JPH05137992A - 超音波攪拌装置 - Google Patents
超音波攪拌装置Info
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- JPH05137992A JPH05137992A JP33127991A JP33127991A JPH05137992A JP H05137992 A JPH05137992 A JP H05137992A JP 33127991 A JP33127991 A JP 33127991A JP 33127991 A JP33127991 A JP 33127991A JP H05137992 A JPH05137992 A JP H05137992A
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- Mixers With Rotating Receptacles And Mixers With Vibration Mechanisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 超音波励振器により発生させた弾性振動を液
体中に放射することにより、液体を攪拌する。 【構成】 圧電振動子1にその共振周波数にほぼ等しい
周波数の交流信号を印加すると、圧電振動子1は励振さ
れる。この励振は振動板2に伝搬し、振動板2は片持ち
梁の形で振動する。2つの振動板2の間に挟まれた部分
の液体中には強力な定在波が発生し、その定在波が2つ
の振動板2の間に挟まれた部分の液体を攪拌する。 【効果】 装置が小型軽量で、低消費電力駆動で、携帯
に便利で、使用方法も簡便である。洗浄物の洗浄および
微少量の化学反応や抽出などへの応用が可能である。
体中に放射することにより、液体を攪拌する。 【構成】 圧電振動子1にその共振周波数にほぼ等しい
周波数の交流信号を印加すると、圧電振動子1は励振さ
れる。この励振は振動板2に伝搬し、振動板2は片持ち
梁の形で振動する。2つの振動板2の間に挟まれた部分
の液体中には強力な定在波が発生し、その定在波が2つ
の振動板2の間に挟まれた部分の液体を攪拌する。 【効果】 装置が小型軽量で、低消費電力駆動で、携帯
に便利で、使用方法も簡便である。洗浄物の洗浄および
微少量の化学反応や抽出などへの応用が可能である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波励振器により発
生させた弾性振動を液体、または固体を含む液体中に放
射することにより、前記液体を攪拌する超音波攪拌装置
に関する。
生させた弾性振動を液体、または固体を含む液体中に放
射することにより、前記液体を攪拌する超音波攪拌装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、少量の液体と固体、または液体ど
うしを攪拌させて溶解または混合する方法として、おも
に試験管ミキサーなどの電動式の攪拌装置が挙げられ
る。これは攪拌しようとする物質を収容している容器
を、強力な振動状態にある弾性物質に直接接触させるこ
とにより、前記容器内の前記攪拌物質にその振動を伝搬
させ前記攪拌物質を攪拌するものである。この方法では
前記容器を強力な振動状態にある前記弾性物質に直接接
触させるので、前記容器にキズがつく可能性が大きいば
かりでなく、前記容器内の前記攪拌物質が前記容器の外
部に飛び出してしまう可能性もある。また、容器の材質
や形も限られ、たとえば弾性チューブ内に収容されてい
る物質の攪拌には前記装置は適さない。そのうえ概して
装置も大型で、きわめて微少量の攪拌には適さない。
うしを攪拌させて溶解または混合する方法として、おも
に試験管ミキサーなどの電動式の攪拌装置が挙げられ
る。これは攪拌しようとする物質を収容している容器
を、強力な振動状態にある弾性物質に直接接触させるこ
とにより、前記容器内の前記攪拌物質にその振動を伝搬
させ前記攪拌物質を攪拌するものである。この方法では
前記容器を強力な振動状態にある前記弾性物質に直接接
触させるので、前記容器にキズがつく可能性が大きいば
かりでなく、前記容器内の前記攪拌物質が前記容器の外
部に飛び出してしまう可能性もある。また、容器の材質
や形も限られ、たとえば弾性チューブ内に収容されてい
る物質の攪拌には前記装置は適さない。そのうえ概して
装置も大型で、きわめて微少量の攪拌には適さない。
【0003】従来、洗浄槽の洗浄液に浸漬されている洗
浄物に付着している汚染物を超音波によって洗浄物から
除去する超音波洗浄方法として、前記洗浄槽の底面に配
置されている超音波発生装置を駆動し、超音波発生装置
から超音波を前記洗浄槽の洗浄液の液面に向けて放射す
る方法がある。該方法により超音波を洗浄液中に放射す
ると定在波が発生し、該定在波によって洗浄液が攪拌さ
れる。また、洗浄液中にはキャビテーション現象が発生
する。洗浄液の攪拌は洗浄物の表面に付着している汚染
物と洗浄液との物理的または化学的な反応を促進し、キ
ャビテーション現象は汚染物を洗浄物から吸引はく離す
るから、両者の相乗効果によって汚染物の表面に付着し
ている汚染物は除去される。しかし、洗浄液中の定在波
は腹および節を有することにより洗浄液の攪拌の強さま
たはキャビテーション現象による空洞の発生率、すなわ
ち削減率が洗浄液の高さ方向に沿って異なるから、洗浄
液の高さ方向における洗浄物の単位長さ当りの汚染物除
去率は異なり、洗浄むらができ易い。
浄物に付着している汚染物を超音波によって洗浄物から
除去する超音波洗浄方法として、前記洗浄槽の底面に配
置されている超音波発生装置を駆動し、超音波発生装置
から超音波を前記洗浄槽の洗浄液の液面に向けて放射す
る方法がある。該方法により超音波を洗浄液中に放射す
ると定在波が発生し、該定在波によって洗浄液が攪拌さ
れる。また、洗浄液中にはキャビテーション現象が発生
する。洗浄液の攪拌は洗浄物の表面に付着している汚染
物と洗浄液との物理的または化学的な反応を促進し、キ
ャビテーション現象は汚染物を洗浄物から吸引はく離す
るから、両者の相乗効果によって汚染物の表面に付着し
ている汚染物は除去される。しかし、洗浄液中の定在波
は腹および節を有することにより洗浄液の攪拌の強さま
