JPH05139707A - 硫酸の回収方法 - Google Patents

硫酸の回収方法

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JPH05139707A
JPH05139707A JP30342291A JP30342291A JPH05139707A JP H05139707 A JPH05139707 A JP H05139707A JP 30342291 A JP30342291 A JP 30342291A JP 30342291 A JP30342291 A JP 30342291A JP H05139707 A JPH05139707 A JP H05139707A
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sulfuric acid
chamber
exchange membrane
electrolytic cell
concentration
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Satoshi Shikami
聡 爾見
Hitoshi Sato
仁 佐藤
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B17/00Sulfur; Compounds thereof
    • C01B17/69Sulfur trioxide; Sulfuric acid
    • C01B17/90Separation; Purification
    • C01B17/901Recovery from spent acids containing metallic ions, e.g. hydrolysis acids, pickling acids

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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体装置の製造工程で使われる廃硫酸を再
生利用する。 【構成】 少なくとも1枚以上の陰イオン交換膜および
少なくとも1枚以上の陽イオン交換膜で三室以上に区画
された多室型電解槽の陰イオン交換膜と槽壁で構成され
る陰極室、または陰イオン交換膜によって区画した2室
型電解槽の陰極室に廃硫酸を供給して電解し、該多室型
電解槽の陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とで形成され
る中間室あるいは該2室型電解槽の陽極室から得られる
硫酸を、多室型電解槽の陽イオン交換膜と槽壁とで形成
される陽極室、もしくは陽イオン交換膜によって区画し
た2室型電解槽の陽極室において電解し、硫酸の濃縮と
ともにペルオキソ1硫酸、ペルオキソ2硫酸、過酸化水
素等の酸化性物質を生成する。 【効果】 廃硫酸を再生利用するとともに、硫酸中に過
酸化水素などの酸化性物質を添加することなく酸化能力
の大きな硫酸を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LSI、超LSI等の
半導体装置の製造工程、液晶表示装置の製造工程等の表
面洗浄工程又はレジスト剥離除去工程から排出される廃
硫酸より、高純度の硫酸を再生しリサイクル使用する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の分野で使用された廃硫酸中は濃度
が低下し、また塩類が含まれているので、水分を除去し
て濃縮するとともに、塩類等を分離することにより廃硫
酸を再生することが行われている。
【0003】廃硫酸の再生には、 (1)廃硫酸を減圧下で加熱して水分を蒸発させるとと
もに、溶出する塩類を晶出分離して硫酸を回収する真空
濃縮法。 (2)廃硫酸を冷却し、溶解度の低下によって塩類を晶
出分離して硫酸を回収する冷却法。 (3)減圧下で加熱濃縮するとともに冷却して晶出分離
を組み合わせる真空冷却濃縮法。 (4)液中燃焼によって濃縮するとともに、塩類を晶出
分離して硫酸を回収する液中燃焼法。 (5)アセチルアセトン、ベンゼン等を溶媒として溶解
度の差を利用して廃硫酸中の塩類、有機物等を抽出除去
