JPH051374Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、電動式射出成形機の射出装置に関
し、特に、取付プレート上に設けられた後プレー
トを軸方向に摺動可能とし、スクリユ反力を各タ
イバーによつて均等に受け、機械的摩耗の減少お
よびボールねじの損傷を防止するための新規な改
良に関する。

［従来の技術］ 従来の電動射出成形機としては種々あるが、そ
の中で代表的な構成について述べると、ここでは
その従来構成を示す文献名等は開示していない
が、第３図および第４図にて示す一般に使用され
ていた構成を挙げることができる。

すなわち、第３図および第４図において、符号
１で示されるものはベツトであり、このベツト１
上に固定して設けられた取付プレート２には、互
いに所定の間隔で前プレート３および後プレート
４が離間して配設され、これらの前プレート３お
よび後プレート４の下部に形成された鍔部３ａお
よび４ａは、ボルト５を介して前記取付プレート
２に固定されている。

前記前プレート３と後プレート４間は、四本の
タイバー６によつて互いに連結されていると共
に、二本のボールねじ７が回転自在に設けられて
いる。

前記前プレート３および後プレート４間では、
前記各タイバー６によつて軸方向に移動できるよ
うに中間プレート８が案内されており、この中間
プレート８に形成されたボールナツト９は前記ボ
ールねじ７と螺合している。

前記前プレート３の外端面３ｂには、シリンダ
１０が設けられており、このシリンダ１０内に
は、前記中間プレート８に設けられたスクリユ１
１が進退自在に設けられている。

従つて、図示しない駆動手段によつて前記各ボ
ールねじ７を回転することにより、中間プレート
８のスクリユ１１がシリンダ１０内に進入し、こ
のスクリユ１１の反力は四本の各タイバー６と後
プレート４の固定によつて受け止められていた。

［考案が解決しようとする課題］ 従来の電動式射出成形機の射出装置は、以上の
ように構成されていたため、次のような課題を有
してした。

すなわち、射出および保圧工程等でスクリユに
推進力を与える時、前プレートと後プレートは取
付プレートにボルトによつて固定されているた
め、スクリユの反力によつて後プレートが第３図
で示すように後方へ倒れようとし、それによつて
ボールねじとボールナツト間の摩擦が大きくな
り、中間プレートおよびスクリユが動きにくくな
つてボールねじ等の寿命が大巾に短縮されると言
う重大な課題が存在していた。

本考案は、以上のような課題を解決するために
なされたもので、特に、取付プレート上に設けら
れた後プレートを軸方向に摺動可能とし、スクリ
ユ反力を各タイバーによつて均等に受け、機械的
摩耗の減少およびボールねじの損傷を防止するよ
うにした電動式射出成形機の射出装置を提供する
ことを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案による電動式射出成形機の射出装置は、
取付プレート上にタイバーを介して設けられた前
プレートと後プレート間に回転自在に設けられた
ボールねじによつて移動自在に構成され、且つ、
前記前プレートに設けられたシリンダに対し進退
可能なスクリユを有する中間プレートを有するも
のにおいて、前記取付プレート上に設けられた抑
え体と、前記後プレートの下部に形成され前記抑
え体と係合する鍔部とを備えた構成である。

［作用］ 本考案による電動式射出成形機の射出装置にお
いては、射出および保圧工程の推進力を中間プレ
ートを介してスクリユに加えた場合に、後プレー
トが傾斜しようとするが、後プレートが摺動でき
るため、この傾斜を殆んど防止することができ、
四本のタイバーだけによつて均等にスクリユの反
力を受けることができる。

従つて、ボールねじおよびボールナツト等の機
械的摩耗を防止することができ、機械的寿命を大
巾に延ばすことができる。

［実施例］ 以下、図面と共に本考案による電動式射出成形
機の射出装置の好適な実施例について詳細に説明
する。

尚、従来例と同一又は同等部分には、同一符号
を用いて説明する。

第１図および第２図は本考案による電動式射出
成形機の射出装置を示すためのもので、第１図は
全体構成を示す正面図、第２図は第１図の後プレ
ートを示す側面図である。

図において符号１で示されるものはベツトであ
り、このベツト１上に固定して設けられた取付プ
レート２には、互いに所定の間隔で前プレート３
および後プレート４が離間して配設され、前記前
プレート３の下部に形成された鍔部３ａは、ボル
ト５を介して前記取付プレート２に固定されてい
る。