たはキャビテーション現象による空洞の発生率、すなわ
ち削減率が洗浄液の高さ方向に沿って異なるから、洗浄
液の高さ方向における洗浄物の単位長さ当りの汚染物除
去率は異なり、洗浄むらができ易い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の、液体と固体ま
たは液体どうしを攪拌させて溶解または混合する試験管
ミキサーなどの電動式の攪拌装置による攪拌方法では、
攪拌しようとする物質を収容している容器を、強力な振
動状態にある弾性物質に直接接触させることにより、前
記攪拌物質を攪拌するものであるから、前記容器にキズ
がつくばかりでなく、前記容器内の前記攪拌物質が前記
容器の外部に飛び出してしまう可能性もある。また、容
器の材質や形も限られ、たとえば弾性チューブ内に収容
されている物質の攪拌には従来の装置は適さない。その
うえ概して装置も大型で、きわめて微少量の攪拌には適
さない。
たは液体どうしを攪拌させて溶解または混合する試験管
ミキサーなどの電動式の攪拌装置による攪拌方法では、
攪拌しようとする物質を収容している容器を、強力な振
動状態にある弾性物質に直接接触させることにより、前
記攪拌物質を攪拌するものであるから、前記容器にキズ
がつくばかりでなく、前記容器内の前記攪拌物質が前記
容器の外部に飛び出してしまう可能性もある。また、容
器の材質や形も限られ、たとえば弾性チューブ内に収容
されている物質の攪拌には従来の装置は適さない。その
うえ概して装置も大型で、きわめて微少量の攪拌には適
さない。
【0005】従来の超音波洗浄装置は洗浄槽の底面から
洗浄液の液面に向けて超音波を放射することにより定在
波を発生させ、該定在波によって洗浄液を攪拌し洗浄液
中にキャビテーション現象を発生させるものであるか
ら、洗浄液の高さ方向における洗浄物の単位長さ当りの
汚染物除去率は異なり、洗浄むらができ易いし、洗浄効
率も悪い。また、洗浄に多くの時間を要するばかりでな
く、概して装置も大型である。
洗浄液の液面に向けて超音波を放射することにより定在
波を発生させ、該定在波によって洗浄液を攪拌し洗浄液
中にキャビテーション現象を発生させるものであるか
ら、洗浄液の高さ方向における洗浄物の単位長さ当りの
汚染物除去率は異なり、洗浄むらができ易いし、洗浄効
率も悪い。また、洗浄に多くの時間を要するばかりでな
く、概して装置も大型である。
【0006】本発明の目的は、任意の材質および形の容
器に収容されている液体と固体、または液体どうしを短
時間で効率よく均一に攪拌することができ、微少量の攪
拌が可能で、装置が小型、軽量で、騒音が無く、低消費
電力駆動が可能で、装置の任意の槽への取付が可能な超
音波攪拌装置を提供することにある。
器に収容されている液体と固体、または液体どうしを短
時間で効率よく均一に攪拌することができ、微少量の攪
拌が可能で、装置が小型、軽量で、騒音が無く、低消費
電力駆動が可能で、装置の任意の槽への取付が可能な超
音波攪拌装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の超音波
攪拌装置は、圧電振動子に振動体を固着してなる超音波
励振器により発生させた弾性振動を液体、または固体を
含む液体中に放射することにより、前記液体を攪拌する
超音波攪拌装置において、前記圧電振動子は圧電磁器
と、該圧電磁器の厚さ方向に垂直な両端面に形成されて
いる第1および第2の電極とから成り、前記第1および
第2の電極のうち少なくとも一方は互いに絶縁された2
つの部分に分割されていて、前記振動体は、前記圧電振
動子の互いに平行な2つの端面上にそれぞれ一体的に連
なって固着されている第1および第2の振動板を少なく
とも含んでなり、前記第1および第2の振動板は前記圧
電振動子の外方に向けて前記圧電振動子の該面にほぼ平
行に突出する振動部をそれぞれ有し、それぞれの前記振
動部の少なくとも一部は前記液体中に漬けられているこ
とを特徴とする。
攪拌装置は、圧電振動子に振動体を固着してなる超音波
励振器により発生させた弾性振動を液体、または固体を
含む液体中に放射することにより、前記液体を攪拌する
超音波攪拌装置において、前記圧電振動子は圧電磁器
と、該圧電磁器の厚さ方向に垂直な両端面に形成されて
いる第1および第2の電極とから成り、前記第1および
第2の電極のうち少なくとも一方は互いに絶縁された2
つの部分に分割されていて、前記振動体は、前記圧電振
動子の互いに平行な2つの端面上にそれぞれ一体的に連
なって固着されている第1および第2の振動板を少なく
とも含んでなり、前記第1および第2の振動板は前記圧
電振動子の外方に向けて前記圧電振動子の該面にほぼ平
行に突出する振動部をそれぞれ有し、それぞれの前記振
動部の少なくとも一部は前記液体中に漬けられているこ
とを特徴とする。
【0008】請求項2に記載の超音波攪拌装置は、前記
液体が洗浄液で成り、該洗浄液中に漬けられている部分
のそれぞれの前記振動部の間に洗浄物を配置することに
より、該洗浄物に付着している汚染物を前記洗浄物から
除去することを特徴とする。
液体が洗浄液で成り、該洗浄液中に漬けられている部分
のそれぞれの前記振動部の間に洗浄物を配置することに
より、該洗浄物に付着している汚染物を前記洗浄物から
除去することを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の超音波攪拌装置は、2つ
の前記振動部の間に液体の混合物または液体と固体の混
合物を含む容器を配置し、該容器内の前記混合物を攪拌
することを特徴とする。
の前記振動部の間に液体の混合物または液体と固体の混
合物を含む容器を配置し、該容器内の前記混合物を攪拌
することを特徴とする。
【0010】請求項4に記載の超音波攪拌装置は、前記
容器が弾性チューブで成り、該チューブは流体移送ポン
プの一部を成し、前記チューブは前記流体移送ポンプに
より移送される流体で満たされていることを特徴とす
る。
容器が弾性チューブで成り、該チューブは流体移送ポン
プの一部を成し、前記チューブは前記流体移送ポンプに
より移送される流体で満たされていることを特徴とす
る。
【0011】請求項5に記載の超音波攪拌装置は、前記
圧電振動子の共振周波数が、前記圧電振動子と前記振動
