するとともに、更にシ
ールリングの数を削減できるようにして、シールリング
による引きずりトルクを小さくすることにより、自動変
速機のより一層のコンパクト化を図るとともに、機械効
率を向上することのできる自動変速機を提供することで
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、はすば歯車を有する一組以上
の歯車組と、作動油の給排により係合または解放するこ
とにより、前記歯車組のいずれかの構成要素への入力軸
からの入力トルクの伝達を制御するかまたは前記歯車組
のいずれかの構成要素の固定部材への固定を制御する一
以上の摩擦係合要素と、前記入力軸の内部に設けられ、
前記摩擦係合要素に対して作動油を給排するための油路
と、前記入力トルクの伝達時に前記入力軸に作用するス
ラスト力を支持するスラストベアリングとを備えている
自動変速機において、作動油が前記油路を通じて前記摩
擦係合要素へ供給されたとき、この作動油の油圧が前記
入力軸に作用することによりこの入力軸に発生する力の
方向が、前記入力トルクの伝達時に前記入力軸に作用す
るスラスト力の方向と対向するように設定されているこ
とを特徴としている。
【0015】また請求項2の発明は、前記油路が前記入
力軸の一端に開口するようにして設けられており、作動
油が前記入力軸の一端から前記油路を通じて前記摩擦係
合要素へ供給されるとき、この作動油の油圧が前記入力
軸の一端に作用するようになっていることを特徴として
いる。
【0016】更に請求項3の発明は、前記油路が開口す
る前記入力軸の一端側の端部に、前記入力軸の一端から
供給される作動油をシールするシールリングが1本設け
られていることを特徴としている。
【0017】更に請求項4の発明は、前記入力軸に作用
する作動油が供給される摩擦係合要素は、前記入力トル
クが伝達される前記歯車組の構成要素と前記入力軸とを
連結制御するクラッチであり、前記スラストベアリング
は、このクラッチのハブと自動変速機のケースとの間に
介設されていることを特徴としている。
【0018】更に請求項5の発明は、前記入力トルクの
伝達時に前記入力軸に作用するスラスト力と、作動油が
前記油路を通じて前記摩擦係合要素へ供給されたとき、
前記入力軸に作用する力とが、同一方向でかつ同時に発
生するがないように設定されていることを特徴としてい
る。
【0019】更に請求項6の発明は、前記歯車組が、第
1サンギヤと、この第1サンギヤに噛合するショートピ
ニオンおよびこのショートピニオンに噛合するロングピ
ニオンをそれぞれ回転自在に支持するキャリヤと、前記
ロングピニオンに噛合するリングギヤと、前記ロングピ
ニオンに噛合する第2サンギヤとからなり、前記第1サ
ンギヤは第1クラッチを介して入力軸に連結可能であ
り、前記キャリヤが第2クラッチを介して入力軸に連結
可能であるとともに、前記第2係止手段により自動変速
機のケースに係止可能であり、前記リングギヤが自動変
速機の出力部材に連結されており、前記第2サンギヤが
第3クラッチを介して入力軸に連結可能であるととも
に、前記第1係止手段により前記ケースに係止可能であ
り、前記摩擦係合要素が、前記第1クラッチであり、こ
の第1クラッチは前進最高速段以外で係合することを特
徴としている。
【0020】
【作用および効果】このように構成された請求項1の発
明の自動変速機においては、入力トルク伝達時に、はす
ば歯車を有する歯車組にスラスト力が発生し、このスラ
スト力は入力軸に作用するが、この入力軸に作用したス
ラスト力はスラストベアリングで支持される。また、こ
のとき摩擦係合要素に供給される作動油の油圧が入力軸
に作用して、この入力軸にスラスト力と対抗する力を発
生するようになる。したがって、スラストベアリングで
支持されるスラスト力はこの油圧による力によって低減
され、スラストベアリングの負荷が軽減されるようにな
る。
【0021】これにより、スラストベアリングを従来の
自動変速機に比べて小型にでき、自動変速機のコンパク
ト化を一段と図ることができるようになるとともに、ス
ラストベアリングの耐久性を向上させることができる。
特に、前進変速段時に係合する摩擦係合要素に供給され
る作動油の油圧によって入力軸に生じる力の方向とその
前進変速段時に入力軸に作用するスラスト力の方向とを
対向させるようにすることにより、使用頻度が高くかつ
高速回転をする前進変速段においてスラストベアリング
の負荷を効果的に軽減することができ、スラストベアリ
ングの耐久性を向上させることができる。
【0022】また、スラストベアリングの負荷を効果的
に軽減できることから、スラストベアリングにおける損
失トルクを小さくできるので、自動変速機の機械効率を
向上させることができ、その結果、燃費の低減や駆動輪
の駆動トルクの増大等のエネルギの消費を無駄なく有効
に行うことができる。
【0023】また、請求項2の発明においては、摩擦係
