JP2757685B2 - 空気調和装置の運転制御装置 - Google Patents

空気調和装置の運転制御装置

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JP2757685B2
JP2757685B2 JP4142626A JP14262692A JP2757685B2 JP 2757685 B2 JP2757685 B2 JP 2757685B2 JP 4142626 A JP4142626 A JP 4142626A JP 14262692 A JP14262692 A JP 14262692A JP 2757685 B2 JP2757685 B2 JP 2757685B2
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世紀 井上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吐出冷媒の温度を制御
指標として電動膨張弁の開度を制御するようにした空気
調和装置の運転制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、空気調和装置の運転制御装置
として、例えば特開平4−98049号公報に開示され
るごとく、圧縮機、室外熱交換器、電動膨張弁及び室内
熱交換器を接続してなる冷媒回路を備えた空気調和装置
において、冷媒の蒸発温度と凝縮温度とから最適の冷凍
効果を与える吐出冷媒の最適温度を演算し、運転中に吐
出冷媒温度を検出して、この吐出冷媒温度が上記演算し
た最適温度になるよう電動膨張弁の開度を制御すること
により、圧縮機の容量制御を行わなくても、冷媒状態を
適正に維持しながら、空調の快適性を維持しようとする
ものは公知の技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のようないわ
ゆる吐出管温度制御は、下記のような原理に基づくもの
である。
【0004】すなわち、図5(a)のモリエル線図に示
すように、高圧側圧力をHp、低圧側圧力をLpとし、
圧縮機(1)におけるガス冷媒の入口温度をT1、出口
温度をTd(つまり、吐出冷媒温度Td)とすると、ポ
リトロ―プ圧縮において、下記式 Td=T1(Hp/Lp)n-1/n (但し、n はポリトロ―プ指数であって、圧縮機の形
式、容積等で定まる)が成立するが、高圧側圧力値Hp
は凝縮温度Tc、低圧側圧力値Lpは蒸発温度Teでそ
れぞれ置き換えることができ、また、過熱度Shは例え
ば2℃程度が最適と決定することにより、T1とTdと
の関係から最適温度Tkは決定され、結局、下記式 Tk=αTe+βTc+γ の形で表されることになる。
【0005】すなわち、最適温度Tkは蒸発温度Teと
凝縮温度Tcとの関数として表わされ、実験により、各
定数α,β及びγを決定することで、そのときの運転状
態に応じた最適温度Tkを決定することができる。その
場合、αは負の係数であり、βは正の係数である。そし
て、吐出冷媒温度Tdがこの最適温度Tkの付近例えば
Tk±5(℃)内に収束させるよう電動膨張弁の開度を
制御することにより、冷媒状態を良好に維持しながら、
最適の冷凍効果を得ることができる。
【0006】しかしながら、運転状態の過渡期などの条
件下では、凝縮温度Tc等が実際よりも低く検知される
ことがある。例えば室外熱交換器の液管に配置されたデ
ィアイサで凝縮温度Tcを検出するものでは、液冷媒の
偏流によって凝縮温度Tcが過冷却の分だけ実際より低
く検出されることがある。すると、最適温度Tkが図5
(b)の破線部分に示すように実際の値よりも低く算出
されるので、吐出冷媒の状態が同図の実線から破線側に
ずれる。このため、湿り運転状態となり、液圧縮等を生
じる虞れがあった。
【0007】そこで、演算された最適温度Tkに対し
て、その下限温度を設けることにより、湿り運転状態を
できる限り回避し、液圧縮を防止することが考えられる
が、湿り運転防止のために最適温度Tkの下限温度を一
