JP2001096275A - 中間室を設けた純水電解槽 - Google Patents

中間室を設けた純水電解槽

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 純水あるいは超純水を電気分解して、半導体
製造分野等において求められている還元性の強い液を製
造するのに適した電解槽を提供する。 【構成】 カソード電極を配置したカソード室と、アノ
ード電極を配置したカソード室とを、並設した一対のイ
オン交換膜を間にして区分し、この一対のイオン交換膜
の間にイオン交換樹脂を充填した中間室を設けて、DO
の低い液を通水させながら純水の電気分解を行なう。こ
れによってカソード室からDO濃度が極めて低く、還元
性の強いカソード液を回収できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、純水または超純水と呼
ばれる電導率の小さい水を対象とし、プラス・マイナス
二つの電極が設けられた槽の中間に新たな中間室を設け
ることで、電解効率を向上させた電解槽、及びこれを用
いて溶液中の不純物を除去する方法に関し、より詳しく
は、カソード室とアノード室の間に粒状の固体電解質、
例えばH−型のふっ素樹脂系陽イオン交換樹脂などを充
填した中間槽を設けることにより、アノード極で生成し
た、酸素、オゾン、などの酸化作用の強い物質がカソー
ド室に拡散移動する事を防止し、かつカソード室での水
素発生を容易なものとして、還元性の強いカソード液を
得ることができる電解槽に関する。
【0002】
【発明の背景と従来の技術】近年、各種洗浄剤の環境に
対する悪影響が問題となり、さまざまな角度から検討が
進められている。その代表例がフロンで、洗浄力の強さ
から、半導体そのほか多くの分野で使用されてきた。と
ころが、フロンを始めとするフッ素系溶剤は、地球のオ
ゾン層を破壊する危険性を有することが報告されて以
来、世界的な規模で使用の制限が進んでいる。これらの
溶剤の代替として、最も安全な溶剤である水が再び脚光
を浴びている。半導体分野などで用いられる洗浄用の水
は、いわゆる純水である。純水は一般に電気伝導度で確
認され、伝導率ρが10μS・cmより小さな値のもの
を純水、更に0.055μS・cmより小さなものを超
純水と呼ぶことが多いので本明細書においてもこれに従
う。以下、これらの純水の酸化還元性および純度とくに
極性有機物質などの不純物について説明する。
【0003】水の酸化還元性は、含まれる物質に大いに
依存する。通常の純水または超純水にも溶存酸素(D
O)が約8ppm含まれ、このためシリコンなどの表面
をこの純水で洗浄すると、部分的に酸化溶解することが
知られている。このために、DOを低減する目的で窒素
ガスをバブリング(泡立て)して低DOを達成する超純
水製造装置が開発されている。しかしこの脱気法を用い
た場合、DOは、50ppb(0.005ppm)まで
は比較的速やかに低減するが、50ppb以下に低減す
るためには、時間がかかる。その上、脱気用のガスに
は、超純水を汚染しないような極めて高純度のものが要
求される。このために、より効率的な方法が要求されて
いる。
【0004】また別の分野として原子力発電所のうち沸
騰水型原子炉(BWR)では、冷却水として、超純水レ
ベルに近い水が用いられている。BWRの一次系のステ
ンレス鋼製配管の内面に形成される酸化被膜には、発電
中に生じるコバルト60などの放射性核種が取り込まれ
ることが知られている。このように、配管にC 60
付着すると配管の周囲の線量率が上昇するので、C
60 をときどき除去することが望ましい。C 60
除去するためには、C 60を取り込んでいる酸化被膜
を溶解除去することが必要である。BWR環境下で生成
したステンレス鋼の酸化被膜は、DOを1ppbの還元
性の条件下で、溶解速度が増大することが知られてい
る。通常は化学薬品を添加してC 60を除去している
が、一次系が化学薬品で汚染されて浄化作業に多大の時
間がかかる上、放射性廃棄量が増大する。そこで超純水
に近い冷却水の還元性を強化させることにより、C
60の除去速度を増加させる技術が確立できれば、安全
性の観点からこの技術は非常に有望である。またこの技