板との複合体における2つの共振周波数の中間値にほぼ
等しいことを特徴とする。
圧電振動子の共振周波数が、前記圧電振動子と前記振動
板との複合体における2つの共振周波数の中間値にほぼ
等しいことを特徴とする。
【0012】請求項6に記載の超音波攪拌装置は、前記
圧電振動子が、長さと幅の寸法比が1に近くしかも1に
等しくない矩形状の板であることを特徴とする。
圧電振動子が、長さと幅の寸法比が1に近くしかも1に
等しくない矩形状の板であることを特徴とする。
【0013】請求項7に記載の超音波攪拌装置は、前記
圧電振動子が、厚さと幅の寸法比が1に近くしかも1に
等しくない矩形状の角柱であることを特徴とする。
圧電振動子が、厚さと幅の寸法比が1に近くしかも1に
等しくない矩形状の角柱であることを特徴とする。
【0014】請求項8に記載の超音波攪拌装置は、前記
圧電振動子が、この圧電振動子の容量およびインダクタ
ンスを主なリアクタンス成分とする共振回路で共振して
発振する発振回路から交流電力を受けて励振されること
を特徴とする。
圧電振動子が、この圧電振動子の容量およびインダクタ
ンスを主なリアクタンス成分とする共振回路で共振して
発振する発振回路から交流電力を受けて励振されること
を特徴とする。
【0015】
【作用】請求項1に記載の超音波攪拌装置の使用時、前
記圧電振動子には前記圧電振動子の共振周波数にほぼ等
しい周波数の交流信号が印加され、前記圧電振動子は励
振される。前記圧電振動子の励振は前記振動板に伝搬さ
れ、前記振動部を振動させる。従って、前記振動部の少
なくとも一部を前記液体中に漬けると、前記振動部の振
動は前記液体中に伝搬され、前記液体は攪拌される。本
装置を用いれば前記液体を短時間で効率よく均一に攪拌
することができ、微少量の攪拌が可能で、しかも装置が
小型、軽量で、騒音が無く、低消費電力駆動が可能で、
そのうえ装置の任意の槽への取付が可能なので、持ち運
びに便利である。
記圧電振動子には前記圧電振動子の共振周波数にほぼ等
しい周波数の交流信号が印加され、前記圧電振動子は励
振される。前記圧電振動子の励振は前記振動板に伝搬さ
れ、前記振動部を振動させる。従って、前記振動部の少
なくとも一部を前記液体中に漬けると、前記振動部の振
動は前記液体中に伝搬され、前記液体は攪拌される。本
装置を用いれば前記液体を短時間で効率よく均一に攪拌
することができ、微少量の攪拌が可能で、しかも装置が
小型、軽量で、騒音が無く、低消費電力駆動が可能で、
そのうえ装置の任意の槽への取付が可能なので、持ち運
びに便利である。
【0016】前記圧電振動子は前記圧電磁器と、前記圧
電磁器の厚さ方向に垂直な両端面に形成されている第1
および第2の電極とからなる。このような簡単な構造の
圧電振動子の採用により、超音波攪拌装置を小型化で
き、しかもこの装置では短時間に確実に液体の攪拌がで
きる。さらに前記第1および第2の電極のうち少なくと
も一方は互いに絶縁された2つの部分に分割されている
ことにより、前記部分の一方を自励式電源のための電極
として用いることができるから、安定で効率がよく低消
費電力駆動が可能な超音波攪拌装置を提供できる。ま
た、前記第1および第2の振動板が前記圧電振動子の互
いに平行な2つの端面上にそれぞれ一体的に連なって固
着されていることにより、それぞれの前記振動部は、前
記固着部を固定端とする片持ち梁の形で屈曲振動するか
ら、前記振動部による攪拌効果を増強できる。
電磁器の厚さ方向に垂直な両端面に形成されている第1
および第2の電極とからなる。このような簡単な構造の
圧電振動子の採用により、超音波攪拌装置を小型化で
き、しかもこの装置では短時間に確実に液体の攪拌がで
きる。さらに前記第1および第2の電極のうち少なくと
も一方は互いに絶縁された2つの部分に分割されている
ことにより、前記部分の一方を自励式電源のための電極
として用いることができるから、安定で効率がよく低消
費電力駆動が可能な超音波攪拌装置を提供できる。ま
た、前記第1および第2の振動板が前記圧電振動子の互
いに平行な2つの端面上にそれぞれ一体的に連なって固
着されていることにより、それぞれの前記振動部は、前
記固着部を固定端とする片持ち梁の形で屈曲振動するか
ら、前記振動部による攪拌効果を増強できる。
【0017】請求項2に記載の超音波攪拌装置では、前
記液体が洗浄液で成る。それぞれの前記振動部に挟まれ
た部分の超音波振動が最も強力であることから、前記洗
浄液中に漬けられている部分のそれぞれの前記振動部の
間に洗浄物を配置することにより、該洗浄物に付着して
いる汚染物をその強力な超音波振動により前記洗浄物か
ら除去することができる。また、本装置を任意の洗浄槽
に取り付けることが可能なので持ち運びにも便利であ
る。
記液体が洗浄液で成る。それぞれの前記振動部に挟まれ
た部分の超音波振動が最も強力であることから、前記洗
浄液中に漬けられている部分のそれぞれの前記振動部の
間に洗浄物を配置することにより、該洗浄物に付着して
いる汚染物をその強力な超音波振動により前記洗浄物か
ら除去することができる。また、本装置を任意の洗浄槽
に取り付けることが可能なので持ち運びにも便利であ
る。
【0018】請求項3に記載の超音波攪拌装置では、そ
れぞれの前記振動部に挟まれた部分の超音波振動が最も
強力であることから、前記液体中に漬けられている部分
のそれぞれの前記振動部の間に、液体の混合物または液
体と固体の混合物を含む容器を配置することにより、該
容器内の前記混合物を攪拌することができる。従って、
互いに溶解しない2成分以上の液体の乳化作用の促進
や、液体と固体のすみやかな混合の促進や、液体中への
固体の溶解の促進などが可能であり、微少量の化学反応
などにきわめて有効である。
れぞれの前記振動部に挟まれた部分の超音波振動が最も
強力であることから、前記液体中に漬けられている部分
のそれぞれの前記振動部の間に、液体の混合物または液
体と固体の混合物を含む容器を配置することにより、該
容器内の前記混合物を攪拌することができる。従って、
互いに溶解しない2成分以上の液体の乳化作用の促進
や、液体と固体のすみやかな混合の促進や、液体中への
固体の溶解の促進などが可能であり、微少量の化学反応
などにきわめて有効である。
【0019】請求項4に記載の超音波攪拌装置では、前