定に設定すると、外気温度が低い条件下では、下記のよ
うな問題が生じる。すなわち、低外気条件下では、図5
(c)に示すように、冷凍サイクルが破線側にずれるの
で、最適温度Tkも同図一点鎖線に示す値が本来の値と
なる。しかるに、最適温度Tkの下限温度が同図点線の
ように設定されていると、最適温度Tkは点線以下には
ならない。その結果、電動膨張弁が十分開かれずに絞り
過ぎとなり、蒸発温度Teが下降するので、不要な凍結
防止運転に突入する虞れがある。
【0008】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、吐出冷媒温度の最適温度を下限温度
よりも高い領域に制限するとともに、外気温度に応じ
て、その下限温度を変更する手段を講ずることにより、
湿り運転及び凍結防止運転への突入を回避し、もって、
信頼性及び運転効率の向上を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の解決手段は、通常条件下では、吐出冷媒温
度の最適温度を所定の下限温度以上に制限するととも
に、低外気条件下では、その下限温度を外気温度が低く
なるにつれて低くするよう変更することにある。
【0010】具体的に、請求項1の発明の講じた手段
は、図1に示すように、圧縮機(1)、室外熱交換器
(3)、電動膨張弁(5)及び室内熱交換器(6)を順
次接続してなる冷媒回路(9)を備えた空気調和装置を
前提とする。
【0011】そして、空気調和装置の運転制御装置とし
て、冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出手段(The
又はThc)と、冷媒の凝縮温度を検出する凝縮温度検出
手段(Thc又はThe)と、上記蒸発温度検出手段(The
又はThc)及び凝縮温度検出手段(Thc又はThe)の出
力を受け、現在の冷媒の蒸発温度と凝縮温度とに対して
最適な冷凍効果を与える吐出冷媒の最適温度を演算する
最適温度演算手段(51)と、吐出冷媒の温度を検出す
る吐出温度検出手段(Th2)と、該吐出温度検出手段
(Th2)で検出される吐出冷媒温度が上記最適温度演算
手段(51)で演算された最適温度になるよう上記電動
膨張弁(5)の開度を制御する開度制御手段(52)と
を設けるものとする。
【0012】さらに、上記最適温度演算手段(51)で
演算される最適温度を所定の下限温度よりも高く制限す
る目標値制限手段(53)と、外気温度を検出する外気
温度検出手段(Tha)と、冷房運転時、該外気温度検出
手段(Tha)の出力を受け、外気温度が所定値以下のと
きには、上記最適温度の下限温度を外気温度が低くなる
につれて低下させるよう変更する下限温度変更手段(5
4)とを設ける構成としたものである。
【0013】請求項2の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、圧縮機(1)をスクロール形圧縮
機としたものである。
【0014】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、最適
温度演算手段(51)により、吐出冷媒温度の最適温度
が演算されると、開度制御手段(52)により、吐出冷
媒温度が最適温度に収束するよう電動膨張弁(5)の開
度が制御され、空気調和装置の運転が最適な冷凍効果を
与えるよう制御される。
【0015】そのとき、通常条件下では、凝縮温度検出
手段(Thc又はThe)の誤検知で凝縮温度が実際の値よ
りも低くなるなどに起因して最適温度が本来の値より低
い側にずれても、目標値制限手段(53)により、最適
温度が下限温度よりも高い領域に制限されるので、開度
制御手段(51)で制御される電動膨張弁(5)開度の
開き過ぎが規制され、湿り運転が回避されることにな
る。
【0016】一方、下限温度変更手段(54)により、
外気温度が所定値よりも低いときには、外気温度が低く
なるにつれて最適温度の下限温度が低下するように変更
