JPH05139835A - 炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体とその製造方法 - Google Patents
炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体とその製造方法Info
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- JPH05139835A JPH05139835A JP3222322A JP22232291A JPH05139835A JP H05139835 A JPH05139835 A JP H05139835A JP 3222322 A JP3222322 A JP 3222322A JP 22232291 A JP22232291 A JP 22232291A JP H05139835 A JPH05139835 A JP H05139835A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 適正な複合構造を有し、耐熱衝撃性に優れ、
高温用構造部材として適用可能な炭素繊維強化炭化ケイ
素焼結体とその製造方法を提供する。 【構成】 炭化ケイ素と炭素繊維を含む炭素繊維強化炭
化ケイ素焼結体において、前記炭素繊維がピッチ系炭素
繊維であり、炭化ケイ素には少なくとも焼結助剤を有す
るものであり、焼結助剤としてはBeO、Al2 O3 等
を用いる。また、前記焼結体の製造方法は、炭化ケイ素
粉末に例えばBeOを1〜8wt%添加混合し、これにピ
ッチ系炭素繊維を所望の配向性をもたせて混合・添加し
た後、焼結することによる。 【効果】 本発明により、適正な複合構造を有し、繊維
特性の劣化が少なく、耐熱衝撃性に優れた炭素繊維強化
炭化ケイ素焼結体が得られる。
高温用構造部材として適用可能な炭素繊維強化炭化ケイ
素焼結体とその製造方法を提供する。 【構成】 炭化ケイ素と炭素繊維を含む炭素繊維強化炭
化ケイ素焼結体において、前記炭素繊維がピッチ系炭素
繊維であり、炭化ケイ素には少なくとも焼結助剤を有す
るものであり、焼結助剤としてはBeO、Al2 O3 等
を用いる。また、前記焼結体の製造方法は、炭化ケイ素
粉末に例えばBeOを1〜8wt%添加混合し、これにピ
ッチ系炭素繊維を所望の配向性をもたせて混合・添加し
た後、焼結することによる。 【効果】 本発明により、適正な複合構造を有し、繊維
特性の劣化が少なく、耐熱衝撃性に優れた炭素繊維強化
炭化ケイ素焼結体が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素繊維強化炭化ケイ
素焼結体に係り、特に、核融合炉壁材、宇宙材料(宇宙
往還機のタイル材等)、ガスタービン材料(静、動翼、
燃焼器)など、耐高温特性が要求される構造部品用材料
として適用可能な炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体とその
製造方法に関する。
素焼結体に係り、特に、核融合炉壁材、宇宙材料(宇宙
往還機のタイル材等)、ガスタービン材料(静、動翼、
燃焼器)など、耐高温特性が要求される構造部品用材料
として適用可能な炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体とその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】核融合炉、航空宇宙機器、ガスタービン
等の部材には、高温用構造材料の開発が必要不可欠な技
術的課題となっている。これらの構造部材は大きな熱負
荷、熱衝撃を受けることは必至であり、そのため高温強
度、耐熱衝撃性に優れた材料が求められる。高温特性の
優れた材料として、セラミックス材料が挙げられる。各
種セラミックスの中で、炭化ケイ素は耐酸化性と耐熱特
性に優れ、有用な耐熱材料となる。この炭化ケイ素の焼
結には通常助剤が必要であり、その焼結助剤により得ら
れる焼結体の特性は異なる。例えば高強度系焼結体とし
てはBN、高熱伝導系としてはBeOが助剤として用い
られ、得られる材料特性に応じて各種機器に適用され
る。しかしながら、いずれの炭化ケイ素も高温用構造材
料としての上記特性を満足するものはない。特に、セラ
ミックスに共通な欠点である耐熱衝撃性に劣っている。
等の部材には、高温用構造材料の開発が必要不可欠な技
術的課題となっている。これらの構造部材は大きな熱負
荷、熱衝撃を受けることは必至であり、そのため高温強
度、耐熱衝撃性に優れた材料が求められる。高温特性の
優れた材料として、セラミックス材料が挙げられる。各
種セラミックスの中で、炭化ケイ素は耐酸化性と耐熱特
性に優れ、有用な耐熱材料となる。この炭化ケイ素の焼
結には通常助剤が必要であり、その焼結助剤により得ら
れる焼結体の特性は異なる。例えば高強度系焼結体とし
てはBN、高熱伝導系としてはBeOが助剤として用い
られ、得られる材料特性に応じて各種機器に適用され
る。しかしながら、いずれの炭化ケイ素も高温用構造材
料としての上記特性を満足するものはない。特に、セラ
ミックスに共通な欠点である耐熱衝撃性に劣っている。
