JPH05133628A - 冷凍装置の運転制御装置 - Google Patents

冷凍装置の運転制御装置

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JPH05133628A
JPH05133628A JP29569991A JP29569991A JPH05133628A JP H05133628 A JPH05133628 A JP H05133628A JP 29569991 A JP29569991 A JP 29569991A JP 29569991 A JP29569991 A JP 29569991A JP H05133628 A JPH05133628 A JP H05133628A
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pull
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compressor
expansion valve
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Katsuyuki Sawai
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Abstract

(57)【要約】 【目的】プルダウン運転中における圧縮機の容量増大
時、過負荷状態による保護装置の作動で運転続行が不可
能になるのを防止する。 【構成】容量可変形圧縮機2a,3aと、蒸発器2i,
3iと、電動膨張弁EV1,EV2とを冷媒回路に配置し、
保護装置41を設ける。プルダウン運転手段45によ
り、圧縮機2a,3aを低容量に、電動膨張弁EV1,EV
2の上限開度を所定値に設定して運転し、能力増大手段
46により、庫内温度が所定温度以下になると圧縮機2
a,3aの容量を高容量に切換える。保護装置41が作
動すると、異常時制御手段47により、電動膨張弁EV
1,EV2 の開度を所定開度から一定開度だけ低減したの
ち再起動させる。過負荷状態に近付くほど電動膨張弁EV
1,EWV2の開度を小さくするよう設定された変更パター
ンを大小2つ記憶しておき、圧縮機2a,3aの容量増
大時に大から小の変更パターンに切換えてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍装置の運転制御装
置に係り、特にプルダウン運転時に能力を増大変更させ
るようにしたものの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開昭62―2589
79号公報に開示される如く、庫内に蒸発器を配置し、
容量可変形圧縮機を備えた冷凍装置において、庫内温度
がインレンジに達すると、圧縮機の容量を低減する一
方、庫内温度がインレンジから高いほうに外れると、圧
縮機の容量を増大させるように制御することにより、負
荷に応じた冷凍装置の能力を確保しようとするものは公
知の技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コンテナ用
冷凍装置等において、通常は上記従来のもののようにプ
ルダウン運転時には容量を大きくし、インレンジに突入
すると圧縮機の容量を大きくするように制御するのが普
通であるが、外気温度が非常に高い場合(例えば50℃
程度)には、プルダウン運転の時に、デフロスト条件の
成立を遅らせるべく圧縮機を低容量で運転した方が結果
的にプルダウン運転時間を短縮しうることがあり、現実
にそのような制御も行われている。かかる場合、庫内温
度が所定値に達すると、庫内温度と外気温度との温度差
が非常に大きくなるので、さらに庫内温度を低下させて
インレンジに近付けるには、圧縮機の容量を高容量にす
る必要がある。
【0004】しかるに、圧縮機の容量を高容量に切換え
ると、特に外気温度が高いときには過負荷状態に陥りや
すくなるので、いわゆる高圧カットにより冷凍装置が異
常停止することがあり、冷凍装置の運転の続行が不可能
になる虞れがあった。かかる状態を回避するには、プル
ダウン運転中の電動膨張弁の開度を小さく制限しておく
ことも有効であるが、そうするとプルダウン能力が低減
し、プルダウン運転時間が長くなってしまうことにな
る。
【0005】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、圧縮機の容量増大に伴って生じる過
負荷状態を解消する手段を講ずることにより、プルダウ