されるので、冷凍サイクルの低圧力側への変化に対応し
て、電動膨張弁(5)開度の開き側への許容範囲が拡大
する。したがって、蒸発温度の過低下による凍結防止運
転への突入が回避されることになる。
【0017】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
の作用において、圧縮機(1)がスクロール側圧縮機で
あるので、冷媒の圧縮による比体積変化が小さく、吐出
ガス中における液冷媒の比が大きくても液圧縮に至る蓋
然性は極めて低い。したがって、最適温度の下限温度が
低い領域まで拡大され、湿り運転気味となっても、信頼
性が高く維持されることになる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図2以下の
図面に基づき説明する。
【0019】図2は実施例に係る空気調和装置の冷媒配
管系統を示し、インバータ(図示せず)により運転周波
数を可変に調節されるスクロール形圧縮機(1)と、冷
房運転時には図中実線のごとく、暖房運転時には図中破
線のごとく切換わる四路切換弁(2)と、冷房運転時に
は凝縮器として、暖房運転時には蒸発器として機能する
室外熱交換器(3)と、液冷媒を貯溜するためのレシー
バ(4)と、冷媒を減圧するための電動膨張弁(5)
と、冷房運転時には蒸発器として、暖房運転時には凝縮
器として機能する室内熱交換器(6)とが配置されてい
て、上記各機器は冷媒配管(8)により順次接続され、
冷媒の循環により熱移動を生ぜしめるようにした冷媒回
路(9)が構成されている。
【0020】また、上記冷媒回路(9)の液ラインに
は、レシーバ(4)上流側の点(P)及び電動膨張弁
(5)下流側の点(Q)と、室内熱交換器(6)に連通
する点(R)及び室外熱交換器(3)に連通する点
(S)との間を逆止弁等を介しブリッジ状に接続してな
る整流機構(20)が設けられている。該整流機構(2
0)において、上記点(P)と(S)との間は、室外熱
交換器(3)側からレシ―バ(4)への冷媒の流通のみ
を許容する第1逆止弁(D1)を介して第1流入管(8
b1)により、上記点(P)と(R)との間は、室内熱交
換器(6)側からレシ―バ(4)への冷媒の流通のみを
許容する第2逆止弁(D2)を介して第2流入管(8b
2)により、それぞれ接続されている一方、上記点
(Q)と(R)との間は電動膨張弁(5)側から室内熱
交換器(6)側への冷媒の流通のみを許容する第3逆止
弁(D3)を介して第1流出管(8c1)により、上記点
(Q)と上記点(S)との間は電動膨張弁(5)側から
室外熱交換器(3)側への冷媒の流通のみを許容する第
4逆止弁(D4)を介して第2流出管(8c2)により、
それぞれ接続されている。すなわち、冷暖房サイクルい
ずれにおいても、冷媒が凝縮器(3又は6)−レシーバ
(4)−電動膨張弁(5)−蒸発器(6又は3)の順に
流れるよう整流している。
【0021】また、レシーバ(4)の上部から電動膨張
弁(5)−点(Q)間の液管にガス冷媒をバイパスする
ためのガスバイパス路(4a)が開閉弁(SV)を介し
て設けられていて、レシーバ(4)に液冷媒を溜め込む
必要のあるときなど、開閉弁(SV)を開くことによ
り、レシーバ(4)内の冷媒圧力を低下させて、レシー
バ(4)の冷媒貯溜能力を維持するようになされてい
る。
【0022】そして、上記実施例では、圧縮機(1)の
吸入管にアキュムレータが配置されていず、冷房運転時
には室外熱交換器(3)と圧縮機(1)とが、暖房運転
時には室内熱交換器(6)と圧縮機(1)とがそれぞれ
直結される構造、つまり蒸発器と圧縮機(1)とが直結
されたアキュムレータレスの構造となっている。
【0023】さらに、空気調和装置にはセンサ類が設け
られていて、(Th2)は吐出管に配置され、吐出冷媒温
度である吐出管温度Tdを検出する吐出温度検出手段と
しての吐出管センサ、(Tha)は室外熱交換器(3)の
空気吸込口に配置され、外気温度Taを検出する外気温
度検出手段としての室外吸込センサ、(Thc)は室外熱
