JPH05139059A - 医学診断像のハードコピーを得るための熱染料昇華転写受容材料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】熱染料昇華転写に使用するための染料像受容材
料、特に熱染料昇華転写による医学診断像のハードコピ
ーを得る方法により使用するための染料像受容材料に関
する。 【構成】転写された染料像を含有する透明染料像受容層
を上に有する透明支持体を含む熱染料昇華転写により印
刷された染料像受容材料であり、前記染料像受容材料に
像部域の周囲に黒色端縁を設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明は熱染料昇華転写に使用するための
染料像受容材料、特に熱染料昇華転写による医学診断像
のハードコピーを得る方法により使用するための染料像
受容材料に関する。

【０００２】熱染料拡散転写とも称される熱染料昇華転
写は、熱転写性を有する昇華性染料を含有する染料層を
設けた染料供与体材料を受容体シートと接触状態にし、
パターン情報信号に従って選択的に、複数の並列した熱
発生抵抗器を設けた熱印刷ヘッドで加熱する記録法であ
り、これによって染料供与体材料の選択的に加熱された
部域から染料が受容体シートに転写され、その上にパタ
ーンを形成する、その形及び濃度は染料供与体材料に付
与される熱のパターン及び強度に従う。

【０００３】熱染料昇華転写により使用するための染料
供与体材料は、一側を印刷染料を含有する染料層で被覆
された非常に薄い支持体例えばポリエステル支持体を通
常含有する。通常支持体と染料層間に接着剤層又は下塗
層が設けられている。通常反対側には、熱印刷ヘッドが
摩耗に悩まされることなく通過できる滑性化された表面
を与える滑性層で被覆されている。接着剤層は支持体及
び滑性層の間に設けてもよい。

【０００４】熱染料昇華転写により使用するための染料
像受容材料は通常中へ染料がより容易に拡散できる染料
像受容層で被覆された支持体例えば紙又は透明フィルム
を含む。接着剤層は支持体及び受容層の間に設けること
ができる。前記受容層の上に、転写が行われた後、供与
体材料からの受容材料の剥離性を改良するため別の剥離
層を設けることができる。支持体の裏側、即ち受容層側
に対し反対の側に、例えばシートの堆積からの分離シー
トの供給を改良するため又は帯電処理をシートに与える
ため裏塗層を設けることができる。

【０００５】染料層は、単色染料層であることができ
る、又はそれは例えばシアン、マゼンタ、黄及び所望に
より黒色色相の異なる着色染料等の逐次反復部域を含有
できる。３原子以上の染料を含有する染料供与体材料を
使用するとき、各色に対して染料転写法工程を逐次行う
ことによって多色像を得ることができる。

【０００６】熱染料昇華転写印刷の可能な応用の一つ
は、医学診断像のハードコピーの製造である。かかるハ
ードコピーは紙の如き反射性支持体上に作ることができ
るが、殆どの用途において、ハードコピーは透明画上に
作られる。個々の用途によって、これらのハードコピー
は単色、特に単色黒又は多色であることができる。

【０００７】透明画上に作られた医学診断像のハードコ
ピーは、光源を介して光箱の前から読まれる。観察者に
よって像が実際に見られる実際の環境は、ハードコピー
に記録された診断情報の正確な査定に重要な役割を果
す。

【０００８】既知の熱染料昇華透明画上に作られた像を
光箱の前から観察するとき、ハードコピーの周囲から逃
げる輝く光が観察者の目視識別を損う、従って観察の判
断を損う。更に像に隣接する透明端縁（margin）は、像
中に含まれた診断情報を評価するに当って目の効率を低
下させる眩惑を生ぜしめる。

【０００９】従って本発明の目的は、前述した欠点を有
しない方法により使用するため透明画及び透明受容材料
上の医学診断のハードコピーを得るための熱染料転写印
刷法を提供することにある。