ン能力を高く維持しながら外気条件等の運転条件の拡大
を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の解決手段は、プルダウン運転中における圧
縮機の高容量への切換時には、電動膨張弁の上限開度を
小さく変更することにある。
【0007】具体的に請求項1の発明の講じた手段は、
図1に示すように(点線部分は含まず)、容量可変形圧
縮機(2a,3a)と、庫内に配設される蒸発器(2
i,3i)と、上記蒸発器(2i,3i)に供給される
冷媒の減圧度を可変に調節する電動膨張弁(EV1,EV
2)とを冷媒回路(1)に配置し、過負荷状態を検出し
て異常信号を出力する保護装置(41)を備えた冷凍装
置を前提とする。
【0008】そして冷凍装置の運転制御装置として、冷
凍装置の運転開始時、上記電動膨張弁(EV1,EV2)の
上限開度を所定値に設定し、上記圧縮機(2a,3a)
の運転容量を低容量にして庫内温度を下降させるよう制
御するプルダウン運転制御手段(45A)と、庫内の温
度を検出する庫内温度検出手段(Th1)と、上記プルダ
ウン運転制御手段(45A)によるプルダウン運転中、
上記庫内温度検出手段(Th1)で検出される庫内温度が
所定温度以下に達すると、上記圧縮機(2a,3a)の
容量を高容量に切換える能力増大手段(46A)とを設
ける。
【0009】さらに、上記能力増大手段(46A)によ
る能力の増大時に上記保護装置(41)が作動すると、
上記電動膨張弁(EV1,EV2)の上限開度を上記所定値
から一定値だけ低減したのち再起動させるよう制御する
異常時制御手段(47)を設ける構成としたものであ
る。
【0010】請求項2の発明の講じた手段は、図1に示
すように(破線部分は含まず)、上記請求項1の発明と
同様の冷凍装置を前提とし、冷凍装置の運転制御装置と
して、冷凍装置の運転開始時、上記圧縮機(2a,3
a)の運転容量を低容量にして庫内温度を下降させるよ
う制御するプルダウン運転制御手段(45B)と、庫内
の温度を検出する庫内温度検出手段(Th1)と、上記プ
ルダウン運転制御手段(45B)によるプルダウン運転
中、上記庫内温度検出手段(Th1)で検出される庫内温
度が所定温度以下に達すると、上記圧縮機(2a,3
a)の容量を高容量に切換える能力増大手段(46B)
とを設ける。
【0011】さらに、上記保護装置(41)が作動する
過負荷状態に近付くほど上記電動膨張弁(EV1,EV2)
の上限開度を小さくするように設定された大小2種類の
変更パターンを記憶する記憶手段(42)と、該記憶手
段(42)の記憶に基づき、上記プルダウン運転手段
(45B)によるプルダウン運転時には上記大の変更パ
ターンに応じて電動膨張弁(EV1,EV2)の上限開度を
変更する一方、上記能力増大手段(46B)による能力
増大時には上記小の変更パターンに応じて上記電動膨張
弁(EV1,EV2)の上限開度を変更させるよう切換える
上限開度変更手段(48)とを設ける構成としたもので
ある。
【0012】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、冷凍
装置の運転開始時、プルダウン運転制御手段(45A)
により、圧縮機(2a,3a)の運転容量を低容量に、
電動膨張弁(EV1,EV2)の上限開度を所定値に設定し
て、庫内温度を急速にインレンジに近付けるプルダウン
運転が行われる。そして、庫内温度が所定温度に達する
と、冷凍能力を増大すべく、能力増大手段(46A)に
より、圧縮機(2a,3a)の運転容量が高容量に切換
えられる。
【0013】この能力増大時、特に外気温度が高い場合
など、過負荷状態となり、高圧側圧力が過上昇して保護
装置(41)が作動することがあるが、異常時制御手段
(47)により、電動膨張弁(EV1,EV2)の上限開度
を所定値から一定開度だけ低減したのち再起動するよう
に制御されるので、冷媒流量の減少により過負荷状態が
解消され、運転の継続が可能になる。したがって、電動
膨張弁(EV1,EV2)の上限開度を当初から大きめにし
ても運転不可能状態が回避され、プルダウン能力をでき
る限り維持しながら、使用可能な外気温度等の運転条件
の範囲が拡大することになる。
【0014】請求項2の発明では、プルダウン運転制御
手段(45B)により、圧縮機(2a,3a)の容量を
低容量にしてプルダウン運転が行われ、庫内温度が所定
温度に達すると、能力増大手段(46B)により、圧縮
機(2a,3a)の容量が高容量側に切換えられる。
