JP2575498B2 - mーヒドロキシベンズアルデヒドを製造する方法 - Google Patents

mーヒドロキシベンズアルデヒドを製造する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はm−ヒドロキシベンジルアルコールの酸化に
よるm−ヒドロキシベンズアルデヒドの製造方法に関す
る。
m−ヒドロキシベンズアルデヒドは、香料、医薬品等
の中間体としてだけでなく、新用途として表面処理剤
(メッキの光沢剤等)、分析用(糖類の定量分析)等と
しても需要が増大している。
〔従来の技術〕
m−ヒドロキシベンジルアルコールからm−ヒドロキ
シベンズアルデヒドへの酸化方法については、クロム酸
酸化、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(以
下DDQと略す。)による酸化、酸素酸化等が知られてい
るが、いずれも次のような欠点を有し、また収率的にも
満足できるものではなかった。
(1)クロム酸酸化による方法 ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミストリ(J.Or
g.Chem,26,(,61),4814)などに記載されているが、m
−ヒドロキシベンジルアルコールの酸化は、酸化剤とし
て過剰のクロム化合物を用い、さらに溶媒にピリジンを
用いるなど工業的に不利である。また反応収率も75%と
低い。
(2)DDQによる酸化方法 ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミストリ(J.Or
g.Chem,45,(,80),1596)などに記載されており、温和
な反応条件で酸化を行っているが、反応剤に化学量論量
の高価なDDQを用いなければならず、煩雑である。
(3)酸素酸化による方法 ヒドロキシベンジルアルコールの酸素酸化法として、
アルカリ水溶液中、白金またはパラジウム触媒存在下、
さらにビスマス、鉛、銀、テルル化合物などを触媒量添
加して、含酸素ガスで酸化する方法が知られている。
(ドイツ特許DE2612844、特公昭60−29371) これらの方法はo−またはp−ヒドロキシベンジルア
ルコールを相当するベンズアルデヒドに導く際に有効で
あり、高収率で目的物を与えるが、m−化合物について
の実験例はない。
また先に本発明者らは、m−ヒドロキシベンジルアル
コールの酸素酸化反応において、m−ヒドロキシ安息香
酸の副生を抑制し、m−ヒドロキシベンズアルデヒドの
選択率及び収率を上げる方法として、ランタニド元素ま
たはランタニド元素化合物を反応系に触媒量添加してC1
〜C4の炭素鎖を持つ低級アルコール溶媒、あるいは低級
アルコール−水均一溶媒を用いる方法を提案した。〔特
開昭62−61941号、特開昭63−93745号、ケミストリーレ
ター1115(1988)〕 〔発明が解決しようとする課題〕 先に、本発明者らはm−ヒドロキシ安息香酸より、比
較的安価にm−ヒドロキシベンジルアルコールを製造で
きることを見出したので、これを出発原料としたm−ヒ
ドロキシベンズアルデヒドの製造法を鋭意検討した。
ヒドロキシベンジルアルコールの酸素酸化によるヒド
ロキシベンズアルデヒドの製造法は、従来法において
は、例えば、特公昭60−29371号では主として、o−ま
たはp−ヒドロキシベンジルアルコールをアルカリ水溶
液中、白金触媒下、鉛、銀、テルルなどを加えて行って
いるが同条件をm−ヒドロキシベンジルアルコールに適
用したところ、目的のm−ヒドロキシベンズアルデヒド
がさらに酸化を受けたm−ヒドロキシ安息香酸が多量に
副生した(比較例参照)。
また上記特公昭60−29371号に従い、触媒を種々変え
たが、m−ヒドロキシ安息香酸の副生を抑えることはで
きなかった。したがって、多量に副生成物をともなう引
例方法ではm−ヒドロキシベンジルアルコールを原料と
する場合、工業的製法として満足できるものではなかっ
た。
又、先に提案した特開昭62−61941号による方法で
も、触媒としてのランタニド元素またはランタニド元素
化合物が比較的高価であることと、低級アルコールは、
酸化剤として用いる酸素と爆発混合気体を作り、また、
その爆発限界範囲が広く、工業的実施においては危険で
ある。
本発明の目的は、m−ヒドロキシベンジルアルコール
の酸素酸化において、高価なランタニド元素またはラン
タニド元素化合物と爆発危険性の大きい低級アルコール
溶媒を用いることなく、副生成物のm−ヒドロキシ安息
香酸の生成を抑え、目的のm−ヒドロキシベンズアルデ
ヒドを高収率、高選択率で得る方法を提供するものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
m−ヒドロキシベンジルアルコールを効率よく酸素酸
化するためには、白金またはパラジウム系触媒と、アル