【００１０】本発明によれば、熱染料昇華転写により印
刷された染料像受容材料を提供し、前記染料像受容材料
は、転写された染料像を含有する透明染料像受容層を上
に有する透明支持体を含み、前記染料像受容材料は像部
域の周囲に黒色端縁を設けたことを特徴とする。

【００１１】本発明の受容材料上に印刷された医学診断
像を光箱上で見るとき、反射及び眩惑を有効に除き、よ
り密な部域中の詳細の増大した評価を周囲部域の遮蔽に
よって得る。

【００１２】図１及び図２は本発明を具体化した受容材
料の各平面図である。

【００１３】本発明の一実施態様によれば、黒色端縁
は、唯一つの像を図１に示す如く受容材料上に再現する
とき、唯一つの像の像部域をとりまいて受像材料の境界
及び端縁に沿ってのみ設ける。本発明の別の実施態様に
おいて、黒色端縁は受容材料の境界及び縁（edge）に沿
ってばかりでなく、受容材料の平面内に幾つかの間隔を
おいて設け、かくして図２に示す如く複数の像を受容材
料上に再現するとき幾つかの像部域をとり囲む。

【００１４】本発明による受容材料の周囲の黒色端縁は
少なくとも２の透過濃度を有するのが好ましい。前端縁
の濃度は可視フィルターを備えた濃度計タイプMacbeth
ＴＲ９２４で透過率で測定する。

【００１５】本発明による受像材料上の黒色端縁は多く
の方法で設けることができる。

【００１６】本発明の像受容材料の製造中に、受容材料
の（未被覆）支持体の裏側又は受容体側の何れかに印刷
によって設けることができる。印刷は通常の黒色インク
を用いてオフセット、グラビヤ、スクリーン、フレキ
ソ、電子写真又はイオノグラフ印刷によって行うことが
できる。前記印刷は、支持体に熱染料昇華転写受容材料
に一般的に含まれる層（例えば受容層、受容層上の剥離
層、支持体と前記層の何れか一つの間に設けた接着剤層
又は黒色層）の一つ以上を設けた後に行うこともでき
る。

【００１７】前記端縁は受容材料をシートに切断する前
又は後に設けることができる。

【００１８】本発明の像受容材料は受容材料の転写印刷
中に黒色端縁を設けることもできる。これは黒色染料供
与体材料又は昇華性染料の混合物を含有し、受容材料の
像部域より大なる印刷部域を有する黒色染料供与体部域
を用いることによって達成できる。黒色着色像の場合に
は、この黒色染料供与体材料又は染料供与体部域は、像
を印刷するため使用される染料供与体材料又は染料供与
体部域と同じであることができ、黒色端縁は昇華転写印
刷による像と同時に設けることができる。或いは、ワッ
クス層中に黒色材料（例えばカーボンブラック）を含有
する別の部域を含む特別の染料供与体材料を使用して、
熱転写ワックス印刷によって受容材料上に前記端縁を設
けることができる。

【００１９】転写印刷中黒色端縁を像受容材料に設ける
ことは、黒色境界の転写印刷のため別の熱ヘッドを用い
て達成できる。黒色境界及び像を印刷するため一つの熱
ヘッドの代りに別の熱ヘッドを用いることの利点は、像
を印刷するための熱ヘッドの大きさを小さくすることが
できることにある、大なる大きさの熱ヘッドはかなりの
電圧降下を示す。

【００２０】昇華転写後、端縁は、前述した印刷方法の
何れかによって像受容材料上にシート毎に設けることが
できる。

【００２１】得られた医学診断像を保護するため、転写
印刷後受容材料上に透明カバーフィルムを設けることが
できる（かかるカバーフィルムは例えばＥＰ１７８３３
２，ＥＰ３０５９２２，ＥＰ２７３３４７，ＥＰ３９４
４６０及び特開平１−２３７１９３に記載されてい
る）。前記カバーフィルムは、得られた転写された染料
像の耐擦傷性及び光安定性を改良するため、及び更に受
容層の外へ転写された染料が移行するのを防ぐため使用
する。転写印刷後受容材料上に黒色端縁を設ける別の方
法は、転写印刷後受容材料上に積層されるべき前記カバ
ーフィルム上に黒色端縁を設けることにある。