記容器が弾性チューブで成る。すなわち、前記チューブ
の一部は、前記液体中に漬けられている部分のそれぞれ
の前記振動部の間に配置されている。前記流体移送ポン
プにより移送される流体が前記振動部の間を通過すると
き、前記チューブ内の流体は、効果的に攪拌される。
記容器が弾性チューブで成る。すなわち、前記チューブ
の一部は、前記液体中に漬けられている部分のそれぞれ
の前記振動部の間に配置されている。前記流体移送ポン
プにより移送される流体が前記振動部の間を通過すると
き、前記チューブ内の流体は、効果的に攪拌される。
【0020】請求項5に記載の超音波攪拌装置では、前
記圧電振動子の共振周波数が、前記圧電振動子と前記振
動板との複合体における2つの共振周波数の中間値にほ
ぼ等しいから、その共通の共振周波数の電圧を前記圧電
振動子に印加することにより、該振動板は効率的に励振
され前記振動部による攪拌効果が促進される。
記圧電振動子の共振周波数が、前記圧電振動子と前記振
動板との複合体における2つの共振周波数の中間値にほ
ぼ等しいから、その共通の共振周波数の電圧を前記圧電
振動子に印加することにより、該振動板は効率的に励振
され前記振動部による攪拌効果が促進される。
【0021】請求項6に記載の超音波攪拌装置では、前
記圧電振動子が長さと幅の寸法比が1に近くてしかも1
に等しくない矩形状の板であることにより、前記圧電振
動子と前記振動板との複合体の結合振動が増強されるか
ら、前記振動部の攪拌効果がいっそう促進される
記圧電振動子が長さと幅の寸法比が1に近くてしかも1
に等しくない矩形状の板であることにより、前記圧電振
動子と前記振動板との複合体の結合振動が増強されるか
ら、前記振動部の攪拌効果がいっそう促進される
【0022】請求項7に記載の超音波攪拌装置では、前
記圧電振動子が厚さと幅の寸法比が1に近くてしかも1
に等しくない矩形状の角柱であることにより、前記圧電
振動子と前記振動板との複合体の結合振動が増強される
から、前記振動部の攪拌効果がいっそう促進される
記圧電振動子が厚さと幅の寸法比が1に近くてしかも1
に等しくない矩形状の角柱であることにより、前記圧電
振動子と前記振動板との複合体の結合振動が増強される
から、前記振動部の攪拌効果がいっそう促進される
【0023】請求項8に記載の超音波攪拌装置では、前
記圧電振動子が、この圧電振動子の容量およびインダク
タンスを主なリアクタンス成分とする共振回路で共振し
て発振する発振回路から交流電力を受けて励振されるこ
とにより、外部温度などの環境変化にも対応しうる駆動
回路を提供できる。
記圧電振動子が、この圧電振動子の容量およびインダク
タンスを主なリアクタンス成分とする共振回路で共振し
て発振する発振回路から交流電力を受けて励振されるこ
とにより、外部温度などの環境変化にも対応しうる駆動
回路を提供できる。
【0024】
【実施例】図1は本発明の超音波攪拌装置の一実施例を
示す断面図である。本実施例は銅箔からなる端子P、
Q、Rが取り付けられている圧電振動子1と、振動板2
と、支持具3とから成る。支持具3は圧電振動子1を支
持する支持クリップ4と、支持クリップ4を支えるアー
ム5と、アーム5の長さを調節する調節ネジ6と、2つ
のアーム5の間の角度を自由に調整できる角度調整ネジ
7と、貯液槽に支持具3を装着する装着クリップ8とか
ら成る。なお、図1では圧電振動子1に交流電力を供給
する電源回路および端子P、Q、Rが省いて描かれてい
る。使用時には貯液槽は適量の液体で満たし、2つの振
動板2の先端を該液体中に漬けておく。
示す断面図である。本実施例は銅箔からなる端子P、
Q、Rが取り付けられている圧電振動子1と、振動板2
と、支持具3とから成る。支持具3は圧電振動子1を支
持する支持クリップ4と、支持クリップ4を支えるアー
ム5と、アーム5の長さを調節する調節ネジ6と、2つ
のアーム5の間の角度を自由に調整できる角度調整ネジ
7と、貯液槽に支持具3を装着する装着クリップ8とか
ら成る。なお、図1では圧電振動子1に交流電力を供給
する電源回路および端子P、Q、Rが省いて描かれてい
る。使用時には貯液槽は適量の液体で満たし、2つの振
動板2の先端を該液体中に漬けておく。
【0025】図2は圧電振動子1と振動板2とから成る
超音波励振器を示す斜視図である。圧電振動子1は矩形
角柱状の圧電磁器20を有し、圧電磁器20の材質はT
DK72A材(製品名)で、その長さは10mm、幅は5
mm、厚さは6mmである。TDK72A材は電気機械結合
係数が大きいことから、ここでの実施例に用いている。
圧電磁器20の分極軸の方向は厚さ方向に一致してお
り、この厚さ方向に垂直な両端面に電極21、22、2
3が形成されている。同一端面上で1mmの幅を隔てて二
等分された電極が、電極21および22を形成し、電極
21および22は互いに絶縁状態にある。電極21は圧
電振動子1に交流電圧を印加するための電極として用い
られる。電極22は自励式電源のための電極として用い
られる。電極23は圧電磁器20のもう一方の端面を覆
っている。電極21には端子Pが、電極22には端子Q
が、電極23には端子Rがそれぞれ取り付けられてい
る。圧電振動子1の両端面には、舌片状の振動板2がそ
れぞれ取り付けられている。振動板2は燐青銅製で、細
長い板状の固着部24において圧電振動子1と一体的に
連なって固着されており、圧電振動子1より突出してい
る部分の振動板2が振動部25をなしている。固着部2
4は電極22を介して圧電振動子1に接着剤で接着され
ている。固着部24は長さ1.5mm、幅5mmである。振
動部25は長さ9.5mm、幅5mmであって、圧電振動子
1の幅方向に沿う縁部から外方に向けて圧電振動子1の
端面に平行に伸び突出している。
超音波励振器を示す斜視図である。圧電振動子1は矩形
角柱状の圧電磁器20を有し、圧電磁器20の材質はT
DK72A材(製品名)で、その長さは10mm、幅は5
mm、厚さは6mmである。TDK72A材は電気機械結合
係数が大きいことから、ここでの実施例に用いている。
圧電磁器20の分極軸の方向は厚さ方向に一致してお
り、この厚さ方向に垂直な両端面に電極21、22、2
3が形成されている。同一端面上で1mmの幅を隔てて二
等分された電極が、電極21および22を形成し、電極
21および22は互いに絶縁状態にある。電極21は圧
