JPH051375A - 真空処理装置 - Google Patents

真空処理装置

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JPH051375A
JPH051375A JP15317391A JP15317391A JPH051375A JP H051375 A JPH051375 A JP H051375A JP 15317391 A JP15317391 A JP 15317391A JP 15317391 A JP15317391 A JP 15317391A JP H051375 A JPH051375 A JP H051375A
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JP
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vacuum processing
electrode
substrate
processing apparatus
electrostatic chuck
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JP15317391A
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Masao Ueki
將雄 上木
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、半導体や光学薄膜の製造工程のス
パッタリング、CVD、MBEなどに利用されて、ター
ゲットの物質を基板上へ不純物の混入なく堆積させる真
空処理装置を提供する。 【構成】 真空処理室1において、基板9およびターゲ
ット10をチャック電源7、8で保持する基板ホルダー
3、ターゲットホルダー4の真空処理室内に露出する部
分が、低ガス放出部材で覆われ、さらに放電電源5、6
によるプラズマに曝される部分が耐プラズマ性材料で構
成される。また基板ホルダー3の大気側に、絶縁された
静電チャック電極33、加熱ヒータ41、プラズマ放電
電極35が設けられる。 【効果】 高真空での放出ガスが低減され、基板への堆
積物中への不純物混入が防止でき、またパーティクルの
発生も低減できると同時に、基板を高温に加熱しうるの
で、高純度な薄膜、欠陥の少ない結晶膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体や光学薄膜など
の製造工程中のスパッタリング、CVD、MBEなどに
利用される真空処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来スパッタリング、CVD、MBEな
どに使用される真空処理装置は、堆積膜中への不純物混
入を低減する必要性が認められてはいるものの、その充
分な因果関係が明らかでないために、真空中への放出ガ
ス量を積極的に低減させた真空処理装置用の機械部品の
開発は少なかった。さらに、静的なガス放出のみならず
堆積プロセス中の熱、プラズマによるホットバキューム
やスパッタリング、およびパーティクルの飛来も解決さ
れていなかった。
【0003】一方、各機構部品としての機能はそれと同
時に満たされなければならない。例えば、上記の真空処
理装置の電極ホルダーに求められる機能として、基板、
ターゲットの保持と電界・磁界印加、加熱、冷却などが
挙げられる。まず、基板とターゲットの保持は搬送・搬
入の容易さの点から機械的チャッキングが多く行なわれ
ていたが、パーティクルの発生防止と基板上への不純物
混入防止、下地への密着性向上による熱伝達の改善のた
め、静電チャックが近年使用されるようになった。静電
チャックは電極の表面にポリイミドやアルミナ等の絶縁
層コーティングを行ない、導電性の基板とこの基板間に
電圧を印加し、誘導分極で生じたクーロン力で基板を吸
引保持するものである。スパッタリングの場合ターゲッ
トへの磁界印加と冷却、CVDの場合の基板加熱など、
さらにこれらすべてが要求される場合も有る。基板加熱