前記後プレート４の下部に形成された鍔部４ａ
は、前記取付プレート２にボルト５を介して設け
られ全体形状がほぼＬ形をなす抑え体２０の切欠
部２０ａ内に位置し、この切欠部２０ａ内で後プ
レート４の鍔部４ａは軸方向に摺動可能に構成さ
れている。

前記前プレート３と後プレート４間は、四本の
タイバー６によつて互いに連結されていると共
に、二本のボールねじ７が回転自在に設けられて
いる。

前記前プレート３および後プレート４間には、
前記各タイバー６によつて軸方向に移動できるよ
うに中間プレート８が案内されており、この中間
プレート８に形成されたボールナツト９は前記ボ
ールねじ７と螺合している。

前記前プレート３の外端面３ｂには、シリンダ
１０が設けられており、このシリンダ１０内に
は、前記中間プレート８に設けられたスクリユ１
１が進退自在に設けられている。

さらに、前記後プレート４を貫通して突出した
前記ボールねじ７の突出端７ａには、一対のプー
リ２１が取付けられ、各プーリ２１間はタイミン
グベルト２２が張設されていると共に、これらの
各プーリ２１は駆動手段（図示せず）によつて回
転駆動するように構成されている。

本考案による電動射出成形機の射出装置は、前
述したように構成されており、以下に、その動作
について説明する。

まず、前記駆動手段を介して各プーリ２１を同
時に回転させることにより、各ボールねじ７が回
転し、中間プレート８と共にスクリユ１１がシリ
ンダ１０内に進入する。

前述の状態で、シリンダ１０内の樹脂は前方に
押し出されるが、この樹脂による反力が生じ、後
プレート４が後方に傾斜しようとするが、この後
プレート４は、前記抑え体２０の切欠部２０ａ内
を鍔部４ａが摺動するため、後方に摺動し、傾斜
を防止することができる。

尚、前述の前プレート３、後プレート４および
抑え体２０は、前記取付プレート２上に設けた場
合について述べたが、前記ベツト１上に直接設け
ることも可能であり、取付プレートおよびベツト
１のいずれに設けた場合も本考案の請求の範囲に
含まれることは述べるまでもないことである。

［考案の効果］ 本考案による電動射出成形機の射出装置は、以
上のように構成されているため、次のような効果
を得ることができる。

後プレートが摺動自在に構成されているため、
射出および保圧工程等においてスクリユに推進力
が加わつた時の後プレートの後方への傾斜を防止
し、射出装置の機械的摩耗が従来よりも大巾に少
なくなり、ボールねじの寿命を大巾に長くするこ
とができ、射出装置の信頼性の向上を得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、本考案による電動式射
出成形機の射出装置を示すためのもので、第１図
は全体構成を示す正面図、第２図は第１図の後プ
レートを示す側面図、第３図は従来の射出装置を
示す正面図、第４図は第３図の後プレートを示す
側面図である。 ２は取付プレート、３は前プレート、４は後プ
レート、４ａは鍔部、７はボールねじ、８は中間
プレート、１０はシリンダ、１１はスクリユ、２
０は抑え体である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 取付プレート２上にタイバー６を介して設けら
   れた前プレート３と後プレート４間に回転自在に
   設けられたボールねじ７によつて移動自在に構成
   され、且つ、前記前プレート３に設けられたシリ
   ンダ１０に対し進退可能なスクリユ１１を有する
   中間プレート８を備えた電動式射出成形機の射出
   装置において、前記取付プレート２上に設けられ
   た抑え体２０と、前記後プレート４の下部に形成
   され前記抑え体２０と係合する鍔部４ａとを備
   え、前記後プレート４は前記取付プレート２上で
   摺動可能に構成されていることを特徴とする電動
   式射出成形機の射出装置。