JP2822764B2 - 空気調和装置の室外ファンの運転制御装置 - Google Patents

空気調和装置の室外ファンの運転制御装置

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JP2822764B2
JP2822764B2 JP4088483A JP8848392A JP2822764B2 JP 2822764 B2 JP2822764 B2 JP 2822764B2 JP 4088483 A JP4088483 A JP 4088483A JP 8848392 A JP8848392 A JP 8848392A JP 2822764 B2 JP2822764 B2 JP 2822764B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気調和装置の室外フ
ァンの運転制御装置に係り、特に除霜運転の終了後通常
運転への復帰時における制御性能の向上対策に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、空気調和装置の室外ファンの
運転制御装置として、例えば特開平1−225852号
公報に開示されるごとく、冷媒回路に、圧縮機、室外熱
交換器、減圧機構及び室内熱交換器を配設し、かつ室外
熱交換器に風量の調節可能な室外ファンを付設してなる
空気調和装置において、外気温度が高いときには、室外
ファンの風量を低風量に維持することにより、高圧側圧
力の過上昇によるいわゆる高圧カットを防止し、円滑な
運転状態を維持しようとするものは公知の技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、空気調和装
置の暖房運転中の除霜運転時には、室外ファンを停止さ
せて着霜の融解を迅速に行わせるようにしているが、そ
の場合、除霜運転が終了して通常暖房運転に復帰する
際、外気温度が高いときには室外ファンを低風量で運転
するようにすると、以下のような問題があった。
【0004】すなわち、除霜運転中には室外ファンが停
止されるが、外気温度を検出するための外気温度センサ
は通常室外熱交換器の空気吸込側に配置されているの
で、除霜運転中にホットガスの導入で室外熱交換器の温
度が上昇すると、外気温度センサが室外熱交換器の温度
の影響を受け、見掛上実際の外気温度よりも高い温度を
検出することがある。そして、高外気でないのに高外気
と誤検知することにより、復帰時に室外ファンが低風量
で運転されると、室外ファンの運転再開と共に外気温度
センサの検出値が低くなるように変化するので、室外フ
ァンの風量がそれに応じて変化するという一種のハンチ
ングを生じる虞れがあった。また、室外ファンの風量が
実際の外気温度に対応したものでないことから、過渡時
における冷媒回路の冷媒状態が適正状態からずれて、湿
り運転や圧縮機の油上がり等が生じる虞れがあった。
【0005】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、除霜運転の開始前と終了後とでは外
気温度の変化はほとんどない点に着目し、除霜運転に突
入する前の外気温度を予め記憶しておき、除霜運転が終
了して通常暖房運転に復帰した直後には、除霜運転開始
前の外気温度に応じて、室外ファンの風量を制御するこ
とにより、制御の安定化と冷媒状態の適正化とを図るこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明の講じた手段は、図1に示すよう
に、圧縮機(1)、風量可変な室外ファン(3b)を付
設した室外熱交換器(3)、減圧機構(5)及び室内熱
交換器(6)を順次接続してなる冷媒回路(9)を備え
た空気調和装置を前提とする。
【0007】そして、空気調和装置の室外ファンの運転
制御装置として、空気調和装置の除霜運転時、上記室外
ファン(3b)を停止させるよう制御するファン停止制
御手段(51)と、上記室外熱交換器(3)の空気吸込
側に配設され、吸込空気から外気温度を検出する外気温
度検出手段(Tha)と、除霜運転開始前における上記外
気温度検出手段(Tha)の検出値を記憶するための記憶
手段(12)と、除霜運転の終了後一定時間を経過する
までの間、上記記憶手段(12)に記憶されている除霜
