JPH05133427A - 四輪駆動車用駆動力伝達装置 - Google Patents

四輪駆動車用駆動力伝達装置

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JPH05133427A
JPH05133427A JP29163591A JP29163591A JPH05133427A JP H05133427 A JPH05133427 A JP H05133427A JP 29163591 A JP29163591 A JP 29163591A JP 29163591 A JP29163591 A JP 29163591A JP H05133427 A JPH05133427 A JP H05133427A
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JP
Japan
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force transmission
disc spring
shaft
transmission device
disc
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JP29163591A
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Hideyuki Ota
英幸 太田
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ベーンポンプによる伝達トルクの増大に応じ
て、作動部材43を多板クラッチの接続方向へ移動させ
るカム機構を有する。作動部材43を多板クラッチの遮
断方向に付勢する皿ばね44を、同一速度で回転される
部材43,49間に介在させた。 【効果】従来皿ばね44の両側に配置していた摩耗防止
用の鋼板等を不要にできる。部品点数、組立工数を削減
でき、製造コストを安くできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、四輪駆動車の駆動軸
と被駆動軸との間に介在して駆動力を伝達する四輪駆動
車用駆動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】四輪駆動車は、悪路走破性に優れている
だけでなく、一般道においても加速性や走行安定性に優
れていることから、急速に普及してきている。四輪駆動
車は、基本的には、前後輪を直結することにより実現で
きるが、このようにした場合、強固な四輪駆動状態が得
られるという利点がある一方、旋回走行時に前,後輪間
に生じる回転速度差が吸収できないため、いわゆるタイ
トコーナーブレーキング現象が発生し、旋回性能が悪化
するという難点がある。したがって、実用化されている
四輪駆動車は、前後輪間に適宜の駆動力伝達装置を介装
し、この駆動力伝達装置によって、所定の差回転を許容
した状態で前後輪を連結するようにしている。
【0003】この駆動力伝達装置として、前,後輪の一
方への伝動軸と連動回転されるケーシング内に、他方へ
の伝動軸と連動回転されるロータを収納して油圧ポンプ
(一般にはベーンポンプ)を構成した油圧ポンプ型のも
のが提供されている。この駆動力伝達装置においては、
ケーシングとロータとの間に形成されたポンプ室内に、
両伝動軸間の回転速度差に応じた油圧を発生させ、この
油圧を介して、前,後輪間での駆動力伝達が行われる。
【0004】この油圧ポンプ型の駆動力伝達装置におい
ては、伝達トルクは油圧ポンプ内に発生可能な油圧に依
存するのに対して、発生可能な油圧に限界があることか
ら、高い伝達トルクを得ることが困難であった。そこ
で、両伝動軸間に介在し、作動部材の移動によって押圧
されて両軸を直結することのできる多板クラッチと、油
圧ポンプによる伝達トルクの増大に伴って、上記作動部
材を多板クラッチの接続方向へ移動させるカム機構と、
多板クラッチの作動部材を、多板クラッチの切断方向に
付勢する皿ばねとを備えた油圧ポンプ・多板クラッチ併
用型の駆動力伝達装置が提案されている(例えば特願平
2−61737号参照)。この併用型の駆動力伝達装置
においては、脱輪等で前,後輪間に大きな回転速度差が
生じた場合に、前、後輪を直結して高い伝達トルクを実
現できるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この併用型の
駆動力伝達装置においては、皿ばねを、ロータ側と連動
回転される作動部材と、これに相対回転される部材(例
えば駆動力伝達装置のハウジング)との間に介在してい
たので、皿ばねとこれらの部材との間に相対回転を生
じ、皿ばねやこれらの部材に摩耗が発生する。この摩耗
の発生を防止するために、皿ばねとこれらの部材との間
に、摩擦係数の小さい鋼板等からなる摩耗防止用の部材
を配置していた。このため、部品点数や組立工数が多く