には基板背面の電極を介して大気側より抵抗加熱する
か、フィラメントなどで直接加熱する方法がとられてい
る。そしてこれらは一般に装置構成部材と機械的に結合
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の真空処
理装置の電極ホルダーは、静的なガス放出のみならず堆
積プロセス中の熱、プラズマによるホットバキュームや
スパッタリング、およびパーティクルの飛来の問題が解
決されていないため、高真空での放出ガスが多く、堆積
物へ不純物が混入するという欠点がある。例えば、静電
チャックを基板保持に使用する場合、絶縁コーティング
に用いられる材料中の含有物からのガス放出、表面に存
在する気孔や欠陥からの残留ガスの放出が多い。一方、
基板を直接加熱する場合には真空処理装置内のフィラメ
ントや周囲の加熱による周囲からの放出ガスが増加す
る。
【0005】本発明の目的は、ターゲットへの磁界印加
と冷却、基板加熱、静電チャックなど各機構部品の機能
を満たしながら、パーティクルや放出ガスの低減を図っ
た電極ホルダーを有する新規な真空処理装置を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】基板上にターゲットから
の物質を堆積させる真空処理装置において、基板および
ターゲットを保持する電極ホルダーの真空処理室内に露
出される部分が、低ガス放出性の部材で覆われるように
構成され、かつ前記真空処理室内に露出される部分のう
ちの、プラズマに曝される部分が耐プラズマ性材料で構
成され、さらに前記電極ホルダーのうちの、基板側ホル
ダーの真空処理室外の部分の、前記基板を保持する静電
チャック電極と、前記基板の加熱を行う加熱部材と、プ
ラズマ放電を発生させる放電電極とがそれぞれ電気的に
絶縁されて構成されている。
【0007】
【作用】真空処理装置の電極ホルダーの真空処理室内に
露出される側を、低ガス放出性の部材で覆い、大気側と
の間を気密に保ち、かつプラズマに曝される部分を耐プ
ラズマ性材料で構成することによってプロセス中に放出
されるガスが低減され、さらに、基板側ホルダーの真空
処理室外の部分をそれぞれ絶縁して構成することによっ
て、パーティクルの発生が低減され、基板を高温加熱で
きるようになる。
【0008】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。
【0009】図1は本発明の真空処理装置の縦断面略
図、図2はターゲットホルダー、図3は基板ホルダーの
それぞれ細部を示す縦断面図、図4はガス放出特性を示
すグラフ、図5は絶縁材料がプラズマに曝された場合の
放出ガスの挙動を示すグラフ、図6は耐熱性ブロックの
縦断面略図、図7は高温加熱用の基板ホルダーの断面図
である。
【0010】この真空処理装置は、箱形の真空処理室1
の一方の側面に設けられたゲートバルブ装置2によって
前室と結合されており、他方の側面に設けられた通路が
排気系(図示せず)に接続されて真空処理室1の内部を
真空に保つようになっており、基板ホルダー3とターゲ
ットホルダー4がそれぞれ真空処理室1の中心部に向っ
て対向するように、フランジ11、12によって真空処
理室1の上下の壁面から突出して設けられ、各ホルダー
の対向する面は互に水平でかつ適宜距離を隔てた静電チ
ャック電極33および15を備え、基板9およびターゲ
ット10がそれぞれ水平に静電チャックによって保持さ
れるように構成される。
【0011】ターゲットホルダー4の導線13、14
は、図1に示されるように、一端が静電チャック電源8
に接続され、図2に示されるように、他端がそれぞれタ
ーゲット10への電流導入端子17、静電チャック電極
15への電流導入端子18と電気的に接続されている。
電流導入端子17、18が、セラミックスで絶縁された
導線13、14を放電電極19との貫通部において真空
シールされるように保持している。真空シールの接合法
には、放出ガスが無くかつ真空シール性に優れるコバー
ル接合または活性金属法が用いられる。一般にコバール
接合用のロウ材には銀銅ロウが用いられることが多い。