交換器(3)に配置され、冷房運転時に凝縮温度Tcを
検出する凝縮温度検出手段となり、暖房運転時には蒸発
温度Teを検出する蒸発温度検出手段となる外熱交セン
サ、(Thr)は室内熱交換器(6)の空気吸込口に配置
され、室内温度を検出する室内吸込センサ、(The)は
室内熱交換器(6)に配置され、冷房運転時に蒸発温度
Teを検出する蒸発温度検出手段となり、暖房運転時に
は凝縮温度Tcを検出する凝縮温度検出手段となる内熱
交センサ、(HPS)は高圧側圧力の過上昇によりオンと
なって保護装置を作動させる高圧圧力スイッチ、(LP
S)は低圧側圧力の過低下によりオンとなって保護装置
を作動させる低圧圧力スイッチである。
【0024】上記各センサ類の信号は、空気調和装置の
運転を制御するコントローラ(図示せず)に入力可能に
接続されており、該コントローラにより、上記各センサ
類の信号に応じて、空気調和装置の運転を制御するよう
になされている。
【0025】上記冷媒回路(9)において、冷房運転時
には、室外熱交換器(3)で凝縮液化された液冷媒が第
1流入管(8b1)から流入し、レシ―バ(4)に貯溜さ
れ、電動膨張弁(5)で減圧された後、第1流出管(8
c1)を経て室内熱交換器(6)で蒸発して圧縮機(1)
に戻る循環となる一方(図中実線矢印参照)、暖房運転
時には、室内熱交換器(6)で凝縮液化された液冷媒が
第2流入管(8b2)から流入し、第2逆止弁(D2)を
経てレシ―バ(4)に貯溜され、電動膨張弁(5)で減
圧された後、第2流出管(8c2)を経て室外熱交換器
(3)で蒸発して圧縮機(1)に戻る循環となる(図中
破線矢印参照)。
【0026】次に、吐出管温度制御の内容について、図
3のフロ―チャ―ト及び図4の下限温度設定特性に基づ
き説明する。
【0027】まず、ステップST1で、上記内熱交セン
サ(The),外熱交センサ(Thc),外気温度センサ
(Tha)及び吐出管センサ(Th2)で検出される蒸発温
度Te,凝縮温度Tc,外気温度Ta及び吐出管温度T
dを入力し、ステップST2で、最適吐出管温度Tkを
演算する。すなわち、最適吐出管温度Tkは、冷房運転
時には、下記式(1) Tk=−12.5−1.711 (Te−6)+1.930 (Tc+4) (1) により、暖房運転時には、下記式(2) Tk=−25.0−1.711 (Te−6)+1.930 (Tc+4) (2) により、それぞれ表わされる。
【0028】なお、上記式(1) 及び(2) において、(T
e−6)、(Tc+4)としたのは、連絡配管における
圧力損失の補正等のためであり、空気調和装置の構造に
よっては、単にTe及びTcを使用した式を用いること
ができる。
【0029】次に、ステップST3で蒸発温度Teにつ
いてTe<0か否かを、ステップST5で最適吐出管温
度Tkと上限値100(℃)とを比較してTk>100
か否かを、ステップST7で最適吐出管温度Tkと凝縮
温度Tcとを比較してTk<Tc+25(℃)か否かを
それぞれ判別し、Te<0であれば、低圧の低下を防止
すべくステップST4でTk=Tk+Teとし、Tk>
100であれば、吐出管の過熱を防止すべくステップS
T6でTk=100とし、Tk<Tc+25(℃)であ
れば、吐出管温度Tdが凝縮温度Tcに近付きすぎて湿
り運転に陥る虞れがあると判断して、ステップST8で
Tk=Tc+25(℃)とした後、ステップST9に進
む。
【0030】ステップST9では、冷房運転か否かを判
別し、冷房運転であれば、さらに、ステップST10
で、外気温度Taが所定値(5℃)よりも低いか否かを
判別して、Ta<5℃でなければ、ステップST11,
ST12で、最適吐出管温度Tkが下限温度60(℃)
以下となることを禁止する制御を行う(図4の領域参
照)。
【0031】一方、Ta<5(℃)であれば、ステップ
ST13,ST14で、最適吐出管温度Tkが下限温度
(2Ta+45(℃))以下となることを禁止する制御
を行う(図4の領域参照)。
【0032】そして、ステップST15で、現在の吐出
