JPH05140083A - ビス(4−アリルオキシ−3,5−ジブロモフエニル)スルホンの製造方法 - Google Patents

ビス(4−アリルオキシ−3,5−ジブロモフエニル)スルホンの製造方法

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JPH05140083A
JPH05140083A JP3300585A JP30058591A JPH05140083A JP H05140083 A JPH05140083 A JP H05140083A JP 3300585 A JP3300585 A JP 3300585A JP 30058591 A JP30058591 A JP 30058591A JP H05140083 A JPH05140083 A JP H05140083A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難燃剤またはその原料であるビス(4−アリ
ルオキシ3,5−ジブロモフェニル)スルホンを安価に
高純度で得る製造方法を提供する。 【構成】 ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン
を、水および水と混和しない有機溶媒中、懸濁状態で臭
素により臭素化してビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
ブロモフェニル)スルホンを得、これを分離精製するこ
となく、引き続き、塩基と相間移動触媒の存在下に、ア
リルハライドと反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビス(4−アリルオキ
シ−3,5−ジブロモフェニル)スルホン〔以下、TB
S−BAと略記する〕を工業的に有利なプロセスで、高
収率に得るための製造法に関するものである。このTB
S−BAは、樹脂の難燃剤として、また、難燃剤の中間
体として有用である。特に、TBS−BAのアリル基を
臭素化して得られるビス(3,5−ジブロモ−4−
(2,3−ジブロモプロピルオキシ)フェニル)スルホ
ン〔以下、TBS−BPと略記する〕は、ポリプロピレ
ン等の難燃剤として極めて有効であることが知られてい
る(特公昭50ー35103号公報)。
【0002】
【従来の技術】一般に、TBS−BAは、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン〔慣用名ビスフェノール
S、以下、BPSと略記する〕を臭素化してビス(4−
ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)スルホン〔慣
用名テトラブロモビスフェノールS、以下、TBSとす
る〕を得る第一工程と第一工程で得られたTBSをアリ
ル化してTBS−BAを得る第二工程の二工程で製造さ
れる。第一工程に関しては、これまで、水−水溶性溶媒
の混合溶媒中に溶解したBPSを臭素化剤によって臭素
化し目的物であるTBSを系外に析出させる方法、水−
有機溶媒の二層系中で懸濁状態でBPSを臭素化する方
法(特開昭54−44636号公報)、水中でBPSを
臭素化する方法(特開昭54−119430号公報)等
が開示されている。
【0003】第二工程のTBSのアリル化については、
水と低級アルコールやエーテル系の水溶性溶媒との混合
溶液中、アルカリの存在下、臭化アリルとTBSとを反
応させる方法が開示されている(特公昭50ー3510
3号公報)。さらに、この方法に関して、TBS−BA
の収率向上のために、臭化アリルを原料系中に滴下する
方法(特開平3−11051号公報)、反応溶媒である
水−水溶性有機溶媒の比をある範囲で行う方法(特開平
3−11052号公報)等の改良法が開示されている。
また、工業的に安価な塩化アリルを原料としたTBS−
BAの製造法として、原料系に触媒としてKBrやNa
Br等を加えて収率を向上させる製造法も開示されてい
る(特公昭63ー39585号公報)。しかしながら、
これらのどの技術を用いても、第一工程終了後および第
二工程終了後に濾過工程が必要であり、製造プロセス上
煩雑なものであった。
【0004】また、第一工程と第二工程を連続的に行う
方法としては、水ー水溶性有機溶媒中で、BPSの臭素
化を行った後、アルカリで中和し、つづいてアリル化を
行う方法が開示されている(特公昭63−39585号
公報)。しかし、この製造法でも、反応が水と低級アル
コールやエーテル系の水溶性溶媒との混合溶液中で行わ
れるので、目的物であるTBS−BAが系外に析出して
くるため、製造工程中に作業上煩雑である濾過工程が必
要である。また、濾別したTBS−BAの洗浄には水が
用いられるため乾燥に長時間を要するうえに、濾液が水
−アルコールの混合物であるためその処理に大きな費用