【0003】この対応策の一つとして、炭化ケイ素マト
リックス中に強化繊維を分散させた複合材料の開発が挙
げられる。この強化繊維としては、安価で高温強度に優
れた炭素繊維が有望である。これまでに炭素繊維強化炭
化ケイ素焼結体の報告例はいくつかみられるが、必ずし
も充分に高強度、耐熱衝撃性を満足するものではない。
耐熱衝撃特性は、複合体のマトリックス及び繊維の特
性、あるいは複合構造によって変わるが、従来の炭素繊
維強化炭化ケイ素焼結体は、それらを考慮した適正な複
合構造でないために、さらに耐熱衝撃性の改良が望まれ
る。
リックス中に強化繊維を分散させた複合材料の開発が挙
げられる。この強化繊維としては、安価で高温強度に優
れた炭素繊維が有望である。これまでに炭素繊維強化炭
化ケイ素焼結体の報告例はいくつかみられるが、必ずし
も充分に高強度、耐熱衝撃性を満足するものではない。
耐熱衝撃特性は、複合体のマトリックス及び繊維の特
性、あるいは複合構造によって変わるが、従来の炭素繊
維強化炭化ケイ素焼結体は、それらを考慮した適正な複
合構造でないために、さらに耐熱衝撃性の改良が望まれ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】熱衝撃抵抗パラメータ
の一つに熱衝撃係数R′が挙げられる。熱衝撃係数R′
とは、下記(1)式で表される。
の一つに熱衝撃係数R′が挙げられる。熱衝撃係数R′
とは、下記(1)式で表される。
【数1】 R′=κ・σt ・(1−ν)/(Ε・α) ・・・・・ (1) (1)式における各記号は、κは熱伝導率、σt は強
度、νはポアソン比、Εはヤング率、αは熱膨張係数で
ある。本発明は、複合体として熱衝撃係数R′が大きな
値となる複合構造の適正化により、優れた耐熱衝撃性を
有する炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体を提供するもので
ある。基本的に炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体の炭素繊
維の配向性は、複合体の特性に大きく影響する。このた
め、得られる複合体の用途や要求特性に応じて、繊維の
配向性を考慮し制御する必要がある。繊維配向の例とし
ては、連続長繊維が一方向、二方向に配向したもの、あ
るいは短繊維がランダムに配向したものなどが考えられ
るが、連続長繊維をマトリックス中に均一に特定方向に
配向させることや、短繊維を均一に分散させることは、
技術的困難を伴う。従って、いずれの場合もその配向性
を得るためのプロセス技術が重要な課題となる。
度、νはポアソン比、Εはヤング率、αは熱膨張係数で
ある。本発明は、複合体として熱衝撃係数R′が大きな
値となる複合構造の適正化により、優れた耐熱衝撃性を
有する炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体を提供するもので
ある。基本的に炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体の炭素繊
維の配向性は、複合体の特性に大きく影響する。このた
め、得られる複合体の用途や要求特性に応じて、繊維の
配向性を考慮し制御する必要がある。繊維配向の例とし
ては、連続長繊維が一方向、二方向に配向したもの、あ
るいは短繊維がランダムに配向したものなどが考えられ
るが、連続長繊維をマトリックス中に均一に特定方向に
配向させることや、短繊維を均一に分散させることは、
技術的困難を伴う。従って、いずれの場合もその配向性
を得るためのプロセス技術が重要な課題となる。
【0005】また、適正な複合構造を得るためには、マ
トリックスと繊維との間で反応、拡散などのないことが
必要である。特に炭素繊維の化学的損傷を抑え、繊維特
性の劣化を防ぎ、複合体の特性向上を導くことが不可欠
である。本発明は、これらの問題点に着目し、マトリッ
クス成分と繊維の反応が少なく界面を健全な状態に保
ち、繊維が本来の強度を維持し、炭素繊維が基本的に一
方向、二方向、二次元ランダム又は均一に分散させた複
合構造の炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体を提供するもの
であり、特に(1)式より高い熱伝導率を有し、耐熱衝
撃性に優れた炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体を提供する
ことを目的とする。
トリックスと繊維との間で反応、拡散などのないことが
必要である。特に炭素繊維の化学的損傷を抑え、繊維特
性の劣化を防ぎ、複合体の特性向上を導くことが不可欠
である。本発明は、これらの問題点に着目し、マトリッ
クス成分と繊維の反応が少なく界面を健全な状態に保
ち、繊維が本来の強度を維持し、炭素繊維が基本的に一
方向、二方向、二次元ランダム又は均一に分散させた複
合構造の炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体を提供するもの
であり、特に(1)式より高い熱伝導率を有し、耐熱衝
撃性に優れた炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、炭化ケイ素と炭素繊維を含む炭素繊維
