JPH0513803Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、建設の基礎工事で杭施工に用いる掘
削装置に関する。

〔従来の技術とその問題点〕

例えば、ベノト式の掘削機は、掘削壁面の土砂
の崩壊を防ぐために、鉄製ケーシングチユーブを
揺動圧入しながらハンマーグラブと称せられる特
殊な掘削用バケツトを該チーブの中に落下させ、
２枚の刃先で土を砕き掘削していくものである。

この場合、一台の重機でハンマーグラブの落し
込みとケーシングの圧入との両方を行うものと、
別々の装置で行うものとがあり、後者の場合を第
６図に示すとハンマーグラブ３は重機１に設けた
起伏自在なブーム２の先端からワイヤー吊りさ
れ、別のケーシング圧入機４で圧入されていくケ
ーシングチユーブ５の上端開口を目指して落下さ
れる。

そして、かかるハンマーグラブ３の落し入れは
前記ブーム２の先端にハンマーグラブ３の上端を
掛脱する保持具６を吊下げ、この保持具６の係止
を解除することで行われるが、該保持具６は２点
以上の複数個所で吊下げられるので完全に水平吊
りされることは困難である。このように保持具６
が傾いて吊下げられると、ハンマーグラブ３自体
も傾いて吊下げられることになり、そのまま傾い
て落下してケーシングチユーブ５の内壁に激突し
て破損したり、効果的に土砂を砕けないような事
態を生じる。

本考案の目的は前記従来例の不都合を解消し、
簡単な機構でハンマーグラブを垂直に吊下げられ
る掘削装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は前記目的を達成するため、重機に設け
た起伏自在なブームの先端にワイヤーで操作する
掘削用バケツトを吊下げるものにおいて、該ブー
ムの先端に底部が開口した篭体を垂直角度を調整
可能に設け、この篭体内に吊設した保持具に掘削
用バケツト上端を掛着させるようにしたことを要
旨とするものである。

〔作用〕

本考案によれば、ブームの先端で篭体を垂直に
位置付けることにより、この内部の保持具も水平
吊りとなり、この保持具に掛着される掘削バケツ
トも垂直に吊下げられる。

〔実施例〕

以下、図面について本考案の実施例を詳細に説
明する。

第１図は本考案の掘削装置の実施例を示す正面
図で、前記従来例を示す第６図と同一構成要素に
は同一参照番号を付したものである。

図中１はクレーン車としての重機で、これには
ブーム２が起伏自在に設けられている。７は該ブ
ーム２を起伏させるためのシリンダーを示す。こ
のブーム２の先端に、鋼材で枠組まれ、底部下面
が開口した篭体８の側部下端を回動自在に連結
し、また該篭体８の側部中央とブーム２の途中と
にシリンダー９を軸着して掛け渡した。該シリン
ダー９は篭体８の取付け角度調整するためのもの
で、これにより篭体８はブーム２の先端に垂直角
度が変更可変に設置される。

なお、ブーム２若しくはシリンダー７や篭体８
に垂直度計を設け、該垂直度計からの出力信号で
シリンダー９を自動的に伸長するようにした自動
修正機構を設けるとよい。

第２図はハンマーグラブ３とその保持具６を示
す縦断正面図で、これらは周知のものでよいが、
まずハンマーグラブ３から説明すると、先端に開
閉自在な嘴状の２枚の刃先３ａ，３a′が設けら
れ、これに開閉用のリンク機構３ｂとこのリンク
機構３ｂを上下させるためのシーブ３ｃ，３ｄと
が連結され、上方のシーブ３ｄはワイヤー１０で
吊られている。また、図中３ｅはシーブ３ｃの取
付部を下方に付勢するためのバネであり、３ｆは
後述の保持具６への掛着部を示す。

一方、前記保持具６はさらにその詳細を第３
図、第４図に示すと、水平輪体６ａとこの内側に
上端が回動自在にピン結される帽子状の掛止具６
ｂの組合せからなり、この掛止具６ｂには出没自
在な係止片６ｃと孔６ｄが形成される。また、こ
れに対応して前記ハンマーグラブ３の上端の掛着
部３ｆには孔６ｄへ挿入可能な係止片と係止片６
ｃが挿入可能な孔が形成されているものである。