【００２２】昇華転写前に設けた時端縁は、望ましから
ぬまぶしさを避けるためのみならず、転写印刷中所望の
位置に像受容材料を正確に設定するために使用できる。
それらはこの目的のため検出マークを含有できる。

【００２３】本発明の受容材料の染料像受容層は結合剤
（透明でなければならない）として、例えばポリカーボ
ネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リビニルクロライド、ポリスチレン−コ−アクリロニト
リル、ポリカプロラクトン又はそれらの混合物を含有で
きる。好適な染料受容層は例えばＥＰ１３３０１１，Ｅ
Ｐ１３３０１２，ＥＰ１４４２４７，ＥＰ２２７０９４
及びＥＰ２２８０６６に記載されている。染料像受容層
は又ポリ（ビニルクロライド−コ−ビニルアセテート−
コ−ビニルアルコール）及びポリイソシアネートの熱硬
化生成物の如き硬化結合剤を含有することもできる。

【００２４】本発明の染料受容層に使用する結合剤の全
量は２５〜９５重量％、好ましくは５０〜８０重量％で
ある。

【００２５】本発明の染料受容材料は、供与体材料に対
する剥離性の改良のため剥離剤を含有できる。剥離剤と
して、ポリエチレンワックス、アミドワックス、及びテ
フロン粉末の如き固体ワックス；弗素基材及びホスフェ
ート基材界面活性剤；及びパラフィン基材、シリコーン
基材及び弗素基材油を使用できる。シリコーン油、好ま
しくは反応性シリコーン油（例えばヒドロキシ変性ポリ
ジメチルシロキサン、例えばGoldschmidt から市販され
ているＴＥＧＯＭＥＲ ＨＳＩ２１１１）及びシリコー
ン含有共重合体例えばポリシロキサン−ポリエーテル共
重合体及びブロック共重合体（例えばGoldschmidt から
市販されているＴＥＧＯＧＬＩＤＥ及びUnion Carbide
から市販されているＳＩＬＷＥＴ）が好ましい。

【００２６】染料を受容又は溶解できる物質として又は
染料のための拡散促進剤として、高沸点有機溶媒又は熱
溶媒又は可塑剤を含有できる。かかる高沸点有機溶媒及
び熱溶媒の有用な例には例えば特開昭６２−１７４７５
４、特開昭６２−２４５２５３、特開昭６１−２０９４
４４、特開昭６１−２００５３８、特開昭６２−８１４
５、特開昭６２−９３４８、特開昭６２−３０２４７、
特開昭６２−１３６６４６に記載された化合物を含む。

【００２７】又転写された像の耐光性を更に増強するた
め、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤の如き添加
剤の１種又は２種以上を必要ならば加えることができ
る。これらの紫外線吸収剤及び光安定剤の量は、受容層
を構成する樹脂１００重量部について、それぞれ０．０
５〜１０重量部及び０．５〜１５重量部であるのが好ま
しい。

【００２８】本発明の染料受容層は全体の厚さ０．５〜
５０μｍを有するのが好ましく、２．５〜１０μｍを有
するのが更に好ましい。

【００２９】前述した種類の剥離剤を含有する上層を受
容層の上に設ける場合、かかる上層の厚さは０．０１〜
５μｍ、特に０．０５〜２μｍであるのが好ましい。

【００３０】受容シートのための支持体として、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリビニルク
ロライド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエー
テルスルホン、ポリイミド、セルロースエステル又はポ
リビニルアルコール−コ−アセタールの如き各種プラス
チックの透明フィルム又はシートを使用する。青色着色
ポリエチレンテレフタレートフィルムも、それが透明で
ある限り使用できる、透明性は感知しうる散乱なしに光
を透過する性質を有するものとして定義する。一般に支
持体は、光箱上にハードコピーを容易に乗せることがで
きるよう少なくとも１００μｍの厚さを有する。支持体
の厚さは１２０〜２００μｍの範囲であるのが好まし
く、１６０〜１９０μｍの範囲が更に好ましく、１７０
〜１８０μｍの範囲が更に好ましい。