強化炭化ケイ素焼結体において、前記炭素繊維がピッチ
系炭素繊維であり、炭化ケイ素には少なくとも焼結助剤
を有することを特徴とする炭素繊維強化炭化ケイ素焼結
体としたものである。前記焼結体において、焼結助剤
は、公知のものがすべて使用できるが、例えばBeO、
Al2 O3 、BとC等から選ばれた1種以上が好適に使
用できる。焼結助剤の使用量は用いる焼結助剤によって
相違するが、BeOでは1〜8wt%(SiCに対して)
がよい。また、炭素繊維は、ピッチ系のもので炭素連続
長繊維及び炭素短繊維がいずれも使用でき、焼結体中で
炭素連続長繊維のものは一方向あるいは二方向に少なく
とも方向性をもって配向しているのがよく、炭素短繊維
のものは二次元ランダムに配向しているか、又は均一に
分散しているのがよい。
に、本発明では、炭化ケイ素と炭素繊維を含む炭素繊維
強化炭化ケイ素焼結体において、前記炭素繊維がピッチ
系炭素繊維であり、炭化ケイ素には少なくとも焼結助剤
を有することを特徴とする炭素繊維強化炭化ケイ素焼結
体としたものである。前記焼結体において、焼結助剤
は、公知のものがすべて使用できるが、例えばBeO、
Al2 O3 、BとC等から選ばれた1種以上が好適に使
用できる。焼結助剤の使用量は用いる焼結助剤によって
相違するが、BeOでは1〜8wt%(SiCに対して)
がよい。また、炭素繊維は、ピッチ系のもので炭素連続
長繊維及び炭素短繊維がいずれも使用でき、焼結体中で
炭素連続長繊維のものは一方向あるいは二方向に少なく
とも方向性をもって配向しているのがよく、炭素短繊維
のものは二次元ランダムに配向しているか、又は均一に
分散しているのがよい。
【0007】前記他の目的を達成するために、本発明に
係る炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体の製造方法の構成
は、炭化ケイ素粉末に焼結助剤を添加混合し、これにピ
ッチ系炭素繊維を所望の配向性が得られるように混合・
添加し成形した後、加熱しつつ加圧焼結するようにした
ことである。連続長繊維を一方向あるいは二方向に配向
させるには、マトリックス成分をグリーンシート化し、
その上に繊維を一方向に均一に配列し、それらを繊維が
同一方向に配向するように、あるいは繊維が交互に交差
して配向するように数段積層することによって可能とな
る。短繊維を二次元ランダムに配向させるには、マトリ
ックス粉末と炭素繊維を混合した後、混合粉を数層に分
けて加圧成形することにより可能となる。短繊維を均一
に分散させるには、マトリックス粉末と炭素繊維を混合
した後、静水圧加圧成形することにより可能となる。マ
トリックス成分の粉末と炭素繊維の混合は、水又は有機
溶媒を用いた湿式混合法により、均一に混合することが
できる。また、焼結は、高温加圧焼結について述べた
が、焼結助剤を適当に選択することにより、反応焼結、
無加圧焼結等によっても行うことができる。
係る炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体の製造方法の構成
は、炭化ケイ素粉末に焼結助剤を添加混合し、これにピ
ッチ系炭素繊維を所望の配向性が得られるように混合・
添加し成形した後、加熱しつつ加圧焼結するようにした
ことである。連続長繊維を一方向あるいは二方向に配向
させるには、マトリックス成分をグリーンシート化し、
その上に繊維を一方向に均一に配列し、それらを繊維が
同一方向に配向するように、あるいは繊維が交互に交差
して配向するように数段積層することによって可能とな
る。短繊維を二次元ランダムに配向させるには、マトリ
ックス粉末と炭素繊維を混合した後、混合粉を数層に分
けて加圧成形することにより可能となる。短繊維を均一
に分散させるには、マトリックス粉末と炭素繊維を混合
した後、静水圧加圧成形することにより可能となる。マ
トリックス成分の粉末と炭素繊維の混合は、水又は有機
溶媒を用いた湿式混合法により、均一に混合することが
できる。また、焼結は、高温加圧焼結について述べた
が、焼結助剤を適当に選択することにより、反応焼結、
無加圧焼結等によっても行うことができる。
【0008】
【作用】現在実用化されている炭素繊維には、その原料
の違いにより、主にポリアクリロニトリル系とピッチ系
が代表的である。強化繊維として用いる場合、強度的に
優れている方が複合体の強度向上に有利であるが、むし
ろ繊維本来の特性を維持するために、マトリックスの炭
化ケイ素との反応性の小さいことが、重要な条件とな
る。本発明者らは、焼結法(ホットプレス法)で作製し
た炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体について検討した。炭
素繊維として市販のポリアクリロニトリル系とピッチ系
それぞれ数種の繊維を用い、焼結後の繊維状態を調べた
ところ、ポリアクリロニトリル系炭素繊維はピッチ系に
比べてマトリックス成分であるSiの拡散が著しく、そ
れに伴い繊維が著しく変形することを見出した。特にポ
リアクリロニトリル系炭素繊維において繊維強度の劣化
の程度が大きいことがわかった。この知見を基に、前記
の目的を達成するための本発明に係る炭素繊維強化炭化