合要素への作動油の供給を、入力軸の一端からこの入力
軸内の油路を通じて直接行うことができるようになる。
これにより、シール構造が簡単になる。特に、請求項3
の発明においては、入力軸の一端部に1本のシールリン
グを設けるだけで済ませることができる。これにより、
摩擦係合要素への供給油路の前後に2本のシールリング
を必要としなく、シールリングの1本化を図ることがで
き、その分、自動変速機の全長をコンパクトにできる。
【0024】更に、請求項4の発明においては、スラス
トベアリングがケースとクラッチハブとの間に設けられ
ているが、その場合ケースは常に停止状態にあり、入力
軸の回転がそのままこのスラストベアリングのアウタレ
ースとインナーレースとの間の相対速度となるため、こ
の相対速度はきわめて大きな速度となる。このため、ス
ラストベアリングは常に過酷な条件で使用されることに
なり、このような過酷な条件で使用されるスラストベア
リングの負荷を前述のように低減することは、スラスト
ベアリングの耐久性および自動変速機の機械効率を、と
もに更に一層効果的に向上させることができる。
【0025】更に、請求項5の発明においては、油圧に
より入力軸に発生する力とスラスト力とが同一方向にか
つ同時に発生しないため、一部のスラストベアリングに
過剰な負荷が加えられることを防止できる。これによ
り、油圧による力とスラスト力との同一方向、同時発生
のための対策を講じる必要がないので、自動変速機のコ
ンパクト化をより確実に行うことができるようになる。
【0026】更に、請求項6の発明においては、自動変
速機がいわゆるラビニヨ型自動変速機となっている。こ
の自動変速機では、前進最高速段以外の変速段で係合す
る第1クラッチを介して入力軸と第1サンギヤとが連結
されるので、スラスト力の大きい前進低速段では、第1
クラッチに供給される作動油の高圧の油圧によりスラス
トベアリングに係る負荷をより効果的に軽減できるよう
になる。その場合、前進最高速段では、スラスト力の低
減効果は小さくなるが、他の前進変速段の場合に比較し
てスラスト力が最小であるため、低速段よりはスラスト
力の低減を必要としないので、スラスト力の低減効果が
小さくても支障はない。
【0027】このように、前進最高速段以外の、スラス
ト力の大きい低速段では、スラスト力が低減され、スラ
スト力の小さい前進最高速段ではスラスト力が低減され
ないので、前進時にはスラスト力の変動幅が小さくな
る。したがって、前進時の全変速段を通じて、スラスト
ベアリングにかかる負荷を安定化でき、その結果、従来
のようにスラストベアリングの容量を、発生する最大ス
ラスト力に対応させて大きく設定する必要はなく、より
小さな適切な容量のスラストベアリングを選択すること
ができる。こうして、ラビニヨ型自動変速機の特徴であ
る軽量コンパクト性を効果的に活かすことができるよう
になる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1は、本発明の自動変速機の実施
の形態の一例を示す断面図、図2はこの自動変速機を模
式的に示すスケルトン図、図3はこの自動変速機の各要
素の各レンジでの作動状態を示す図である。なお、図3
において、○は係合を表し、×は非係合を表している。
【0029】図1および図2に示すように、本例の自動
変速機Aは、エンジンクランク軸1に整列する第1軸の
入力軸2、第2軸のカウンタ軸3および第3軸のアクス
ル軸4a,4bの3軸を有しており、入力軸2上にはロ
ックアップクラッチ(L/C)5を有するトルクコンバ
ータ6および自動変速機構7が配設され、またカウンタ
軸3上にはカウンタ機構8が配設され、更にアクスル軸
4a,4b上にはディファレンシャル装置9が配設され
ている。
【0030】自動変速機構7は、本発明の歯車組の1つ
を構成する遊星歯車機構を備えており、この遊星歯車機
構はシングルプラネタリギヤ10およびデュアルプラネ
タリギヤ11とを組み合わせたラビニヨタイプのプラネ
タリギヤユニット12を備えている。このプラネタリギ
ヤユニット12においては、シングルプラネタリギヤ1
0の第2サンギヤS2に噛合するピニオンとデュアルプ
ラネタリギヤ11のリングギヤR1およびデュアルプラ
ネタリギヤ11のショートピニオンP1にそれぞれ噛合
するデュアルプラネタリギヤ11のピニオンとが、共通
のロングピニオンPとして一体に構成されている。ま
た、ショートピニオンP1はデュアルプラネタリギヤ1
1の第1サンギヤS1に噛合されている。更に、ロング
ピニオンPおよびショートピニオンP1を回転自在に支
持するキャリヤが両プラネタリギヤ10,11の共通の
キャリヤCRとして一体に構成されている。更に、デュ
アルプラネタリギヤ11の第1サンギヤ1は入力軸2の
外周に相対回転可能に支持される第1中空軸13に一体
に形成されているとともに、シングルプラネタリギヤ1
0の第2サンギヤS2は第1中空軸13の外周に支持さ