電流導入端子17、18の絶縁物にアルミナセラミック
スを用いる場合には、放電電極19の材料には熱膨脹率
が近似のチタン、モリブデンまたはコバールが好まし
い。加熱温度が高くない場合には、導電性の良い銅を用
いることができる。電流導入端子17の上部には、ばね
26によって上方に付勢された電流導入ピン25の先端
が、静電チャック電極15の表面より僅かに突出してお
り、ターゲット10が静電チャック電極15上に保持さ
れたとき、ターゲットと接触したまま沈下するようにな
っている。静電チャック電極15の表面は、放電電極1
9との絶縁のため、アルミナなどの絶縁物でコーティン
グされる。ターゲット10に面する静電チャック電極1
5のコーティング層の厚さと静電チャック電源8の直流
電圧は、ターゲットの種類に応じて最適に選ばれる。チ
ャック面の平滑性は静電チャック特性に影響するだけで
なく放出ガス特性にも影響する。
【0012】図4に放出ガス特性を示す。これは溶射ア
ルミナを機械加工のまま(A)とドライラッピングした
場合(B)の放出ガス特性の差を示すものである。ドラ
イラッピング前後の表面粗さはRMAX で(A)(B)そ
れぞれ13と0.9ミクロンであった。この結果、鏡面
加工ほど放出ガスが減少することがわかる。つまり、よ
り鏡面に加工することは静電チャックの吸着面積も増加
し、静電チャックの表面として好ましいといえる。
【0013】静電チャック電極15は、放電電極19へ
例えば固定ネジ20によって機械的に固定され、さらに
電極カバー21で覆われるため、真空中でターゲット1
0の装着状態で放電電極19および固定ネジ20はプラ
ズマに曝されることはない。電極カバー21は放電部拡
大防止とスパッタによる不純物混入を防止する効果があ
るが、プラズマに曝されるため、材料および表面処理は
吟味する必要がある。
【0014】図5は電極カバー21として有効な絶縁材
料であるアルミナセラミックスと石英が、プラズマに曝
された場合の放出ガスの挙動(以下、ホットバキュウム
と称す)を示すものである。図中縦軸は放出ガス量と比
例する四重極質量分析計のイオン電流値を示し、[o
n]の範囲がプラズマに曝されている状態を示す。ま
た、グラフの数字はマスナンバーを示す。アルミナのプ
ラズマ照射時のマスナンバー28の現象を除き、一般に
静的な状態に比較してプラズマ照射時の放出ガスの増加
が認められる。石英の場合プラズマに曝されると各元素
とも一桁以上の放出量の増加が認められるが、それでも
アルミナより一桁以上少ないことがわかる。使用するプ
ロセスにより対象となる不純物は異なるので、材料選択
をそれぞれ最適に選ぶ必要があるが、石英のような各元
素全体にホットバキュウム時でも放出ガスの少ない材料
を選ぶことが好ましい。さらにホットバキュウムが少な
い材料としてはBN、SiC、グラファイトなどが挙げ
られる。また、チャッキングの都合で静電チャック電極
15がプラズマに曝される部分がある場合には、耐プラ
ズマ性コーティングを施すか、あらかじめコーティング
する絶縁物の厚さを厚くする必要がある。
【0015】ターゲット10のスパッタ効率を向上させ
るため、磁石22を放電電極19の大気側に配置し、マ
グネトロン放電をターゲット10表面上に発生させる。
放電中は加速電子によりターゲット10が加熱されるの
で、これを冷却するための流水部23を設ける必要があ
るが、冷却水は磁石22を腐食させるから流水部23を
ジャケットに収める必要がある。磁石の材料としてはネ
オジウム・鉄・ボロン系の様に発生する磁束が大きい方
が好ましい。しかし、装置の真空処理室内に露出部分の
脱ガスのために行なう加熱処理時、磁石を取り外すか水
冷しなければならず、磁石を外す場合は手間がかかり、
水冷する場合は磁石付近の脱ガス不足の問題が発生す
る。これは、ステンレス材料の加熱処理温度200℃に
対して、ネオジウム・鉄・ボロン系材料は100℃が限
度であるためである。一方、サマリウム・コバルト系の
耐熱性は300℃なので、脱ガスのための加熱処理を考
慮した場合、熱サイクルによる減磁特性に優れたサマリ