【0015】そのとき、予め記憶手段(42)に、過負
荷状態に近付くほど電動膨張弁(EV1,EV2)の上限開
度を小さくするよう設定された大小2種類の変更パター
ンが記憶されており、開度変更手段(48)により、圧
縮機(2a,3a)が低容量時には大の変更パターンに
従い、高容量時には小の変更パターンに従って電動膨張
弁(EV1,EV2)の開度が制限されるので、プルダウン
運転中常に過負荷状態への接近が妨げられ、異常停止が
未然に回避されることになる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0017】図2は、本発明の実施例に係るコンテナ用
冷凍装置(A)の冷媒回路(1)の冷媒配管系統を示
す。上記冷媒回路(1)は互いに独立した第1回路系
(2)と第2回路系(3)とが設けられて構成されてい
る。
【0018】該各回路系(2,3)は、各々1台のスク
ロール型圧縮機(2a,3a)を備えると共に、該圧縮
機(2a,3a)の吐出側からフィルタ(2b,3b)
と、庫外ファン(F2)が付設された空冷凝縮器(2
c,3c)と、水冷凝縮器(2d,3d)と、レシーバ
(2e,3e)と、ドライヤ(2f,3f)と、リキッ
ドインジケータ(2g,3g)と、液溜め部であるアキ
ュームレータ(2h,3h)と、膨脹機構である電動膨
脹弁(EV1,EV2)と、庫内ファン(F1)が付設され
た蒸発器(2i,3i)とが順に冷媒配管(11)を介
して閉回路に接続された主回路(21,31)を備え、
該各回路系(2,3)のおける空冷凝縮器(2c,3
c)と水冷凝縮器(2d,3d)と蒸発器(2i,3
i)とが一体に構成されている。
【0019】更に、上記各回路系(2,3)には、ホッ
トガスバイパス回路(22,32)とインジェクション
回路(23,33)とが設けられると共に、上記各主回
路(21,31)におけるフィルタ(2b,3b)と空
冷凝縮器(2c,3c)との間にはチェックバルブ(CV
1,CV2)が、レシーバ(2e,3e)とドライヤ(2
f,3f)との間にはストップバルブ(TV1,TV2)
が、リキッドインジケータ(2g,3g)とアキューム
レータ(2h,3h)との間にはリキッドバルブ(LV
1,LV2)が、蒸発器(2i,3i)と圧縮機(2a,
3a)との間にはサクションバルブ(SV1,SV2)がそ
れぞれ介設されている。そして、上記リキッドバルブ
(LV1,LV2)は、デフロスト運転に用いられる所定量
の冷媒をアキュームレータ(2h,3h)に貯溜するた
めのものである。また、上記サクションバルブ(SV1,
SV2)は、ブリードポートを備えて冷凍能力を制御する
ためのものである。
【0020】また、上記ホットガスバイパス回路(2
2,32)は、一端が上記フィルタ(2b,3b)とチ
ェックバルブ(CV1,CV2)との間に介設された3方電
磁弁からなるホットガス弁(HV1,HV2)に接続される
と共に、他端が電動膨脹弁(EV1,EV2)と蒸発器(2
i,3i)との間に接続されており、デフロスト運転時
に圧縮機(2a,3a)からの冷媒を各凝縮器(2c,
2d,3c,3d)をバイパスして蒸発器(2i,3
i)に供給するように構成されている。一方、上記イン
ジェクション回路(23,33)には、流量調節機能を
有する三方弁からなるインジェクション弁(IV1,IV
2)が介設されており、その流入側ポートはキャピラリ
(23a,33a)を介してレシーバ(2e,3e)と
ストップバルブ(TV1,TV2)との間に接続されるとと
もに、流出側の一方のポートは圧縮機(2a,3a)の
中間圧力部に、流出側の他のポートは圧縮機(2a,3
a)の吸入側にそれぞれ接続されてなり、圧縮機(2
a,3a)の駆動時にインジェクション弁(IV1,IV
2)が開口し、液冷媒を圧縮機(2a,3a)に供給し
て該圧縮機(2a,3a)の吐出冷媒を冷却し、高圧冷
媒圧力を低下させるように構成されている。
【0021】また、上記冷媒回路(1)には、圧縮機
(2a,3a)の吐出側の高圧冷媒圧力を検出する高圧
センサ(HPS) が、圧縮機(2a,3a)の吸入側の低圧
冷媒圧力を検出する低圧センサ(LPS) がそれぞれ設けら
れると共に、チェックバルブと空冷凝縮器(2c,3
c)との間には高圧冷媒圧力を制御するための高圧制御
センサ(HPCS)が設けられている。また、図2において、
(Th1)は庫内温度に相当する吸込空気温度Trを検出
する庫内温度検出手段としての吸込センサ、(Th2)は
吹出空気温度を検出する吹出センサ、(Tha)は、外気
温度を検出する外気センサである。