電振動子1に交流電圧を印加するための電極として用い
られる。電極22は自励式電源のための電極として用い
られる。電極23は圧電磁器20のもう一方の端面を覆
っている。電極21には端子Pが、電極22には端子Q
が、電極23には端子Rがそれぞれ取り付けられてい
る。圧電振動子1の両端面には、舌片状の振動板2がそ
れぞれ取り付けられている。振動板2は燐青銅製で、細
長い板状の固着部24において圧電振動子1と一体的に
連なって固着されており、圧電振動子1より突出してい
る部分の振動板2が振動部25をなしている。固着部2
4は電極22を介して圧電振動子1に接着剤で接着され
ている。固着部24は長さ1.5mm、幅5mmである。振
動部25は長さ9.5mm、幅5mmであって、圧電振動子
1の幅方向に沿う縁部から外方に向けて圧電振動子1の
端面に平行に伸び突出している。
【0026】図1の超音波攪拌装置の駆動時、圧電振動
子1と振動板2との複合体における2つの共振周波数の
中間値にほぼ等しい周波数を有する交流信号を端子Pお
よび端子Rを介して圧電振動子1に印加する。このと
き、その交流信号の周波数は圧電振動子1の共振周波数
にほぼ一致している。圧電振動子1は励振され、振動板
2はその固着部24を固定端とする片持ち梁の形で振動
される。圧電振動子1を支持している支持クリップ4が
ステンレススチール製で、しかも支持クリップ4の圧電
振動子1との接触面積が小さいことから、圧電振動子1
の励振が支持クリップ4に伝搬し散失されるのが抑制さ
れ、振動板2は効率良く振動される。振動部25に生じ
る振動は屈曲振動である。振動部25の振動によって、
振動部25の板面からそれに垂直な方向に超音波が放射
される。超音波は液体中を伝搬し、液体中には超音波の
放射方向に進む定在波が生じる。従って、特に2つの振
動部25に挟まれた部分に強力な定在波が生じる。この
強力な定在波によって液体は攪拌され、しかも液体中に
はキャビテーション現象が発生する。
子1と振動板2との複合体における2つの共振周波数の
中間値にほぼ等しい周波数を有する交流信号を端子Pお
よび端子Rを介して圧電振動子1に印加する。このと
き、その交流信号の周波数は圧電振動子1の共振周波数
にほぼ一致している。圧電振動子1は励振され、振動板
2はその固着部24を固定端とする片持ち梁の形で振動
される。圧電振動子1を支持している支持クリップ4が
ステンレススチール製で、しかも支持クリップ4の圧電
振動子1との接触面積が小さいことから、圧電振動子1
の励振が支持クリップ4に伝搬し散失されるのが抑制さ
れ、振動板2は効率良く振動される。振動部25に生じ
る振動は屈曲振動である。振動部25の振動によって、
振動部25の板面からそれに垂直な方向に超音波が放射
される。超音波は液体中を伝搬し、液体中には超音波の
放射方向に進む定在波が生じる。従って、特に2つの振
動部25に挟まれた部分に強力な定在波が生じる。この
強力な定在波によって液体は攪拌され、しかも液体中に
はキャビテーション現象が発生する。
【0027】図3は図1の超音波攪拌装置が布を洗浄す
る様子を示す部分斜視図である。このとき貯液槽は洗浄
液で満たし、洗浄液中には汚染物の付着した布30を2
つの振動部25の中間に位置するように配置する。図1
の超音波攪拌装置の駆動時、2つの振動部25に挟まれ
た部分に生じる強力な定在波によって、2つの振動部2
5に挟まれた部分の洗浄液は攪拌され、2つの振動部2
5の間に位置する布30に付着した汚染物が、布30か
ら分離されて前記洗浄液中に放出される。また、振動部
25による強力な攪拌効果とともに洗浄液中に発生する
キャビテーション現象が前記攪拌効果を助長するので、
布30に付着した汚染物は効果的に除去される。布30
の繊維の奥深く入り込んだ汚染物も、強力な攪拌効果と
キャビテーション現象との相乗効果により除去される。
なお、布30からの汚染物の除去率は常に一定であるこ
とから、布30に洗浄むらを生じない。
る様子を示す部分斜視図である。このとき貯液槽は洗浄
液で満たし、洗浄液中には汚染物の付着した布30を2
つの振動部25の中間に位置するように配置する。図1
の超音波攪拌装置の駆動時、2つの振動部25に挟まれ
た部分に生じる強力な定在波によって、2つの振動部2
5に挟まれた部分の洗浄液は攪拌され、2つの振動部2
5の間に位置する布30に付着した汚染物が、布30か
ら分離されて前記洗浄液中に放出される。また、振動部
25による強力な攪拌効果とともに洗浄液中に発生する
キャビテーション現象が前記攪拌効果を助長するので、
布30に付着した汚染物は効果的に除去される。布30
の繊維の奥深く入り込んだ汚染物も、強力な攪拌効果と
キャビテーション現象との相乗効果により除去される。
なお、布30からの汚染物の除去率は常に一定であるこ
とから、布30に洗浄むらを生じない。
【0028】図4は図1の超音波攪拌装置が容器内の混
合物を攪拌する様子を示す部分斜視図である。容器とし
てはガラスチューブ40を用い、ガラスチューブ40中
には少量の水と食用油を入れておく。ガラスチューブ4
0を振動板2に接触させることなく2つの振動板2の間
に差し込みやすくするためには、図1において振動板2
の板面を垂直に保ちながら、振動板2を角度調整ネジ7
によって多少傾ける方法と、振動板2自身の形状を、攪
拌効果を低下させない範囲内で変化させる方法とがあ
る。図4は後者の一実施例で、振動板2の形状はL字形
をしており、ガラスチューブ40が2つの振動板2の間
に入り込みやすいような形状になっている。ただし、ガ
ラスチューブ40は振動板2に接触させないようにす
る。図4の振動板2を用いた超音波攪拌装置の駆動時、
2つの振動板2に挟まれた部分に生じる強力な定在波に
よって、2つの振動板2に挟まれた部分の液体は攪拌さ
れる。その攪拌作用はガラスチューブ40を介してガラ
スチューブ40中の水と食用油の混合物に伝搬され、該
混合物は直ちに乳化する。なお、ガラスチューブ40中
での化学反応の促進にも有効である。すなわち、極少量
の化学反応を行う場合の攪拌には特に有効である。
合物を攪拌する様子を示す部分斜視図である。容器とし
てはガラスチューブ40を用い、ガラスチューブ40中
には少量の水と食用油を入れておく。ガラスチューブ4