管温度Tdと最適吐出管温度Tkとの温度差ΔTd(=
Td−Tk)(℃)を演算し、ステップST16,ST
17で、Te<−25(℃)かつΔTd<0のときのみ
ΔTd=0とする電動膨張弁(5)の絞り過ぎ防止処理
を行った後、ステップST18で、電動膨張弁(5)の
開度変更のための駆動パルス演算を行う。つまり、下記
式(3) P=0.6 (ΔTd−ΔTd-4)+0.04(2ΔTd+ΔTd-2) +0.02(ΔTd−2ΔTd-2+ΔTd-4) (3) (ただし、ΔTd-2,ΔTd-4はそれぞれ2回前,4回
前の制御時における演算値)により、電動膨張弁(5)
の駆動パルス量Pを算出して、最適パルス値の演算制御
を終了する。
【0033】上記フローにおいて、ステップST2の制
御により、本発明にいう最適温度演算手段(51)が構
成され、ステップST15〜18の制御により、開度制
御手段(52)が構成されている。また、ステップST
11及びST12の制御により、目標値制限手段(5
3)が構成され、ステップST13及びST14の制御
により、下限温度変更手段(54)が構成されている。
【0034】したがって、上記実施例では、最適温度演
算手段(51)により、最適吐出管温度Tkが演算され
ると、開度制御手段(52)により、吐出管温度Tdが
最適吐出管温度Tkに収束するよう電動膨張弁(5)の
開度が制御され、空気調和装置の運転が最適な冷凍効果
を与えるよう制御される。
【0035】そのとき、運転状態によっては、例えば冷
媒の偏流がある場合など、外熱交センサ(Thc)で検出
される凝縮温度Tcが過冷却度のついた部分の温度を検
知することがあり、式(1) に基づき演算される最適吐出
管温度Tkが本来の値よりも低く算出されることがある
(図5(b)の破線側)。このように低い側にずれた最
適吐出管温度Tkを制御目標として制御すると、圧縮曲
線が図中破線に示すように湿り側にずれて、湿り運転に
陥る虞れがある。
【0036】ここで、通常条件下では、目標値制限手段
(53)により、最適吐出管温度Tkが下限温度(上記
実施例では60℃)よりも高い領域に制限されるので、
電動膨張弁(5)開度の開きすぎによる圧縮曲線の湿り
側への移行が規制され、上述のような湿り運転が回避さ
れることになる。
【0037】一方、外気温度Taが低くなると低圧側圧
力つまり蒸発温度Teが低下するが、最適吐出冷媒温度
Tkを下限値よりも高く制限することで、電動膨張弁
(5)の開度が絞り過ぎとなることがある。すなわち、
図5(c)のモリエル線図において、低外気条件下では
冷凍サイクルが図中破線部分に示すように、圧力の低く
なる方向にずれるので、最適吐出管温度Tkは同図一点
鎖線の値となるが、最適吐出冷媒温度Tkが所定の下限
値よりも高く例えば同図点線以上に制限されると、電動
膨張弁(5)開度が十分開かれずに蒸発温度Teが過低
下し、凍結防止運転に突入することがある。
【0038】ここで、上記実施例では、外気温度Taが
所定値(上記実施例では5℃)以下になると、下限温度
変更手段(54)により、外気温度Taが低くなるほど
最適吐出管温度Tkの下限温度を低下させるよう変更さ
れるので、蒸発温度Teの低下に応じて、電動膨張弁
(5)開度の開き側への許容範囲が拡大する。したがっ
て、蒸発温度Teの過低下が抑制され、凍結防止運転へ
の突入が回避されることになる。
【0039】なお、上記実施例では、圧縮機(1)をス
クロール側圧縮機としたが、本発明は必ずしもスクロー
ル形圧縮機を備えたものに限定されるものではなく往復
形圧縮機等にも適用される。しかし、特にスクロール形
圧縮機の場合、圧縮による冷媒の比体積の変化が1/3
程度と小さいため、吐出ガス中における液冷媒の割合が
高くても液圧縮に至る蓋然性は極めて低い。したがっ
て、最適吐出管温度Tkの下限温度を低くするよう変更
しても、信頼性を高く維持することができ、著効を発揮
することができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、冷媒の蒸発温度及び凝縮温度を検出し、この蒸