【0022】そして、図示しないが、上記各センサ(HP
S,LPS,HPCS,Th1,Th2,Tha)はコントローラ(4)
に接続されて、該各センサ(HPS,LPS,HPCS,Th1,Th2,
Tha)の検出信号がコントローラ(4)に入力するよう
に構成され、該コントローラ(4)は、上記圧縮機(2
a,3a)、電動膨脹弁(EV1,EV2)、リキッドバル
ブ(LV1,LV2)、サクションバルブ(SV1,SV2)、
ホットガス弁(HV1,HV2)、インジェクション弁(IV
1,IV2)及び各ファン(F1,F2)に接続されて制
御信号を出力するように構成されている。また、上記コ
ントローラ(4)には、高圧側圧力Hp の過上昇や、圧
縮機(2a,3a)の内部温度の過上昇、過電流等の過
負荷状態に応じて、冷凍装置の運転を異常停止させる保
護装置(41)と、冷凍装置の運転に必要な各種データ
等を記憶する記憶装置(42)とが内蔵されている。
【0023】次に、請求項1の発明に係る実施例1の制
御内容について、図3のフロ―チャ―トに基づき説明す
る。まず、ステップST1で、プルダウン運転を開始す
ると、ステップST2で、上記吸込センサ(Th1)で検
出される庫内温度としての吸込空気温度Trを入力し、
ステップST3で、第1回路系(2)のみ作動させ、第
2回路系(3)は停止させておく。つまり、1台の圧縮
機(2a)のみを運転し、電動膨張弁(EV1)の開度は
上限開度Amax に固定する。そして、ステップST4
で、電動膨張弁(EV1)の上限開度Amax を定数K(例
えば全開値480パルスに対して350パルス程度の
値)に設定し、ステップST5で、上記ステップST2
で入力した吸込空気温度Trを所定値(0℃)と比較し
て、Tr≦0℃になるまでは上記ステップST2に戻っ
て、上記制御を繰り返す。
【0024】一方、上記制御を繰り返す間に庫内温度T
rが低下して、Tr≦0℃になると、庫内温度Trの低
下により外気温度との温度差が拡大するため、さらに低
温にするには冷凍能力を増大させる必要があると判断し
て、ステップST6に進み、第1回路系(2)だけでな
く第2回路系(3)も作動させる。つまり、2台の圧縮
機(2a,3a)を運転する。そして、ステップST7
で、各電動膨張弁(EV1,EV2)の開度をいずれも上限
開度Amax (つまり上記定数K)に固定してプルダウン
運転を続行するうちに、ステップST8の判別で保護装
置(41)が作動すると、ステップST9で、装置を停
止させるとともに、ステップST10で、このまま異常
停止して運転続行が不可能となるのを回避すべく、電動
膨張弁(EV1,EV2)の上限開度Amax を定数Kから一
定値α(例えば50パルス程度の値)だけ低減し、ステ
ップST11で、各圧縮機(2a,3a)を再起動させ
て、プルダウン運転に復帰する。そして、ステップST
12で、庫内温度Trがインレンジに突入するまで、上
記ステップST6〜ST11の制御を繰り返し、インレ
ンジに突入すると、プルダウン運転を終了する。
【0025】上記フローにおいて、ステップST3及び
ST4の制御により、請求項1の発明にいうプルダウン
運転制御手段(45A)が構成され、ステップST6の
制御により、請求項1の発明にいう能力増大手段(46
A)が構成され、ステップST9〜ST11の制御によ
り、請求項1の発明にいう異常時制御手段(47)が構
成されている。
【0026】したがって、上記実施例1では、冷凍装置
の運転開始時、プルダウン運転制御手段(45A)によ
り、圧縮機(2a,3a)の運転容量を低容量に、電動
膨張弁(EV1)の上限開度Amax を定数Kに固定して、
庫内温度Trを急速にインレンジに近付けるプルダウン
運転が行われる。そして、庫内温度Trが所定値(上記
実施例では0℃)に達すると、さらに庫内を冷却するに
は、冷凍能力が必要となるので、能力増大手段(46
A)により、圧縮機(2a,3a)の運転容量を増大さ
せるように制御される。
【0027】その場合、プルダウン運転時間を短縮する
ためには、電動膨張弁(EV1,EV2)の上限開度Amax
を大きめに設定する必要があるが、能力増大時に、特に
外気温度が高い場合(本実施例では50℃)など、過負
荷状態となり、高圧側圧力Hp が過上昇して保護装置
(41)が作動することがある。そして、そのままで
は、冷凍装置が異常停止して、運転の続行が不可能にな
る。
【0028】しかし、本発明では、異常時制御手段(4
7)により、電動膨張弁(EV1 ,EV2)の上限開度Ama