カリ物質は必須であるが、m−ヒドロキシベンズアルデ
ヒドを選択率よく、高収率で得るためにはさらに溶媒系
の検討が必要である。
この問題を解決するために、反応溶媒として、水−ア
ルコール(CnH2n+1OH、nは5〜15の整数)2相系を用
い、さらに第4級アンモニウム塩を添加することによ
り、m−ヒドロキシベンズアルデヒドの選択率が飛躍的
に向上することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、白金および/又はパラジウム系
触媒の存在下、アルカリ水溶液中で、m−ヒドロキシベ
ンジルアルコールを酸素または含酸素ガスで酸化するこ
とによってm−ヒドロキシベンズアルデヒドを製造する
方法において、アルコール及び第4級アンモニウム塩を
添加することを特徴とするm−ヒドロキシベンズアルデ
ヒドの製造方法である。
次に本発明を詳しく説明する。
本発明に使用する白金またはパラジウム系触媒として
は、通常、活性炭に白金又はパラジウムを6重量%以下
で担持されたものを用いるのが好ましい。その使用量
は、m−ヒドロキシベンジルアルコールに対して0.01〜
10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲で使用す
る。
さらに反応速度を早めるために助触媒を用いる。助触
媒としては公知のホウ酸、鉛、銀、ビスマス、テルル、
または錫の群から選ばれる一種又は二種以上の金属、ま
たは、一種又は二種以上のこれらの化合物をm−ヒドロ
キシベンジルアルコールに対して0.01〜50重量%、好ま
しくは0.1〜5重量%添加してもよい。
本発明に使用する含酸素ガスとしては純粋な酸素また
は空気、あるいは窒素等の不活性ガスで希釈しに酸素が
用いられる。
本発明ではアルカリ水溶液中のm−ヒドロキシベンジ
ルアルコールの濃度は、通常1〜30重量%で実施する。
また、本発明の方法においてアルカリ水溶液として、
アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩お
よび重炭酸塩等を水に溶解したものを用いる。その使用
量はm−ヒドロキシベンジルアルコールに対して0.1〜1
0グラフ当量、好ましくは1.0〜3.0グラム当量の範囲で
ある。
本発明方法において添加するアルコールとしては、酸
素との爆発混合気体生成を防止するため、CnH2n+1OH
(nは5〜15の整数)で表されるものが用いられ、例え
ば1−ペンチルアルコール、1−ヘキシルアルコール、
1−ヘプチルアルコール、1−オクチルアルコール、2
−エチル−1−ヘキシルアルコール、1−ノニルアルコ
ール、1−デジルアルコール、1−ウンデシルアルコー
ル等があげられる。
その添加量は微量でも効果があり、使用する水溶媒に
対して0.01〜100重量%、好ましくは0.05〜50重量%の
範囲であり、その使用量が100重量%を越えると、溶媒
量や増やした分だけ、反応の容積効率が低下する傾向が
ある。又、0.01重量%以下では効果がない場合がある。
また触媒として第4級アンモニウム塩を添加する。第
4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化テトラメチ
ルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化
テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモ
ニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ラ
ウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメ
チルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニ
ウム等、あるいは上記アンモニウムの臭変物、硫化物、
p−トルエンスルホン酸化物等が挙げられる。
また、次式 〔式中、Rはアルキル基で炭素数が12〜18迄を示し、
x、yは共に1〜15迄の整数を示す。〕で表される第4
級アンモニウム塩〔商品名、ETHOQUAD(ライオンアク
ゾ)〕等が挙げられる。その添加量は、使用する水溶媒
に対して、0.0001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量
%の範囲であり、0.0001%以下では効果がない可能性が
あり、10重量%を越えても効果にあまり大差はない。
水溶媒にアルコールおよび第4級アンモニウム塩を添
加しない場合は、m−ヒドロキシ安息香酸が多量に副生
する。
本反応は0〜100℃、好ましくは30〜90℃の温度範囲
で行う。0℃以下では反応が遅い。
又、本発明は常圧下、加圧下いずれでも実施できる
が、通常は常圧下での反応が適当である。反応器の形式
としては気泡塔または撹拌槽が適しており、回分式でも