運転開始前の外気温度に応じ、外気温度が高いほど上記
室外ファン(3b)の風量を小さくするよう制御する風
量制御手段(52)とを設ける構成としたものである。
【0008】請求項2の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、圧縮機(1)をインバータを付設
するものとし、図1の破線部分に示すように、インバー
タの温度が所定値以上のときには、上記風量制御手段
(52)で制御される室外ファン(3b)の風量を標準
風量以上に制限する低風量制限手段(53)を設けたも
のである。
【0009】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、除霜
運転に突入すると、室外熱交換器(3)の着霜の融解を
最大限促進すべく、ファン停止制御手段(51)によ
り、室外ファン(3b)の運転が停止されるので、外気
温度検出手段(Tha)の検出値はホットガスが導入され
ている室外熱交換器(3)の温度の影響で、見掛上外気
温度よりも上昇することがある。
【0010】ここで、除霜運転から通常暖房運転に復帰
したときには、風量制御手段(52)により、予め記憶
手段(12)に記憶される除霜運転の開始前における外
気温度検出手段(Tha)の検出値に基づいて、除霜開始
前の外気温度が高いほど室外ファン(3b)の風量を小
さくするよう制御されるので、除霜中の室外熱交換器
(3)温度の影響に起因する誤制御を生じることなく、
室外ファン(3b)の風量が制御され、冷媒回路(9)
の冷媒状態が適正に維持されて、圧縮機(1)の油上が
り等が未然に防止されることになる。
【0011】請求項2の発明では、除霜運転中には、室
外ファン(3b)が停止しているために、室外ファン
(3b)の送風によって冷却されているインバータが過
上昇する虞れがあるが、低風量制限手段(53)によ
り、インバータの温度が所定値以上のときには、室外フ
ァン(3b)の風量が標準風量以上に制御されるので、
インバータの過熱による異常停止が回避され、円滑な通
常暖房運転への切換えが行われることになる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図2以下の
図面に基づき説明する。
【0013】図2は本発明を適用した空気調和装置の冷
媒配管系統を示し、一台の室外ユニット(A)に対して
一台の室内ユニット(B)が接続されたいわゆるセパレ
ートタイプのものである。上記室外ユニット(A)に
は、インバータ(図示せず)により運転周波数Hzが複
数のステップ値N(=1〜20)に調節される圧縮機
(1)と、冷房運転時には図中実線のごとく、暖房運転
時には図中破線のごとく切換わる四路切換弁(2)と、
容量可変形室外ファン(3b)を付設し、冷房運転時に
は凝縮器として、暖房運転時には蒸発器として機能する
室外熱交換器(3)と、冷媒を減圧するための減圧部
(20)と、圧縮機(1)の吸入管に介設され、吸入冷
媒中の液冷媒を除去するためのアキュムレ―タ(7)と
が主要機器として配置されている。また、室内ユニット
(B)には、冷房運転時には蒸発器として、暖房運転時
には凝縮器として機能する室内熱交換器(6)が配置さ
れている。上記各機器は冷媒配管(8)により順次接続
され、冷媒の循環により熱移動を生ぜしめるようにした
冷媒回路(9)が構成されている。
【0014】ここで、上記減圧部(20)には、液冷媒
を貯溜するためのレシ―バ(4)と、液冷媒の減圧機能
と流量調節機能とを有する電動膨張弁(5)とが配設さ
れ、上記レシ―バ(4)と電動膨張弁(5)とは、電動
膨張弁(5)がレシ―バ(4)の下部つまり液部に連通
するよう、室外熱交換器(3)の補助熱交換器(3a)
を介して共通路(8a)に直列に配置されている。そし
て、共通路(8a)のレシ―バ(4)上流側の端部
(P)と室外熱交換器(3)との間は、室外熱交換器
(3)からレシ―バ(4)への冷媒の流通のみを許容す
る第1逆止弁(D1)を介して第1流入路(8b1)によ
り、上記共通路(8a)の点(P)と室内熱交換器
(6)との間は室内熱交換器(6)からレシ―バ(4)
への冷媒の流通のみを許容する第2逆止弁(D2)を介
して第2流入路(8b2)により、それぞれ接続されてい
る一方、共通路(8a)の上記電動膨張弁(5)他端側
の端部(Q)と上記第2逆止弁(D2)−室内熱交換器
