JPH05137144A - デイジタル電子カメラを用いた事故監視システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディジタル電子カメラに急ブレーキ状態セン
サ，急ブレーキ検出回路を付加することにより、事故が
発生した場合の前後の事故状況を示す画像を記録できる
システムであって、かつ、薄型化、軽量化およびメンテ
ナンスフリーを実現できる維持費の少ない事故監視シス
テムを提供する。 【構成】 ディジタル電子カメラ２１は車２４の座席の
天井部２４ａに設置され、運転時は常時前方の状況を撮
影している。撮影した像はメモリカードに記録され、メ
モリ容量が一杯になった後は、順次最も古いデータが最
新のデータでオーバライトされていく。運転中に急ブレ
ーキを踏まれると、急ブレーキ状態センサ２０より緊急
信号が送られ、急ブレーキ発生位置が画像に記録される
とともにその位置から一定駒数撮影されて記録動作が停
止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はディジタル電子カメラ
（以下、「ＤＥＳＣ」という）を利用し、交通事故の状
況に関する画像データを正確に記録し事故発生の原因を
究明できるようにしたＤＥＳＣを用いた事故監視カメラ
システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】交通事故の検証を正確、かつ、客観的に
行いたいという要請を受けて、それを実現するための技
術が提案されている。特開昭４８ー５１１９２はこのよ
うな技術の一つを開示するものである。この技術は （１）ある限られた道路上で観測するように構成されて
いる。しかしながら、現実には事故はいずれの場所でも
起きる可能性がある。 （２）ＶＴＲ等で記録する方法であるので、事故の瞬
間を記録するために、つねにテープを走らせておかねば
ならず、機械的耐久性の限界問題が生じ、メンテナンス
が必要となる。また、装置も大きくなるので、車の設
置場所が制約される。 などの欠点があげられる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような欠点を考慮
して、交通事故を後から正確に把握するためにつぎに挙
げるようなことが必要であると考えられる。まず、自ら
が運転している車が、事故に遭遇するときは必ず監視観
測していることが必要である。事故を想定しているの
で、耐衝撃性，耐久性に優れ、長時間の連続運転に耐え
られ、メンテナンスもできるだけ少ない方が良い。ま
た、小型で、設置場所のスペースを極力とらない。事故
発生時に、例えば急ブレーキを踏むとこの信号がシステ
ムに伝達され、自動的に記録されることが必要である。
運転者がハンドル操作に専念し、危険を避けなければな
らないからである。このようにして取得した事故の記録
が客観的なデータとして記録される。責任を明確にし、
公正な裁きを可能にするためである。本発明の目的は上
記のような点を十分実現できるＤＥＳＣを用いた事故監
視システムを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明によるＤＥＳＣを用いた事故監視システムは急
ブレーキ状態を検出するセンサと、前記センサからの急
ブレーキ信号を波形整形して緊急信号を出力するブレー
キ信号検出回路と、車の速度を検出する車速検知回路
と、一定間隔で連続撮影し、撮影した画像を順次記録
し、記録容量が一杯になったときは最も古い画像の上に
最新の画像をオーバライトする記録部を有し、前記連続
撮影とともに前記車速度検知回路からの信号により前記
連続撮影時の車速度を記録し、前記ブレーキ信号検出回
路が緊急信号を出力したとき、前記急ブレーキ発生時点
を前記記録部に記録し、その急ブレーキ発生時点から所
定枚数を撮影した後に撮影を停止するように制御する制
御部を含むディジタル電子カメラの回路とから構成され
ている。

【０００５】

【作用】上記構成の事故監視システムを運転する自分自
身の車に設置すれば、万が一事故に遭遇した場合でもカ
メラが必ず監視観測するので、危険回避の運転操作に専
念できる。長時間の連続運転でもメンテナンスがフリー
で、かつ消耗品がなく維持費が少ない。客観的なデータ
が記録されるので責任が明確になり、公正な裁きが可能
となる。自分の不利な運転がただちに記録されるので、
自己制御が働き、安全運転が図れる。また、それぞれの
車に搭載し、お互いにチェクし合うことにより、無理な
運転を回避する慎重な運転に結び付く。さらに、互いに
交通ルールを守る精神が生じ心の余裕が得られ、安全運
転が励行される。

【０００６】

【実施例】以下、図面等を参照して、本発明をさらに詳
しく説明する。図１は本発明によるＤＥＳＣを利用した
事故監視システムを示す概略図である。ＤＥＳＣ２１は
車２４の座席の天井部２４ａに設置してある。ＤＥＳＣ
２１の視野が、前方にあるバックミラー２２によつて遮
られないように運転者２３のシートと助手席のシートの
中間の位置に配置してある。カメラの光学系を向ける方
向はバックミラー２２に写る背景も含むよう配慮して設
定される。