なり、製造コストが高くなるという問題があった。
【0006】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、皿ばねの両側に配置される摩耗防止用の部
材を不要にでき、製造コストを安くできる四輪駆動車用
駆動力伝達装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
のこの発明の四輪駆動車用駆動力伝達装置は、駆動軸及
び被駆動軸の何れか一方と連動回転するケーシング内
に、他方と連動回転するロータを収容し、両者の回転速
度差に応じて発生させた油圧を介して両者間にトルクを
伝達する油圧ポンプと、駆動軸及び被駆動軸の間に介在
し、作動部材の移動によって押圧されることにより摩擦
係合して両軸を直結することのできる多板クラッチと、
油圧ポンプによる伝達トルクの増大に伴って、上記作動
部材を多板クラッチの接続方向へ直接又は間接的に移動
させるカム機構と、多板クラッチの作動部材を、多板ク
ラッチの遮断方向へ直接または間接的に付勢する皿ばね
とを備えた四輪駆動車用駆動力伝達装置において、上記
皿ばねを、同一速度で回転する部材どうしの間に介在さ
せていることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】上記構成の四輪駆動車用駆動力伝達装置によれ
ば、油圧ポンプによる伝達トルクが増大すると、カム機
構によって作動部材が多板クラッチの接続方向へ移動さ
れ、これにより、多板クラッチが直結される。油圧ポン
プによる伝達トルクが減少すると、皿ばねによって作動
部材が多板クラッチの遮断方向へ戻され、多板クラッチ
が遮断される。上記皿ばねを、同一速度で回転される部
材どうしの間に介在させているので、皿ばねとこれらの
部材との間に摩耗が発生するのを防止することができ
る。
【0009】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面に基づいて説明
する。図2は、この発明の一実施例としての四輪駆動車
用駆動力伝達装置を示す概略断面図である。同図を参照
して、この四輪駆動車用駆動力伝達装置Aは、リヤ側の
デファレンシャルとなるものであり、推進軸からなる駆
動軸(図示せず)と、左側後輪と一体的に回転する左側
被駆動軸L、及び右側後輪と一体的に回転する右側被駆
動軸Rとの間のトルク伝達を行うものである。
【0010】駆動軸側とドライブギア11を介して連動
回転するデファレンシャルケース1内に、遊星ギア機構
からなる差動装置2、油圧ポンプとしてのベーンポンプ
3、多板クラッチ4、カム機構5、及び多板クラッチ4
の作動部材43を多板クラッチ4の遮断方向に付勢する
皿ばね44が設けられている。図1を参照して、この皿
ばね44は、後述する連結軸6のスプライン部6aに形
成された周溝6bに固定され、連結軸6と一体回転する
スナップリング49と、上記スプライン部6aにスプラ
イン結合されて連結軸6と一体回転する上記作動部材4
3との間に介在されている。皿ばね44は、連結軸6、
スナップリング49及び作動部材43と一体回転する。
【0011】図2を参照して、差動装置2は、デファレ
ンシャルケース1の内周に一体に形成されたリングギア
21と、右側被駆動軸Rに連結軸6を介して一体回転可
能に結合されたサンギア20と、リングギア21及びサ
ンギア20にそれぞれ噛合し両者の差回転に応じて公転
する遊星ギア22,23の組みと、左側被駆動軸Lと一
体回転すると共に、上記遊星ギア22,23を自転自在
に保持するキャリア24とを備えている。差動装置2
は、デファレンシャルケース1の回転速度が両被駆動軸
L,Rの平均速度に等しくすると共に、両被駆動軸L,
Rどうしの差回転を吸収するものであり、これが可能と
なるように、各ギアの歯数が設定されている。
【0012】上記遊星ギア22,23の組みは、例え
ば、図3に示すように周方向に3等配してある。半径方
向内側に位置しサンギア20に噛合する遊星ギア22
と、外側に位置しリングギア21に噛合する遊星ギア2
3とは相互に噛合させてある。このように2個1組の遊
星ギア22,23を用いてあるのは、サンギア20及び
リングギア21の回転方向、即ち両被駆動軸L,Rの回
転方向と同方向とするためであり、これらの回転方向が
逆方向であっても良い場合には、サンギア20とリング
ギア21との間に双方に噛合する遊星ギアを配すれば良
い。
【0013】また、図3に示すように、遊星ギア22,
23の回転軸27,28をサンギア20及びリングギア
21の半径方向に対して傾斜する線上に配することによ
り、リングギア21の外径寸法を小さくして、差動装置
2の小型化を図ってある。図2に示すように、キャリア
24は、ボス部24aの右端部の外径方向にフランジ部
24bを延設している。遊星ギア22,23の回転軸2
7,28は、フランジ部24bと支承板26との間に架
設されている。