術はBWRに留まらず、鉄系の酸化被膜を除去する際、
化学薬品の廃棄物が排出されないので、還流対策の面で
有利な技術となる。
【0005】現在、超純水の製造装置は、イオン交換樹
脂塔、ポリッシャー樹脂塔、フィルター、逆浸透圧装
置、限外ろ過モジュールおよび紫外線殺菌などから構成
されている。超純水の純度のうち、電導度は水分子の一
部が解離して生成されるHとOHイオンのみによる
理論的な値に近づいている。K ,Na ,Cu
及びZn2+イオンなどの不純物濃度は数ppbオーダ
にまで低減されているが、完全に除去されているわけで
はない。特に遷移金属イオンは、加水分解により全体と
して電気的に中性となり、イオン交換樹脂で除去するこ
とが困難になる。有機物の不純物は約50ppbとなっ
ており、イオン性不純物に比較して残留量は大きい。し
たがって超純水の純度をさらに向上させるためには、新
しい浄化法を開発することが必要であった。
【0006】新しい浄化法の候補としてJ.H. St
rohlとK.L.Dunlapにより報告(下記*参
照)されている電気化学プロセスを利用する方法があ
る。この報告によれば、非イオン性極性有機物の吸着現
象は、被吸着物質の電位に依存し、有機物に固有の電位
で特異的に吸着する。しかし、この報告は電解質溶液を
用いており、超純水の浄化にそのまま応用することはで
きない(*J.H.Strohland K.L.Dunlap Anal.Chem.,44(A
72)2166、 Elechosorption AND Separation ofQuinones
on a Column of graphite particles) 。
【0007】薬品を使用せずに水のDOを下げ、還元性
を向上させる技術に電解還元法が知られているが、しか
し、純水または超純水の伝導度は10μS・cm以下と
極めて小さいので、電解効果を得るためには、電解電圧
は数100V以上になって工業的な実施には適さず、従
来、純水または超純水に電解還元法は応用されていな
い。
【0008】ところで、純水を低電圧で電解して気体状
のオゾン(O )または高濃度のオゾン水を得る技術
が最近開発されており、本発明とは目的が異なるが低電
圧で純水を電解する技術の一つとして注目に値する。
【0009】以下、本発明の目的とは関係しないが、こ
のオゾン水を得る上記提案内容の概要を簡単に説明す
る。この方法では、図7に示すように、例えばイオン交
換樹脂101の両側にカソード電極102とアノード電
極103を密着させた構造の電解槽104が用いられ
る。そしてカソード室109には入口105及び出口1
06が設けられ、またアノード室110には入口107
及び出口108が設けられる。このような構成におい
て、例えばフッ素樹脂に陽イオン交換基(−SO
基)を導入した陽イオン交換膜を用いると、電解電圧を
数ボルト(V)にまで下げることができる。このような
構造の電解槽においては、アノード電極103でオゾン
を生成するための電流効率は電極材質に依存することが
知られ、一般的には白金(Pt)、鉛酸化物(β‐Pb
)などが用いられる場合が多い。
【0010】この構造の電解槽に通電すると、アノード
電極103で(O )と(O)が発生し、カソード
電極102で水素(H)が発生する。これらの電気
化学プロセスに対応して、以下の化学反応式が推定され
ている。
【0011】 H O+O →O +2H+2e Eo =2.07V (1) 3HO →O +6H+6e Eo =1.51V (2) 2H O →O +4H+4e Eo =1.23V (3) ここでEo は標準酸化還元電位である。
【0012】これらの化学式にしたがって生成されたH
イオンは、陽イオン交換膜を介してカソード電極側
に移動してH ガスに還元されると考えられている。
【0013】ところで、この電解槽104を用いると、
低電圧で純水を電解する事が可能であるが、しかし、固
体電解質である陽イオン交換膜は、部分的にO など
を透過させるので、カソード電解液の還元性能は低下
し、そのままでは本発明の目的に応用できない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オゾン(O