する溶媒抽出法。
【0004】(6)廃硫酸を熱分解炉で硫黄酸化物に分
解後、水または硫酸に吸収して硫酸を回収する熱分解
法。
【0005】(7)陰イオン交換膜を介して廃硫酸と水
を向流させ、濃度差による拡散と陰イオン交換膜の選択
透過性により水側に硫酸を移行して回収する拡散透析
法。
【0006】(8)廃硫酸を300℃以下の温度で加熱
し、大部分の有機物と水分を除去した後、300℃以上
の温度で硫酸を蒸留し、塩類や高沸点化合物と硫酸を分
離回収する二段蒸留法。
【0007】等によって行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】電子工業用の硫酸の純
度に対する要求は、半導体装置の微細化、高密度化に伴
い厳しくなっている。例えば、金属成分については20
ppb以下であることが求められている。ところが、減
圧下で加熱する真空濃縮法、冷却により塩類を晶出させ
る冷却法、減圧下での濃縮と冷却を行う真空冷却法、液
中燃焼によって塩類の晶出分離と濃縮を行う液中燃焼
法、有機溶媒による溶媒抽出法のいずれも、ビスコース
レーヨン廃液、石油精製廃酸、アルマイト加工廃酸、ピ
クリング廃酸等の工業規模で多量に排出される廃硫酸に
適用されている回収方法である。これらの方法では塩類
の除去は不完全なため高純度の硫酸は得られないので、
高純度の硫酸が要求されない用途で採用されている方法
である。
【0009】拡散透析方法は比較的高純度なものが得ら
れるが、得られる硫酸の濃度が低いのでこのまま利用す
ることはできなかった。一方、高温で硫酸を分解または
硫酸を蒸留する熱分解法、二段蒸留法は高温度で硫酸を
取り扱うために危険性があり、また装置の腐食等のた
め、メンテナンスコストが高いという問題があった。
【0010】さらに、半導体装置の製造等に利用される
電子工業用の硫酸は、フォトレジストの剥離力あるいは
洗浄力を高めるために過酸化水素水と混合して用いられ
ている。ところが、従来の方法では、単に硫酸を回収す
るのみであり、酸化性物質が硫酸中に生成することはな
く、使用時に新たに過酸化水素水を供給する必要が生じ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明はLSI、超LS
I等の半導体装置の製造工程から発生する來雑物を含む
廃硫酸を、半導体装置の製造工程において再使用可能な
電子工業用レベルの高純度の廃硫酸の再生方法である。
【0012】すなわち、本発明の硫酸の回収方法は、少
なくとも1枚以上の陰イオン交換膜および少なくとも1
枚以上の陽イオン交換膜で三室以上の多室に区画された
多室型電解槽の陰イオン交換膜と槽壁で構成される陰極
室、または陰イオン交換膜によって区画した2室型電解
槽の陰極室に廃硫酸を供給して電解し、該多室型電解槽
の陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とで形成される中間
室あるいは該2室型電解槽の陽極室から得られる硫酸
を、多室型電解槽の陽イオン交換膜と槽壁とで形成され
る陽極室、もしくは陽イオン交換膜によって区画した2
室型電解槽の陽極室において電解し、硫酸の濃縮ととも
に酸化性物質を生成することを特徴とする硫酸の回収す
る方法であり、再生された硫酸はペルオキソ1硫酸、ペ
ルオキソ2硫酸、過酸化水素等の酸化性物質を含むた
め、新たに過酸化水素水を加えることなく、再度レジス
ト剥離工程や洗浄工程に使用することができる。
【0013】LSI、超LSI等の半導体装置の製造を
はじめとする微細加工に使用される各種の材料は極めて
純度が高いが、本発明で対象とする廃硫酸はこの様な半
導体装置の製造工程において、レジスト剥離、半導体ウ
エハの洗浄で用いられた硫酸の廃液である。この廃硫酸
に含有される不純物は一般にノボラック樹脂等の剥離レ
ジスト、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、ガリ
ウム、砒素等の半導体装置の材料として使用される物
質、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、亜鉛、鉛等
の金属を含有しており、レジスト剥離力、洗浄力を高め
るために加えられた過酸化水素が残留している。