【0014】図2を参照して、サンギア20の一端部2
0aは、上記キャリア24のフランジ部24bに形成さ
れた段部に相対回転自在に嵌合されている。サンギア2
0の内周部は、上記連結軸6の端部とスプライン結合し
ており、サンギア20は、右側被駆動軸Rと一体回転す
る。サンギア20の他端部20bは、上記スナップリン
グ49により、連結軸6に対して軸方向に位置決めされ
ている。これにより、キャリア24、サンギア20、ス
ナップリング49及び連結軸6の複数の部材が軸方向に
一体的に移動できるようになっている。また、キャリア
24のボス部24aの左端部とデファレンシャルケース
1の内側面との間には、上記複数の部材のデファレンシ
ャルケース1に対する軸方向位置を調整するシム70が
介在されている。一方、作動部材43は、カム機構5、
ベーンポンプ3及び後述するスライドメタル15を介し
てデファレンシャルケース1に対して軸方向に位置決め
されている。したがって、シム70の厚みを調整してデ
ファレンシャルケース1と連結軸6とを軸方向に相対変
位させ、連結軸6に固定されたスナップリング49とデ
ファレンシャルケース1側に位置決めされた作動部材4
3との軸方向の距離を調整することにより、皿ばね44
のばね荷重を調整することができる。ここで、シム70
をデファレンシャルケース1の左端部側に配置したの
で、デファレンシャルケース1の所定部を分解して取り
外すだけで、シム70の厚みを容易に調整することがで
きる。
【0015】図2、図4および内圧発生の原理を示す図
5を参照して、ベーンポンプ3は、ロータ31と、この
ロータ31を内包すると共に、一対のサイドプレート
9,10によって挟持されて、ロータ31との間に複数
のポンプ室を形成したカムリング32と、ロータ31の
外周の収容溝から突出し、圧縮コイルばね33によって
カムリング32の内面に押圧され、上記ポンプ室を作動
室A,Bに仕切る複数のベーン34とにより主要部が構
成されている。サイドプレート9,10及びカムリング
32は、ボルト80によって一体回転可能に連結され、
ベーンポンプ3のケーシング30を構成している。
【0016】ベーン34には、図5に示すように、当該
ベーン34によって仕切られた作動室Aと作動室Bとの
間のオイルの流通を許容するオリフィス34aが設けら
れている。また、各ベーン34の収容溝の下部を互いに
連通させるように、ロータ31の両側面に凹部31a,
31bが設けられている。これらの凹部31a,31b
は、サイドプレート10に内蔵された各別の油路38
a,38b(図2および図4においては油路38aのみ
を示した)を介して、作動室A,Bと連通されている。
すなわち、作動室A,Bのうちの高圧となった側の作動
室からの圧油が、ベーン34をカムリング32の内周壁
に向かって押し付けるように働き、カムリング32内周
壁に対するベーン34の密着性が高められている。な
お、各油路38a,38bには、ベーン下部側へのオイ
ルの流通のみを許容するボール弁等からなるチェックバ
ルブ39a,39bがそれぞれ配設されているので、作
動室A,Bのうちの低圧側の作動室と凹部31a,31
bとを結ぶ油路に設けられているチェックバルブは閉
じ、低圧側の作動室の圧力が高くなるのを防止する。
【0017】ロータ31は、キー81によって連結軸6
に対して一体回転可能に結合され、これにより、右側被
駆動軸Rに一体回転可能とされている。また、ロータ3
1は、連結軸6の軸方向に移動自在である。サイドプレ
ート10とデファレンシャルケース1との間には、ケー
シング30とデファレンシャルケース1との相対回転を
規制し、且つベーンポンプ3による伝達トルクの増大時
に、ケーシング30を多板クラッチ4側へ押圧すること
により、ベーンポンプ3を介して作動部材43を多板ク
ラッチ4の接続方向へ移動させる上記カム機構5が介在
している。
【0018】カムリング32は、カム機構5を介してデ
ファレンシャルケース1と連動回転する。サイドプレー
ト9の外周部は、カムリング32の外周部を覆った状態
でサイドプレート10の外周部まで延びており、サイド
プレート9、カムリング32及びサイドプレート10
は、Oリング66によって互いの間を密封されている。
サイドプレート9と連結軸6との間、およびサイドプレ
ート10と連結軸6との間は、シール64,65によっ
て液密状態を保ちながら相対移動可能なようになされて
いる。
【0019】次に、ベーンポンプ3の働きについて説明
する。図5では、ロータ31が、カムリング32に対し
て相対的に時計回りに回転する状態が示されている。ベ
ーン34に設けられたオリフィス34aが小径のため、
オイルは回転方向下流側である作動室Aから回転方向上
流側である作動室Bに流出抵抗をもって移動する。その
結果、作動室A内に高圧力が発生し、この高圧力は、ベ
ーン34とカムリング32とで囲まれた作動室Aにピス
トン圧として作用し、トルク伝達媒体となってロータ3
1からカムリング32へトルクが伝達される。なお、上