(6)間の点(R)との間は電動膨張弁(5)から室内
熱交換器(6)への冷媒の流通のみを許容する第3逆止
弁(D3)を介して第1流出路(8c1)により、共通路
(8a)の上記点(Q)と上記第1逆止弁(D1)−室
外熱交換器(3)間の点(S)との間は電動膨張弁
(5)から室外熱交換器(3)への冷媒の流通のみを許
容する第4逆止弁(D4)を介して第2流出路(8c2)
により、それぞれ接続されている。
【0015】また、上記レシ―バ(4)の上流側の点
(P)と流出側の点(Q)との間には、キャピラリチュ
―ブ(C)を介設してなる液封防止バイパス路(8f)
が設けられていて、該液封防止バイパス路(8f)によ
り、圧縮機(1)の停止時における液封を防止するよう
になされている。また、ガス冷媒をレシ―バ(4)上部
から開閉弁(SV)を介して電動膨張弁(5)下流側に
バイパスさせて、レシーバ(4)の冷媒貯溜機能を確保
するためのバイパス管(4a)が設けられている。な
お、上記キャピラリチュ―ブ(C)の減圧度は電動膨張
弁(5)よりも十分大きくなるように設定されていて、
通常運転時における電動膨張弁(5)による冷媒流量調
節機能を良好に維持しうるようになされている。
【0016】なお、(F1)〜(F4)は冷媒中の塵埃
を除去するためのフィルタ、(ER)は圧縮機(1)の
運転音を低減させるための消音器である。
【0017】さらに、空気調和装置にはセンサ類が設け
られていて、(Th2)は吐出管に配置され、吐出管温度
T2を検出する吐出管センサ、(Tha)は室外ユニット
(A)の空気吸込口に配置され、外気温度である吸込空
気温度Taを検出する室外吸込センサ、(Thc)は室外
熱交換器(3)に配置され、冷房運転時には凝縮温度T
cを暖房運転時には蒸発温度Teを検出する外熱交セン
サ、(Thr)は室内ユニット(B)の空気吸込口に配置
され、室内温度である吸込空気温度を検出する室内吸込
センサ、(The)は室内熱交換器(6)に配置され、冷
房運転時には蒸発温度Teを暖房運転時には凝縮温度T
c(高圧側圧力)を検出する内熱交センサ、(HPS)は
高圧側圧力の過上昇によりオンとなって後述の保護装置
(11)を作動させる高圧圧力スイッチ、(LPS)は低
圧側圧力の過低下によりオンとなって保護装置(11)
を作動させる低圧圧力スイッチである。上記各センサ類
の信号は空気調和装置の運転を制御するコントローラ
(10)に入力可能に接続されており、該コントローラ
(10)により、上記各センサ類の信号に応じて、空気
調和装置の運転を制御するようになされている。
【0018】また、上記コントローラ(10)内には、
空気調和装置の運転中、何らかの異常が生じた時に作動
して、空気調和装置を異常停止させる保護装置(11)
と、運転データ等を記憶する記憶手段としての記憶装置
(12)とが内蔵されている。そして、上記保護装置
(11)には、図示しないが、上記高低圧スイッチ(H
PS),(LPS)の信号が入力されており、高圧側圧力が
過上昇したり、低圧側圧力が過低下すると、保護装置
(11)が作動して空気調和装置を異常停止させるいわ
ゆる高圧カットや低圧カットを行うようになされてい
る。
【0019】上記冷媒回路(9)において、冷房運転時
には、室外熱交換器(3)で凝縮液化された液冷媒が第
1流入路(8b1)から流入し、第1逆止弁(D1)を経
てレシ―バ(4)に貯溜され、電動膨張弁(5)で減圧
された後、第1流出路(8c1)を経て室内熱交換器
(6)で蒸発して圧縮機(1)に戻る循環となる一方、
暖房運転時には、室内熱交換器(6)で凝縮液化された
液冷媒が第2流入路(8b2)から流入し、第2逆止弁
(D2)を経てレシ―バ(4)に貯溜され、電動膨張弁
(5)で減圧された後、第2流出路(8c2)を経て室外
熱交換器(3)で蒸発して圧縮機(1)に戻る循環とな
る。
【0020】そのとき、電動膨張弁(5)の開度は、上
記吐出管センサ(Th2)で検出される吐出管温度T2を
パラメータとして行われる。すなわち、上記外熱交セン
サ(Thc)及び内熱交センサ(The)で検出される凝縮
温度と蒸発温度とから最適の冷凍効果を与える吐出管温
度(最適温度Tk)を演算し、吐出管温度T2がこの最
適温度Tkになるよう電動膨張弁(5)の開度を制御す
るようになされている。
【0021】次に、上記空気調和装置の暖房運転中にお