x を定数Kから一定開度αだけ低減したのち再起動する
ように制御されるので、高圧側圧力Hp の過上昇状態が
解消され、運転の継続が可能になる。よって、電動膨張
弁(EV1,EV2)の上限開度Amax を当初から大きめに
設定してプルダウン能力をできる限り維持しながら、使
用可能な外気温度Ta等の運転条件の範囲が拡大するこ
とになる。
【0029】次に、請求項2の発明に係る実施例2につ
いて説明する。本実施例においても、冷媒回路(1)の
構成や、コントローラ(4)の基本的な構成は上記実施
例1と同様である。そして、図4に示すように、コント
ローラ(4)の記憶装置(42)には、電動膨張弁(EV
1,EV2)の上限開度Amax の外気温度Taに対する第
1変更パターンP1及び第2変更パターンP2の大小2
つの変更パターンが記憶されている。図中第1変更パタ
ーンP1は圧縮機(EV1,EV2)の1台運転時のもの
で、第2変更パターンP2は2台運転時のものである。
すなわち、外気温度Taが高いほど過負荷状態となっ
て、高圧側圧力Hp の過上昇や、圧縮機(2a,3a)
の過電流による保護装置(41)の作動が生じやすいこ
とから、外気温度Taをパラメータとして、外気温度T
aが高いほど上限開度Amax を小さくするようリニアに
変化させるとともに、圧縮機(2a,3a)の1台運転
と2台運転とでは冷凍能力が変化することに鑑み、同じ
外気温度Taに対して、第2変更パターンP2では第1
変更パターンP1よりも常に50パルス分だけ上限開度
Amax が小さくなるように設定されている。すなわち、
記憶装置(42)は、請求項2の発明における記憶手段
として機能するものである。
【0030】ここで、コントローラ(4)の制御内容に
ついて、図5のフロ―チャ―トに基づき説明する。ま
ず、ステップSS1で、プルダウン運転を開始すると、
ステップSS2で、吸込センサ(Th1)及び外気センサ
(Tha)の信号から吸込空気温度Tr及び外気温度Ta
を入力し、ステップSS3で、第1回路系(2)のみ作
動させ、第2回路系(3)は作動させないように制御す
る。つまり、1台の圧縮機(2a)のみ運転し、電動膨
張弁(EV1)の開度は上限開度Amax に固定する。そし
て、ステップSS4で、上記図4の変更パターンP1に
従って電動膨張弁(EV1)の上限開度Amax を設定し、
ステップSS5で、庫内温度Trが0℃以下になるまで
上記ステップSS2〜SS4の制御を繰り返し、Tr≦
0℃になると、ステップSS6に進む。
【0031】すなわち、庫内温度Trと外気温度Taと
の温度差の拡大に応じて冷凍能力を増大させるべく、ス
テップSS6で、第1回路系(2)だけでなく第2回路
系(3)も作動させ、各圧縮機(2a,3a)を運転さ
せるとともに、各電動膨張弁(EV1,EV2)の開度を上
限開度Amax に固定する。また、ステップSS7で、庫
内温度Tr及び外気温度Taを入力し、ステップSS8
で、各電動膨張弁(EV1,EV2)の上限開度Amaxを上
記図4のパターンP25に従って決定する。その後、ス
テップSS9で、インレンジに突入するまで上記ステッ
プSS6〜SS8の制御を繰り返し、インレンジに突入
すると、プルダウン運転を終了する。
【0032】上記フローにおいて、ステップSS3の制
御により、請求項2の発明にいうプルダウン運転制御手
段(45B)が構成され、ステップSS6の制御によ
り、請求項2の発明にいう能力増大手段(46B)が構
成され、ステップSS4及びSS8の制御により、請求
項2の発明にいう開度変更手段(48)が構成されてい
る。
【0033】ここで、本実施例2におけるプルダウン運
転中の庫内温度Trと高圧側圧力Hp の変化について、
図6に基づき説明すると、冷凍装置の運転開始時(図中
の時刻to )、プルダウン運転制御手段(45A)によ
り、圧縮機(2a,3a)の運転容量を低容量に、電動
膨張弁(EV1)の上限開度Amax を定数Kに固定して、
庫内温度Trを急速にインレンジに近付けるプルダウン
運転が行われる。そして、庫内温度Trが所定値(上記
実施例では0℃)に達すると、さらに庫内を冷却するに
は、冷凍能力が必要となるので、能力増大手段(46
A)により、圧縮機(2a,3a)の運転容量を増大さ
せるように制御される(図中の時刻t1 )。この時、上
記従来のもののように、電動膨張弁(EV1,EV2)の上
限開度Amax がそのままの場合には、特に圧縮機(2
a,3a)の容量増大に伴って過負荷状態となるため、
高圧側圧力が過上昇して高圧カットの設定圧力値(例え