連続式でも実施できる。触媒は懸濁状態で使用してもよ
いし、また固定床で使用してもよい。
かくして得られたm−ヒドロキシベンズアルデヒドは
触媒を濾過、分離したあと溶剤抽出後、溶剤の留去によ
る単離、又は再結晶法等の常法に従って単離することが
できる。
〔作用〕
o−およびp−ヒドロキシベンジルアルコールの酸素
酸化によるヒドロキシベンズアルデヒドの公知の製造法
では、目的物が更に酸化をうけてm−ヒドロキシ安息香
酸が多量に副生する。
また、m−ヒドロキシベンズアルデヒドの選択率を上
げるために、メタノール、エタノールといった低級アル
コール溶媒中、酸化反応を行う方法においては、低級ア
ルコールと酸素の混合爆発の危険性が高い。
しかし、本発明の方法では、水反応溶媒中、少量の低
級アルコールに比較して酸素との混合爆発の危険性の低
いC5〜C15の炭素鎖を持つアルコール、及び微量の第4
級アンモニウム塩を触媒として添加することによって、
m−ヒドロキシベンジルアルコールの酸化によるm−ヒ
ドロキシベンズアルデヒドの選択率を向上させ、m−ヒ
ドロキシ安息香酸の副生を防止できる工業的に極めて下
記の大きい発明である。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。実
施例中の%は重量%である。
実施例−1 フラスコにm−ヒドロキシベンジルアルコール50.0g
(0.40モル)、97%NaOH26.8g(0.65モル)水500ml、3
%白金カーボン1g、2−エチル−1−ヘキサノール20
g、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム0.5gを仕込ん
だ後、ボール型ガラスフィルター(2G)を通じて酸素ガ
スを液相内にふき込んだ。そのまま酸素ガスをふき込み
ながら70℃で10時間激しく撹拌して酸化反応を行った。
反応終了後、濾過して触媒の白金カーボンを除去した
後、反応混合物はHPLC分析を行った。
m−ヒドロキシベンジルアルコールの転化率95%、m
−ヒドロキシベンズアルデヒドの選択率及び効率はそれ
ぞれ91%、86%であった。また、m−ヒドロキシ安息香
酸の副生収率は6%であった。
その後、反応混合物は20%硫酸水を加えて弱酸性に
し、エーテル抽出をおこなつた。
エーテル層は飽和食塩水で水洗後、芒硝で乾燥し、エ
ーテルを留去後、粗m−ヒドロキシベンズアルデヒドを
得た。
得られた粗m−ヒドロキシベンズアルデヒドはトルエ
ンにて再結晶を行い精m−ヒドロキシベンズアルデヒド
(融点100〜103℃、純度98%、収量40.0g、単離収率80
%)が得られた。
実施例−2 実施例−1と同様の反応器にm−ヒドロキシベンジル
アルコール50.0g(0.40モル)、85%KOH52.8(0.80モ
ル)水300ml、3%白金カーボン0.5g、硝酸鉛0.5g、1
−ヘプチルアルコール10g、ETHOQUAD C/12(ライオンア
クゾ、平均分子量353)0.3gを仕込んだ後、酸素ガスを
液相内にふき込んだ。そのまま酸素ガスをふき込みなが
ら80℃で3時間激しく撹拌した。
反応終了後、実施例−1と同様に後処理、HPLC分析を
行った。m−ヒドロキシベンジルアルコールの転化率93
%、m−ヒドロキシベンズアルデヒドの選択率及び収率
はそれぞれ89%、83%であった。また、m−ヒドロキシ
安息香酸の副生収率は8%であった。
実施例3〜5及び比較例1〜3 実施例−2においてアルコール及び第4級アンモニウ
ム塩を変えた以外は、実施例−1と全く同様に反応させ
て、得られた反応混合物を同様にHLPC分析した結果を表
−1に示す。
〔発明の効果〕 実施例と比較例の結果から明らかなように、白金およ
び/またはパラジウム系触媒の存在下、アルカリ水溶液
中で、m−ヒドロキシベンジルアルコールを酸素または
含酸素ガスで酸化することによってm−ヒドロキシベン
ズアルデヒドを製造する方法において、アルコール及び
第4級アンモニウム塩を添加することにって、副生物の
m−ヒドロキシ安息香酸の生成が抑制され、m−ヒドロ
キシベンズアルデヒドが高選択率で得ることができる。
このように本発明は工業的に実施する場合に極めて価
値あるものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】白金および/またはパラジウム系触媒の存
    在下、アルカリ水溶液中でm−ヒドロキシベンジルアル
    コールを酸素または含酸素ガスで酸化することによって
    m−ヒドロキシベンズアルデヒドを製造する方法におい
    て、CnH2n+1OH(nは5〜15の整数)で示されるアルコ
    ール及び第4級アンモニウム塩を添加することを特徴と
    するm−ヒドロキシベンズアルデヒドを製造する方法。
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