)の生成でなく、純水の酸化還元性および純度をコ
ントロールする事が可能な電解槽を提供することを目的
とする。
【0015】上記の図7に示した構造を有する電解層を
用いた場合、アノード電極103にはO またはO
が発生するのでアノード室に酸化性の水が得られ、。一
方、カソード電極102にはHが発生するのでカソ
ード室に還元性の水が得られる。ここでカソード側でよ
り強い還元性の水を得たい場合、H などの還元性物
質の生成に加えて、O などの酸化性物質を除去する
ことが必要である。そして、純水でも一般にO が溶
存しており、還元性向上のためにはこのOの除去が
望まれる。
【0016】O は以下の化学反応式で示されるよう
に、還元反応により還元性物質に変わるので、電解還元
法はO 除去に有力な方法の一つである。
【0017】 O+4H+4e →2H O Eo = 1.23V (4) O + H +e →HO Eo =−0.13V (5) O +2H+2e →H Eo =−0.69V (6) ところで、電解法ではアノード電極における酸化反応
と、カソード電極における還元反応が対になっているの
で、電極間に陽イオン交換膜にガス透過性があると、酸
化反応で発生したOなどの酸化性物質が、イオン交
換膜を介してカソード電極側に移動することは既に述べ
た。この現象が電解還元法の欠点となる。
【0018】図7に示す電解槽104を用いると、純水
中の微量金属イオンはマイナス極であるカソード電極側
に、反対に陰イオンはプラス極のアノード電極側に移行
する。しかし、非イオン性である極性有機物は、どちら
の極側にも移動しない。電極の電位を有機物の特異吸着
に適した値に設定したとしても吸着効率は低い。またこ
の電解槽104の場合、電極電位は一意的に決まるもの
であり、同時に複数の電極電位を設定することは不可能
である。したがって、複数個の非イオン性極性有機物
を、同時に除去することは不可能である。なお、鉄(F
e)イオンなどの遷移金属イオンは、還元反応によりカ
ソード電極表面に電析し除去される傾向にある。しか
し、電極表面のみでは金属イオンの捕集量に限界があ
り、工学的にメリットが低い。またアルカリ金属イオン
等のように還元されにくいイオンは、必ずしも充分な効
率で除去できない。一方、アノード電極側では、陰イオ
ンが濃縮されるが電析はしない。このように、上述の構
造をなす電解槽104では、イオン性及び非イオン性不
純物を完全に除去することが原理的に困難である。
【0019】
【課題を解決するための手段】このように、上述の高濃
度のオゾン水を製造するために提案された上記図7の構
造の電解槽104では、アノード電極で生成されたO
及びO がカソード電極側に移行することが避けられ
ず、本発明の目的にこれを適用する場合にはこの点が大
きな間題となる。
【0020】そこで本発明者は、この問題を回避するこ
とについて研究を重ね、上記特許請求の範囲の各請求項
に記載の本発明を完成した。
【0021】本発明の原理を、図1を用いて以下説明す
る。この図1の電解槽15において、1および2はイオ
ン交換膜、3はカソード電極、4はアノード電極、5は
カソード室11の入口、6は同出口、7はアノード室1
2の入口、8は同出口、9は中間室13の入口、10は
同出口である。
【0022】中間室に通水する純水は、例えば高純度の
窒素N(またはアルゴンAr)ガスをバブリングする
事により溶存酸素濃度(DO)を十分に低下(一般的に
は伝導度50ppb以下、好ましくは10ppb程度以
下とすることが望ましい)させた純水が用いられる。こ
の純水を循環使用する場合には、アノード室12から中
間室13に移行するO 及びO は、このバブリング
操作により除去される。
【0023】本発明の特徴の一つは、上記の中間室13
に固体電解質を充填することにある。これは同中間室1
3に純水のみを充填した場合には、純水の電導度が10
μS・cm以下と小さいために電解電圧が非常に大きく
なるのに対し、中間室に固体電解質(例えばイオン交換
樹脂)を充填することにより電導度を増加させ、電解電
圧を低減することが有効となるからである。この電解電
圧を下げるための固体電解質としては、イオン交換膜と
同様にフツ素のイオン交換樹脂が中間室充填用として適