を必要とする。
【0005】一方、或る種の4級アンモニウム塩の存在
下、相間移動条件で、BPSをアリル化させる反応につ
いても公知である(特開昭63−137854号公
報)。しかしながら、上記特許に記載の脂溶性の高い4
級アンモニウム塩、例えば、トリオクチルメチルアンモ
ニウムクロライドは、本発明者らの検討では、TBSの
アリル化に際して相間移動触媒として用いた場合、転化
率は著しく小さく、相関移動触媒としての効果は全くな
いことが判った。即ち、脂溶性の高い4級アンモニウム
塩は、TBSのアリル化には有効ではなく、従って、T
BSの相間移動条件下におけるアリル化反応に対して高
い活性を示す相間移動触媒に関しての知見はこれまで全
く無かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、工業
的プロセスにおいて煩雑とされる濾過工程や精製工程な
しに、BPSの臭素化と、TBSのアリル化を連続的に
行い、しかも高収率、高純度でTBS−BAを得る製造
方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく、TBSのアリル化に有効な相間移動触媒
を見いだすべく鋭意検討を行った。その結果、本発明者
らは驚くべきことに、TBSのアリル化においては、B
PSの場合とは逆にむしろ親水性の高い相間移動触媒
が、特に有効であることを見いだし、本発明を完成する
に到った。すなわち、本発明は、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルホンを水および水と混和しない有機溶媒
中、懸濁状態で臭素により臭素化してビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジブロモフェニル)スルホンを得、これ
を分離精製することなく、引き続き、塩基と相間移動触
媒の存在下でアリルハライドと反応させることを特徴と
するビス(4−アリルオキシ−3,5−ジブロモフェニ
ル)スルホンの製造方法に関するものであり、さらに、
相関移動触媒として、一般式(1)(化3)で表される
4級オニウム塩を用いる製造方法、
【0008】
【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ独立
してベンジル基または炭素数4以下のアルキル基を表
し、YはN原子またはP原子を表し、XはCl、Brま
たはHSO4 を表す)一般式(2)(化4)で表される
ポリエチレングリコールまたはそのアルキルエーテルを
用いる製造方法
【0009】
【化4】 (式中、nは5から70までの整数を表し、R5 、R6
はそれぞれ独立して水素原子または炭素数4以下のアル
キル基を表す。)および有機溶媒としてハロゲン化炭化
水素及びハロゲン化芳香族炭化水素から選ばれた溶媒を
用いるビス(4−アリルオキシ−3,5−ジブロモフェ
ニル)スルホンの製造方法に関するものである。
【0010】本発明の製造法は、第一工程のBPSの臭
素化と、第二工程のTBSのアリル化とを、同一の混合
溶媒二層系で、しかも、高選択的に行うことにより、作
業上煩雑とされている濾過工程を省略した連続プロセス
であり、さらに、第一工程終了後だけではなく第二工程
終了後においても濾過工程の省略が可能になるビス(4
−アリルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)スルホン
の極めて有利な製造方法である。本発明の反応は、第一
工程、第二工程ともに、水および水と混和しない有機溶
媒中で行われる。本発明に用いられる有機溶媒は、水と
混和しないもので、臭素を始めとする原料系に対して不
活性なものであればよく、特に、クロロベンゼン等のハ
ロゲン化芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホル
ム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロ
エタン等のハロゲン化炭化水素等が好ましい。水および
有機溶媒の使用量は、BPS1モル対して、各々300
〜3500ml、500〜3500mlが好ましく、水
と有機溶媒の比は、水1に対して、0.5〜2倍容量の
範囲が好ましい。
【0011】本発明の第一工程は、BPSの臭素化によ
るTBSの製造工程である。第一工程において用いられ
る臭素の量は、BPSに対して4倍モル以上あればよ
く、コスト等を考慮すれば、4〜4.25倍モルが好ま
しい。第一工程の反応温度は、臭素滴下中は臭素の気化
抑制の点から40℃以下が好ましく、熟成温度は使用す
る溶媒の沸点に依存するが、副生物の生成抑制の点から
80℃以下が好ましい。反応時間は1〜10時間であ
る。反応の進行は、例えば高速液体クロマトグラフィー