【００３１】基体に対する被覆組成物の接着は、基体と
被覆層（例えば受容層及び裏層）の間に下塗層を設ける
ことによって改良できる。ポリエチレンテレフタレート
支持体に対する特に好ましい下塗層には、ＧＢ１２３４
７５５に記載されている如きビニリデンクロライドの共
重合体を基本にした下塗層がある。

【００３２】本発明の像受容材料は、支持体と像受容層
の間に一つ以上の中間層を設けることもできる。それら
が形成される材料によって、中間層はクッション層、多
孔性層（それらが透明のままである限り）、又は染料拡
散防止層として機能することができる、又はこれらの機
能の二つ以上を果すことができる、そしてそれらは特別
の用途によって接着の目的を果すこともできる。

【００３３】中間層を構成する材料は例えばウレタン樹
脂、アクリル樹脂、エチレン樹脂、ブタジエンゴム、又
はエポキシ樹脂を含有できる。中間層の厚さは１〜２０
μｍであるのが好ましい。

【００３４】染料拡散防止層は、支持体中に染料が拡散
するのを防ぐ層である。これらの層を形成するため使用
される結合剤は水溶性又は有機溶媒可溶性であることが
できるが、水溶性結合剤の使用が好ましく、特にゼラチ
ンが最も望ましい。

【００３５】多孔性層は、熱転写の時に適用する熱を、
像受容層から支持体へ拡散することを防止して、適用さ
れた熱を効率的に使用することを確実にし、そして支持
体の変形を防止する層である。

【００３６】透明裏層は、像受容層側に対して反対の支
持体の側に設けるとよい。かかる裏層はヨーロッパ特許
出願第９１２６３００８．７号に記載されている如き艶
消剤を含有できる。

【００３７】更に像受容シートは、シート支持体の裏面
に設けた透明滑性層を有することができる。滑性層のた
めの材料には、メチルメタクリレート等の如きメタクリ
レート樹脂、又は相当するアクリレート樹脂、ビニルク
ロライド−ビニルアセテート共重合体の如きビニル樹脂
を含有できる。

【００３８】又本発明の像受容材料は、その前面又は裏
面に帯電防止処理を適用できる。かかる帯電防止処理
は、例えば像受容層又は像受容層の上又は下に付与した
帯電防止層中に帯電防止剤を混入することによって行う
ことができる。同様の処理は裏面に対して行うこともで
きる。かかる処理によって、像受容シート間の相互滑り
をなめらかに行うことができ、又像受容シート上に粉塵
の付着するのを防止する効果もある。

【００３９】更に受容材料は、裏層から受容層を識別す
る切込みを有することができ、丸い縁（edge）を有する
ことができる。

【００４０】本発明の受容材料と組合せて熱染料昇華転
写により使用する染料供与体材料は、通常非常に薄い支
持体例えばポリエステル支持体を含み、その一側が印刷
染料を含有する染料層で被覆されている。通常支持体と
染料層の間に接着剤層又は下塗層を設ける。通常反対側
は、熱印刷ヘッドが摩耗に悩まされずに通過できる滑性
化された面を与える滑性層で被覆する。接着剤層は支持
体と滑性層の間に設けるとよい。

【００４１】染料層は単色染料層であることができる、
或いはそれは例えばシアン、マゼンタ、黄及び所望によ
って黒色相の如き異なる着色染料の逐次反復部域を含有
できる。３原色以上の染料を含有する染料供与体材料を
使用するとき、各色に対して染料転写処理工程を逐次行
うことによって多色像を得ることができる。