し、特にフッ素樹脂に−SO H基が結合したイオン
交換樹脂、具体的にはデュポン社製のナフィオンNR−
50等を代表的なものとして挙げることができるがこれ
に限定されるものではない。上記固体電解質の他のもの
としては、例えばポリスチレン樹脂にスルホン酸基(−
SO H)が結合したイオン交換樹脂、具体的にはア
ンバーライトIR−116,IR−118,IR−12
1,IR−122,252,200C,200CT(オ
ルガノ社製)、ダイアイオンSK102,SK104,
SK10,SK110,SK116,SK208,PK
208,PK212,PK216,PK220,PK2
28(三菱樹脂社製)、ダウエックスHCR ,HC
R−S,HGR−W,MSH−1(ダウケミカル社製)
が挙げられ、またメタクリル酸,又はアクリル酸とジビ
ニルベンゼンよりなる樹脂にカルボン酸基(−COO
H)が結合した樹脂、具体的にはアンバーライトIRC
−50,DP−1,IRC−84(オルガノ社製)、ダ
イアイオンWK10,WK11,WK20(三菱樹脂社
製)、ダウエックスCCR−2(ダウケミカル社製)な
どを挙げることができる。また固体電解質の充填の程度
は、電解単位面積当り1g/cm 〜10g/cm
が適当である。固体電解質は粒状のものである他、例え
ば適当な通水が可能な50μm以上の孔径を有するブロ
ック状の多孔質体も好ましく用いられる。
【0024】この中間室に通水する速度は、線速度で
0.1cm/sec〜100cm/sec程度とするこ
とがよい。
【0025】なお、中間室の個数は1個に限定されるも
のではなく、酸化性物質の拡散を抑制する必要性が高い
ときには、複数個にする事が望ましい。例えば純水の温
度を上げた場合(例えば80〜100℃)には隔膜を通
過するO の通度が大きくなるから、中間室を複数設
けることでO の拡散をより効果的に防止することが
できる。
【0026】中間室の粒状イオン交換樹脂に通電する事
により、電圧が印加される得る。この結果、粒状イオン
交換樹脂表面の電位はプラスからマイナスまで幅広く分
布することになる。更に中間室充填物が、粒状であるた
め有機物との接触機会の確率が大きくなる。これらの点
から中間室を使用することにより、複数個の非イオン性
極性有機物の吸着除去が容易となる。なお、不純物とし
て含まれる陽イオンはカソード電極側に陰イオンはアノ
ード電極側に移行するので中間室はイオン性物質の除去
にも適している。
【0027】また、図1の構造の電解槽15において一
方のイオン交換膜1を除いた構成も有効に用いられ、こ
れによりカソード電極と粒状または多孔質の固体電解質
を密着させた構造は、遷移金属イオンの捕集量が向上す
る。その具体的な構造例は図2の電解槽31によって示
され、図1と共通の部材には符号に10を加えて示し
た。すなわち図2中の22はカソード電極、23はアノ
ード電極、21は陽イオン交換膜、24は粒状または多
孔質の固体電解質を充填した中間室を夫々示している。
なお25は、浄化を目的とする中間室24への水の入口
であり、26は生成水のカソード室29からの出口、2
7はアノード室30への水の入口、28は同出口であ
る。
【0028】固体電解質は上記図1の場合と同様であ
り、フッ素系の陽イオン交換樹脂が適している。この構
造の電解槽を用いて電解還元すると、不純物の金属イオ
ンは、まず電極表面に析出し、その後、固体電解質上に
も析出する。この結果金属イオンの捕集量が向上し、装
置の寿命が延長される。
【0029】
【発明の効果】従来の純水の電解法では溶存酸素等の溶
存ガスを溶液中から除去することが容易でなく、また加
水分解により電気的に中性化した金属イオン及び膜の孔
を通過する程小さいクラスター状の金属イオンはイオン
交換樹脂や膜により除去することが困難であり、さらに
活性炭は吸着量に限界があるが、本発明の電解槽と純水
製造装置を組み合わせて用いれば、従来の純水製造装置
や超純水製造装置では除去できなかった不純物を効率的
に除去できる上、電解により活性な還元性物質を溶液中
に注入することが可能となり、また半導体等の洗浄に適
した水を得ることができるという効果がある。
【0030】また本発明の電解槽を使用して製造した水