等を用いて追跡することができる。第一工程終了後に残
存している未反応臭素による着色は、ヒドラジンやチオ
硫酸ナトリウムなどの還元剤を添加することによって取
り除くことが出来る。次いで、第一工程によって得られ
た反応混合物はアルカリを加えて、HBrを中和した
後、さらにTBSのアルカリ金属塩を調製する。本発明
に用いられるアルカリとしては、アルカリ金属の水酸化
物、炭酸塩、炭酸水素塩などがあるが、価格等の点から
水酸化ナトリウムが好ましく、また、アルカリの使用量
は、BPSに対して6倍モル以上、好ましくは6〜8倍
モルである。
【0012】本発明の第二工程は、上記の方法で得られ
たTBSのアルカリ金属塩を、親水性の高い相間移動触
媒の存在下に、アリルハライドと反応させる工程であ
る。本発明で用いる親水性の高い相間移動触媒は、BP
Sのアリル化に関しては全く有効ではないことが知られ
ている。例えば、ベンジルトリエチルアンモニウムクロ
ライドを相間移動触媒として用いた場合、ジアリルエー
テルの収率は低いことが特開昭63−137854に述
べられている。しかしながら、TBSは分子構造中、水
酸基のオルソ位がすべて電子吸引性基であるBrで置換
されているため、BPSに比較して酸性度が高い。本発
明者らは、種々検討の結果、TBSのアリル化反応はB
PSの場合と大きく異なり、主として水層でおこってお
り、親水性の高い相間移動触媒が有効であることを見い
だしたのである。本発明において用いられる親水性の高
い相間移動触媒としては、一般式(1)で表される四級
オニウム塩および一般式(2)で表されるポリエチレン
グリコールまたはそのアルキルエーテル等である。
【0013】本発明で用いる親水性の高い4級オニウム
塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロラ
イド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブ
チルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアン
モニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウム
クロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライ
ド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチ
ルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウム
ブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイ
ド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、ベン
ジルトリブチルアンモニウムブロマイド、テトラメチル
アンモニウムハイドロサルフェート、テトラエチルアン
モニウムハイドロサルフェート、テトラブチルアンモニ
ウムハイドロサルフェート、ベンジルトリメチルアンモ
ニウムハイドロサルフェート、ベンジルトリエチルアン
モニウムハイドロサルフェート、ベンジルトリブチルア
ンモニウムハイドロサルフェート、
【0014】テトラメチルホスホニウムクロライド、テ
トラエチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホス
ホニウムクロライド、ベンジルトリメチルホスホニウム
クロライド、ベンジルトリエチルホスホニウムクロライ
ド、ベンジルトリブチルホスホニウムクロライド、テト
ラメチルホスホニウムブロマイド、テトラエチルホスホ
ニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイ
ド、ベンジルトリメチルホスホニウムブロマイド、ベン
ジルトリエチルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリ
ブチルホスホニウムブロマイドテトラメチルホスホニウ
ムハイドロサルフェート、テトラエチルホスホニウムハ
イドロサルフェート、テトラブチルホスホニウムハイド
ロサルフェート、ベンジルトリメチルホスホニウムハイ
ドロサルフェート、ベンジルトリエチルホスホニウムハ
イドロサルフェート、ベンジルトリブチルホスホニウム
ハイドロサルフェート等があげられる。
【0015】本発明で用いるポリエチレングリコールま
たはそのアルキルエーテルは、ある一定量のオキシエチ
レン鎖を有する親水性の高いポリエチレングリコールま
たはそのアルキルエーテル類である。ポリエチレングリ
コール及びそのエーテル類の相間移動触媒としての機能
は、クラウンエーテル等と同様に、分子中の酸素原子と
アルカリ金属カチオンの錯形成によって発現するため、