【0014】まず、原料の廃硫酸を、電気分解工程で陰
イオン交換膜の機能を劣化させない程度に希釈する。こ
の希釈度は陰イオン交換膜の耐硫酸性、耐熱性等により
異なるが、一般に現在入手できる弗素系の陰イオン交換
膜の場合には約50%である。陰イオン交換膜の耐硫酸
性、耐熱性等の性能が向上した場合は、さらに高濃度の
希釈度で利用することも可能となろうが、希釈度は使用
する陰イオン交換膜の特性に応じた範囲に設定すること
ことが好ましい。
【0015】廃硫酸は剥離したレジスト等の懸濁粒子を
含有しており、これらの懸濁粒子は陰イオン交換膜を通
過しないが、陰イオン交換膜に付着してイオン交換膜の
交換時期を早める可能性があるのでフッ素樹脂製の精密
ろ過膜等で除去しておくことが好ましい。
【0016】以下に、図面を参照して本発明の硫酸の再
生方法を説明する。
【0017】図1は、多室型電解槽を使用して硫酸を再
生する硫酸の再生方法を説明する図である。廃硫酸貯槽
1から廃硫酸が希釈工程2に送られて、所定の濃度に希
釈される。次いで、廃硫酸中に懸濁するフォトレジスト
等の固形物をフッ素樹脂の微細なろ過膜等を使用してろ
過工程3において除去する。
【0018】濃度等を調整した廃硫酸は、精製用多室電
解槽4に送られる。精製用多室電解槽は、少なくとも1
枚の陰イオン交換膜6および陽イオン交換膜7によって
3室以上に区画した電解槽であり、陰イオン交換膜によ
って区画された陰極室8に50%に希釈された懸濁粒子
等を除去した廃硫酸が供給する。運転の開始時には、陰
イオン交換膜と陽イオン交換膜によって形成された中間
室10には比較的希薄な、好ましくは25%以下の不純
物のない硫酸を注入し、陽イオン交換膜によって区画さ
れた陽極室9に注入する硫酸は、不純物の少ない硫酸で
あれば濃度に制限はないが、槽電圧を低く保つために、
30〜50%のものを用いることが好ましい。
【0019】陰イオン交換膜および陽イオン交換膜はそ
れぞれ耐食性の優れたフッ素樹脂系のイオン交換膜を用
いることが好ましいが、フッ素樹脂系の陰イオン交換膜
としては、DF−34(東ソー株式会社)等のバイレイ
ヤー構造の陰イオン交換膜がモノレイヤー構造に比べ電
流効率が高いため好ましい。また、フッ素樹脂系の陽イ
オン交換膜としてはナフィオン324(デュポン社製)
等のスルホン酸系イオン交換基を有する陽イオン交換膜
が使用できる。
【0020】陰極11には硫酸に耐食性の大きい黒鉛、
グラッシーカーボン、タンタル等を使用することができ
る。陽極12にはタンタル等の耐食性の基体上に白金族
の金属またはその酸化物を含む被膜を形成した電極等の
酸素発生用電極としての特性および耐食性の大きな電極
を使用することが好ましい。電気分解反応によって陰極
では水素、陽極では酸素とわずかなオゾンの発生が起こ
るので、陰極、陽極には、発生した気体が速やかに電極
から離脱するエキスパンデッドメタル、網状、多孔板等
の発生した気体が速やかに電極から離脱する基体を使用
するのが好ましい。
【0021】電気分解によって陰極室の硫酸イオンは電
気泳動および陰極室と中間室の濃度差による推進力によ
り陰イオン交換膜を介して中間室に移動する。
【0022】また、陰極室の金属イオンは正に荷電して
いるために陰極に泳動するとともに、陰極室と中間室の
間の陰イオン交換膜が障壁となり中間室に移行しない。
陽極室の水素イオンは、電気泳動および濃度差による推
進力により陽イオン交換膜を介して中間室に移動する。
陽極室から中間室への移動によって減少した陽極室の水
素イオンは、陽極における水の電気分解により補充され
るため、水素イオンの総量は変化しない。一方、陽極室
の水分は一部、陽極室から中間室へ移動する水素イオン
に同伴し、また一部は陽極における水の電気分解により
消費されるため総量が減少する。その結果、陽極室の硫
酸は濃縮される。また陽極室では水の電気分解ととも
に、硫酸の陽極酸化により、ペルオキソ1硫酸、ペルオ
キソ2硫酸、過酸化水素等の酸化性物質が生成する。
【0023】中間室では陰極室から陰イオン交換膜を介
して移動してきた硫酸イオンと陽極室から陽イオン交換
膜を介して移動してきた水素イオンにより濃度が大きな
硫酸が生成するので、中間室の濃度が増加した硫酸を陽
極室に供給し、運転開始時に供給した硫酸と置換する。