0を振動板2に接触させることなく2つの振動板2の間
に差し込みやすくするためには、図1において振動板2
の板面を垂直に保ちながら、振動板2を角度調整ネジ7
によって多少傾ける方法と、振動板2自身の形状を、攪
拌効果を低下させない範囲内で変化させる方法とがあ
る。図4は後者の一実施例で、振動板2の形状はL字形
をしており、ガラスチューブ40が2つの振動板2の間
に入り込みやすいような形状になっている。ただし、ガ
ラスチューブ40は振動板2に接触させないようにす
る。図4の振動板2を用いた超音波攪拌装置の駆動時、
2つの振動板2に挟まれた部分に生じる強力な定在波に
よって、2つの振動板2に挟まれた部分の液体は攪拌さ
れる。その攪拌作用はガラスチューブ40を介してガラ
スチューブ40中の水と食用油の混合物に伝搬され、該
混合物は直ちに乳化する。なお、ガラスチューブ40中
での化学反応の促進にも有効である。すなわち、極少量
の化学反応を行う場合の攪拌には特に有効である。
【0029】図5は図1の超音波攪拌装置が弾性チュー
ブ内の液体を攪拌する様子を示す部分斜視図である。弾
性チューブ50内の液体は流体移送ポンプによって移送
され、2つの振動板2の間を通過する。図5ではT字形
の振動板2を用いている。これは攪拌効果を低下させな
い範囲内で振動板2の形状を変化させたことによる。そ
のうえ、弾性チューブ50内の液体が2つの振動板2に
挟まれた部分に生じる定在波の影響をできるだけ受けや
すくするためである。互いに溶解しない2種類の液体が
弾性チューブ50内を移送されて2つの振動板2の間を
通過するとき、2種類の該液体は混合する。微少量の目
的物質が溶解している液体から、別の液体を用いて該目
的物質を抽出する場合などに特に有効である。
ブ内の液体を攪拌する様子を示す部分斜視図である。弾
性チューブ50内の液体は流体移送ポンプによって移送
され、2つの振動板2の間を通過する。図5ではT字形
の振動板2を用いている。これは攪拌効果を低下させな
い範囲内で振動板2の形状を変化させたことによる。そ
のうえ、弾性チューブ50内の液体が2つの振動板2に
挟まれた部分に生じる定在波の影響をできるだけ受けや
すくするためである。互いに溶解しない2種類の液体が
弾性チューブ50内を移送されて2つの振動板2の間を
通過するとき、2種類の該液体は混合する。微少量の目
的物質が溶解している液体から、別の液体を用いて該目
的物質を抽出する場合などに特に有効である。
【0030】図2の超音波励振器によれば、印加電圧が
9.8Vのときに周波数が114.6kHz で攪拌効果が
最大となり、そのときの消費電力は294mW、電流は3
0mAである。また電源を含む装置全体、つまり図1の超
音波攪拌装置においては消費電力は588mW、電流は6
0mAである。
9.8Vのときに周波数が114.6kHz で攪拌効果が
最大となり、そのときの消費電力は294mW、電流は3
0mAである。また電源を含む装置全体、つまり図1の超
音波攪拌装置においては消費電力は588mW、電流は6
0mAである。
【0031】図6は図2の圧電振動子1のインピーダン
スの位相と周波数との関係を示す特性図であり、図7は
図2の圧電振動子1と振動板2との複合体についてのイ
ンピーダンスの位相と周波数との関係を示す特性図であ
る。位相が0度のときの周波数の値が共振周波数を示す
ので、図6においては圧電振動子1は4つの共振周波数
を有する。faは4つの共振周波数のうちの2つの共振
周波数の中間値を示す。図7ではfa付近のピークが2
つに分かれ、共振周波数fb1 ,fb2 を生じ、その中
間値f0 が攪拌効果が最大になるときの周波数を示し、
f0 はほぼfaと一致する。なお、振動部25の長さを
短くするにつれfb1 ,fb2 は高周波側に偏移し、f
aから遠ざかるので攪拌効果は減少する。
スの位相と周波数との関係を示す特性図であり、図7は
図2の圧電振動子1と振動板2との複合体についてのイ
ンピーダンスの位相と周波数との関係を示す特性図であ
る。位相が0度のときの周波数の値が共振周波数を示す
ので、図6においては圧電振動子1は4つの共振周波数
を有する。faは4つの共振周波数のうちの2つの共振
周波数の中間値を示す。図7ではfa付近のピークが2
つに分かれ、共振周波数fb1 ,fb2 を生じ、その中
間値f0 が攪拌効果が最大になるときの周波数を示し、
f0 はほぼfaと一致する。なお、振動部25の長さを
短くするにつれfb1 ,fb2 は高周波側に偏移し、f
aから遠ざかるので攪拌効果は減少する。
【0032】
【発明の効果】本発明の超音波攪拌装置によれば、圧電
振動子として圧電磁器とその圧電磁器の厚さ方向に垂直
な両端面に形成されている電極とからなる簡単な構造を
採用することにより、装置を小型軽量化でき携帯に便利
である。しかもこの装置では短時間で高い効率で均一に
攪拌することができ、その上、低消費電力での駆動が可
能で、使用方法も簡便である。また、2枚の振動板を圧
電振動子の両端面上のそれぞれに一体的に連なって固着
させる構造の採用により、振動部は固着部を固定端とす
る片持ち梁の形で屈曲振動するから、振動部の板面から
それに垂直な方向に超音波が放射される。2つの振動部
の先端を液体中に漬けておくことにより、超音波は液体
中を伝搬し、液体中には超音波の放射方向に進む定在波
が生じる。従って、特に2つの振動部に挟まれた部分に
強力な定在波が生じる。この強力な定在波によって液体
は攪拌され、しかも液体中にはキャビテーション現象が
発生するから、2つの振動部の間に挟まれた部分におい
て攪拌効果がさらに増大される。
振動子として圧電磁器とその圧電磁器の厚さ方向に垂直
な両端面に形成されている電極とからなる簡単な構造を
採用することにより、装置を小型軽量化でき携帯に便利
である。しかもこの装置では短時間で高い効率で均一に
攪拌することができ、その上、低消費電力での駆動が可
能で、使用方法も簡便である。また、2枚の振動板を圧
電振動子の両端面上のそれぞれに一体的に連なって固着
させる構造の採用により、振動部は固着部を固定端とす
る片持ち梁の形で屈曲振動するから、振動部の板面から
それに垂直な方向に超音波が放射される。2つの振動部
の先端を液体中に漬けておくことにより、超音波は液体