そして、該保持具６は水平輪体６ａが同じ長さ
のくさり１１，１１′で２個所で吊られることに
より篭体８の内側上部に水平に吊下げられる。

ハンマーグラブ３を吊下げるワイヤー１０若し
くはその先端のくさりは前記保持具６及び掛着部
３ｆの中心を貫通し、該ワイヤー１０は篭体８の
側部に設けたガイドローラー１２、ブーム２の上
面に設けたガイドローラー１３を介して重機１の
ウインチ１４に巻取られるようにした。

第１図において、５はケーシングチユーブ、４
は重機としてのケーシング圧入機を示し、これは
従来のものを使用するので詳細説明は省略する。

次に使用法及び動作を第５図について説明する
と、ａはワイヤー１０が緊張されてハンマーグラ
ブ３を引き上げる状態であり、ワイヤー１０によ
りハンマークラブ３内のシーブ３ｃ，３ｄがバネ
３ｅに抗して引き上げられるので刃先３ａ，３
a′は閉じている。

ｂは、引き上げられたハンマークラブ３が保持
具６に掛着された状態であり、ワイヤー１０はな
お緊張している。このｂの段階で、ブーム２を倒
し、トラツクや地面にハンマークラブ３を近付け
る動作を行うが、その最終時にシリンダ７を適宜
伸長して篭体８を垂直に保つ、その結果、保持具
６も篭体８内で完全に水平吊りされ、これに掛着
するハンマークラブ３も垂直な状態を確保でき
る。

次にｃの段階ではハンマークラブ３を保持具６
に掛着した状態で、ワイヤー１０をゆるめれば、
シーブ３ｃの取付部がバネ３ｅの力で下方に押し
下がり、リンク機構３ｂもゆるんで刃先３ａ，３
a′は口をあける。

さらに、ワイヤー１０を少し緊張してハンマー
クラブ３を少しだけ上方に引き上げれば、該ハン
マークラブ３の掛着部３ｆと保持具６との係合が
自動的に解け、ハンマークラブ３はケーシングチ
ユーブ５の上端開口をめがけて落下する〔ｄ参
照〕。

該ケーシングチユーブ５の中で刃先３ａ，３
a′を開けたまま地面につきささるハンマークラブ
３は土を砕き、掘削するので、そのままワイヤー
１０を引きあげれば、ハンマークラブ３は掘削土
砂を内部に取込んで口をしめ前記ａの段階にもど
る。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案の掘削装置は、重機に
設けた起伏自在なブームの先端にワイヤーで操作
する掘削用バケツトを吊下げるものにおいて、簡
単な機構を付加するだけで掘削バケツトを垂直に
吊下げることができ、傾いたまま該掘削バケツト
を落下してケーシングチユーブに激突させたり、
地面に斜めに突き立てたりすることを防止して安
全性及び作業性を向上させることができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の掘削装置の実施例を示す正面
図、第２図はハンマークラブとその保持具の縦断
正面図、第３図は該保持具の縦断正面図、第４図
は同上平面図、第５図はハンマークラブの動きを
示す工程説明図、第６図は従来例を示す正面図で
ある。 １……重機、２……ブーム、３……ハンマーク
ラブ、３ａ，３a′……刃先、３ｂ……リンク機
構、３ｃ，３ｄ……シーブ、３ｅ……バネ、３ｆ
……掛着部、４……ケーシング圧入機、５……ケ
ーシングチユーブ、６……保持具、６ａ……水平
輪体、６ｂ……掛止具、６ｃ……係止片、６ｄ…
…孔、８……篭体、７，９……シリンダー、１０
……ワイヤー、１１，１１′……くさり、１２，
１３……ガイドローラー、１４……ウインチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 重機に設けた起伏自在なブームの先端にワイヤ
   ーで操作する掘削用バケツトを吊下げるものにお
   いて、該ブームの先端に底部が開口した篭体を垂
   直角度を調整可能に設け、この篭体内に吊設した
   保持具に掘削用バケツト上端を掛着させるように
   したことを特徴とする掘削装置。