れる第2中空軸14に一体に形成されている。
【0031】そして、入力軸2と第1中空軸13すなわ
ちデュアルプラネタリギヤ11の第1サンギヤS1とが
第1の(フォワード)クラッチC1を介して連結されて
おり、また入力軸2と第2中空軸14すなわちシングル
プラネタリギヤ10の第2サンギヤS2とが第3の(リ
バース)クラッチC3を介して連結されている。また、
第2サンギヤS2が第1のブレーキB1によりケース1
5に係止可能にされているとともに、その一方向回転時
に、第1のワンウェイクラッチF1およびこのワンウェ
イクラッチF1に直列的に配設された第2のブレーキB
2によりケース15に係止されるようになっている。
【0032】更に、キャリヤCRが第2のクラッチC2
を介して入力軸2に連結されているとともに、第3のブ
レーキB3によりケース15に係止可能にされており、
しかもその一方向回転時に、第3のブレーキB3に並列
的に配設された第2のワンウェイクラッチF2によりケ
ース15に係止されるようになっている。そして、デュ
アルプラネタリギヤ11のリングギヤR1がケース15
に回転可能に支持されているカウンタドライブギヤ16
に連結されており、このカウンタドライブギヤ16が自
動変速機構7の出力部材となっている。
【0033】以上のことから明らかなように、本発明の
固定部材は自動変速機のケース15に対応し、また第1
係止手段は第1のブレーキB1に対応し、更に第2係止
手段は第3のブレーキB3に対応している。
【0034】また、カウンタ機構8は、カウンタ軸3に
支持された、カウンタドライブギヤ16に噛合するカウ
ンタドリブンギヤ17および同じくカウンタ軸3に支持
された、このカウンタ機構8の出力部材となる減速ギヤ
18を備えている。
【0035】また、ディファレンシャル装置9はギヤマ
ウントケースとなるデフキャリヤ19および左右サイド
ギヤ20a,20bを備えている。このデフキャリヤ1
9にはリングギヤ21が固定されており、このリングギ
ヤ21がカウンタ機構8の減速ギヤ18と噛合して最終
減速機構を構成している。また、左右サイドギヤ20
a,20bがそれぞれ左右アクスル軸4a,4bに連結さ
れている。そして、前述の各ギヤS1,S2,P,P1,R
1,16,17,18,21は、いずれも、はすば歯車から
形成されている。
【0036】このように構成された自動変速機Aは、図
示しないマニュアルシフト弁による設定されるP,R,
N,D,2,Lの各レンジにて、図示しない油圧制御回路
における各ソレノイドバルブのオン・オフ信号の組み合
わせにより、図3に示すように各クラッチC1〜C3、
各ブレーキB1〜B3および各ワンウェイクラッチF1
〜F2の各レンジに対応するものが係合して、それぞれ
各レンジP、R、N、Dレンジにおける各変速段1ST
〜4TH、2レンジにおける各変速段1ST〜3RD、
およびLレンジにおける各変速段1ST〜(3RD)が
得られるようになっている。
【0037】以下にその動作について説明する。 I. ドライブレンジ(Dレンジ) N→Dシフトを行うために、マニュアルシフト弁がドラ
イブレンジ(Dレンジ)の位置に設定される。Dレンジ
における1速状態においては、第1のクラッチC1が係
合されるとともに、第2のワンウェイクラッチF2が係
合される。この状態では、入力軸2の回転が第1のクラ
ッチC1を介して第1サンギヤS1に伝達されるととも
に、更にショートピニオンP1に伝達され、更にこのシ
ョートピニオンP1の回転がロングピニオンPに伝達さ
れる。このとき、ロングピニオンPは第2サンギヤS2
を空転させながら正方向に回転する。また、ロングピニ
オンPの回転により、共通のキャリヤCRが逆方向に回
転しようとするが、第2のワンウェイクラッチF2がキ
ャリヤCRをその逆方向回転に対してケース15に係止
させるので、キャリヤCRは回転を阻止される。このた
め、リングギヤR1が正方向に大きく減速回転され、こ
の回転がカウンタドライブギヤ16から取り出されて、
カウンタ機構8のカウンタドリブンギヤ17に伝達され
る。これにより、Dレンジの1速が達成される。
【0038】更にカウンタ機構8において、カウンタド
リブンギヤ17の回転がカウンタ軸3を介して減速ギヤ
18に伝達され、更にリングギヤ21を介してディファ
レンシャル装置9のデフキャリヤ19に減速されて伝達
される。そして、最後にこのデフキャリヤ19の回転が
左右サイドギヤ20a,20bを介してそれぞれ左右ア
クスル軸4a,4bに伝達される。
【0039】Dレンジにおける2速状態においては、第
1のクラッチC1の係合状態が保持される。また、第2
のブレーキB2が係合されるとともに、第1のワンウェ
イクラッチF1が係合される。この状態では、前述の1
速と同様に入力軸2の回転が、第1のクラッチC1、第
1サンギヤS1、およびショートピニオンP1を介して
ロングピニオンPに伝達される。このロングピニオンP
の回転により、第2サンギヤS2が逆方向に回転しよう