【0024】また、中間室で得られた硫酸は精製用多室
型電解槽において濃縮することも可能であるが、濃縮の
際に陽極室から中間室へ水が移行し、この水のために中
間室の硫酸の濃度は低下するので、精製用多室型電解槽
の中間室および陽極室で得られる硫酸を精製用多室型電
解槽と同様の構造の濃縮用多室型電解槽5の陽極室1
2、もしくは陽イオン交換膜で区画した濃縮用2室型電
解槽(図示せず)の陽極室に供給して電解濃縮すること
が好ましい。
【0025】図2には、精製用2室型電解槽と濃縮用2
室型電解槽を使用して回収する方法を説明する図であ
る。廃硫酸の精製用電解槽21は、陰イオン交換膜22
のみで陰極室23と陽極室24に区画されており、50
%に希釈された、懸濁粒子等を除去した廃硫酸が、陰極
室に供給され、陽極室には30%以下の不純物を含まな
い硫酸を注入して電解を行い、陽極室24から精製され
た硫酸を取り出し、濃縮用電解槽25に供給する。濃縮
用電解槽は陽イオン交換膜26によって陰極室27と陽
極室28に区画されており、陽極室に精製された硫酸を
供給し電解によって濃縮するとともに、ペルオキソ1硫
酸、ペルオキソ2硫酸、過酸化水素等の酸化性物質を発
生させることができる。
【0026】以上の方法によって電解によって再生され
た酸化性物質を含む硫酸は、再びレジスト剥離工程、半
導体基板等の洗浄工程において再度使用することができ
る。
【0027】
【作用】半導体装置の製造工程をはじめとして、レジス
ト剥離工程、洗浄工程において使用された後に単に廃棄
物として処理された硫酸を含む水溶液を陰イオン交換膜
および陽イオン交換膜で区画された電解槽の陰極室と陽
極室に順次導入し電気分解によって精製及び濃縮する方
法であり、最終的に廃棄する廃液の量を減少させるとと
もに、陽極室から再度レジスト剥離工程、洗浄工程にお
いて使用することができる、新たに過酸化水素を加える
ことが不要な、ペルオキソ1硫酸、ペルオキソ2硫酸、
過酸化水素等の酸化性物質を含んだ硫酸が得られる。
【0028】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し本発明をさらに
詳細に説明する。 実施例1 硫酸廃液作製工程 電子工業用硫酸(EL−UM、関東化学(株)製)にナ
トリウム、マグネシウム、ストロンチウム、鉄、マンガ
ン、銅、鉛、アンチモンのそれぞれの硫酸塩を添加し、
超純水(比抵抗 18MΩ以上)を用いて希釈し各金属
濃度が4ppm、硫酸濃度が75%になるように調整し
(以下、廃硫酸原液と称するする)、フッ素樹脂製容器
に保存した。
【0029】電解槽精製・濃縮工程 電解槽には有効面積が0.2dm2 の一対の陽極と陰極
を有するフィルタープレス型電解槽を用いた。電解槽を
フッ素樹脂系の陰イオン交換膜であるDF−34(東ソ
ー(株)製)およびフッ素樹脂系の陽イオン交換膜であ
るナフィオン324(デュポン社製)を用いて陰極室、
中間室および陽極室に区画し、電解槽の陰極室にはタン
タルからなる陰極を、陽極室には白金被覆タンタル電極
(ペルメレック電極(株)製)からなる陽極をそれぞれ
設けた。
【0030】陰極室には廃硫酸原液を超純水で希釈して
作製した50%硫酸廃液1000mlを、中間室には1
0%の高純度の硫酸500mlを、陽極室には30%の
高純度の硫酸1000mlを各々充填し、30℃の電解
温度、40A/dm2 の定電流密度で電気分解を行っ
た。陰極室には電解中、廃硫酸濃度が常に50%になる
よう、廃硫酸原液を注入した。50時間の電解後、中間
室では硫酸濃度が33%、容量が1000mlとなり、
100%の硫酸換算で360g増加した。陽極室では硫
酸濃度は50%に増加した。中間室で再生された硫酸の
中には酸化性物質は含まれていなかった。
【0031】陽極室液を中間室で得られた33%の再生
硫酸で置換し、中間室には新たに10%の高純度硫酸5
00mlを充填し、30℃の電解温度、40A/dm2
の定電流密度で再度電解を行った。120時間電解後、
中間室の硫酸濃度は40%、容量は1200mlとな
り、100%硫酸換算で562gの増加であった。陽極
室の再生硫酸の濃度は89%に増加し、その中に240
ミリモル/リットルの酸化性物質が生成した。この再生
硫酸の各金属濃度は10ppb以下であり電子工業用の