記の圧力は、ロータ31とカムリング32との間の回転
数差が大きいほど大きく、デファレンシャルケース1と
右側被駆動軸Rとの回転速度差に応じたトルクが伝達さ
れる。
【0020】図2を参照して、多板クラッチ4は、デフ
ァレンシャルケース1にスプライン結合され、軸方向に
移動自在な複数の環状のアウタプレート41と、上記作
動部材43と、この作動部材43にスプライン結合さ
れ、上記アウタープレート41に交互に組み合わされた
環状のインナープレート42とを備えている。複数のア
ウタプレート41のうち、最も差動装置2寄りのもの
は、受け部材47によって受けられている。この受け部
材47は、デファレンシャルケース1の内周溝に固定さ
れたスナップリング48によって、デファレンシャルケ
ース1に対して相対的に差動装置2側へ移動することが
止められている。一方、複数のインナプレート42のう
ち、差動装置2側から最も離れたものは、受け部材46
によって受けられている。この受け部材46は、作動部
材43の外周溝に固定されたスナップリング45によっ
て、作動部材43に対して相対的に差動装置2から遠ざ
かる方向への移動が止められている。作動部材43を両
プレート41,42が離反する方向に付勢する皿ばね4
4とを有している。多板クラッチ4の作動部材43とベ
ーンポンプ3のサイドプレート9との間には、両者の相
対回転による抵抗を減ずるためのスライドメタル15が
介在させてある(図1参照)。
【0021】図2、図6及び図7を参照して、カム機構
5は、サイドプレート10に形成されたカム面10a
と、デファレンシャルケース1の内側面に形成されたカ
ム面1aとの間にボール51を介在させたボールカム機
構からなる。両カム面10a,1aは、円周上に沿って
波形に凹入形成されている。両カム面10a,1a及び
ボール51は、対をなして、円周等配に複数対が配置さ
れている。このカム機構5には、作動部材43、スライ
ドメタル15及びベ−ンポンプ3のケーシング30を介
して、皿ばね44による軸方向の付勢力が働いているの
で、連結軸6とデファレンシャルケース1との回転数差
が小さい状態では、上記付勢力によって両カム面10
a,1aは、図6に示すように組み合わされている。そ
して、両カム面10a,1aは、上記回転速度差が所定
以上となって、図7に示すように、回転方向に相対的な
ずれを生じることにより、両者間の軸方向の距離を遠ざ
け、皿ばね44に抗して、ベーンポンプ3を介して作動
部材43を多板クラッチ4の接続方向に押圧する。
【0022】次に、駆動力伝達装置A全体の作動につい
て説明する。通常は、ベーンポンプ3が、デファレンシ
ャルケース1と右側被駆動軸Rとの間に生じた回転速度
差に応じて発生させた油圧によって、駆動軸側と右側被
駆動軸Rとの差動が制限されることにより、差動装置2
による両被駆動軸L,Rの差動が制限され、両被駆動軸
L,Rへの適正なトルク配分が行われる。そして、例え
ば左右輪の一方が脱輪して空転し、他方が停止してしま
った場合等で、デファレンシャルケース1と右側被駆動
軸Rとの回転速度差が著しく増大し、ベーンポンプ3に
よる伝達トルクが増大すると、カム機構5がベーンポン
プ3を介して作動部材43を多板クラッチ4の接続方向
へ移動させて多板クラッチ4を直結状態とすることによ
り、デファレンシャルケース1と両被駆動軸L,Rとを
一体的に回転させて、伝達トルクを急激に増大させる
(図8の実線参照)。
【0023】この実施例によれば、多板クラッチ4を遮
断方向に付勢する皿ばね44を、互いに連結軸6に一体
回転するスナップリング49及び作動部材43の間に、
すなわち同一速度で回転される部材どうしの間に介在さ
せているので、皿ばね44とこれらの部材との間には、
相対回転が生じない。したがって、従来皿ばね44とこ
れらの部材との間に介在させていた、摩耗防止用の鋼板
等を不要にすることができ、部品点数、及び組立工数を
削減でき、製造コストを安価にすることができる。
【0024】また、所要時における高トルク伝達は、多
板クラッチ4を介して行うので、ベーンポンプ3に高圧
力を発生させる必要がなく、したがって、ベーンポンプ
3としては、小型のものを使用でき、駆動力伝達装置A
全体の小型化を実現できる。しかも、上記ベーンポンプ
3の発生油圧特性は、オリフィス34aの調整や、油路
に設けたバルブの調整によって、所望の油圧特性を容易
に得ることができる。且つ、カム機構5のカム面10
a,1aの形状を変更したり、上記のシム70の厚み調
整によって、皿ばね44の付勢力を調整することによ
り、ベーンポンプ3の多板クラッチ4への押圧力を可変
することができ、これにより、容易に伝達トルクの立ち
上がり特性を調整することができる(例えば、図8の破
線参照)。特に、上記のシム70がデファレンシャルケ
ース1の直ぐ内側に配置されているので、デファレンシ
ャルケース1の一部を取り外すだけで容易に上記伝達ト
ルクの調整を行うことができ、調整工数を大幅に削減す