とするが、第2のブレーキB2が係合されているととも
に、第1のワンウェイクラッチF1が逆方向の回転に対
して係合するので、第2サンギヤS2は回転を阻止され
る。このため、キャリヤCRが正方向に回転するととも
に、リングギヤR1が正方向に回転し、このリングギヤ
R1の回転がカウンタドライブギヤ16から取り出され
ることにより、2速が達成される。
【0040】Dレンジにおける3速状態においては、第
1のクラッチC1の係合状態および第2のブレーキB2
の係合状態がそれぞれ保持される。更に、第2のクラッ
チC2が係合される。この状態では、入力軸2の回転が
第1のクラッチC1を介して第2サンギヤS2に伝達さ
れるだけでなく、第2のクラッチC2を介してキャリヤ
CRに伝達される。このため、第1サンギヤS1とキャ
リヤCRとが正方向に一体に回転するので、ショートピ
ニオンP1およびロングピニオンPがともにキャリヤC
R、第1サンギヤS1、および入力軸2と一体的に回転
するが、それぞれ自転はしない。このとき、第2のブレ
ーキB2が係合していても第1のワンウェイクラッチF
1が正方向回転に対して係合しないので、ロングピニオ
ンPが入力軸2まわりに回転しかつ自転をしないことか
ら、第2サンギヤS2が正方向にロングピニオンPと一
体に回転するとともに、リングギヤR1もロングピニオ
ンPと一体に正方向に回転する。すなわち、リングギヤ
R1は入力軸2と一体に直結回転する。このリングギヤ
R1の回転がカウンタドライブギヤ16から取り出され
ることにより、3速が達成される。
【0041】前進最高速段であるDレンジにおける4速
状態においては、第2のクラッチC2の係合状態および
第2のブレーキB2の係合状態がそれぞれ保持される。
また、第1のクラッチC1が解放されるとともに、第1
のブレーキB1が係合される。この状態では、入力軸2
の回転が第2のクラッチC2を介してキャリヤCRに伝
達されるが、第1サンギヤS1が入力軸2から遮断され
るので、入力軸2の回転は第1サンギヤS1には伝達さ
れない。したがって、キャリヤCRが入力軸2と一体に
回転するとともに、このキャリヤCRの回転により、ロ
ングピニオンPおよびショートピニオンP1がともに入
力軸2まわりに回転する。このとき、第1のブレーキB
1が係合していて第2サンギヤS2が回転しなく、更に
第1サンギヤS1が入力軸2から遮断されてフリーとな
っているので、ロングピニオンPおよびショートピニオ
ンP1がともに自転し、第1サンギヤS1が空転する。
ロングピニオンPの入力軸2まわりの回転および自転に
より、リングギヤR1が入力軸2より高速度で正方向に
回転する。このリングギヤR1の回転がカウンタドライ
ブギヤ16から取り出されることにより、入力軸2の回
転をオーバードライブした高速回転の4速が達成され
る。
【0042】II. リバースレンジ(Rレンジ) N→Rシフトを行うために、マニュアルシフト弁がリバ
ースレンジ(Rレンジ)の位置に設定される。
【0043】Rレンジでは、第3のクラッチC3が係合
されるとともに、第3のブレーキB3がともに係合され
る。この状態では、キャリヤCRが第3のブレーキB3
の係合により固定されている。また、入力軸2の回転が
第3のクラッチC3を介して第2サンギヤS2に伝達さ
れる。この第2サンギヤS2の回転により、ロングピニ
オンPが逆方向に回転するとともに、キャリヤCRが回
転しないのでリングギヤR1が逆方向に減速回転する。
このリングギヤR1の逆回転がカウンタドライブギヤ1
6に取り出される。
【0044】III. パーキングレンジ(Pレンジ)およ
びニュートラルレンジ(Nレンジ) マニュアルシフト弁がパーキングレンジ(Pレンジ)ま
たはニュートラルレンジ(Nレンジ)の位置にそれぞれ
設定される。
【0045】PレンジまたはNレンジでは、いずれのク
ラッチ、いずれのブレーキ、およびいずれのワンウェイ
クラッチも係合されない。この状態では、入力軸2の回
転はカウンタギヤ16には伝達されなく、アクスル軸4
a,4bは回転しない。
【0046】IV. セカンドレンジ(2レンジ) マニュアルシフト弁がセカンドレンジ(2レンジ)の位
置に設定される。2レンジにおける1速状態において
は、前述のDレンジの1速の場合とまったく同じであ
り、Dレンジの1速と同様の、2レンジでの1速が達成
される。また2レンジの2速状態においては、前述のD
レンジの2速の場合に更に第1のブレーキB1が係合さ
れる。この状態では、前述のDレンジの2速の場合に対
して第2サンギヤS2が正、逆いずれの方向にも回転を
阻止される。これにより、2レンジでの2速が達成さ
れ、エンジンブレーキが作動するようになる。2レンジ
の3速状態においては、前述のDレンジの3速の場合と
同じであり、Dレンジの3速と同様の、2レンジでの3
速が達成される。
【0047】V. ローレンジ(Lレンジ) マニュアルシフト弁がローレンジ(Lレンジ)の位置に