は、不純物を極度に低減することが必要であり、かつ表
面の酸化溶解の防止が必要なシリコンウエハーの最終段
階の洗浄に特に適している。
【0031】さらに又、沸騰水型原子力発電所の一次冷
却水に含まれる放射性物質の低減の上から求められる不
純物の低減化に有益であり、さらに炉内材料の腐食損傷
防止のためにも適している。
【0032】
【実施例】実施例1 図1に示した電解槽15において、カソード電極3とし
て多孔質直方体型のカーボン電極(90×70×30m
m)を用い、アノード電極4として80メッシュの網状
白金(80×60mm)を用いた。中間室にはデュポン
社製ナフィオンNR−50を約160g充填し、隔膜に
は同じくナフィオン117を用いた。水として、超純水
レベルの電導度で0.06μS・cmの純水を用いた。
カソード室及びアノード室の大きさは夫々(90×70
×30mm)、中間室の大きさは(90×70×25m
m)とした。
【0033】このような電解槽を第6図の純水製造装置
に組み合わせて純水の電解を行なった。
【0034】なお純水中のDOは、事前にN ガスを
バブリングすることにより50ppbに下げておいた。
この低溶存酸素水をカソード室および中間室13に20
cc/secの流量で循環し、電流密度5〜20mA/
cmで通電した。
【0035】カソード室出口6で測定したDOと電流密
度の関係を図3の曲線に示す。この図から明らかなよ
うにカソード電解することにより、DOが低減すること
がわかる。
【0036】比較のために図1に示す中間室を除いた電
解槽を用いた実験を実施した。中間室がないこと以外
は、前述の試験条件と全く同様である。出口におけるD
O測定値は、図3の曲線に示すように変化した。DO
はカソード電解以前より低下するが、中間室を設けた場
合より、DO低減率は小さかった。
【0037】以上の結果から本発明の有効性が確認され
た。 実施例2 実施例1と同様に図1に示す電解槽15を用いた。中間
室13には、非イオン性極性有機分子を溶解させ、水を
流した。中間室の入口9と出口10で水を採取し、極性
有機分子濃度を測定した。極性有機分子としては2・ヒ
ドロキシ−1,4−ナフトキノン(HNQ)を用いた。
電解条件は次のように設定した。吸着現象は電位に依存
することが知られているので、この実験では定電流電解
ではなく定電位電解を行った。電解電圧は0から25V
の範囲で変化させた。用いた原液として10−6MのH
NQを超純水に溶解させた液を用いた。この原液を10
ml/minの速度で中間室に通水した。中間室出口で
サンプリングした溶液中の濃度を紫外線吸収すぺクトロ
メータを用いて測定した。
【0038】図4に中間室出口10におけるHNQの濃
度の電解電圧依存性を示す。この図からわかるように中
間室13に電解を印加することにより、HNQが超純水
か90%以上除去された。換言すると、HNQのイオン
交換樹脂に対する吸着量が増加する。なお図1に示す電
解槽を用い、カソード電極側のイオン交換膜を取り除い
た他は実施例2と同じ条件下で実験したが、電解電圧0
から25Vの範囲でHNQの除去率は10%以下であっ
た。この結果から本発明の構造を有する電解槽が水溶液
中の極性有機分子の除去に有効であることがわかる。 実施例3 図2に示す電解槽31において、カソード電極22とし
て80メッシュの白金電極を用い、アノード電極23と
して同じ白金電極を用いた。固体電解質としてデュポン
社製のナフィオンNR50を充填し、隔膜21としてナ
フィオン117を用いた。比較例として図6に示す構造
の電解槽104を用いた。比較例の電解槽104はナフ
ィオンNR50を除いて本例の電解槽31と全く同じで
ある。
【0039】原水として、超純水レベルの0.055μ
S/cmの水を用いた。この水に10ppbの鉄(Fe
3+)イオン溶解させた液を試験に供した。電流密度を
20mA/cmとし、流量を0.5l/minに設
定した。図5に、出口26における鉄イオン濃度の変化
を示した。この図のの曲線は本例の電解槽31を用い
た結果を示し、また曲線は、比較例の結果を示してい
る。この図から明らかなように本発明の金属イオン捕集
能力は優れていることが分かる。 実施例4 図1に示す電解槽15と、図2に示す電解槽31を直列