ケイ素焼結体は、強化繊維としてピッチ系炭素繊維を用
いたものである。
の違いにより、主にポリアクリロニトリル系とピッチ系
が代表的である。強化繊維として用いる場合、強度的に
優れている方が複合体の強度向上に有利であるが、むし
ろ繊維本来の特性を維持するために、マトリックスの炭
化ケイ素との反応性の小さいことが、重要な条件とな
る。本発明者らは、焼結法(ホットプレス法)で作製し
た炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体について検討した。炭
素繊維として市販のポリアクリロニトリル系とピッチ系
それぞれ数種の繊維を用い、焼結後の繊維状態を調べた
ところ、ポリアクリロニトリル系炭素繊維はピッチ系に
比べてマトリックス成分であるSiの拡散が著しく、そ
れに伴い繊維が著しく変形することを見出した。特にポ
リアクリロニトリル系炭素繊維において繊維強度の劣化
の程度が大きいことがわかった。この知見を基に、前記
の目的を達成するための本発明に係る炭素繊維強化炭化
ケイ素焼結体は、強化繊維としてピッチ系炭素繊維を用
いたものである。
【0009】炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体において、
ピッチ系炭素繊維はマトリックス成分であるSiの拡散
が他種繊維に比べて少ない。このSiの炭素繊維への拡
散の程度の差は、それぞれの炭素繊維における結晶配向
性の違いにより生ずるものと考えられる。これに伴い、
繊維の変形などによる繊維特性の劣化が抑制され、適正
な複合構造が得られ、複合体の強度特性向上に寄与する
ことができる。マトリックスである炭化ケイ素は、Be
O,Al2 O3 ,BとC,その他の焼結助剤を添加する
ことにより緻密に焼結することができ、いずれの焼結助
剤を用いた場合でも、前述したピッチ系炭素繊維へのS
iの拡散は小さくなる。しかし、特にBeOを添加する
ことにより、炭化ケイ素は高熱伝導を有することが知ら
れている。従って、炭化ケイ素にBeOを添加すること
により炭化ケイ素の高熱伝導化を図り、複合体の熱伝導
特性を向上させ、耐熱衝撃性を有する炭素繊維強化炭化
ケイ素焼結体を得ることができる。
ピッチ系炭素繊維はマトリックス成分であるSiの拡散
が他種繊維に比べて少ない。このSiの炭素繊維への拡
散の程度の差は、それぞれの炭素繊維における結晶配向
性の違いにより生ずるものと考えられる。これに伴い、
繊維の変形などによる繊維特性の劣化が抑制され、適正
な複合構造が得られ、複合体の強度特性向上に寄与する
ことができる。マトリックスである炭化ケイ素は、Be
O,Al2 O3 ,BとC,その他の焼結助剤を添加する
ことにより緻密に焼結することができ、いずれの焼結助
剤を用いた場合でも、前述したピッチ系炭素繊維へのS
iの拡散は小さくなる。しかし、特にBeOを添加する
ことにより、炭化ケイ素は高熱伝導を有することが知ら
れている。従って、炭化ケイ素にBeOを添加すること
により炭化ケイ素の高熱伝導化を図り、複合体の熱伝導
特性を向上させ、耐熱衝撃性を有する炭素繊維強化炭化
ケイ素焼結体を得ることができる。
【0010】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 本発明に係る実施例として、表1に示すような物性値を
もつポリアクリロニトリル系炭素繊維A、ピッチ系炭素
繊維Bを用いて、炭素連続長繊維がマトリックスに対し
て15 vol%含まれ、一方向に配向した炭素繊維強化炭
化ケイ素焼結体を作製した。炭化ケイ素には、焼結助剤
としてBeOを添加した。
る。 実施例1 本発明に係る実施例として、表1に示すような物性値を
もつポリアクリロニトリル系炭素繊維A、ピッチ系炭素
繊維Bを用いて、炭素連続長繊維がマトリックスに対し
て15 vol%含まれ、一方向に配向した炭素繊維強化炭
化ケイ素焼結体を作製した。炭化ケイ素には、焼結助剤
としてBeOを添加した。
【0011】
【表1】
【0012】まず、本材料の作製方法について説明す
る。炭化ケイ素粉末とBeO粉末2wt%を、ライカイ機
(自動攪拌機)により乾式混合し、この混合粉末を所定
量の有機溶媒に混合してスラリー状にし、これをドクタ
ーブレード法によりグリーンシート化した。用いる炭素
繊維を開繊し、作製したグリーンシートの上にできるだ
け均一に一方向に配列した。この炭素繊維を配列したグ
リーンシートを、繊維が同一方向に配向するように数段
積層し、ホットプレスにより高真空中、2100℃で1
時間の加熱、グリーンシートの積層方向に30MPaの
加圧で焼結を行ない、表1に示すそれぞれの炭素繊維を
用いた2種の炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体を得た。得
られた焼結体の繊維配向方向の諸特性を測定した結果
と、測定値から前記(1)式を用いて熱衝撃係数R′を
算出した結果を表2に示す。表2には比較のため、2wt
%BeO添加炭化ケイ素焼結体の諸特性と熱衝撃係数
R′の算出値を併せて示す。
る。炭化ケイ素粉末とBeO粉末2wt%を、ライカイ機
(自動攪拌機)により乾式混合し、この混合粉末を所定
量の有機溶媒に混合してスラリー状にし、これをドクタ