設定される。Lレンジにおける1速状態においては、前
述のDレンジの1速の場合に更に第3のブレーキB3が
係合される。これにより、比較的大きなブレーキ力のエ
ンジンブレーキが作動するようになっている。またLレ
ンジの2速状態においては、前述の2レンジの2速の場
合とまったく同じであり、2レンジの2速と同様の、L
レンジでの2速が達成され、エンジンブレーキが作動す
るようになっている。このエンジンブレーキのブレーキ
力はLレンジの1速時のエンジンブレーキより小さい。
更にLレンジの3速状態においては、前述の2レンジの
3速の場合とまったく同じであり、2レンジの3速と同
様の、Lレンジでの3速が達成される。
【0048】ところで、この例の自動変速機Aにおいて
は、図4に示すように、自動変速機Aのケース15の軸
方向突出部15aに、入力軸2の後端部2aが2個のベ
アリング22,23により回転自在に支持されている。
また、入力軸2の後端部2aに設けられたフランジ部1
5bには、第3のクラッチC3の外径側クラッチハブ2
4が入力軸2と一体回転するように連結されている。こ
の外径側クラッチハブ24はスラストベアリング25を
介してケース15に軸方向にかつ回転自在に支持されて
いるとともに、このスラストベアリング25により、入
力軸2からの後方へのスラスト力が外径側クラッチハブ
24を介して支持されるようになっている。
【0049】また第1中空軸13には、第1のクラッチ
C1の内径側クラッチハブ26が一体回転するように連
結されている。この第1中空軸13と内径側クラッチハ
ブ26との連結部は、スラストベアリング27を介して
入力軸2のフランジ部2bの段部2cに軸方向にかつ入
力軸2と相対回転自在に支持されているとともに、この
スラストベアリング27により、第1サンギヤS1から
の後方へのスラスト力が第1中空軸13を介して支持さ
れるようになっている。
【0050】更に第2中空軸14には、第1のワンウェ
イクラッチF1のインナーレース28が一体に設けられ
ており、このインナーレース28は、スラストベアリン
グ29を介して内径側クラッチハブ26に軸方向にかつ
この内径側クラッチハブ26と相対回転自在に支持され
ているとともに、このスラストベアリング29により、
第2サンギヤS2からの後方へのスラスト力が第2中空
軸14を介して支持されるようになっている。
【0051】更にキャリヤCRが、スラストベアリング
30を介してインナーレース28に軸方向にかつこのイ
ンナーレース28と相対回転自在に支持されているとと
もに、このスラストベアリング30により、ショートピ
ニオンP1およびロングピニオンPからの後方へのスラ
スト力がキャリヤCRを介して支持されるようになって
いる。
【0052】一方、入力軸2の後端部2aには、この入
力軸2の後端から軸方向孔31が穿設されているととも
に、この軸方向孔31と第1のクラッチC1の油圧サー
ボ32の油室33とを連通する径方向孔34が穿設され
ている。軸方向孔31は、ケース15に設けられた油路
35を介して図示しない自動変速機の油圧制御装置に接
続されている。これらの軸方向孔31と径方向孔34と
は、油圧サーボ32の油室33に、油圧制御装置によっ
て制御された高圧の作動油を導入するための油路の一部
を形成している。また、入力軸2の後端部2aの外周面
には、この外周面とベアリング22との間をシールする
シールリング36が設けられている。
【0053】更に、ケース15の軸方向突出部15aに
は、軸方向孔37が穿設されているとともに、この軸方
向孔37と第3のクラッチC3の油圧サーボ38の油室
39とを連通する径方向孔40が穿設されている。軸方
向孔37は、ケース15に設けられた油路41を介して
同様に油圧制御装置に接続されている。これらの軸方向
孔37と径方向孔40とは、油圧サーボ38の油室39
に、油圧制御装置によって制御された高圧の作動油を導
入するための油路の一部を形成している。
【0054】また、軸方向突出部15aの外周面には、
径方向孔40の開口端を挟んで前後に、この外周面と外
周側クラッチハブ24との間をシールする2本のシール
リング42,43が設けられている。
【0055】このように構成された自動変速機Aにおい
ては、Dレンジ1速ないし4速および後進の変速状態の
とき、各ギヤには図5に矢印で示すようなスラスト力が
発生する。すなわち、図5において1速状態では、第1
のクラッチC1と第2のワンウェイクラッチF2が係合
することから、第1サンギヤS1には太い矢印で示すよ
うに後方へのスラスト力f1が発生する。このスラスト
力f1は、前述のように第1中空軸13、スラストベア
リング27、入力軸2、および外周側クラッチハブ24
を介して、スラストベアリング25で支持される。しか
し、この1速状態では、第1のクラッチC1が係合され
ることから、第1のクラッチC1の油圧サーボ32の油
室33には、作動油が導入されている。この作動油の油