【００４２】かかる熱染料昇華転写供与体材料の染料層
は、好ましくは染料、重合体結合剤媒体及び他の任意成
分を好適な溶媒又は溶媒混合物に加え、各成分を溶解又
は分散させて被覆組成物を形成し、これを支持体（これ
には初めに接着剤層又は下塗層が設けてあってもよい）
に付与し、乾燥することによって形成する。

【００４３】かく形成された染料層は、約０．２〜５．
０μｍ、好ましくは０．４〜２．０μｍの厚さを有し、
染料対結合剤の比は、重量で９：１〜１：３、好ましく
は２：１〜１：２である。

【００４４】重合体結合剤として次のものを使用でき
る：セルロース誘導体例えばエチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロー
ス、ニトロセルロース、セルロースアセテートフォルメ
ート、セルロースアセテート水素フタレート、セルロー
スアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、
セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテー
トペンタノエート、セルロースアセテートベンゾエー
ト、セルローストリアセテート；ビニル系樹脂及び誘導
体例えばポリビニルアルコール、ポリビニルアセテー
ト、ポリビニルブチラール、コビニルブチラール−ビニ
ルアセタール−ビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアセトアセタール、ポリアクリルアミ
ド；アクリレート及びアクリレート誘導体から誘導され
る重合体及び共重合体例えばポリアクリル酸、ポリメチ
ルメタクリレート及びスチレン−アクリレート共重合
体；ポリエステル樹脂；ポリカーボネート例えば２，２
−ビス−（４−ヒドロキシフェニル）−プロパンから誘
導されるポリカーボネート；コポリスチレン−アクリロ
ニトリル；ポリスルホン；ポリフェニレンオキサイド；
オルガノシリコーン例えばポリシロキサン；エポキシ樹
脂及び天然樹脂例えばアラビヤゴム。好ましくは染料層
用結合剤としてセルロースアセテートブチレート又はコ
ポリスチレン−アクリロニトリル（−ブタジエン）を使
用する。

【００４５】熱の作用により染料が受容体シートの染料
像受容層に容易に転写できるならば、かかる染料層中に
任意の染料を使用できる。

【００４６】熱染料昇華転写に使用するための染料の代
表的なそして特別の例は、例えばヨーロッパ特許出願第
９０２０３０１４．７号，ＥＰ２０９９９０，ＥＰ２０
９９９１，ＥＰ２１６４８３，ＥＰ２１８３９７，ＥＰ
２２７０９５，ＥＰ２２７０９６，ＥＰ２２９３７４，
ＥＰ２３５９３９，ＥＰ２４７７３７，ＥＰ２５７５７
７，ＥＰ２５７５８０，ＥＰ２５８８５６，ＥＰ２７９
３３０，ＥＰ２７９４６７，ＥＰ２８５６６５，ＥＰ４
００７０６，ＥＰ４３２３１３，ＥＰ４３２３１４，Ｅ
Ｐ４３２８２９，ＥＰ４５３０２０，ＵＳ４７４３５８
２，ＵＳ４７５３９２２，ＵＳ４７５３９２３，ＵＳ４
７５７０４６，ＵＳ４７６９３６０，ＵＳ４７７１０３
５，特開昭５９−７８８９４，特開昭５９−７８８９
５，特開昭５９−７８８９６，特開昭５９−２２７４９
０，特開昭５９−２２７９４８，特開昭６０−２７５９
４，特開昭６０−３０３９１，特開昭６０−２２９７８
７，特開昭６０−２２９７８９，特開昭６０−２２９７
９０，特開昭６０−２２９７９１，特開昭６０−２２９
７９２，特開昭６０−２２９７９３，特開昭６０−２２
９７９５，特開昭６１−４１５９６，特開昭６１−２６
８４９３，特開昭６１−２６８４９４，特開昭６１−２
６８４９５及び特開昭６１−２８４４８９に記載されて
いる。