ーブレード法によりグリーンシート化した。用いる炭素
繊維を開繊し、作製したグリーンシートの上にできるだ
け均一に一方向に配列した。この炭素繊維を配列したグ
リーンシートを、繊維が同一方向に配向するように数段
積層し、ホットプレスにより高真空中、2100℃で1
時間の加熱、グリーンシートの積層方向に30MPaの
加圧で焼結を行ない、表1に示すそれぞれの炭素繊維を
用いた2種の炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体を得た。得
られた焼結体の繊維配向方向の諸特性を測定した結果
と、測定値から前記(1)式を用いて熱衝撃係数R′を
算出した結果を表2に示す。表2には比較のため、2wt
%BeO添加炭化ケイ素焼結体の諸特性と熱衝撃係数
R′の算出値を併せて示す。
【0013】
【表2】
【0014】表2からわかるように、炭素繊維としてピ
ッチ系のBを用いた場合の方がポリアクリロニトリル系
のAを用いた場合に比べて、高熱伝導率及び高強度を維
持し、熱衝撃係数R′も大きな値となっている。これ
は、炭素繊維で強化しない場合よりも大きな値である。
図1は、得られた焼結体中の炭素繊維Aの形状を示す走
査電子顕微鏡写真であり、図2は、炭素繊維Bの形状を
示す走査電子顕微鏡写真である。ポリアクリロニトリル
系炭素繊維Aの変形が著しいのに比べて、ピッチ系のB
はほぼもとの形状を保っていることがわかる。炭素繊維
の中心部において、X線マイクロアナライザーによりS
i濃度を分析したところ、炭素繊維Aの場合Siは約3
0wt%、炭素繊維Bの場合Siは約5wt%であり、ポリ
アクリロニトリル系炭素繊維に比べてピッチ系炭素繊維
の方が、炭化ケイ素のSiの拡散が小さいことがわかっ
た。従って、ピッチ系炭素繊維はマトリックス成分であ
るSiの拡散や、それに伴う変形が少なく、これにより
繊維本来の特性を維持することができ、炭化ケイ素と複
合化した場合に表2に示したような優れた特性を得るこ
とができる。以上の結果から、ピッチ系炭素繊維を用い
て得られた焼結体は、本発明の目的に好適な材料である
ことが実証された。
ッチ系のBを用いた場合の方がポリアクリロニトリル系
のAを用いた場合に比べて、高熱伝導率及び高強度を維
持し、熱衝撃係数R′も大きな値となっている。これ
は、炭素繊維で強化しない場合よりも大きな値である。
図1は、得られた焼結体中の炭素繊維Aの形状を示す走
査電子顕微鏡写真であり、図2は、炭素繊維Bの形状を
示す走査電子顕微鏡写真である。ポリアクリロニトリル
系炭素繊維Aの変形が著しいのに比べて、ピッチ系のB
はほぼもとの形状を保っていることがわかる。炭素繊維
の中心部において、X線マイクロアナライザーによりS
i濃度を分析したところ、炭素繊維Aの場合Siは約3
0wt%、炭素繊維Bの場合Siは約5wt%であり、ポリ
アクリロニトリル系炭素繊維に比べてピッチ系炭素繊維
の方が、炭化ケイ素のSiの拡散が小さいことがわかっ
た。従って、ピッチ系炭素繊維はマトリックス成分であ
るSiの拡散や、それに伴う変形が少なく、これにより
繊維本来の特性を維持することができ、炭化ケイ素と複
合化した場合に表2に示したような優れた特性を得るこ
とができる。以上の結果から、ピッチ系炭素繊維を用い
て得られた焼結体は、本発明の目的に好適な材料である
ことが実証された。
【0015】実施例2 本発明に係る実施例として、表1に示した炭素繊維A、
Bを用いて、短繊維が二次元ランダムに配向し、マトリ
ックスに対し繊維が5〜20 vol%含まれる炭素繊維強
化炭化ケイ素焼結体を作製した。炭化ケイ素の焼結助剤
はBeOである。まず、本材料の製造方法について説明
する。炭化ケイ素粉末とBeO粉末2wt%を、ライカイ
機により乾式混合し、更にこの混合粉末と適当な長さに
切断した炭素繊維の所定量を、ライカイ機により水を用
いて湿式混合した。乾燥した後得られた混合粉末を成形
型に充填し、加圧して成形体を造るが、この際混合粉末
を数層に分けてそれぞれ加圧することにより、短繊維を
二次元ランダムに配向させることができる。この成形体
をホットプレスにより高真空中、2100℃で1時間の
加熱、繊維配向面の垂直方向に30MPaの加圧で焼結
を行ない、表1に示すA、Bの炭素繊維を5〜20 vol
%添加した炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体を得た。
Bを用いて、短繊維が二次元ランダムに配向し、マトリ
ックスに対し繊維が5〜20 vol%含まれる炭素繊維強
化炭化ケイ素焼結体を作製した。炭化ケイ素の焼結助剤
はBeOである。まず、本材料の製造方法について説明
する。炭化ケイ素粉末とBeO粉末2wt%を、ライカイ
機により乾式混合し、更にこの混合粉末と適当な長さに
切断した炭素繊維の所定量を、ライカイ機により水を用
いて湿式混合した。乾燥した後得られた混合粉末を成形
型に充填し、加圧して成形体を造るが、この際混合粉末
を数層に分けてそれぞれ加圧することにより、短繊維を
二次元ランダムに配向させることができる。この成形体
をホットプレスにより高真空中、2100℃で1時間の
加熱、繊維配向面の垂直方向に30MPaの加圧で焼結
を行ない、表1に示すA、Bの炭素繊維を5〜20 vol