ウム・コバルト系がより好ましい。磁石22は磁石押え
24によって支持され、この磁石押え24はホルダー側
面からの放電を防止するため、材料にパーマロイなどの
磁性体を選び、磁界が側面に洩れないように磁気回路が
設計されている。高周波の導入手段27、28は、直接
あるいは磁石押え24を介して、放電電極19に接続さ
れている。高周波の導波路となる部分の材料は低抵抗で
あるのが望ましく、特に周波数が高い場合表面に金、銀
などの低抵抗材のコーティングを施す。
【0016】次に、図3を用い基板ホルダー3の細部に
ついて説明する。導線29、30の一端は、図1の静電
チャック電源7に接続されており、図3に示されるよう
に、他端がそれぞれ電流導入端子31、32を介して基
板9、静電チャック電極33と電気的に接続されてい
る。基板9は、静電チャックによる吸着が行なわれたと
き、基板9と電流導入ピン36を接触させたまま沈下す
るばね34を備えた静電チャック電極33によって支持
される。
【0017】セラミックスで絶縁された導線29、30
を含む電流導入端子31、32が、コバール接合などで
放電電極35との間を真空シールされている。接合法と
してはターゲットホルダー4と同様に、放出ガスが無く
真空シール性に優れていればどの様な方法でも良いが、
基板加熱を行なう場合耐熱性が要求される。一般に、コ
バール接合に用いられるロウ材としては銀銅ロウが多い
が、600℃程度の耐熱性しかなく、真空リークの原因
となっていたので、900℃程度の耐熱性を持つ銀ロウ
か、1000℃近い耐熱性を持つ金銅ロウ、金ニッケル
ロウを用いるのがより好ましい。また、電流導入端子3
1、32の絶縁物にアルミナセラミックスを用いる場合
には、放電電極35の材料はこれと熱膨張率の近い導電
性材料、たとえばチタン、モリブデンまたはコバールな
どが好ましい。ただし、チタンは接合時の高温処理によ
り再結晶して表面が粗くなるため後に再度平滑にする必
要があり、モリブデンは高温で水分との反応性が増すた
めに耐食性のコーティングが必要である。
【0018】静電チャック電極33の表面は放電電極3
5との絶縁のため、アルミナなどの絶縁物でコーティン
グされている。基板9に面する静電チャック電極33の
コーティング層の厚さと、静電チャック電源7の直流電
圧は、基板の種類に応じて最適に選ばれる。しかし、基
板を高温加熱する場合、通常のセラミックス材では耐電
圧や体積抵抗が低下し絶縁破壊する場合があるため、使
用時の高温条件下での電圧を超えない電圧を印加する必
要があり、あるいは絶縁層厚を増す必要がある。使用条
件すべてを満たす一定の設定値が無い場合、高温時に印
加電圧を下げる様なモニターと電圧制御系をもうける
(図示せず)事も可能である。チャック面の平滑性が静
電チャック特性に影響するだけでなく放出ガス特性にも
影響することはターゲットの場合と同様であるが、基板
加熱をする場合には放出ガスもさらに増加するため表面
材料はより重要となるので、溶射アルミナを使用するな
らばドライラッピングした方がより好ましい。つまり、
より鏡面に加工することは静電チャックの吸着面積も増
加するので、静電チャックの表面として好ましいといえ
る。
【0019】静電チャック電極33は真空中で放電電極
35へ例えば固定ネジ38によって機械的に固定され、
さらに電極カバー39で覆われるため、基板9が装着さ
れた状態で放電電極35および固定ネジ38はプラズマ
に曝されることはない。これはターゲットホルダー4と
同様に、放電部の拡大防止とスパッタによる不純物混入
を防止するために有効である。電極カバー39はプラズ
マに曝されるため、材料および表面処理を吟味する必要
がある。さらに基板加熱の場合、基板ホルダー3全体が
高温になるため、BNなどのような高温時の放出ガス
(これもホットバキュウムと一般には称する場合がある
がここでは区別するため、高温時の放出ガスと言う)が
少ない材料を使用する必要がある。高温時の放出ガスを
減少させるために一般に有効な方法は、プロセス前に脱
ガスする事であるが、この脱ガス時の温度はプロセス中
の基板加熱時の温度より高温に設定されることが好まし