中を伝搬し、液体中には超音波の放射方向に進む定在波
が生じる。従って、特に2つの振動部に挟まれた部分に
強力な定在波が生じる。この強力な定在波によって液体
は攪拌され、しかも液体中にはキャビテーション現象が
発生するから、2つの振動部の間に挟まれた部分におい
て攪拌効果がさらに増大される。
【0033】圧電磁器の厚さ方向に垂直な両端面に形成
されている電極のうち少なくとも一方は互いに絶縁され
た2つの部分に分割されていることにより、前記2つの
部分の一方を自励式電源のための電極として用いること
ができるから、外部環境の変化に対しても安定で効率が
よく、かつ低消費電力駆動が可能な超音波攪拌装置を提
供できる。
されている電極のうち少なくとも一方は互いに絶縁され
た2つの部分に分割されていることにより、前記2つの
部分の一方を自励式電源のための電極として用いること
ができるから、外部環境の変化に対しても安定で効率が
よく、かつ低消費電力駆動が可能な超音波攪拌装置を提
供できる。
【0034】2つの振動部に挟まれた部分の超音波振動
が最も強力であることから、洗浄液中に漬けられている
部分の2つの振動部の間に洗浄物を配置することによ
り、その洗浄物に付着している汚染物を強力な超音波振
動により洗浄物から除去することができる。また、洗浄
物からの汚染物の除去率は常に一定であることから、洗
浄物において洗浄むらを生じない。本装置を任意の洗浄
槽に取り付けることが可能なので持ち運びにも便利であ
る。
が最も強力であることから、洗浄液中に漬けられている
部分の2つの振動部の間に洗浄物を配置することによ
り、その洗浄物に付着している汚染物を強力な超音波振
動により洗浄物から除去することができる。また、洗浄
物からの汚染物の除去率は常に一定であることから、洗
浄物において洗浄むらを生じない。本装置を任意の洗浄
槽に取り付けることが可能なので持ち運びにも便利であ
る。
【0035】2つの振動部に挟まれた部分の超音波振動
が最も強力であることから、液体中に漬けられている部
分の2つの振動部の間に、液体の混合物または液体と固
体の混合物を含む容器を配置することにより、その容器
内の混合物を攪拌することができる。従って、互いに溶
解しない2成分以上の液体の乳化作用の促進や、液体と
固体のすみやかな混合の促進や、液体中への固体の溶解
の促進などが可能であり、微少量の化学反応などにきわ
めて有効である。
が最も強力であることから、液体中に漬けられている部
分の2つの振動部の間に、液体の混合物または液体と固
体の混合物を含む容器を配置することにより、その容器
内の混合物を攪拌することができる。従って、互いに溶
解しない2成分以上の液体の乳化作用の促進や、液体と
固体のすみやかな混合の促進や、液体中への固体の溶解
の促進などが可能であり、微少量の化学反応などにきわ
めて有効である。
【0036】液体中に漬けられている部分の2つの振動
部の間に弾性チューブを配置する構造を採用することに
より、流体移送ポンプにより移送される弾性チューブ内
の流体が2つの振動部の間を通過するとき、弾性チュー
ブ内の流体は、効果的に攪拌される。微少量の目的物質
が溶解している液体から、別の液体を用いて該目的物質
を抽出する場合などに特に有効である。
部の間に弾性チューブを配置する構造を採用することに
より、流体移送ポンプにより移送される弾性チューブ内
の流体が2つの振動部の間を通過するとき、弾性チュー
ブ内の流体は、効果的に攪拌される。微少量の目的物質
が溶解している液体から、別の液体を用いて該目的物質
を抽出する場合などに特に有効である。
【0037】圧電振動子と振動板との複合体における2
つの共振周波数の中間値が圧電振動子の共振周波数にほ
ぼ等しくなるような構造を採用することにより、圧電振
動子と振動板との複合体の結合振動が増強するから、攪
拌の効果が高まる。
つの共振周波数の中間値が圧電振動子の共振周波数にほ
ぼ等しくなるような構造を採用することにより、圧電振
動子と振動板との複合体の結合振動が増強するから、攪
拌の効果が高まる。
【0038】圧電振動子としてその長さと幅の寸法比が
1に近くてしかも1に等しくない矩形板状構造を採用す
ることにより、圧電振動子と振動板との複合体の結合振
動が増強するから、攪拌の効果が高まる。
1に近くてしかも1に等しくない矩形板状構造を採用す
ることにより、圧電振動子と振動板との複合体の結合振
動が増強するから、攪拌の効果が高まる。
【0039】圧電振動子としてその厚さと幅の寸法比が
1に近くてしかも1に等しくない矩形状の角柱構造を採
用することにより、圧電振動子と振動板との複合体の結
合振動が増強するから、攪拌の効果が高まる。
1に近くてしかも1に等しくない矩形状の角柱構造を採
用することにより、圧電振動子と振動板との複合体の結
合振動が増強するから、攪拌の効果が高まる。
【0040】印加電圧を増加させるとそれにつれて攪拌
効果も増大するので、目的に応じて電圧を変えることに
より、効果的な攪拌ができる。
効果も増大するので、目的に応じて電圧を変えることに
より、効果的な攪拌ができる。
【0041】圧電振動子が、この圧電振動子の容量およ
びインダクタンスを主なリアクタンス成分とする共振回
路で共振して発振する発振回路から交流電力を受けて励
振されることにより、外部温度などの環境変化にも対応
しうる駆動回路を提供できる。
びインダクタンスを主なリアクタンス成分とする共振回
路で共振して発振する発振回路から交流電力を受けて励
振されることにより、外部温度などの環境変化にも対応
しうる駆動回路を提供できる。
【0042】圧電振動子を支持する支持クリップとして
圧電振動子に比べて音響インピーダンスが低い発泡スチ
ロールその他の物質を採用するか、または圧電振動子と
の接触面積をできるだけ小さくするような形態の支持ク
リップを採用することにより、圧電振動子の励振が支持
クリップ自身に伝搬し散失されるのが抑制され、圧電振
動子の励振は効率良く振動板に伝搬されるから、攪拌の
効率がなおいっそう向上する。
圧電振動子に比べて音響インピーダンスが低い発泡スチ
ロールその他の物質を採用するか、または圧電振動子と
の接触面積をできるだけ小さくするような形態の支持ク
リップを採用することにより、圧電振動子の励振が支持
クリップ自身に伝搬し散失されるのが抑制され、圧電振