【０００７】車の運転を開始すると、その運転に連動し
て図示しないスイッチによりＤＥＳＣ２１の電源が投入
されて、撮影が開始される。撮影した映像は順次メモリ
カードに記録される。メモリカードはその容量が一杯に
なると、最初のアドレスに戻りオーバライトされ、この
状態が繰り返される。ブレーキぺダル１９の軸には磁石
２０ａが取り付けられ、それに対向する位置に急ブレー
キ状態検出センサ２０に内蔵したピックアップコイル２
０ｂが配置されることにより急ブレーキ状態が検出され
る。運転中に運転者２３が急ブレーキを踏んだ場合に
は、ブレーキぺダル１９に取り付けられた磁石２０ａが
急速に移動するので、対向する急ブレーキ状態検出セン
サ２０内部に配置されたピックアップコイル２０ｂに誘
導電圧が発生し、この信号が整形されて緊急信号が出力
される。

【０００８】図２はＤＥＳＣの回路の実施例を示す回路
ブロック図である。図中、点線で囲まれていない部分は
ＤＥＳＣが本来装備している回路部，点線で囲んだ部分
はＤＥＳＣに付加された回路部である。運転者が交通事
故に遭遇する緊急時の動作について説明する。通常状態
では、レンズ１，アイリス２および光学フィルタ３を介
してＣＣＤ４に結像され、ＣＣＤ４の出力信号はＣＤＳ
回路５においてクロックなどから誘発されるノイズ成分
が除去される。この信号はガンマ補正回路６により増幅
されてガンマ補正された後、Ａ／Ｄ変換器７でディジタ
ル信号に変換される。信号処理回路８では、輝度信号と
色差信号に変換される。そして、輝度信号と色差信号は
メモリ制御回路１６の制御の下にそれぞれメモリカード
１７に記録される。メモリカード１７の記憶容量は一定
の大きさであり、ディジタル映像信号は順次記録される
ので、メモリカード１７には前述したように新しいデー
タがオーバーライトされ、古いデータは順次消える。

【０００９】緊急状態になると、緊急ブレーキ状態検出
センサ２０に急ブレーキ信号が発生し、急ブレーキ信号
はブレーキ信号検出回路１２で増幅整形されて、パルス
信号（緊急信号）に変換される。システム制御ＣＰＵ１
４はインタフェース回路１３を介して上記パルス信号を
読み取り、メモリインタフェース回路１５に出力する。
メモリインタフェース回路１５はメモリ制御回路１６に
対しアドレス信号の発生を停止する信号を出力する。こ
れによりメモリカード１７への書き込みは停止し、新し
いデータの書き込みはない。なお、同期信号タイミング
信号発生回路１１はシステム制御ＣＰＵ１４の指示に基
づき各回路に動作のタイミングを与えている。アイリス
制御回路９は露出が適正になるようにアイリス２を制御
している。ＣＣＤ駆動回路１０はＣＣＤ上の光学像を走
査し、そのデータを転送する制御を行っている。システ
ム制御ＣＰＵ１４は図示しない車速センサより車速パル
スを常時読み込んでおり、メモリカード１７にはこの車
速データを記録可能であるとともに後述する急ブレーキ
発生前後の撮影駒の割合を決定するデータとして使用さ
れる。

【００１０】図３はＤＥＳＣの撮影シーケンスの各タイ
ミングの関係を示す図である。車を運転している状態で
は、ディジタル電子カメラは連続撮影モードになってい
る。このモードでは（ａ）に示すように撮影はｔ₀ ，ｔ
₁…ｔｎの時刻で行われ、その撮影間隔はＴ時間であ
る。ＤＥＳＣの機械的に動く機構部分はアイリス機構だ
けであり，レンズ駆動部も焦点距離やズーム倍率を調整
するために機構部分が動作するが、撮影対象は数メータ
以上先であるので、焦点距離および倍率は一定に設定さ
れ機構的には固定されている。このように連続撮影に対
し、撮影中、機械的に動くＤＥＳＣの内部機構はアイリ
ス機構だけである。他の部分の摩耗はなく耐久性、耐振
動性に優れ、さらに機構部分が少ないので小型化にも適
している。フロッピー電子カメラや８ミリＶＴＲなどに
比べて衝撃が加わるような厳しい使用条件では有利にな
る。次に、不幸にして事故に遭遇した場合、運転者は急
ブレーキを踏むので、前述の回路において、急ブレーキ
状態が検出され、システム制御ＣＰＵ１４はこの信号を
受けてから、一定駒数を撮影した後にメモリへの書き込
み停止信号を発生する。これにより、メモリへの書き込
みが停止するので、メモリカード内には、事故寸前の映
像と事故後の映像が記録される。