分子中にある程度のオキシエチレン鎖を有することが必
要である。種々検討の結果、本発明者らは、本発明の反
応における相間移動触媒としては、少なくとも6個以上
のオキシエチレン鎖を有するポリエチレングリコール及
びそのエーテル類が非常に有効であることを見出した。
【0016】本発明で相間移動触媒として用いる4級オ
ニウム塩およびポリエチレングリコールまたはそのアル
キルエーテルは、単独で用いても、混合物として用いて
もさしつかえない。本発明で用いる相間移動触媒の使用
量は、原料のTBSに対して、1〜50モル%、好まし
くは2〜30モル%である。なお、高分子量のポリエチ
レングリコール及びそのエーテル類は、混合物であるた
め、平均分子量を用いてモル数を算出する。本発明に用
いられるアリルハライドは、塩化アリル、臭化アリルで
あり、工業的な価格等の点から塩化アリルが好ましい。
また、その量はBPSの2倍モル以上あればよく、後処
理等の煩雑さを考慮すれば2〜3倍モル量が好ましい。
第二工程の反応は、室温〜150℃、好ましくは60〜
120℃の範囲で行われる。反応温度が溶媒の沸点以上
になる場合には、オートクレーブ等密閉系の反応容器を
用いることが可能である。反応はこの温度で1〜15時
間加熱撹拌して行われる。反応の進行は、例えば、第一
工程と同様、高速液体クロマトグラフィー等の分析機器
を用いて追跡することができる。
【0017】反応終了後、生成物は有機層に、無機塩は
水層に含まれており、相間移動触媒はその親水性度に応
じて有機層と水層に分配している。水層を分離した後、
さらに、有機層を水洗することにより有機層中の相間移
動触媒を取り除くことができる。また、有機層中に微量
残存している未反応TBSは、有機層をアルカリ水溶液
で洗浄することにより除去することができる。用いた有
機溶媒によっては、室温近くまで冷却するとTBS−B
Aが析出してくるものがある。このような場合には、洗
浄、分液工程を加熱下に行っても何らさしつかえない。
目的物であるTBS−BAは、洗浄を行った後に得られ
た有機層より有機溶媒を留去することにより高純度の製
品として得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例をあげて本発明をさ
らに詳述する。 実施例1 温度計、還流冷却器、撹拌器を取り付けた四つ口フラス
コに、水360ml、1,1,2−トリクロロエタン3
00ml、及びBPS50g(0.2mol)をそれぞ
れ装入し懸濁状態とした。そこへ、臭素128.7g
(0.81mol)を40℃以下の温度で、3時間かけ
て滴下した。滴下終了後、60℃に昇温し2時間熟成し
た。第一工程終了時のTBSへの転化率は98.5%で
あった。この反応混合物に、NaOH50g(1.25
mol)、ベンジルトリ−n−ブチルアンモニウムブロ
マイド14g(0.061mol)、塩化アリル39g
(0.51mol)をそれぞれ装入した後、撹拌下に昇
温し、90℃で7時間反応させた。7時間経過後のTB
S−BAへの転化率を高速液体クロマトグラフィーで測
定したところ95%であった。反応終了後、有機層を分
液し、水洗した。さらに有機層を5%NaOH水溶液で
洗浄の後、再び水洗した。次いで、有機層の溶媒を留去
し、得られた固体を80℃/10mmHgで減圧乾燥す
ることにより目的物であるTBS−BAを得た。収量は
114.0gで、収率は88.2%であった。
【0019】実施例2 温度計、還流冷却器、撹拌器を取り付けた四つ口フラス
コに、水360ml、クロロベンゼン300ml、及び
BPS50g(0.2mol)をそれぞれ装入し懸濁状
態とした。そこへ、臭素131g(0.82mol)を
40℃以下の温度で、3時間かけて滴下した。滴下終了
後、70℃に昇温し2時間熟成した。第一工程終了時の
TBSへの転化率は99%であった。この反応混合物に
NaOH50g(1.25mol)、テトラ−n−プロ
ピルアンモニウムブロマイド13g(0.049mo
l)及び塩化アリル39g(0.51mol)をそれぞ
れ装入した後、撹拌下に昇温し、90℃で7時間反応さ
せた。7時間経過後のTBS−BAへの転化率は93%
であった反応終了後、有機層を分液し、水洗した。さら
に有機層を5%NaOH水溶液で洗浄の後、再び水洗し
た。クロロベンゼンを用いた場合、常温では目的物が析
出してくるため、洗浄、分液は60℃の加熱下に行っ
た。次いで、有機層の溶媒を留去し、得られた固体を8
0℃/10mmHgで減圧乾燥することにより目的物で
あるTBS−BAを得た。収量は112.9gで、収率
は87.4%であった。
【0020】実施例3 温度計、還流冷却器、撹拌器を取り付けた四つ口フラス
コに、水360ml、1,1,2−トリクロロエタン3
00ml、及びBPS50g(0.2mol)をそれぞ
れ装入し懸濁状態とした。そこへ、臭素130g(0.