発温度と凝縮温度とから最適の冷凍効果を与える最適温
度を演算して、吐出管温度が最適温度に収束するよう電
動膨張弁の開度を制御するとともに、最適温度を下限温
度よりも高い領域に制限し、さらに外気温度が所定値よ
りも低いときには最適温度の下限温度を外気温度の低下
につれて低く変更するようにしたので、温度センサの誤
検知等に起因する湿り運転を回避しながら、電動膨張弁
開度の絞り過ぎによる凍結防止運転への突入を回避する
ことができ、よって、信頼性及び運転効率の向上を図る
ことができる。
【0041】請求項2の発明によれば、上記請求項1の
発明において、圧縮機をスクロール側圧縮機としたの
で、冷媒の圧縮による比体積変化が小さいという特性に
より、最適温度の下限温度を下方に変更しても液圧縮の
虞れを生じることなく上記請求項1の発明の効果を得る
ことができ、よって、著効を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例に係る空気調和装置の冷媒配管系統図で
ある。
【図3】最適吐出管温度制御の内容を示すフロ―チャ―
ト図である。
【図4】下限温度の外気温度に対する変化を示す特性図
である。
【図5】吐出管温度制御による冷凍サイクルの状態を説
明するモリエル線図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 3 室外熱交換器 5 電動膨張弁 6 室内熱交換器 9 冷媒回路 51 最適温度演算手段 52 開度制御手段 53 目標値制限手段 54 下限温度変更手段 Th2 吐出管センサ(吐出温度検出手段) The 内熱交センサ(蒸発温度検出手段) Thc 外熱交センサ(凝縮温度検出手段) Tha 室外吸込センサ(外気温度検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25B 1/00 304 F24F 11/02 102

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機(1)、室外熱交換器(3)、電
    動膨張弁(5)及び室内熱交換器(6)を順次接続して
    なる冷媒回路(9)を備えた空気調和装置において、 冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出手段(The又は
    Thc)と、冷媒の凝縮温度を検出する凝縮温度検出手段
    (Thc又はThe)と、上記蒸発温度検出手段(The又は
    Thc)及び凝縮温度検出手段(Thc又はThe)の出力を
    受け、現在の冷媒の蒸発温度と凝縮温度とに対して最適
    な冷凍効果を与える吐出冷媒の最適温度を演算する最適
    温度演算手段(51)と、吐出冷媒の温度を検出する吐
    出温度検出手段(Th2)と、該吐出温度検出手段(Th
    2)で検出される吐出冷媒温度が上記最適温度演算手段
    (51)で演算された最適温度になるよう上記電動膨張
    弁(5)の開度を制御する開度制御手段(52)とを備
    えるとともに、 上記最適温度演算手段(51)で演算される最適温度を
    所定の下限温度よりも高く制限する目標値制限手段(5
    3)と、 外気温度を検出する外気温度検出手段(Tha)と、 冷房運転時、該外気温度検出手段(Tha)の出力を受
    け、外気温度が所定値以下のときには、上記最適温度の
    下限温度を外気温度が低くなるにつれて低下させるよう
    変更する下限温度変更手段(54)とを備えたことを特
    徴とする空気調和装置の運転制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の空気調和装置の運転制御
    装置において、圧縮機(1)はスクロール形圧縮機であ
    ることを特徴とする空気調和装置の運転制御装置。
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