いのは言うまでもない。さらにここで、プラズマに曝さ
れる部分については加熱と放電洗浄を組み合わせること
がより好ましい。基板温度が高温であったり、プラズマ
に曝される場合、放出ガスの多くは材料表面からより、
内部からの拡散してきた元素が重要になる。そこで材料
には気孔や欠陥の少ないものか、そうでない場合は表面
が封孔処理を施されたものを使用するのが好ましい。こ
のような材料としては、石英、BNなどが挙げられる
が、アルミナセラミックスを放電電極35の支持部の絶
縁材40や、電極カバー39、静電チャック電極33表
面に使用する場合は、表面層のみ緻密なスパッタアルミ
ナ膜などを使用することによっても達成される。なお、
ターゲットホルダーの場合と同様に、使用するプロセス
により対象となる不純物の種類は異なるので、材料選択
をそれぞれに応じて最適に選ぶ必要がある。また、チャ
ッキングの都合で静電チャック電極33がプラズマに曝
される部分がある場合には、その部分に耐プラズマ性コ
ーティングを施すか、コーティングする絶縁物をあらか
じめ厚くする必要があるのは言うまでもない。
【0020】基板9を加熱するためのヒーター線41
が、耐熱性のブロック42に固定され、両者がヒーター
押え43によって支持され加熱部材を形成している。こ
のヒーター押え43は加熱時の各部品の熱膨張差を吸収
するため、耐熱性材料からなるばね材料44を二カ所に
設ける。特に基板温度が高い場合のばね材料には、イン
コネルさらにはセラミックスばねが用いられる。ヒータ
ー線41には、シースヒーターか、より高温の場合は例
えばカンタル線などが好ましい。耐熱性のブロック42
は、熱伝導性が大きいことが重要であり、このような材
料としては各種金属があげられるが、ヒーターや電極に
対し絶縁性が必要な場合はAlN、BN、グラファイ
ト、 SiC、サファイヤなどが好ましい。このなかで
も、六方晶系BNと六方晶系グラファイトは高異方性が
有り、結晶軸の方向により熱伝導性に極端な差を持ち、
図6の様に結晶軸の揃った部品を組み合わせることによ
って、効率よく基板加熱を行うことが出来る。例えば、
AlNのブロックの接合部の耐熱温度が900度であっ
たために基板温度を400度までしか上げられなかった
のに対し、六方晶BNを図6のように使用した場合に
は、基板温度600度を達成できた。
【0021】基板9を効率よく加熱し、外部への熱の逃
げを押えるために必要に応じて反射板45や断熱材46
が使用される。反射板45の材料としては、石英硝子な
ど耐熱性のある鏡面材に金コートした物、また断熱材4
6としては、アルミナやジルコニアなどの多孔質材が好
ましい。
【0022】高周波の導入手段47が、直接あるいはヒ
ーター押え43を介して、放電電極35に接続されてい
る。ターゲットホルダー4と同様に、高周波の導波路と
なる部分の材料は低抵抗であり、高い周波数の場合表面
に金、銀などの低抵抗材のコーティングを施すほうが損
失が少なくより好ましい。
【0023】図7は高温加熱用の他の基板ホルダーの実
施例を示すものである。この基板ホルダーの特長は、熱
伝導性と断熱性を考慮した設計および各部品の耐熱性向
上によって基板の高温加熱を可能とした点である。ヒー
ター線41から基板9への熱伝達を向上するために、耐
熱性ブロック42、放電電極35、静電チャック電極3
3の伝熱部をより単純化してある。つまり、基板9への
電流導入端子31を、絶縁材40側へ移し、電流導入端
子32も放電電極35の端部へ移した。さらに、放電電
極35と静電チャック電極33の接触を密にすることに
よって熱伝達を向上させた。また、耐熱性の最も小さい
電流導入端子31、32を加熱部分から遠ざけることに
よって、ヒーター線41をより高温にすることが可能と
なった。特にこの場合、高温に加熱される放電電極35
と絶縁材40の間には熱抵抗となる薄いコバール金属4
8が設けられてあるため断熱材として働くので、上述の
設計は有効な加熱結果をもたらす。電流導入端子31、
32と基板9、放電電極35および静電チャック電源7
との間は絶縁硝子49で絶縁をする。接合法としては図
3と同様に、放出ガスが無く真空シール性に優れていれ