ば28kg/cm2 程度の圧力)を越えて保護装置(41)
が作動し、冷凍装置が異常停止する虞れがあるが(図中
の実線部分参照)、本発明では、開度変更手段(48)
により、2台運転時には、1台運転時における第1変更
パターンP1よりも上限開度Amax が小となるように設
定された第2変更パターンP2による上限開度Amax の
制御に切換られるので、高圧側圧力Hp が低下し(図中
の破線部分参照)、過負荷状態が未然に回避される。ま
た、低容量運転時においても、電動膨張弁(EV1)の開
度を第1変更パターンP1に従って変更させることによ
り、過負荷状態への接近が常に妨げられ、保護装置(4
1)の作動が未然に防止される。よって、異常停止防止
効果を顕著に発揮することができる。
【0034】なお、上記実施例2では、過負荷状態が増
大することを示すパラメータとして外気温度Taを用い
たが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
く、高圧側圧力Hp や圧縮機(2a,3a)の電流値を
パラメータとして、電動膨張弁(EV1,EV2)の上限開
度Amax を変更する変更パターンを記憶させておくこと
もできる。
【0035】また、上記各実施例において、電動膨張弁
(EV1,EV2)の開度を上限開度Amax に固定したが、
本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、電動
膨張弁(EV1,EV2)の開度を過熱度一定制御や、吹出
空気温度の目標値収束制御により調節するようにしても
よい。ただし、上記各実施例のように、電動膨張弁(EV
1,EV2)の開度を上限開度Amax に固定することによ
り、プルダウン運転時の能力を最大限発揮することがで
きる利点がある。
【0036】なお、上記各実施例では、冷媒回路(1)
を第1回路系(2)と第2回路系(3)との2系統備え
たものを例にとって説明したが、本発明はかかる実施例
に限定されるものではなく、例えば1系統の冷媒回路に
2台の圧縮機を備えて、1台運転と2台運転とで運転容
量を変更しうるようにしたものや、一系統の冷媒回路に
アンローダ機構を備えた1台の圧縮機を配置したものな
どにも適用することができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、容量可変形圧縮機と、庫内に設置される蒸発器
と、電動膨張弁とを冷媒回路に配置し、過負荷状態にな
ると異常信号を出力する保護装置を備えた冷凍装置にお
いて、電動膨張弁の上限開度を所定値に設定し、圧縮機
の運転容量を低容量側にしてプルダウン運転を行い、プ
ルダウン運転中に庫内温度が所定温度以下に達すると、
圧縮機の容量を高容量に切換えるとともに、圧縮機の容
量増大により過負荷状態が生じて保護装置が作動したと
きには、電動膨張弁の上限開度を一定値だけ低減したの
ち再起動させるようにしたので、過負荷状態の解消によ
り運転を継続することができ、よって、電動膨張弁の上
限開度をできるだけ大きく設定してプルダウン能力を高
く維持しながら、外気温度等の運転可能範囲の拡大を図
ることができる。
【0038】請求項2の発明によれば、容量可変形圧縮
機と、庫内には切される蒸発器と、電動膨張弁とを冷媒
回路に配置し、過負荷状態になると異常信号を出力する
保護装置を備えた冷凍装置において、圧縮機の運転容量
を低容量側にしてプルダウン運転を行い、プルダウン運
転中に庫内温度が所定温度以下に達すると、圧縮機の容
量を高容量に切換えるとともに、過負荷状態に近付くほ
ど電動膨張弁の上限開度を小さくするように設定された
大小2つの変更パターンを記憶しておき、プルダウン運
転の開始時には電動膨張弁の開度を大の変更パターンに
応じて変更する一方、圧縮機の容量が高容量に切換わる
と、電動膨張弁の開度を小の変更パターンに応じて変更
させるようにしたので、プルダウン運転中常に保護装置
の作動を未然に防止することができ、上記請求項1の発
明の効果をより顕著に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例に係る冷凍装置の冷媒配管系統図であ
る。
【図3】実施例1における制御内容を示すフロ―チャ―
ト図である。
【図4】実施例2における外気温度の変化に対する電動
膨張弁の上限開度の変更パターンの設定を示す図であ
る。
【図5】実施例2の制御内容を示すフロ―チャ―ト図で
ある。
【図6】プルダウン運転中における庫内温度及び高圧側
圧力の変化を示す図である。
【符号の説明】