圧は、第1のクラッチC1が1速時係合することから高
圧に制御されている。そして、この作動油の高圧が入力
軸2の後端2dに前方に向けて作用するようになり、そ
の結果入力軸2には、シールリング36によって定まる
有効受圧面積にこの作動油の油圧を乗じた力f1′が前
方に向けて、すなわちスラスト力f1に対向して作用す
ることになる。その場合、力f1′が力f1より小さくさ
くなるように、作動油の油圧および前述の有効受圧面積
が設定されている。
【0056】したがって、入力軸2に作用する第1サン
ギヤS1からのスラスト力f1は、この油圧による力
1′の分だけ相殺されるようになり、結局、スラスト
ベアリング25が支持するスラスト力は(f1−f1′)
となって、大きく軽減される。
【0057】また同図において、2速状態では、第1の
クラッチC1、第2のブレーキB2、および第1のワン
ウェイクラッチF1が係合することから、第1サンギヤ
S1には、太い矢印で示すように後方へのスラスト力f
2が発生する。このスラスト力f2は、前述のようにスラ
ストベアリング25で支持されるが、このとき1速と同
様に入力軸2の後端2dに前方に向けて作用する、油圧
サーボ32への作動油の油圧による力f1′の分だけ相
殺されるようになり、結局、スラストベアリング25が
支持するスラスト力は(f2−f1′)となって、大きく
軽減される。
【0058】更に、3速状態では、第1のクラッチC1
および第2のクラッチc2が係合することから、第1サ
ンギヤS1には、太い矢印で示すように後方へのスラス
ト力f3が発生する。このスラスト力f3は、前述のよう
にスラストベアリング25で支持されるが、このときも
1速と同様となり、結局、スラストベアリング25が支
持するスラスト力は(f3−f1′)となって、大きく軽
減される。
【0059】更に、前進最高速段である4速状態では、
第1のクラッチC1が解放され、また第2のクラッチC
2および第1のブレーキB1が係合することから、第2
サンギヤS2には、太い矢印で示すように後方へのスラ
スト力f4が発生する。このスラスト力f4は、第2中空
軸14、インナーレース28、スラストベアリング2
9、内周側クラッチハブ26、スラストベアリング2
7、入力軸2、および外周側クラッチハブ24を介して
スラストベアリング25で支持される。この4速状態で
は、第1のクラッチC1が解放されることから、油圧サ
ーボ32には高圧の作動油が導入されなく、したがって
入力軸2には前述の油圧による力f1′は作用しない。
しかし、この4速時に発生する第2サンギヤS2からの
スラスト力f4は、伝達トルクが小さいため、比較的小
さい値となっており、結局、スラストベアリング25が
支持するスラスト力は小さい。
【0060】更に、後進時では、第3のクラッチC3お
よび第3のブレーキB3が係合することから、第2サン
ギヤS2には、太い矢印で示すように前方へのスラスト
力frが発生する。このスラスト力frは、第2中空軸1
4、インナーレース28、およびスラストベアリング3
0を介してキャリヤCRに伝えられ、その後最終的に
は、図1に示す入力軸2の、第2のクラッチC2の外周
側クラッチハブ44が連結されるフランジ部2eを介し
てスラストベアリング45によって支持される。この後
進時は、第1のクラッチC1が係合されないことから、
入力軸2の後端2dに作用する油圧による力f1′は発
生しないので、この後進時にスラストベアリング45が
支持する前方へのスラスト力が助長されることはない。
【0061】なお、詳細な説明は省略するが、2レンジ
およびLレンジでも、常に第1のクラッチC1が係合さ
れることから、入力軸2の後端2dに作用する高圧の油
圧による力f1′が発生するので、その分、スラストベ
アリング25が支持する後方へのスラスト力は軽減され
る。
【0062】このように、スラストベアリング25によ
って支持される後方へのスラスト力のうち、前進最高速
段以外の変速段である、Dレンジ1速ないし3速、2レ
ンジ、およびLレンジにおいて発生する大きなスラスト
力が、入力軸2の後端2dに作用する高圧の油圧による
力f1′によって常に軽減されるので、スラストベアリ
ング25に作用する負荷を効果的に低減できる。これに
より、スラストベアリング25を従来の自動変速機に比
べて小型にでき、自動変速機Aのコンパクト化を一段と
図ることができるようになるとともに、スラストベアリ
ング25の耐久性を向上させることができる。その場
合、自動変速機Aはいわゆるラビニヨ型の自動変速機で
あるので、このラビニヨ型自動変速機の特徴の1つであ
る軽量コンパクト性を効果的に活かすことができるよう
になる。
【0063】また、スラストベアリング25の負荷を低
減できることから、損失トルクを小さくできるので、自
動変速機Aの機械効率を向上させることができ、その結
果燃費の低減や駆動輪の駆動トルクの増大等のエネルギ
の消費を無駄なく有効に行うことができる。