【００４７】被覆層は又他の添加剤、例えば硬化剤、保
恒剤、有機もしくは無機微細粒子、分散剤、帯電防止
剤、消泡剤、粘度調整剤等も含有できる、これらの及び
他の成分はＥＰ１３３０１１，ＥＰ１３３０１２，ＥＰ
１１１００４，及びＥＰ２７９４６７により完全に記載
されている。

【００４８】染料供与体材料のための支持体としては、
それが２０ミリ秒以下の時間４００℃まで含まれる温度
に耐えることができかつ寸法的に安定であり、更にかか
る短時間、代表的には１〜１０ミリ秒内で受容体シート
に転写を行うため、一側に適用した熱をそれを通して他
の側上の染料に伝達するのに充分な薄さであるならば、
任意の材料を使用できる。かかる材料にはポリエチレン
テレフタレートの如きポリエステル、ポリアミド、ポリ
アクレレート、ポリカーボネート、セルロースエステ
ル、弗素化重合体、ポリエーテル、ポリアセタール、ポ
リオレフィン、ポリイミド、グラシン紙及びコンデンサ
ー紙を含む。好ましいのはポリエチレンテレフタレート
支持体である。一般に支持体は２〜３０μｍの厚さを有
する。支持体は又所望ならば接着剤層又は下塗層で被覆
してもよい。

【００４９】染料供与体材料の染料層は支持体上に被覆
してもよく、又はその上にグラビヤ法の如き印刷法で印
刷しよもよい。

【００５０】親水性重合体を含有する染料バリヤー層
を、染料の支持体の方へ向う悪い方向の転写を防止する
ことによって染料転写濃度を改良するため、その支持体
と染料層の間で染料供与体材料に使用することもでき
る。染料バリヤー層は意図する目的のために有用である
任意の親水性材料を含有できる。一般に良好な結果は、
ゼラチン、ポリアクリルアミド、ポリイソプロピルアク
リルアミド、ブチルメタクリレートグラフト化ゼラチ
ン、エチルメタクリレートグラフト化ゼラチン、エチル
アセテートグラフト化ゼラチン、セルロースモノアセテ
ート、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ
エチレンイミン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコー
ルとポリビニルアセテートの混合物、ポリビニルアルコ
ールとポリアクリル酸の混合物又はセルロースモノアセ
テートとポリアクリル酸の混合物を用いて得られる。好
適な染料バリヤー層は例えばＥＰ２２７０９１及びＥＰ
２２８０６５に記載されている。或る種の親水性重合
体、例えばＥＰ２２７０９１に記載されているものは、
支持体及び染料層に対する適切な接着性を有する、従っ
て別の接着剤もしくは下塗層の必要をなくする。供与体
材料中で単一層で使用するこれらの特別の親水性重合体
は従って二重機能を果す、従ってここでは染料バリヤー
／下塗層と称する。

【００５１】好ましくは、染料供与体材料の裏側は、印
刷ヘッドが染料供与体材料に粘着するのを防ぐため滑性
層で被覆できる。かかる滑性層は、重合体結合剤を用い
又は用いずに、滑性材料例えば界面活性剤、液体潤滑
剤、固体滑剤又はそれらの混合物を含有する。界面活性
剤はカルボキシレート、スルホネート、ホスフェート、
脂肪族アミン塩、脂肪族四級アンモニウム塩、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール
脂肪酸エステル、スルオロアルキルＣ₂ 〜Ｃ₂₀脂肪酸の
如き当業者に知られている任意の界面活性剤であること
ができる。液体潤滑剤の例にはシリコーン油、合成油、
飽和炭化水素及びグリコールを含む。固体滑剤の例には
種々の高級アルコール例えばステアリルアルコール、脂
肪酸及び脂肪酸エステルを含む。好適な滑性像は例えば
ＥＰ１３８４８３，ＥＰ２２７０９０，ＵＳ４５６７１
１３，ＵＳ４５７２８６０，ＵＳ４７１７７１１に記載
されている。好ましくは、滑性層は結合剤としてスチレ
ン−アクリロニトリル共重合体又はスチレン−アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体又はセルロースエステル
又は２，２−−ビス−（４−ヒドロキシフェニル）−プ
ロパンから誘導されるポリカーボネートを含有し、滑性
剤としてポリシロキサン−ポリエーテル共重合体又はポ
リテトラフルオロエチレンを結合剤（混合物）の０．１
〜１０重量％の量で含有する。