ることができる。そして、これらベーンポンプ3の発生
油圧特性及びカム機構5の伝動特性を適宜調整すること
によって、伝達トルクの特性を容易に調整できるので、
アンチ・スキッド・ブレーキ装置(ABS)と容易にマ
ッチングさせることができる。
【0025】さらに、上記トルクの急激な増大は、カム
機構5によって機械的に行うようにしており、ビスカス
・カップリングのような爆発的な内圧上昇によって行う
ものではないので、ビスカス・カップリングのような耐
久性の低下という虞もない。しかも、多板クラッチ4及
びベーンポンプ3の両者間に、スライドメタル15を介
在しているので、当該スライドメタル15によって、上
記両者の相対回転による両者間のすべり摩擦力の発生を
抑えることができ、摩擦トルクの付加による両被駆動軸
間の伝達トルクを、特に低速回転域において、(図8に
おいて例えば一点鎖線から実線へ)大幅に低減すること
ができる。
【0026】また、サンギア20の一端部20aをキャ
リア24の段部に相対回転自在に嵌合して、両者を重合
させていると共に、多板クラッチ4の、両プレート4
1,42を、ベーンポンプ3の外方位置に配置している
ので、駆動力伝達装置A全体の軸方向の寸法を短くする
ことができ、装置全体を一層小型化できる。なお、この
発明は、上記実施例に限定されるものではなく、例え
ば、カム機構として、波形のカム面どうしを接触させる
等の他の公知のカム機構を用いることができる。また、
スライドメタル15に代えて、他の公知のスラスト軸受
を用いることができる。
【0027】その他、この発明の四輪駆動車用駆動力伝
達装置を前輪側のデファレンシャルに適用すること、ま
た、いわゆるセンターデフに適用すること、さらには、
デファレンシャルに組み込まないものとして構成するこ
と等、この発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変
更を施すことができる。
【0028】
【発明の効果】この発明によれば、作動部材を多板クラ
ッチの遮断方向に付勢する皿ばねを、同一速度で回転さ
れる部材どうしの間に介在させているので、当該皿ばね
とこれらの部材との間には、相対回転が生じない。した
がって、従来皿ばねとこれらの部材との間に介在させて
いた、摩耗防止用の鋼板等を不要にすることができ、部
品点数、及び組立工数を削減でき、製造コストを安価に
することができるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例としての四輪駆動車用駆動
力伝達装置の要部断面図である。
【図2】四輪駆動車用駆動力伝達装置の概略断面図であ
る。
【図3】差動装置を示す概略断面図である。
【図4】ベーンポンプの要部断面図である。
【図5】ベーンポンプの働きを示す模式的断面図であ
る。
【図6】カム機構の要部断面図である。
【図7】カム機構の要部断面図である。
【図8】回転速度差と伝達トルクの関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
3 ベーンポンプ(油圧ポンプ) 4 多板クラッチ L 被駆動軸 R 被駆動軸 43 作動部材 44 皿ばね

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動軸及び被駆動軸の何れか一方と連動回
    転するケーシング内に、他方と連動回転するロータを収
    容し、両者の回転速度差に応じて発生させた油圧を介し
    て両者間にトルクを伝達する油圧ポンプと、 駆動軸及び被駆動軸の間に介在し、作動部材の移動によ
    って押圧されることにより摩擦係合して両軸を直結する
    ことのできる多板クラッチと、 油圧ポンプによる伝達トルクの増大に伴って、上記作動
    部材を多板クラッチの接続方向へ直接又は間接的に移動
    させるカム機構と、 多板クラッチの作動部材を、多板クラッチの遮断方向へ
    直接または間接的に付勢する皿ばねとを備えた四輪駆動
    車用駆動力伝達装置において、 上記皿ばねを、同一速度で回転する部材どうしの間に介
    在させていることを特徴とする四輪駆動車用駆動力伝達
    装置。
JP29163591A 1991-11-07 1991-11-07 四輪駆動車用駆動力伝達装置 Pending JPH05133427A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6581745B2 (en) 2000-09-14 2003-06-24 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Driving force distributing apparatus for a four-wheel drive vehicle

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