につないだシステムを用いることにより、純水中の非イ
オン性および非イオン性極性有機物を効果的に除去する
ことができる。
【0040】具体的には、図1に示す電解槽15の出口
10と、図2における電解槽31の入口25をつないだ
システムを構成する。
【0041】このシステムにより、第1段の電解槽15
で非イオン極性有機物を除去し、第2段の電解槽31で
金属イオンを電折により除去することができる。 実施例5 実施例3で説明した図2に示す電解槽31の出口26の
後にフィルターをつけることで、純水の純度を一層向上
させることができる。これは、カソード電極、粒状また
は多孔質の固体電解質に電析した金属は流れの作用によ
り一部はく離する危険性がある。そこで、この純水の流
れの後段にフィルターをつけておけば、かりに金属がは
く離してもこのフィルターで除去できるからである。フ
ィルターとしては、可能な限り孔径が0.45μmの小
さいものが望ましく、精密ろ過膜、限外ろ過膜または逆
浸透膜などを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解槽の構成概要一例を示した図。
【図2】本発明の電解槽の他の構成概要を示した図。
【図3】実施例1の結果を示した図。
【図4】実施例2の結果を示した図。
【図5】実施例3の結果を示した図。
【図6】図1の電解槽を有する純水製造装置の構成概要
一例を示した図。
【図7】比較例の電解槽の構成概要を示した図である。
【符号の説明】
1,2…イオン交換膜、3…カソード電極、4…アノー
ド電極、5…カソード室入口、6…カソード室出口、7
…アノード室入口、8…アノード室出口、9…中間室入
口、10…中間室出口、11…カソード室、12…アノ
ード室、13…中間室、15…電解槽、21…イオン交
換膜、22…カソード電極、23…アノード電極、24
…中間室25…入口、26…出口、27…アノード室入
口、28…アノード室出口、29…カソード室、30…
アノード室、31…電解槽。
【手続補正書】
【提出日】平成12年9月20日(2000.9.2
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】上記の図7に示した構造を有する電解
用いた場合、アノード電極103にはO3またはO2が発
生するのでアノード室に酸化性の水が得られ一方、
カソード電極102にはH2が発生するのでカソード室
に還元性の水が得られる。ここでカソード側でより強い
還元性の水を得たい場合、H2などの還元性物質の生成
に加えて、O2 などの酸化性物質を除去することが必
要である。そして、純水でも一般にO2 が溶存してお
更にアノード極側で生成された酸化性物質がカソード
側に移動するので、還元性向上のためにはこのO2 の
除去が望まれる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】図7に示す電解槽104を用いると、純水
中の微量金属イオンはマイナス極であるカソード電極側
に、反対に陰イオンはプラス極のアノード電極側に移行
する

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アノード電極の設けられたアノード室
    と、カソード電極の設けられたカソード室とを、並設さ
    れた一対の隔膜を間にして区分した構造を有する伝導率
    ρが10μS・cmより小さい値の純水の電気分解槽で
    あって、 上記一対の隔膜の間に、粒状または多孔質状の固体電解
    質を充填した中間室を設け、この中間室に脱気水を通水
    する手段を接続し、カソード室から液を回収する手段を
    設けたことを特徴とする純水電解槽。
  2. 【請求項2】 請求項1において、隔膜が陽イオン交換
    膜であることを特徴とする純水電解槽。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、中間室に充填
    した固体電解質が陽イオン交換樹脂であることを特徴と
    する純水電解槽。
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