%添加した炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体を得た。
【0016】得られた焼結体について、繊維配向面に垂
直方向の熱伝導率を測定した。図3は、A、Bそれぞれ
の炭素繊維を用いた場合の焼結体の、繊維含有量に対す
る熱伝導率を示したものである。図3からわかるよう
に、ポリアクリロニトリル系の炭素繊維Aを用いた場合
よりも、ピッチ系の炭素繊維Bを用いた場合の方が、繊
維軸に垂直方向に対しても高い熱伝導率を維持できるこ
とが確認された。これはピッチ系炭素繊維が良好な結晶
配向性をもつことによるもので、高い熱伝導率を維持し
ていることは、優れた耐熱衝撃性を有するのに有利であ
る。以上、炭化ケイ素の焼結助剤としてBeOを添加し
た実施例について示したが、他の焼結助剤を添加した場
合にも、ピッチ系炭素繊維を用いて得られた炭素繊維強
化炭化ケイ素焼結体が適正な複合構造を有し、耐熱衝撃
性に優れた材料となることを、次に示す実施例により実
証する。
直方向の熱伝導率を測定した。図3は、A、Bそれぞれ
の炭素繊維を用いた場合の焼結体の、繊維含有量に対す
る熱伝導率を示したものである。図3からわかるよう
に、ポリアクリロニトリル系の炭素繊維Aを用いた場合
よりも、ピッチ系の炭素繊維Bを用いた場合の方が、繊
維軸に垂直方向に対しても高い熱伝導率を維持できるこ
とが確認された。これはピッチ系炭素繊維が良好な結晶
配向性をもつことによるもので、高い熱伝導率を維持し
ていることは、優れた耐熱衝撃性を有するのに有利であ
る。以上、炭化ケイ素の焼結助剤としてBeOを添加し
た実施例について示したが、他の焼結助剤を添加した場
合にも、ピッチ系炭素繊維を用いて得られた炭素繊維強
化炭化ケイ素焼結体が適正な複合構造を有し、耐熱衝撃
性に優れた材料となることを、次に示す実施例により実
証する。
【0017】実施例3 本実施例では炭素ケイ素の焼結助剤がAl2 O3 又はB
とCであり、実施例1と同様にそれぞれ表1に示した炭
素繊維A及びBを用いて、炭素連続長繊維がマトリック
スに対して15 vol%含まれ、一方向に配向した炭素繊
維強化炭化ケイ素焼結体を作製した。まず、本材料の作
製方法について説明する。炭化ケイ素粉末とAl2 O3
粉末3wt%を、あるいは炭化ケイ素粉末とB粉末0.2
wt%及びC粉末0.5wt%を、ライカイ機により乾式混
合し、実施例1と同様の方法でグリーンシート化し、そ
の上に炭素繊維を配列し、その積層体をホットプレス焼
結した。焼結は高真空中、2050℃で1時間の加熱、
グリーンシートの積層方向に30MPaの加圧で焼結し
た。得られた焼結体の繊維配向方向の諸特性を測定した
結果と、測定値から前記(1)式を用いて熱衝撃係数
R′を算出した結果をそれぞれAl2 O3 については表
3、BとCについては表4に示す。表には比較のため、
それぞれAl2 O3 添加炭化ケイ素焼結体、BとC添加
炭化ケイ素焼結体の諸特性と熱衝撃係数R′の算出値を
併せて示す。
とCであり、実施例1と同様にそれぞれ表1に示した炭
素繊維A及びBを用いて、炭素連続長繊維がマトリック
スに対して15 vol%含まれ、一方向に配向した炭素繊
維強化炭化ケイ素焼結体を作製した。まず、本材料の作
製方法について説明する。炭化ケイ素粉末とAl2 O3
粉末3wt%を、あるいは炭化ケイ素粉末とB粉末0.2
wt%及びC粉末0.5wt%を、ライカイ機により乾式混
合し、実施例1と同様の方法でグリーンシート化し、そ
の上に炭素繊維を配列し、その積層体をホットプレス焼
結した。焼結は高真空中、2050℃で1時間の加熱、
グリーンシートの積層方向に30MPaの加圧で焼結し
た。得られた焼結体の繊維配向方向の諸特性を測定した
結果と、測定値から前記(1)式を用いて熱衝撃係数
R′を算出した結果をそれぞれAl2 O3 については表
3、BとCについては表4に示す。表には比較のため、
それぞれAl2 O3 添加炭化ケイ素焼結体、BとC添加
炭化ケイ素焼結体の諸特性と熱衝撃係数R′の算出値を
併せて示す。
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】いずれの場合も、炭素繊維がピッチ系のB
である方が、高熱伝導率及び高強度を維持し、熱衝撃係
数R′も大きな値となる。図4、図5は焼結助剤がAl
2 O3 、図6、図7は焼結助剤がBとCである場合の焼
結体中の各炭素繊維の形状を示す走査電子顕微鏡写真で
あり、図4、図6は炭素繊維A、図5、図7は炭素繊維
Bの形状を示す。実施例1と同様に、ポリアクリロニト
リル系炭素繊維Aの変形が著しいのに比べて、ピッチ系
のBはほぼ元の形状を保っている。以上の結果から、ピ
ッチ系炭素繊維を用いて得られた焼結体は、炭化ケイ素
の焼結助剤成分に係らず、炭素繊維本来の特性が維持さ
れ、耐熱衝撃性に優れ、本発明の目的に好適な材料とな
る。
である方が、高熱伝導率及び高強度を維持し、熱衝撃係
数R′も大きな値となる。図4、図5は焼結助剤がAl
2 O3 、図6、図7は焼結助剤がBとCである場合の焼
結体中の各炭素繊維の形状を示す走査電子顕微鏡写真で
あり、図4、図6は炭素繊維A、図5、図7は炭素繊維