【0064】特に、前進最高速段であるDレンジ4速段
以外の、後方へのスラスト力の大きい低速段ではスラス
ト力が低減され、後方へのスラスト力の小さい前進最高
速段ではスラスト力が低減されないので、前進時には後
方へのスラスト力の変動幅が小さくなる。したがって、
前進時の全変速段を通じて、スラストベアリング25に
かかる負荷を安定化でき、その結果、従来のようにスラ
ストベアリングの容量を発生する最大スラスト力に対応
させて大きく設定する必要はなく、より小さな適切な容
量のスラストベアリングを選択することができる。
【0065】しかも、スラストベアリング25はケース
15と外周側クラッチハブ24との間に設けられている
が、その場合ケース15は常に停止状態にあり、入力軸
2の回転がそのままこのスラストベアリング25のアウ
タレースとインナーレースとの間の相対速度となるた
め、相対速度はきわめて大きな速度となる。このため、
スラストベアリング25は常に過酷な条件で使用される
ことになり、このような過酷な条件で使用されるスラス
トベアリング25の負荷を前述のように低減すること
は、スラストベアリング25の耐久性および自動変速機
Aの機械効率を、ともに更に一層効果的に向上させるこ
とができる。
【0066】また、第1のクラッチC1の油圧サーボ3
2への作動油の供給を、入力軸2の後端2dからこの入
力軸2内の軸方向孔31および径方向孔34とを通じて
直接行うことができるので、入力軸2の後端部2aに1
本のシールリング36を設けるだけで済ませることがで
きる。これにより、油圧サーボへの供給油路の前後に2
本のシールリングを必要としなく、シールリングの1本
化を図ることができ、その分、自動変速機Aの全長をコ
ンパクトにできる。しかも、1本のシールリング36が
径の比較的小さな入力軸2の後端部2aに設けられてい
るので、シールリング36における引きずりトルクが小
さくなる。したがって、これによっても損失トルクを小
さくできるので、自動変速機Aの機械効率を更に向上さ
せることができる。
【0067】更に、後進時にはスラストベアリング45
が支持する前方へのスラスト力が、入力軸2の後端2d
に作用する油圧による力f1′によって助長されないの
で、Dレンジ1ないし3速、2レンジ、およびLレンジ
において、入力軸2の後端2dに、作動油の高圧を作用
させるようにしても、スラストベアリング45に過剰な
負荷が加えられることを防止できる。これにより、油圧
による力とスラスト力との同一方向、同時発生のための
対策を講じる必要がないので、自動変速機Aのコンパク
ト化をより確実に行うことができるようになる。
【0068】なお、前述の例では、前進最高速段以外の
変速段で係合する摩擦係合要素として、前進最高速段で
あるDレンジ4速以外の前進時にはすべて係合する第1
のクラッチC1を用いているが、前進最高速段以外の変
速段で係合する摩擦係合要素は、前進最高速段以外の変
速段であれば、1つの変速段でのみ係合または係止する
クラッチあるいはブレーキを用いることもできる。
【0069】また、前述の例では本発明をラビニヨ型の
プラネタリギヤを有する自動変速機に適用して説明して
いるが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の
タイプのプラネタリギヤを有する自動変速機や、プラネ
タリギヤを有さない自動変速機等、はすば歯車を有しか
つ入力トルク伝達時に入力軸にスラスト力が作用するよ
うな自動変速機であれば、どのような自動変速機にも適
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる自動変速機の実施の形態の一
例を示す断面図である。
【図2】 図1に示す自動変速機を模式的に示すスケル
トン図である。
【図3】 図1に示す自動変速機の各クラッチ、各ブレ
ーキ、および各ワンウェイクラッチの各レンジでの作動
状態を示す図である。
【図4】 図1に示す自動変速機の後端部を詳細に示す
拡大断面図である。
【図5】 図1に示す自動変速機の各変速段時に発生す
るスラスト力を説明する図である。
【図6】 従来の自動変速機の一例の後端部を詳細に示
す拡大断面図である。
【符号の説明】
1…エンジンクランク軸、2…入力軸、2a…入力軸2
の後端部、2b,2e…入力軸2のフランジ部、2c…
入力軸2の段部、2d…入力軸2の後端面、3…カウン
タ軸、4a,4b…アクスル軸、5…ロックアップクラ
ッチ(L/C)、6…トルクコンバータ、7…自動変速
機構、8…カウンタ機構、9…ディファレンシャル装
置、10…シングルプラネタリギヤ、11…デュアルプ
ラネタリギヤ、12…プラネタリギヤユニット、15…
ケース、15a…軸方向突出部、16…カウンタドライ
ブギヤ、17…カウンタドリブンギヤ、24…第3のク
ラッチC3の外径側クラッチハブ、25,27,29,3
0…スラストベアリング、26…第1のクラッチC1の