【００５２】染料供与体材料の染料層は、転写後染料受
容材料から染料供与体材料を分離するのを助ける剥離剤
も含有できる。剥離剤は、染料層の少なくとも一部上に
別の層の形で付与することもできる。剥離剤のため、固
体ワックス、弗素又はホスフェート含有界面活性剤及び
シリコーン油を使用する。好適な剥離剤は例えばＥＰ１
３３０１２，特開昭６０−１９１３８，ＥＰ２２７０９
２に記載されている。

【００５３】本発明による染料受容材料は染料転写像を
形成するために使用される。かかる方法は、供与体材料
の染料層を受容体シートの染料受容層と面対面関係に置
き、供与体材料の裏から像に従って加熱することを含
む。染料の転写は４００℃の温度で約数ミリ秒加熱する
ことによって達成される。

【００５４】この方法を単一色のみについて行うとき、
単色染料転写像が得られる。多色像は、３原色以上の染
料を含有する供与体材料を用い、そして各色に対して前
述した処理工程を順次行うことによって得ることができ
る。供与体材料及び受容体シートのサンドイッチを、熱
印刷ヘッドにより熱を適用する時間の間三つの場合につ
いて形成する。第一の染料が転写された後、各材料を引
き剥す。次いで第二の染料供与体材料（又は異なる染料
部域を有する供与体材料の別の部域）を染料受容材料と
整合状態にし、この方法を繰返す。第三の色及び所望に
よってはそれ以上の色は同じ方法で得られる。

【００５５】熱ヘッドの外に、熱エネルギーを供給する
ための熱源としてレーザー光、赤外線フラッシュ又は加
熱ペンを使用できる。染料供与体材料から受容体シート
に染料を転写するため使用できる熱印刷ヘッドは市場で
入手できる。レーザー光を使用する場合、染料層又は染
料材料の別の層は、レーザーによって発せられる光を吸
収し、それを熱に変える化合物例えばカーボンブラック
を含有しなければならない。

【００５６】或いは、染料供与体材料の支持体は、例え
ば薄いアルミニウム箔で被覆した炭素充填ポリカーボネ
ートの多層構造からなる電気抵抗リボンであることがで
きる。電流は印刷ヘッド電極に電気的に目標を定めて抵
抗リボンに注入して、対応電極の下でリボンの高度に局
在下した加熱を生ぜしめる。この場合熱は抵抗リボン中
で直接的に発生し、それは熱くなるリボンであるという
事実が、熱ヘッドの各素子が熱くなり、ヘッドを次の印
刷位置に動かすことができる前に冷却しなければならな
い熱ヘッド法に比較して抵抗リボン／電極ヘッド法を用
いると印刷速度における固有の利点をもたらす。

【００５７】本発明の受容材料は、ハードコピー、特に
超音波、Ｃ−アーム外科（C-arm surgery ）及び核診療
（nuclear medicine）用における医学診断像の黒白ハー
ドコピーを作るために使用する。