81mol)を40℃以下の温度で、3時間かけて滴下
した。滴下終了後、60℃に昇温し2時間熟成した。第
一工程終了時のTBSへの転化率は98%であった。こ
の反応混合物にNaOH50g(1.25mol)、ポ
リエチレングリコール−600(和光純薬製、平均分子
量600)24g(0.04mol)、塩化アリル39
g(0.51mol)をそれぞれ装入した後、撹拌下に
昇温し90℃で7時間反応させた。反応終了後有機層を
分液し、水洗した。さらに有機層を5%NaOH水溶液
で洗浄の後、再び水洗した。次いで、有機層の溶媒を留
去し、得られた固体を80℃/10mmHgで減圧乾燥
することにより目的物であるTBS−BAを得た。収量
は113.2gで、収率は87.6%であった。
【0021】実施例4 実施例2と同様の条件下、相間移動触媒として、ポリエ
チレングリコール−3000(和光純薬製、平均分子量
3000)60gを用いて反応を行った。洗浄分液工程
は60℃の加熱下に行った。収量は114.6gで、収
率は88.7%であった。 実施例5 実施例2と同様の条件下、相間移動触媒として、ポリエ
チレングリコール−1000(和光純薬製、平均分子量
1000)25gを用いて反応を行った。反応終了後の
転化率は93%であった。洗浄分液工程は60℃の加熱
下に行った。収量は112.9gで、収率は87.4%
であった。
【0022】比較例1 実施例1と同じ条件で、4級オニウム塩の代わりに、ト
リオクチルメチルアンモニウムクロライドを用いて反応
を行ったところ転化率は55%であった。 比較例2 実施例1と同じ条件で、相間移動触媒を使用せずに反応
を行ったところ転化率は45%であった。 比較例3 実施例1と同じ条件で、相間移動触媒としてテトラエチ
レングリコール(n=3)を触媒として用いたところ反
応はほとんど進行しなかった。
【0023】
【発明の効果】本発明により、TBS−BAの製造法に
おいてこれまで工業的に煩雑とされてきた濾過工程を省
略することができ、高純度なTBS−BAをコスト的に
有利に提供することが可能となった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホ
    ンを、水および水と混和しない有機溶媒中、懸濁状態で
    臭素により臭素化してビス(4−ヒドロキシ−3,5−
    ジブロモフェニル)スルホンを得、これを分離精製する
    ことなく、引き続き、塩基と相間移動触媒の存在下に、
    アリルハライドと反応させることを特徴とするビス(4
    −アリルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)スルホン
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 相関移動触媒が一般式(1)(化1)で
    表される 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ独立
    してベンジル基または炭素数4以下のアルキル基を表
    し、YはN原子またはP原子を表し、XはCl、Brま
    たはHSO4 を表す)4級オニウム塩であることを特徴
    とする請求項1記載のビス(4−アリルオキシ−3,5
    −ジブロモフェニル)スルホンの製造方法。
  3. 【請求項3】 相間移動触媒が一般式(2)(化2)で
    表される 【化2】 (式中、nは5から70までの整数を表し、R5 、R6
    はそれぞれ独立して水素原子または炭素数4以下のアル
    キル基を表す)ポリエチレングリコールまたはそのアル
    キルエーテルであることを特徴とする請求項1記載のビ
    ス(4−アリルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)ス
    ルホンの製造方法。
  4. 【請求項4】 有機溶媒がハロゲン化炭化水素及びハロ
    ゲン化芳香族炭化水素から選ばれる溶媒であることを特
    徴とする請求項1記載のビス(4−アリルオキシ−3,
    5−ジブロモフェニル)スルホンの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109879785A (zh) * 2019-03-27 2019-06-14 山东润科化工股份有限公司 一种八溴s醚的制备方法

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CN109879785A (zh) * 2019-03-27 2019-06-14 山东润科化工股份有限公司 一种八溴s醚的制备方法

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