硫酸として十分使用可能であり、新たに過酸化水素を加
えなくともレジスト剥離、洗浄力を有するものであっ
た。
【0032】なお、上記の各化学成分は以下の方法によ
って分析を行った。 硫酸含量:JIS−K1322の硫酸試験方法 カリウムを除く金属:IPC発光分光分析法 カリウム:原子吸光分析法 酸化性物質濃度:ヨウ素滴定法 実施例 2 フッ素樹脂系の陰イオン交換膜であるDF−34(東ソ
ー(株)製)で区画した、有効面積が0.2dm2 の一
対の陽極と陰極を有するフィルタープレス型電解槽の陰
極室には実施例1と同様に調整した50%の硫酸100
0mlを充填し、陽極室には10%の高純度硫酸700
mlを充填した。30℃の電解温度、40A/dm2
定電流密度で電気分解を行った。50時間の電解後、陽
極室では硫酸濃度が33%、容量が690mlとなり、
100%の硫酸換算で215g増加した。陰極室では硫
酸濃度は41%、容量860mlとなり、100%の硫
酸換算で236gの減少となった。陽極室で再生された
硫酸の中には酸化性物質は含まれていなかった。
【0033】ついで、陽極室で得られた41%の再生硫
酸を、フッ素樹脂系の陽イオン交換膜であるナフィオン
324(デュポン社製)で区画した有効面積が0.2d
2の一対の陽極と陰極を有するフィルタープレス型電
解槽電解槽の陽極室に供給し、陰極室には75%の廃硫
酸原液800ml充填した。
【0034】30℃の電解温度、40A/dm2 の定電
流密度で電気分解を行った。100時間の電解後、陽極
室では再生硫酸濃度が90%に上昇し、その中に150
ミリモル/リットルの酸化性物質が生成した。一方、陰
極室では廃硫酸濃度が52%に低下した。この再生硫酸
の各金属濃度は10ppb以下であり電子工業用の硫酸
として十分使用可能であり、新たに過酸化水素を加えな
くともレジスト剥離、洗浄力を有するものであった。
【0035】
【発明の効果】本発明は、半導体装置の製造工程をはじ
めとして、レジスト剥離工程、洗浄工程において使用さ
れた硫酸を含む水溶液を陰イオン交換膜および陽イオン
交換膜で区画された電解槽において、電気分解によって
精製及び濃縮する方法であり、廃棄する廃液の量を減少
させるとともに、陽極室から再度レジスト剥離工程、洗
浄工程において使用することが可能な、ペルオキソ1硫
酸、ペルオキソ2硫酸、過酸化水素等の酸化性物質を含
んだ硫酸が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多室型電解槽を使用して硫酸を再生する硫酸の
再生方法を説明する図である。
【図2】精製用2室型電解槽と濃縮用2室型電解槽を使
用して再生する場合を説明する図である。
【符号の説明】
1…廃硫酸貯槽、2…希釈工程、3…ろ過工程、4…精
製用多室型電解槽、5…濃縮用2室型電解槽、6…陰イ
オン交換膜、7…陽イオン交換膜、8…陰極室、9…陽
極室、10…中間室、11…陰極、12…陽極、21…
精製用電解槽、22…陰イオン交換膜、23…陰極室、
24…陽極室、25…濃縮用電解槽、26…陽イオン交
換膜、27…陰極室、28…陽極室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃硫酸を処理して硫酸を回収する方法に
    おいて、少なくとも1枚以上の陰イオン交換膜および少
    なくとも1枚以上の陽イオン交換膜で三室以上の多室に
    区画された多室型電解槽の陰イオン交換膜と槽壁で構成
    される陰極室、または陰イオン交換膜によって区画した
    2室型電解槽の陰極室に廃硫酸を供給して電解し、該多
    室型電解槽の陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とで形成
    される中間室あるいは該2室型電解槽の陽極室から得ら
    れる硫酸を、多室型電解槽の陽イオン交換膜と槽壁とで
    形成される陽極室、もしくは陽イオン交換膜によって区
    画した2室型電解槽の陽極室において電解し、硫酸の濃
    縮とともに酸化性物質を生成することを特徴とする硫酸
    の回収方法。
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