【００５８】下記実施例は本発明を更に詳細に示すため
に挙げるが、その範囲を限定するものではない。

【００５９】厚さ１７５μｍの透明ポリエチレンテレフ
タレート支持体に、一側上通常の像受容層を、そして他
側上に耐電防止層を付与した。

【００６０】この耐電防止層の上に、図１に示す如き形
で黒色端縁を設けた。これらの黒色端縁はグラビヤ印刷
を用いて印刷した。印刷溶液は、メチルエチルケトン中
に５０ｇの下記マゼンタ染料Ｉ、３０ｇの下記シアン染
料II、２５ｇの下記黄色染料III 及び５０ｇの結合剤
（ＢＡＳＦより市販されているLuran ３８８５）を含有
していた（溶液の全重量は１０００ｇであった）。

【００６１】

【化１】

【００６２】

【化２】

【００６３】

【化３】

【００６４】可視フィルターの後でMacbeth 濃度計タイ
プＴＲ９２４で測定して得られた黒色端縁の濃度は３よ
り大であった。小さい濃度変動は殆ど観察されなかっ
た、黒色端縁は均一な黒色刷りを肉眼で示し、望ましか
らぬ光は遮蔽した。

【００６５】実施例 ２ 厚さ１７５μｍの透明ポリエチレンテレフタレート支持
体に、一側に通常の像受容層を、そして他側に耐電防止
層を付与した。

【００６６】この耐電防止層の上に、図１に示す如き形
で黒色端縁を設けた。これらの黒色端縁はAgfa-Gevaert
によって市販されている印刷版タイプＳＵＰＥＲＭＡＳ
ＴＥＲ ＳＰＰ及びHeiderbergによって市販されている
オフセット印刷機タイプＧＴ０４６を用いてオフセット
印刷した。使用したインクはVansonによって市販されて
いるＳＯＮＯＰＬＡＳＴ ＶＳ４９４であった、使用し
たファンテン溶液はＣＰ Bourg によって市販されてい
るＲＯＴＡＭＡＴＩＣであった。

【００６７】得られた黒色端縁は１．２より大きい可視
濃度を示した（Macbeth 濃度計タイプＴＲ９２４で測
定）。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を具体化した受容材料の平面図である。

【図２】本発明を具体化した受容材料の平面図である。

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 転写された染料像を含む透明染料像受容
   層を上に有する透明支持体を含有する熱染料昇華転写に
   より印刷された染料像受容材料において、前記染料像受
   容材料に、像部域を取り囲む黒色端縁を設けたことを特
   徴とする染料像受容材料。
2. 【請求項２】 前記黒色端縁が、受容材料の境界又は縁
   に沿って設けられていることを特徴とする請求項１の染
   料像受容材料。
3. 【請求項３】 更に黒色端縁が、受容材料の平面内に幾
   つかの間隔で設けられていることを特徴とする請求項２
   の染料像受容材料。
4. 【請求項４】 前記黒色端縁が、少なくとも２の透過濃
   度を有することを特徴とする請求項１〜３の何れか１項
   の染料像受容材料。
5. 【請求項５】 前記黒色端縁が印刷により受容材料の製
   造中に設けられることを特徴とする請求項１〜４の何れ
   か１項の染料像受容材料。
6. 【請求項６】 前記黒色端縁が、受容材料の転写印刷中
   に設けられることを特徴とする請求項１〜４の何れか１
   項の染料像受容材料。
7. 【請求項７】 前記黒色端縁が、受容材料の転写印刷後
   に設けられることを特徴とする請求項１〜４の何れか１
   項の染料像受容材料。
8. 【請求項８】 透明カバーフィルムを、転写印刷後受容
   材料上に設けることを特徴とする請求項１〜７の何れか
   １項の染料像受容材料。
9. 【請求項９】 前記カバーフィルムに黒色端縁を設ける
   ことを特徴とする請求項８の染料像受容材料。
10. 【請求項１０】 請求項１〜９の何れか１項に規定した
    受容材料の染料受容層と面体面関係で、上に染料層を有
    する支持体を含む黒色染料供与体材料を像に従って加熱
    する工程を含むことを特徴とする医学診断像の黒白ハー
    ドコピーを得るための熱染料転写印刷方法。