Bの形状を示す。実施例1と同様に、ポリアクリロニト
リル系炭素繊維Aの変形が著しいのに比べて、ピッチ系
のBはほぼ元の形状を保っている。以上の結果から、ピ
ッチ系炭素繊維を用いて得られた焼結体は、炭化ケイ素
の焼結助剤成分に係らず、炭素繊維本来の特性が維持さ
れ、耐熱衝撃性に優れ、本発明の目的に好適な材料とな
る。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明による炭素繊維強
化炭化ケイ素焼結体では、ピッチ系の炭素繊維を用いる
ことにより、マトリックス成分であるSiの炭素繊維へ
の拡散やそれに伴う繊維の変形を他種繊維に比べて抑制
することができ、適正な複合構造が得られ、炭素繊維本
来の特性を維持することができるため、優れた機械的特
性を有する焼結体を得ることができる。この効果は、い
ずれの焼結助剤を用いた場合にも得られるが、特に焼結
助剤としてBeOを添加した場合に、炭化ケイ素は高熱
伝導化が可能となり、これをマトリックスとして用いた
炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体は高熱伝導性を有するこ
とができる。これらの効果により、本発明による炭素繊
維強化炭化ケイ素焼結体は、耐熱衝撃性に優れた材料と
なる。さらに、本発明に係る製造方法により、炭素繊維
を所望の方向に配向させることができ、目的とする用途
や特性に適した繊維配向性を持つ炭素繊維強化炭化ケイ
素焼結体を得ることができる。
化炭化ケイ素焼結体では、ピッチ系の炭素繊維を用いる
ことにより、マトリックス成分であるSiの炭素繊維へ
の拡散やそれに伴う繊維の変形を他種繊維に比べて抑制
することができ、適正な複合構造が得られ、炭素繊維本
来の特性を維持することができるため、優れた機械的特
性を有する焼結体を得ることができる。この効果は、い
ずれの焼結助剤を用いた場合にも得られるが、特に焼結
助剤としてBeOを添加した場合に、炭化ケイ素は高熱
伝導化が可能となり、これをマトリックスとして用いた
炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体は高熱伝導性を有するこ
とができる。これらの効果により、本発明による炭素繊
維強化炭化ケイ素焼結体は、耐熱衝撃性に優れた材料と
なる。さらに、本発明に係る製造方法により、炭素繊維
を所望の方向に配向させることができ、目的とする用途
や特性に適した繊維配向性を持つ炭素繊維強化炭化ケイ
素焼結体を得ることができる。
【図1】実施例1で得られた焼結体中の炭素繊維Aの形
状を示す走査電子顕微鏡写真である。
状を示す走査電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例1で得られた焼結体中の炭素繊維Bの形
状を示す走査電子顕微鏡写真である。
状を示す走査電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例2で得られた焼結体の繊維含有量と熱伝
導率との関係を示すグラフである。
導率との関係を示すグラフである。
【図4】焼結助剤としてAl2 O3 を用いた焼結体中の
炭素繊維Aの形状を示す走査電子顕微鏡写真である。
炭素繊維Aの形状を示す走査電子顕微鏡写真である。
【図5】焼結助剤としてAl2 O3 を用いた焼結体中の
炭素繊維Bの形状を示す走査電子顕微鏡写真である。
炭素繊維Bの形状を示す走査電子顕微鏡写真である。
【図6】焼結助剤としてBとCを用いた焼結体中の炭素
繊維Aの形状を示す走査電子顕微鏡写真である。
繊維Aの形状を示す走査電子顕微鏡写真である。
【図7】焼結助剤としてBとCを用いた焼結体中の炭素
繊維Bの形状を示す走査電子顕微鏡写真である。
繊維Bの形状を示す走査電子顕微鏡写真である。
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた焼結体中の炭素繊維Aの形
状を示す写真である。
状を示す写真である。
【図2】実施例1で得られた焼結体中の炭素繊維Bの形
状を示す写真である。
状を示す写真である。
【図3】実施例2で得られた焼結体の繊維含有量と熱伝
導率との関係を示すグラフである。
導率との関係を示すグラフである。
【図4】焼結助剤としてAl2O3を用いた焼結体中の
炭素繊維Aの形状を示す写真である。
炭素繊維Aの形状を示す写真である。
【図5】焼結助剤としてAl2O3を用いた焼結体中の
炭素繊維Bの形状を示す写真である。
炭素繊維Bの形状を示す写真である。
【図6】焼結助剤としてBとCを用いた焼結体中の炭素
繊維Aの形状を示す写真である。
繊維Aの形状を示す写真である。
【図7】焼結助剤としてBとCを用いた焼結体中の炭素
繊維Bの形状を示す写真である。
繊維Bの形状を示す写真である。
Claims (9)
- 【請求項1】 炭化ケイ素と炭素繊維を含む炭素繊維強
化炭化ケイ素焼結体において、前記炭素繊維がピッチ系
炭素繊維であり、炭化ケイ素には少なくとも焼結助剤を
有することを特徴とする炭素繊維強化炭化ケイ素焼結
体。 - 【請求項2】 前記焼結助剤が、BeO、Al2 O3 、
BとCから選ばれた1種以上からなることを特徴とする