内径側クラッチハブ、31,37…軸方向孔、32…第
1のクラッチC1の油圧サーボ、33…第1のクラッチ
C1の油室、34,40…径方向孔、36,42,43,4
5…シールリング、38…第3のクラッチC3の油圧サ
ーボ、39…第3のクラッチC3の油室、C1…第1の
(フォワード)クラッチ、C2…第2のクラッチ、C3
…第3の(リバース)クラッチ、B1…第1のブレー
キ、B2…第2のブレーキ、B3…第3のブレーキ、F
1…第1のワンウェイクラッチ、F2…第2のワンウェ
イクラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻野拓也 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 森篤 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 加藤明利 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 高橋徳行 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 木下雅文 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 はすば歯車を有する一組以上の歯車組
    と、 作動油の給排により係合または解放することにより、前
    記歯車組のいずれかの構成要素への入力軸からの入力ト
    ルクの伝達を制御するかまたは前記歯車組のいずれかの
    構成要素の固定部材への固定を制御する一以上の摩擦係
    合要素と、 前記入力軸の内部に設けられ、前記摩擦係合要素に対し
    て作動油を給排するための油路と、 前記入力トルクの伝達時に前記入力軸に作用するスラス
    ト力を支持するスラストベアリングとを備えている自動
    変速機において、 作動油が前記油路を通じて前記摩擦係合要素へ供給され
    たとき、この作動油の油圧が前記入力軸に作用すること
    によりこの入力軸に発生する力の方向が、前記入力トル
    クの伝達時に前記入力軸に作用するスラスト力の方向と
    対向するように設定されていることを特徴とする自動変
    速機。
  2. 【請求項2】 前記油路は前記入力軸の一端に開口する
    ようにして設けられており、作動油が前記入力軸の一端
    から前記油路を通じて前記摩擦係合要素へ供給されると
    き、この作動油の油圧が前記入力軸の一端に作用するよ
    うになっていることを特徴とする請求項1記載の自動変
    速機。
  3. 【請求項3】 前記油路が開口する前記入力軸の一端側
    の端部に、前記入力軸の一端から供給される作動油をシ
    ールするシールリングが1本設けられていることを特徴
    とする請求項2記載の自動変速機。
  4. 【請求項4】 前記入力軸に作用する作動油が供給され
    る摩擦係合要素は、前記入力トルクが伝達される前記歯
    車組の構成要素と前記入力軸とを連結制御するクラッチ
    であり、 前記スラストベアリングは、このクラッチのハブと自動
    変速機のケースとの間に介設されていることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれか1記載の自動変速機。
  5. 【請求項5】 前記入力トルクの伝達時に前記入力軸に
    作用するスラスト力と、作動油が前記油路を通じて前記
    摩擦係合要素へ供給されたとき、前記入力軸に作用する
    力とが、同一方向でかつ同時に発生するがないように設
    定されていることを特徴とする請求項1または2記載の
    自動変速機。
  6. 【請求項6】 前記歯車組は、第1サンギヤと、 この第1サンギヤに噛合するショートピニオンおよびこ
    のショートピニオンに噛合するロングピニオンをそれぞ
    れ回転自在に支持するキャリヤと、 前記ロングピニオンに噛合するリングギヤと、 前記ロングピニオンに噛合する第2サンギヤとからな
    り、 前記第1サンギヤは第1クラッチを介して入力軸に連結
    可能であり、 前記キャリヤは第2クラッチを介して入力軸に連結可能
    であるとともに、前記第2係止手段により自動変速機の
    ケースに係止可能であり、 前記リングギヤは自動変速機の出力部材に連結されてお
    り、 前記第2サンギヤは第3クラッチを介して入力軸に連結
    可能であるとともに、前記第1係止手段により前記ケー
    スに係止可能であり、 前記摩擦係合要素は前記第1クラッチであり、この第1
    クラッチは前進最高速段以外で係合することを特徴とす
    る請求項1ないし5のいずれか1記載の自動変速機。
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