ばどの様な方法でも良いが、コバール接合であればロウ
材としては金銅ロウが好ましく、さらに活性金属法がよ
り好ましい。
【0024】放電電源5、6は少なくとも一方がDCま
たはACであり、両方同時にフローティングとならぬ組
み合わせの電位に制御される。場合によりACとDCを
重畳して所望のイオンエネルギのプラズマを基板9とタ
ーゲット10上へ導入することも可能である。使用する
ACの周波数を限定する必要はなく、短波からマイクロ
波まで目的によって使用することができる。この場合、
高周波になるほど生成されるイオンのエネルギ幅はシャ
ープになるが、扱いにくい欠点がある。
【0025】静電チャック電源7および8にはDCが用
いられるが、離脱性をよくするためにACを重畳しても
よい。また基板9とターゲット10のチャック電極と当
接する面は導電体であることが必要である。
【0026】前記の図7に示す基板ホルダーと図2に示
すターゲットホルダーを用いて(100)シリコン上で
のエピタキシャル成長を行ったところ基板温度400度
で良好な結晶膜が得られた。なお、ここで得られたシリ
コン膜はあとの加熱プロセスでも、従来の電極ホルダー
を使用した場合に生成される再結晶の問題はなく、デバ
イス特性が向上した。電極カバーには石英を使用、絶縁
材には真空側を鏡面加工したアルミナセラミックス、静
電チャック電極はアルミナ溶射膜をドライ研磨後ドライ
ラッピングし、面のあらさを100ミクロンにした後、
スパッタアルミナ膜厚2ミクロンを着けた物を使用し
た。チャッキング時の電圧は常温で400V、高温で2
00Vにしたところ絶縁破壊などの問題もなく耐久性が
飛躍的に向上した。
【0027】次に、本実施例の真空処理装置の動作につ
いて説明する。まず、ターゲットホルダー4および基板
ホルダー3の静電チャック電源7および8を投入し、次
にターゲット10、基板9をそれぞれ静電チャック電極
15、33に載置することによって、ターゲットおよび
基板は静電チャック電極との間に生ずるクーロン力によ
ってチャック電極に吸引され保持される。次に、真空処
理室1を排気系(図示せず)に接続して室内を真空に保
持する。次にヒーター線41により基板9を加熱すると
ともに放電電源5、6によって放電電極19と35との
間にプラズマ放電を発生させ、基板9上にターゲット1
0からの物質を堆積させる。ターゲットホルダー4の放
電電極19の大気側に配置された磁石22により、マグ
ネトロン放電をターゲット10の表面上に発生させるか
ら、スパッタ効率が向上する。放電中の加速電子により
加熱されるターゲット10は、磁石22の内部に設けら
れた流水部23により冷却される。
【0028】
【発明の効果】基板、ターゲットを保持する電極ホルダ
ーの真空処理室内に露出する部分が低ガス放出部材で覆
われる様に構成され、かつ前記真空処理室内の露出部分
において、プラズマに曝される部分が耐プラズマ性材料
から成る真空処理装置とすることによって、プロセス中
に放出されるガスが低減され、高真空での放出ガスが無
くなり、堆積物への不純物混入を防ぐことが可能となっ
た。
【0029】さらに、前記電極ホルダーのうち、基板ホ
ルダーが前記低ガス放出部材の真空処理室外の部分に、
前記基板を保持する静電チャック電極と、前記基板の加
熱を行う加熱部材と、プラズマ放電を発生させる放電電
極とをそれぞれ絶縁して構成した真空処理装置とするこ
とによって、パーティクル発生を低減させると同時に、
基板を高温加熱することができるようになった。この結
果、半導体や化学薄膜などの製造工程、すなわちスパッ
タリング、CVD、MBEなどに利用されて、高純度な
薄膜、欠陥の非常に少ない結晶膜など高品質な薄膜を生
成できる真空処理装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空処理装置の縦断面略図である。
【図2】本発明のターゲットホルダーの細部を示す縦断
面図である。
【図3】本発明の基板ホルダーの細部を示す縦断面図で
ある。
【図4】ガス放出特性を示すグラフである。
【図5】電極カバーとして有効な材料がプラズマに曝さ