動子の励振は効率良く振動板に伝搬されるから、攪拌の
効率がなおいっそう向上する。
【図1】本発明の超音波攪拌装置の一実施例を示す断面
図。
図。
【図2】圧電振動子1と振動板2とからなる超音波励振
器を示す斜視図。
器を示す斜視図。
【図3】図1の超音波攪拌装置が布を洗浄する様子を示
す部分斜視図。
す部分斜視図。
【図4】図1の超音波攪拌装置が容器内の混合物を攪拌
する様子を示す部分斜視図。
する様子を示す部分斜視図。
【図5】図1の超音波攪拌装置が弾性チューブ内の液体
を攪拌する様子を示す部分斜視図。
を攪拌する様子を示す部分斜視図。
【図6】図2の圧電振動子1のインピーダンスの位相と
周波数との関係を示す特性図。
周波数との関係を示す特性図。
【図7】図2の圧電振動子1と振動板2との複合体につ
いてのインピーダンスの位相と周波数との関係を示す特
性図。
いてのインピーダンスの位相と周波数との関係を示す特
性図。
1 圧電振動子 2 振動板 3 支持具 4 支持クリップ 5 アーム 6 調節ネジ 7 角度調整ネジ 8 装着クリップ 20 圧電磁器 21 電極 22 電極 23 電極 24 固着部 25 振動部
Claims (8)
- 【請求項1】 圧電振動子に振動体を固着してなる超音
波励振器により発生させた弾性振動を液体、または固体
を含む液体中に放射することにより、前記液体を攪拌す
る超音波攪拌装置において、 前記圧電振動子は圧電磁器と、該圧電磁器の厚さ方向に
垂直な両端面に形成されている第1および第2の電極と
から成り、 前記第1および第2の電極のうち少なくとも一方は互い
に絶縁された2つの部分に分割されていて、 前記振動体は、前記圧電振動子の互いに平行な2つの端
面上にそれぞれ一体的に連なって固着されている第1お
よび第2の振動板を少なくとも含んでなり、前記第1お
よび第2の振動板は前記圧電振動子の外方に向けて前記
圧電振動子の該面にほぼ平行に突出する振動部をそれぞ
れ有し、 それぞれの前記振動部の少なくとも一部は前記液体中に
漬けられていることを特徴とする超音波攪拌装置。 - 【請求項2】 前記液体が洗浄液で成り、該洗浄液中に
漬けられている部分のそれぞれの前記振動部の間に洗浄
物を配置することにより、該洗浄物に付着している汚染
物を前記洗浄物から除去することを特徴とする請求項1
に記載の超音波攪拌装置。 - 【請求項3】 2つの前記振動部の間に液体の混合物ま
たは液体と固体の混合物を含む容器を配置し、該容器内
の前記混合物を攪拌することを特徴とする請求項1に記
載の超音波攪拌装置。 - 【請求項4】 前記容器が弾性チューブで成り、該チュ
ーブは流体移送ポンプの一部を成し、前記チューブは前
記流体移送ポンプにより移送される流体で満たされてい
ることを特徴とする請求項3に記載の超音波攪拌装置。 - 【請求項5】 前記圧電振動子の共振周波数は、前記圧
電振動子と前記振動板との複合体における2つの共振周
波数の中間値にほぼ等しいことを特徴とする請求項1に
記載の超音波攪拌装置。 - 【請求項6】 前記圧電振動子は、長さと幅の寸法比が
1に近くしかも1に等しくない矩形状の板であることを
特徴とする請求項5に記載の超音波攪拌装置。 - 【請求項7】 前記圧電振動子は、厚さと幅の寸法比が
1に近くしかも1に等しくない矩形状の角柱であること
を特徴とする請求項5に記載の超音波攪拌装置。 - 【請求項8】 前記圧電振動子は、この圧電振動子の容
量およびインダクタンスを主なリアクタンス成分とする
共振回路で共振して発振する発振回路から交流電力を受
けて励振されることを特徴とする請求項1に記載の超音
波攪拌装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33127991A JPH05137992A (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 超音波攪拌装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33127991A JPH05137992A (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 超音波攪拌装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05137992A true JPH05137992A (ja) | 1993-06-01 |
Family
ID=18241913
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33127991A Pending JPH05137992A (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | 超音波攪拌装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05137992A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010106321A (ko) * | 2001-10-11 | 2001-11-29 | 김명진 | 음향흐름을 발생시키는 초음파 균질기 혼 |
US7493781B2 (en) | 2002-10-07 | 2009-02-24 | Sharp Kabushiki Kaisha | Ultrasonic washing apparatus |
-
1991
- 1991-11-19 JP JP33127991A patent/JPH05137992A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010106321A (ko) * | 2001-10-11 | 2001-11-29 | 김명진 | 음향흐름을 발생시키는 초음파 균질기 혼 |
US7493781B2 (en) | 2002-10-07 | 2009-02-24 | Sharp Kabushiki Kaisha | Ultrasonic washing apparatus |
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