JPH0513615Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の利用分野） 本考案は、自動車用窓ガラスに関し、特に詳述
すれば、窓ガラスの車巾方向のガタ付きを防止す
るのに利用される。

（従来技術とその問題点） 自動車用窓ガラスは、第４図に示す如く、窓ガ
ラス１の下部に固定されたリフトアームブラケツ
ト２のガイド溝に、Ｘ型に組合されたリフトアー
ム３と同期アーム４の一端を摺動自在に取付け、
リフトアーム３の他端にセクタギヤ５を固定さ
せ、同期アーム４の他端をドア側のアームブラケ
ツト６のガイド溝に摺動自在に取付ける構造を有
す。セクタギヤ５は、手動又は電動モータの回転
軸に固定されたギヤ７と噛合い、該ギヤ７の回転
は、支点８を中心として、リフトアーム３を回動
させ、窓ガラス１を昇降させる。

一方、窓ガラス１の側部であつてドア側にガイ
ドレール９を固定し、窓ガラス１の両側に固定さ
れたガイドローラ１０を該ガイドレール９に摺動
自在に嵌合させ、リフトアーム３による窓ガラス
１の昇降を、これらガイドローラ１０によつて案
内し、窓ガラス１の動きが一定の軌跡を描くよう
にさせる。

従来用いられているガイドローラ１０の例を、
第５図に示す。尚、この例の詳細は、特開昭58−
164421号公報に開示される。ガイドローラ１０
は、窓ガラス１に固定されたシヤフト１１のヘツ
ドに筒状の合成樹脂材からなるローラ１２を固定
し且つローラの開口にキヤツプ１３を配し、該キ
ヤツプ１３をシヤフト１１のヘツドに固定させる
ものである。

この従来例において、ガイドレール９の溝内で
のガイドローラ側の寸法（ｈ）と、溝の寸法
（Ｈ）との差（Ｈ−ｈ）がプラスの値となるよう
に、即ち、ガイドレール９の溝とキヤツプ１３と
の間に隙間を多少残すよう設計される。言い換え
れば、寸法差（Ｈ−ｈ）がマイナス値となると、
キヤツプ１３の摺動抵抗が大きく、窓ガラス１の
昇降に大きな力が必要となるため、これを避け
て、寸法差（Ｈ−ｈ）がプラス傾向となるよう寸
法選定をしている。しかしながら、この従来手段
は、隙間による車巾方向での窓ガラスの振動要因
を作ることになり、必ずしも、好ましい手段と言
えない。

（本考案の技術的解題） 本考案は、前述した従来技術の不具合を解消さ
せることを解決すべき技術的課題とする。

（本考案の技術的手段とその作用） 本考案は、前述した技術的課題を解決するため
に、ガイドローラのキヤツプを、クツシヨン材を
介して、ローラに対して相対的に変位可能とさせ
る技術的手段を用いる。この手段の採用は、キヤ
ツプがガイドレールの溝内の摺動面に接すると、
キヤツプがクツシヨン材により沈み、キヤツプと
ガイドレールの溝内摺動面との間に隙間を作るこ
となく、しかも、その摺動抵抗を大とさせること
がない。

（実施例） 第１−３図を参照する。ガイドローラ１３は、
窓ガラス１に固定されたシヤフト１１と、該シヤ
フト１１のヘツドにインサート成形された合成樹
脂材からなる筒状のローラ１４を備える。ローラ
１４の内部に遊合するようにクツシヨン材１５を
挿入する。クツシヨン材１５は、好ましくは、ゴ
ム材により成形され、その中央部に小孔１６を有
す。

合成樹脂材からなるキヤツプ１７を、ローラ１
４の開放口に滑合させる。この滑合は、キヤツプ
１４の周縁フランジより半径方向外方に複数個の
離間した突部１８を設け、これら突部１８を、ロ
ーラ１４の内周面に接触させることで成される。
又、キヤツプ１７の中央部の軸１９を、クツシヨ
ン材１５の小孔１６に嵌合させ、キヤツプ１７と
クツシヨン材１５とを一体関係とさせる。クツシ
ヨン材１５の底面は、シヤフト１１のヘツドに着
座し、又、弾力を柔らかくするため、その中央部
がえぐられている。勿論、第３図に示すように、
ローラ１４に、シヤフト１１のヘツドをかむフラ
ンジ２０を延出させ、このフランジ２０にクツシ
ヨン材１５の底面を着座させても良い。

キヤツプ１７のフランジ２１の端面とローラ１
４のフランジ２０との間に、キヤツプ１７の沈み
を可能にする隙間Ｃを残す。

ドア側のガイドレール９の溝内に、窓ガラス１
側のガイドローラ１３を摺動自在に嵌込んだ時、
ガイドローラ１３のキヤツプ１７がガイドレール
９の溝の摺動面に接すると、キヤツプ１７は、該
摺動面からの押圧を受けて、クツシヨン材１５を
弾性変形させながら、ローラ１４に対し相対的に
変位し、ガイドローラ１３をガイドレール９の溝
内に、その摺動抵抗を大とさせることなく収ま
る。かくして、窓ガラスの車巾方向でのガタによ
る振動要因はなくなる。

（効果） ガイドローラとガイドレールとの車幅方向の遊
びやガタがなく摺動でき、又、摩耗により、ガイ
ドローラとガイドレールの溝との間に隙間が生じ
ても、ガイドローラのガイドレールに当る音は、
クツシヨン材により吸収できるので、異音の発生
を抑えることができる。

即ち、本考案のキヤツプは、ガイドレールの内
周面に接して摺動する際の抵抗を小さくし、キヤ
ツプと接するクツシヨン材は、車巾方向のガタや
振動を吸収する。言い換えれば、本考案は、滑り
抵抗の減少機能とガタ付き等を吸収可能とする弾
性機能とを兼ね備えた装置である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一例を示す断面図、第２図は
その平面図、第３図は本考案の別の例を示す断面
図、第４図は窓ガラスの昇降機構を示す正面図、
第５図は従来のガイドローラを示す断面図であ
る。 図中：１……窓ガラス、１１……シヤフト、１
３……ガイドローラ、１４……ローラ、１５……
クツシヨン材、１７……キヤツプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドアの両側に設けられたガイドレールに沿つて
   窓ガラスに固定されたガイドローラが昇降する自
   動車用窓ガラスにおいて、 前記ガイドローラが、窓ガラスに固定されたシ
   ヤフトのヘツドの外周に固定された合成樹脂材か
   らなる筒状のローラと、 該ローラの内部に弾性変形可能に収められたク
   ツシヨン材と、 前記クツシヨン材を覆うように該ローラの開口
   端部に嵌入され前記ガイドレールの内底面に接す
   る合成樹脂材からなるキヤツプとよりなり、 前記キヤツプが前記クツシヨン材を介して前記
   ローラに対し前記シヤフトの軸方向に相対的にス
   ライド変位可能であることを特徴とする自動車用
   窓ガラス。