ける室外ファン(3b)の制御内容について、図3及び
図4のフロ―チャ―トに基づき説明する。
【0022】図3は通常暖房運転時における制御内容を
示し、ステップST1で、高圧側圧力Tcが所定値(例
えば57.5℃程度)以上のときのファン風量制御用タ
イマのカウントTH2をリセットし、ステップST2で、
高圧側圧力Tcを検出する上記内熱交センサ(The)が
異常のときに「1」となる熱交フラグFTcが「1」か否
かを判別し、FTc=1でなければつまりセンサが正常で
あれば、ステップST3以下の制御を実行する。
【0023】まず、ステップST3で、Tc<50−X
H1(℃)か否か(XH1は圧縮機(1)のオン時には
「2」にオフ時には「0」になる切換変数)を判別し、
Tc<50−XH1であれば、ステップST4に進んで、
さらにファン風量が低風量「L」か否かを判別する。そ
して、その判別結果がYESであれば、ステップST5
に進んで、ファン風量が低風量「L」から標準風量
「H」に移行する際に時間を計時するハンチング防止用
タイマのカウントTH5を「0」にリセットした後、ステ
ップST6で、ハンチング防止用タイマのカウントを開
始し、ステップST7で、ファン風量を標準風量「H」
にした後、ステップST8で高圧上昇変数dN4を「−
1」として、リターンする。
【0024】また、上記ステップST4の判別で、ファ
ン風量が低風量「L」でないときには、ステップST9
に移行して、ファン風量が標準風量「H」か否かを判別
し、ファン風量が標準風量「H」のときには、ステップ
ST10に進み、TH5=0,TH5=5(分)のいずれか
であるか否かを判別し、いずれかであれば、ステップS
T11に進んで、さらに上記室外吸込センサ(Tha)で
検出される外気温度Taが3(℃)よりも低いか否かを
判別する。そして、Ta<3(℃)であれば低外気状態
と判断し、ステップST12に進んで、TH5=0にリセ
ットした後、ステップST13で、ファン風量を強風量
「HH」に切換えて、低圧側圧力の過低下による低圧カ
ット防止のための制御を行う。
【0025】一方、上記ステップST2,ST3の判別
で、FTc=1つまり内熱交センサ(The)が異常のと
き、或いはセンサは異常でないがTc≧50−XH1のと
き、つまり高圧側圧力Tcが高いときには、いずれもス
テップST14に移行して、インバータのフィン温度T
fin 及び外気温度Taによる風量制御に切換える。すな
わち、ステップST14で、フィン温度Tfin が80
(℃)以上か否かを判別し、Tfin ≧80(℃)でなけ
ればステップST15に進んで、さらに外気温度Taが
4(℃)よりも高いか否かを判別し、Ta>4(℃)で
あれば、上記ステップST7の制御に移行してファン風
量を標準風量「H」に制御するが、Ta>4(℃)でな
ければ、現在のファン風量を変更することなくそのまま
リターンする。なお、上記ステップST9,10,11
における判別結果がNOのときにも、ステップST15
の制御を行う。
【0026】また、上記ステップST14における判別
結果がTfin ≧80(℃)であれば、インバータの過熱
の虞れがあるため、ステップST16の制御に移行し
て、ファン風量が低風量「L」か否かを判別し、低風量
「L」であればステップST17でファン風量を標準風
量「H」に制御して、ステップST18で高圧上昇変数
dN4を「−1」に設定した後、低風量「L」でなければ
インバータ過熱の虞れはないと判断して現在の風量を変
更することなくそれぞれリターンする。
【0027】次に、図4は除霜運転突入時の制御の一部
を示し、ステップSR1で、除霜開始指令を受けると、
ステップSR2で、四路切換弁(2)をオフつまり冷房
サイクル側に切換え、ステップSR3で、インバータ周
波数制御の切換えを行うためのフラグF11を「1」(冷
房時のモード)にした後、ステップSR3で、ホットガ
スの導入による室外熱交換器(3)の加熱効果を最大限
発揮すべく室外ファン(3b)を停止させ、さらに、ス
テップSR4で、空調効果の悪化を防止すべく室内ファ
ン(図示せず)を停止させる。また、上記フローには図
示しないが、除霜運転開始前に、上記室外吸込センサ
(Tha)で検出される外気温度Taを除霜前外気温度X
D4として、上記記憶装置(12)に記憶させるようにし
ている。