請求項1記載の炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体。 - 【請求項3】 前記炭素繊維が、炭素連続長繊維であ
り、該炭素連続長繊維が少なくとも方向性をもって配向
していることを特徴とする請求項1記載の炭素繊維強化
炭化ケイ素焼結体。 - 【請求項4】 前記炭素繊維が、炭素短繊維であり、該
炭素短繊維が均一に分散又は二次元ランダムに配向して
いることを特徴とする請求項1記載の炭素繊維強化炭化
ケイ素焼結体。 - 【請求項5】 炭化ケイ素と焼結助剤を含むマトリック
ス成分をグリーンシート化し、該グリーンシート上にピ
ッチ系の炭素連続長繊維を一方向に配列した積層体と
し、該積層体を焼結することを特徴とする炭素繊維強化
炭化ケイ素焼結体の製造方法。 - 【請求項6】 炭化ケイ素と焼結助剤を含むマトリック
ス成分をグリーンシート化し、該グリーンシート上にピ
ッチ系の炭素連続長繊維を一方向に配列し、該配列した
グリーンシートの炭素連続長繊維を方向性をもって交差
させた積層体とし、該積層体を焼結することを特徴とす
る炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体の製造方法。 - 【請求項7】 炭化ケイ素と焼結助剤を含むマトリック
ス成分の粉末とピッチ系の炭素短繊維とを水又は有機溶
媒を用いる湿式混合法で混合し、成形して得た成形体を
焼結することを特徴とする炭素繊維強化炭化ケイ素焼結
体の製造方法。 - 【請求項8】 炭化ケイ素と焼結助剤を含むマトリック
ス成分の粉末とピッチ系の炭素短繊維の混合粉を数層に
分けて加圧成形し、成形した成形体を焼結することを特
徴とする炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体の製造方法。 - 【請求項9】 前記混合粉の加圧成形は、静水圧加圧成
形で行うことを特徴とする請求項8記載の炭素繊維強化
炭化ケイ素焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3222322A JPH05139835A (ja) | 1991-08-08 | 1991-08-08 | 炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3222322A JPH05139835A (ja) | 1991-08-08 | 1991-08-08 | 炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05139835A true JPH05139835A (ja) | 1993-06-08 |
Family
ID=16780541
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3222322A Pending JPH05139835A (ja) | 1991-08-08 | 1991-08-08 | 炭素繊維強化炭化ケイ素焼結体とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05139835A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011190545A (ja) * | 2010-03-12 | 2011-09-29 | Gunze Ltd | 丸編みされた炭素繊維構造物及びそれを含む炭素繊維強化炭化ケイ素系複合材料 |
JP2011231438A (ja) * | 2010-04-30 | 2011-11-17 | Gunze Ltd | 丸編みされた結晶性炭化ケイ素系繊維構造物で強化された炭化ケイ素系複合材料 |
JPWO2017217378A1 (ja) * | 2016-06-13 | 2019-01-17 | 帝人株式会社 | 炭化ケイ素の製造方法及び炭化ケイ素複合材料 |
-
1991
- 1991-08-08 JP JP3222322A patent/JPH05139835A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011190545A (ja) * | 2010-03-12 | 2011-09-29 | Gunze Ltd | 丸編みされた炭素繊維構造物及びそれを含む炭素繊維強化炭化ケイ素系複合材料 |
JP2011231438A (ja) * | 2010-04-30 | 2011-11-17 | Gunze Ltd | 丸編みされた結晶性炭化ケイ素系繊維構造物で強化された炭化ケイ素系複合材料 |
JPWO2017217378A1 (ja) * | 2016-06-13 | 2019-01-17 | 帝人株式会社 | 炭化ケイ素の製造方法及び炭化ケイ素複合材料 |
US20190249059A1 (en) * | 2016-06-13 | 2019-08-15 | Teijin Limited | Silicon carbide production method and silicon carbide composite material |
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