れた場合の放出ガスの挙動を示すグラフである。
【図6】結晶軸の揃った部品を組み合わせた基板加熱用
耐熱ブロックの縦断面の略図である。
【図7】高温加熱用の基板ホルダーの他の実施例を示す
縦断面図である。
【符号の説明】
1 真空処理室 2 ゲートバルブ 3 基板ホルダー 4 ターゲットホルダー 5 放電電源 6 放電電源 7 静電チャック電源 8 静電チャック電源 9 基板 10 ターゲット 11 フランジ 12 フランジ 13 導線 14 導線 15 静電チャック電極 17 電流導入端子 18 電流導入端子 19 放電電極 20 固定ネジ 21 電極カバー 22 磁石 23 流水部 24 磁石押え 25 電流導入ピン 26 ばね 27 高周波の導入手段 28 高周波の導入手段 29 導線 30 導線 31 電流導入端子 32 電流導入端子 33 静電チャック電極 34 ばね 35 放電電極 36 電流導入ピン 38 固定ネジ 39 電極カバー 40 絶縁材 41 ヒーター線 42 耐熱性のブロック 43 ヒーター押え 44 ばね材料 45 反射板 46 断熱材 47 高周波の導入手段 48 コバール金属 49 絶縁硝子

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にターゲットからの物質を堆積さ
    せる真空処理装置において、基板およびターゲットを保
    持する電極ホルダーの真空処理室内に露出される部分
    が、低ガス放出性の部材で覆われることを特徴とする真
    空処理装置。
  2. 【請求項2】 前記真空処理室内に露出される部分のう
    ちの、プラズマに曝される部分が、耐プラズマ性材料か
    ら成る請求項1に記載の真空処理装置。
  3. 【請求項3】 前記電極ホルダーのうちの基板側ホルダ
    ーの真空処理室外の部分の、前記基板を保持する静電チ
    ャック電極と、前記基板の加熱を行う加熱部材と、プラ
    ズマ放電を発生させる放電電極とがそれぞれ電気的に絶
    縁されて構成されている請求項1または2に記載の真空
    処理装置。
  4. 【請求項4】 前記低ガス放出性の材料が平滑な表面処
    理を施されたセラミックス、金属、無機化合物または有
    機化合物である請求項1または2に記載の真空処理装
    置。
  5. 【請求項5】 前記電極ホルダーの電流導入端子が、前
    記放電電極との間においてアルミナセラミックスからな
    る絶縁材で保持され、接合部が活性金属法あるいはコバ
    ール接合法で真空シールされる請求項1または2に記載
    の真空処理装置。
  6. 【請求項6】 前記基板ホルダーの前記接合部が銀、金
    ニッケルまたは金銅をロウ材として用いたコバール接合
    法で形成されている請求項5に記載の真空処理装置。
  7. 【請求項7】 前記放電電極がチタン、モリブデンまた
    はコバールを含む請求項3に記載の真空処理装置。
  8. 【請求項8】 前記静電チャック電極が、真空処理室内
    において放電電極へ固定ネジによって機械的に固定さ
    れ、さらに耐プラズマ性材料および低ガス放出性の材料
    を含む電極カバーで覆われている請求項3に記載の真空
    処理装置。
  9. 【請求項9】 前記電極カバーが石英、BN、SiCま
    たはグラファイトを含む請求項1ないし8のいずれか1
    項に記載の真空処理装置。
  10. 【請求項10】 前記静電チャック電極と基板あるいは
    ターゲット間に印加される電圧が、電極温度に対応して
    制御される真空処理装置。
  11. 【請求項11】 前記静電チャック電極の表面にアルミ
    ナ溶射膜が使用され、かつ表面層のみ緻密なスパッタア
    ルミナ膜を含む真空処理装置。
  12. 【請求項12】 前記加熱部材が六方晶系BNあるいは
    六方晶系グラファイトを含む真空処理装置。
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