【0028】次に、図5は、除霜運転終了後における室
外ファン(3b)の風量制御の内容を示し、ステップS
S1で、除霜終了後3分間のみ「1」となる除霜終了後
フラグFD3が「1」か否かを判別し、FD3=1であれ
ば、ステップSS2に移行して、除霜終了後の経過時間
を計時する終了タイマのカウントTD6が5sec 以上か否
かを判別し、除霜終了後5sec が経過するまでは、ステ
ップSS3に進んで、ファン風量を標準風量「H」に制
御する。つまり室外ファン(3b)を標準風量「H」で
立ち上げる。一方、復帰後5sec が経過すると、ステッ
プSS4に移行して、上記記憶装置(12)に記憶され
ている除霜前外気温度XD4が所定温度3(℃)以下か否
かを判別し、XD4≦3(℃)であれば、ステップSS5
で、ファン風量を高風量「HH」に切換える。また、ス
テップSS6で、Tfin ≧80(℃)か否かを判別し、
Tfin ≧80(℃)でなければ、ステップSS7で、X
D4≦10(℃)か否かを判別し、XD4≦10(℃)でな
ければステップSS8に進んで、ファン風量を低風量
「L」に切換える。
【0029】一方、上記ステップSS1の判別でFD2=
1でないとき、ステップSS6の判別でTfin ≧80
(℃)のとき、ステップSS7の判別でXD4≦10
(℃)のときには、ファン風量を標準風量「H」又は高
風量「HH」のままにして、リターンする。
【0030】すなわち、除霜運転からの復帰直後には、
室外ファン(3b)の起動を確保すべく標準風量「H」
で起動させ、その後、除霜前外気温度XD4が3℃以下で
あれば高風量「HH」に、3℃〜10℃のときには標準
風量「H」に、10℃を越えれば低風量「L」に制御す
る。つまり、除霜前外気温度Taが高いほど室外ファン
(3b)の風量を小さく制御するようにしている。ただ
し、インバータのフィンサーマル温度が80(℃)以上
になると、インバータが過熱して保護装置(11)が作
動する虞れがあることから、ファン風量を標準風量
「H」以上につまり低風量「L」にしないよう制限して
いる。
【0031】上記フローにおいて、ステップSR4の制
御により、請求項1の発明にいうファン停止制御手段
(51)が構成され、ステップSS3〜SS8の制御に
より、風量制御手段(52)が構成されている。また、
ステップSS6からステップSS7の制御を行うことな
くリターンする制御により、請求項2の発明にいう低風
量制限手段(53)が構成されている。
【0032】従って、上記実施例では、暖房運転中に
は、室外ファン(3b)の風量が原則として高圧側圧力
Tcに基づき制御されるとともに、除霜運転に突入する
と、室外熱交換器(3)の着霜の融解を促進すべく、フ
ァン停止制御手段(51)により、室外ファン(3b)
の運転が停止される。
【0033】一方、除霜運転から通常暖房運転に復帰し
たときには、特に外気温度Taが高いと高圧側圧力が過
上昇して高圧カットを招く虞れがあるが、外気温度Ta
によりファン風量を制御することにより高圧カットを回
避しうる。しかし、除霜運転中に室外ファン(3b)が
停止しているために、室外吸込センサ(Tha)の検出値
は室外熱交換器(3)の温度の影響で見掛上高温になっ
ていることがある。従って、外気温度Taが低いのに高
いと誤判断することで、ファン風量を低く制御すると室
外ファン(3b)の運転開始と共に吸込センサ(Tha)
の検出値が変化して、室外ファン(3b)のタップが切
換えられる一種のハンチングを生じたり、冷媒回路
(9)の冷媒状態が適正状態からずれて、湿り運転や圧
縮機(1)の油上がり等が生じる虞れがある。
【0034】ここで、上記実施例では、除霜運転の開始
前における室外吸込センサ(Tha)の検出値XD4を予め
記憶装置(12)に記憶させておき、除霜運転からの復
帰時には、風量制御手段(52)により、この除霜開始
前の外気温度XD4に基づいて、ファン風量を制御するよ
うにしているので、上述の油上がり等の異常状態の発生
を有効に防止することができ、よって、制御性能の向上
を図ることができるのである。
【0035】また、除霜運転中には、室外ファン(3
b)が停止しているために、室外ファン(3b)の送風
によって冷却されているインバータが過上昇する虞れが
ある。ここで、上記実施例では、低風量制限手段(5
3)により、インバータのフィンサーマル温度Tfin が