【００１１】メモリに記録する最大駒数（Ｍ＋Ｎ）はメ
モリーカードの記録容量とインターバル時間から定ま
る。 Ｍ＋Ｎ＝（カードの記録容量）／（一画面当たりのメモ
リ容量） で算出することができる。 ここで Ｍ；急ブレーキの発生前にメモリーカードに記
録された駒数 Ｎ；急ブレーキの発生後にメモリーカードに記録された
駒数 ＭとＮの割合はシステム制御ＣＰＵに対し自由に設定す
ることができる。Ｍ＋Ｎの大きさは車の走行速度からシ
ステム制御ＣＰＵが自動的に設定する。以上のように画
像データを撮影すれば、事故の状況を正確に記録でき、
後の検証で事故責任の所在を明確にして公正な判定がで
きる。当然、この事故発生時の車の速度や年月日、時刻
も同時にメモリに記憶され、事故のデータに活用するこ
とができる。また、音声を同時に記録することも可能で
ある。航空機のボイスレコーダの電子化版である。

【００１２】

【発明の効果】以上、説明したように本発明はコンシュ
ーマレベルのディジタル電子カメラにインタフェ−ス回
路を加え、車に搭載して事故監視システムを構成したも
のである。したがって、以下のような種々の利点が得ら
れる。 事故状況の正確な監視ができ、公正な裁きができる。
また、それぞれの車に搭載することで、運転マナーの監
視が図れるので、事故後の責任問題についてトラブルを
回避することができ、かつ、第３者の公の機関も公正な
判断ができる。事故が発生した場合、このシステムによ
り無理な運転内容を直ちに解明できるので、常に慎重な
運転を心掛けるようになり、事故が少なくなるというメ
リットがある。 ディジタル電子カメラを利用しており、記録部分に機
構的な部分はないので、耐衝撃性および耐久性に優れ、
メンテナンスもほとんど不要で、その知識がないもので
も容易に使用できる。 今後の半導体技術の進歩（高集積化）によりコンシュ
ーマレベルの手ごろな価額のシステムが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるディジタル電子カメラを利用した
事故監視システムを車に装着した状態を示す概略図であ
る。

【図２】ディジタル電子カメラの回路の実施例を示すブ
ロック図である。

【図３】撮影モードにおける流れを説明するための図で
ある。

【符号の説明】

１…レンズ ２…アイリス ３…光学フィルタ ４…ＣＣＤ ５…ＣＤＳ回路 ６…γ補正回路 ７…Ａ／Ｄ変換器 ８…信号処理回路 ９…アイリス制御回路 １０…ＣＣＤ駆動回路 １１…同期信号タイミング信号発生回路 １２…ブレーキ信号検出回路 １３…インタフェース回路 １４…システム制御ＣＰＵ １５…メモリインタフェース回路 １６…メモリ制御回路 １７…メモリカード １８…レリーズボタン １９…ブレーキ ２０…急ブレーキ状態検出センサ ２１…ディジタル電子カメラ ２２…ミラー ２３…運転者

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 急ブレーキ状態を検出するセンサと、 前記センサからの急ブレーキ信号を波形整形して緊急信
   号を出力するブレーキ信号検出回路と、 車の速度を検出する車速検知回路と、 一定間隔で連続撮影し、撮影した画像を順次記録し、記
   録容量が一杯になったときは最も古い画像の上に最新の
   画像をオーバライトする記録部を有し、前記連続撮影と
   ともに前記車速度検知回路からの信号により前記連続撮
   影時の車速度を記録し、前記ブレーキ信号検出回路が緊
   急信号を出力したとき、前記急ブレーキ発生時点を前記
   記録部に記録し、その急ブレーキ発生時点から所定枚数
   を撮影した後に撮影を停止するように制御する制御部を
   含むディジタル電子カメラの回路と、 から構成されたことを特徴とするディジタル電子カメラ
   を用いた事故監視カメラシステム。
2. 【請求項２】 音声および画像関連情報入力手段を設
   け、前記連続撮影に対応して音声および画像関連情報を
   記録するように構成した請求項１記載のディジタル電子
   カメラを用いた事故監視システム。