2a,3a 圧縮機 2i,3i 蒸発器 EV1,EV2 電動膨張弁 4 コントローラ 41 保護装置 42 記憶装置(記憶手段) 45 プルダウン運転制御手段 46 能力増大手段 47 異常時制御手段 48 上限開度変更手段 Th1 吸込センサ(庫内温度検出手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容量可変形圧縮機(2a,3a)と、庫
    内に配設される蒸発器(2i,3i)と、上記蒸発器
    (2i,3i)に供給される冷媒の減圧度を可変に調節
    する電動膨張弁(EV1,EV2)とを冷媒回路(1)に配
    置し、過負荷状態を検出して異常信号を出力する保護装
    置(41)を備えた冷凍装置において、 冷凍装置の運転開始時、上記電動膨張弁(EV1,EV2)
    の上限開度を所定値に設定し、上記圧縮機(2a,3
    a)の運転容量を低容量にして庫内温度を下降させるよ
    う制御するプルダウン運転制御手段(45A)と、庫内
    の温度を検出する庫内温度検出手段(Th1)と、上記プ
    ルダウン運転制御手段(45A)によるプルダウン運転
    中、上記庫内温度検出手段(Th1)で検出される庫内温
    度が所定温度以下に達すると、上記圧縮機(2a,3
    a)の容量を高容量に切換える能力増大手段(46A)
    とを備えるとともに、 上記能力増大手段(46A)による能力の増大時に上記
    保護装置(41)が作動すると、上記電動膨張弁(EV
    1,EV2)の上限開度を上記所定値から一定値だけ低減
    したのち再起動させるよう制御する異常時制御手段(4
    7)を備えたことを特徴とする冷凍装置の運転制御装
    置。
  2. 【請求項2】 容量可変形圧縮機(2a,3a)と、庫
    内に配設される蒸発器(2i,3i)と、上記蒸発器
    (2i,3i)に供給される冷媒の減圧度を可変に調節
    する電動膨張弁(EV1,EV2)とを冷媒回路(1)に配
    置し、過負荷状態を検出して異常信号を出力する保護装
    置(41)を備えた冷凍装置において、 冷凍装置の運転開始時、上記圧縮機(2a,3a)の運
    転容量を低容量にして庫内温度を下降させるよう制御す
    るプルダウン運転制御手段(45B)と、庫内の温度を
    検出する庫内温度検出手段(Th1)と、上記プルダウン
    運転制御手段(45B)によるプルダウン運転中、上記
    庫内温度検出手段(Th1)で検出される庫内温度が所定
    温度以下に達すると、上記圧縮機(2a,3a)の容量
    を高容量に切換える能力増大手段(46B)とを備える
    とともに、 上記保護装置(41)が作動する過負荷状態に近付くほ
    ど上記電動膨張弁(EV1,EV2)の上限開度を小さくす
    るように設定された大小2種類の変更パターンを記憶す
    る記憶手段(42)と、該記憶手段(42)の記憶に基
    づき、上記プルダウン運転手段(45B)によるプルダ
    ウン運転時には上記大の変更パターンに応じて電動膨張
    弁(EV1,EV2)の上限開度を変更する一方、上記能力
    増大手段(46B)による能力増大時には上記小の変更
    パターンに応じて上記電動膨張弁(EV1,EV2)の上限
    開度を変更させるよう切換える上限開度変更手段(4
    8)とを備えたことを特徴とする冷凍装置の運転制御装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140196489A1 (en) * 2013-01-11 2014-07-17 University Of Dayton Energy-optimized cycle control of time-variant loads for thermal management of vapor compression systems
JP2016196975A (ja) * 2015-04-03 2016-11-24 ジョンソンコントロールズ ヒタチ エア コンディショニング テクノロジー(ホンコン)リミテッド 冷凍サイクル装置及び膨張弁
WO2020203150A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 株式会社デンソー 冷凍サイクル装置

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