所定値(上記実施例では80℃)以上のときには、室外
ファン(3b)の風量が低風量「L」にならないように
つまり標準風量「H」又は高風量「HH」に制御される
ので、インバータの過熱による保護装置(11)の作動
が回避され、円滑な通常暖房運転への切換えが行われ
る。
【0036】なお、上記実施例では、圧縮機(1)をイ
ンバータ付きのものとしたが、請求項1の発明は、かか
る実施例に限定されるものではなく、全閉型圧縮機やア
ンローダ付き圧縮機であってもよいことはいうまでもな
い。
【0037】また、上記実施例では、室外ファン(3
b)の風量をタップで切換えるものとしたが、インバー
タで連続的に風量を可変にしたものについても適用しう
る。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、風量可変な室外ファンを付設した室外熱交換器
を備えた空気調和装置の室外ファンの運転制御装置とし
て、除霜運転の開始前に検出した外気温度を記憶してお
き、除霜運転中には室外ファンの運転を停止させるとと
もに、除霜運転の終了後の暖房運転への復帰直後には、
除霜開始前の外気温度が高いほど室外ファンの風量を小
さくするよう制御するようにしたので、除霜中における
室外熱交換器温度の影響を受けることなく正確な判断で
室外ファン風量を制御することができ、よって、復帰直
後の制御の安定化と冷媒状態の適正化とを図ることがで
きる。
【0039】請求項2の発明によれば、上記請求項1の
発明において、インバータ温度が所定値以上のときに
は、室外ファンの風量を標準風量以上に制限するように
したので、インバータの過熱による異常停止を招くこと
なく、暖房運転への円滑な切換えを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例に係る空気調和装置の冷媒配管系統図で
ある。
【図3】暖房運転中におけるファン風量制御の内容を示
すフロ―チャ―ト図である。
【図4】除霜運転開始時における制御の一部を示すフロ
―チャ―ト図である。
【図5】除霜運転からの復帰直後におけるファン風量制
御の内容を示すフロ―チャ―ト図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 3 室外熱交換器 3b 室外ファン 5 電動膨張弁(減圧機構) 6 室内熱交換器 9 冷媒回路 12 記憶装置(記憶手段) 51 ファン停止制御手段 52 風量制御手段 53 低風量制限手段 Tha 室外吸込センサ(外気温度検出手段)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機(1)、風量可変な室外ファン
    (3b)を付設した室外熱交換器(3)、減圧機構
    (5)及び室内熱交換器(6)を順次接続してなる冷媒
    回路(9)を備えた空気調和装置において、 空気調和装置の除霜運転時、上記室外ファン(3b)を
    停止させるよう制御するファン停止制御手段(51)
    と、 上記室外熱交換器(3)の空気吸込側に配設され、吸込
    空気から外気温度を検出する外気温度検出手段(Tha)
    と、 除霜運転開始前における上記外気温度検出手段(Tha)
    の検出値を記憶するための記憶手段(12)と、 除霜運転の終了後一定時間を経過するまでの間、上記記
    憶手段(12)に記憶されている除霜運転開始前の外気
    温度に応じ、外気温度が高いほど上記室外ファン(3
    b)の風量を小さくするよう制御する風量制御手段(5
    2)とを備えたことを特徴とする空気調和装置の室外フ
    ァンの運転制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の空気調和装置の室外ファ
    ンの運転制御装置において、 圧縮機(1)はインバータを付設するものであり、 インバータの温度が所定値以上のときには、上記風量制
    御手段(52)で制御される室外ファン(3b)の風量
    を標準風量以上に制限する低風量制限手段(53)を備
    えたことを特徴とする空気調和装置の室外ファンの運転
    制御装置。
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