JPH05132994A - 雨水等の時間差排水方法 - Google Patents
雨水等の時間差排水方法Info
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- JPH05132994A JPH05132994A JP32133991A JP32133991A JPH05132994A JP H05132994 A JPH05132994 A JP H05132994A JP 32133991 A JP32133991 A JP 32133991A JP 32133991 A JP32133991 A JP 32133991A JP H05132994 A JPH05132994 A JP H05132994A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 路盤,路肩,よう壁,低地などに一時的に降
った大雨等の水による被害を防止すること。 【構成】 上方から侵入する雨水等の水を貯溜に要した
時間以上の時間をかけて徐々に排出する一時貯溜槽1を
一つ又は複数積層して地盤内に埋設したこと。
った大雨等の水による被害を防止すること。 【構成】 上方から侵入する雨水等の水を貯溜に要した
時間以上の時間をかけて徐々に排出する一時貯溜槽1を
一つ又は複数積層して地盤内に埋設したこと。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、地盤,路肩,よう
壁,低地などに一時的に降った大雨等の水による被害を
防止するための雨水等の時間差排水方法に関する。
壁,低地などに一時的に降った大雨等の水による被害を
防止するための雨水等の時間差排水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、道路などを建設する場合には、図
13に示すように、下部地盤18の上に盛土して盛土地
盤20を形成し、その上面にアスファルト21などを敷
設することによって行っている。そして、この場合、盛
土地盤20の傾斜面27の内側に傾斜面27とほぼ平行
に不透水シート28を入れて、傾斜面27から浸入する
雨水等が、盛土地盤20内に深く浸入しないようにして
いる。そして又、盛土地盤20内や不透水シート28の
表面を通過してきた雨水等は、盛土地盤20の下方側面
に設けられた排水溝29へ集められて、下水や川などに
流される。又、盛土による下部地盤18の圧密沈下や滑
りを防止するために、例えば、図14に示すように、下
部地盤18上に軽量で耐圧性のある発泡合成樹脂体19
を積層し、その上方に必要に応じて表面部材30を被せ
て積層した発泡合成樹脂体19の分離等を防止した後、
盛土して盛土地盤20を形成し、舗装して道路を敷設し
たりしている。又、歩道や道路などにはその表面に降っ
た雨水を処理するために、表面に傾斜を形成し、その傾
斜下方に集水溝や排水口を設けて、雨水等が溜ることな
く排水がスムーズに行え、通行の妨げにならないように
している。
13に示すように、下部地盤18の上に盛土して盛土地
盤20を形成し、その上面にアスファルト21などを敷
設することによって行っている。そして、この場合、盛
土地盤20の傾斜面27の内側に傾斜面27とほぼ平行
に不透水シート28を入れて、傾斜面27から浸入する
雨水等が、盛土地盤20内に深く浸入しないようにして
いる。そして又、盛土地盤20内や不透水シート28の
表面を通過してきた雨水等は、盛土地盤20の下方側面
に設けられた排水溝29へ集められて、下水や川などに
流される。又、盛土による下部地盤18の圧密沈下や滑
りを防止するために、例えば、図14に示すように、下
部地盤18上に軽量で耐圧性のある発泡合成樹脂体19
を積層し、その上方に必要に応じて表面部材30を被せ
て積層した発泡合成樹脂体19の分離等を防止した後、
盛土して盛土地盤20を形成し、舗装して道路を敷設し
たりしている。又、歩道や道路などにはその表面に降っ
た雨水を処理するために、表面に傾斜を形成し、その傾
斜下方に集水溝や排水口を設けて、雨水等が溜ることな
く排水がスムーズに行え、通行の妨げにならないように
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図13
のように不透水シート28を用いた場合には、盛土地盤
20の上面から浸入してきた雨水等は不透水シート28
の裏面側の盛土地盤20内に浸入して、水溜り31を形
成し、これが急激に破裂して傾斜面27が崩れてAに示
すように盛土地盤20が崩壊するという問題点がある。
又、発泡合成樹脂成形体19を使用した場合、図14の
例では、道路上に降った雨等は、路肩の方へ流れ出てそ
のまま盛土地盤20内に浸入して落下してゆくが、表面
部材30に沿って流下するため、Aに示すように、盛土
地盤20に破損が生じたり、水の通水路空間が形成され
たものが潰れて盛土地盤20の表面に凹部が生じたりす
る問題点がある。
のように不透水シート28を用いた場合には、盛土地盤
20の上面から浸入してきた雨水等は不透水シート28
の裏面側の盛土地盤20内に浸入して、水溜り31を形
成し、これが急激に破裂して傾斜面27が崩れてAに示
すように盛土地盤20が崩壊するという問題点がある。
又、発泡合成樹脂成形体19を使用した場合、図14の
例では、道路上に降った雨等は、路肩の方へ流れ出てそ
のまま盛土地盤20内に浸入して落下してゆくが、表面
部材30に沿って流下するため、Aに示すように、盛土
地盤20に破損が生じたり、水の通水路空間が形成され
たものが潰れて盛土地盤20の表面に凹部が生じたりす
る問題点がある。
【0004】又、集水溝や排水口によって処理する場合
でも、夕立ちのように一時的に大雨が降ったような場合
には、それらの処理能力を越えて、歩道や道路の表面に
雨水が溢れ出て、車や人の通行の妨げになることが生じ
ている。これは、集水溝や排水口などは平均又は平均よ
りやや多目の雨を想定してできるだけ経済的に、しかも
スペースを有効に活用できることを考慮して設計されて
いることに起因するものであるので、このような設計思
想等を一時的なものの処理のために大巾に変更して、経
済性,スペースの有効利用等を犠牲にすることは困難な
ために不便を強いられているという問題点がある。
でも、夕立ちのように一時的に大雨が降ったような場合
には、それらの処理能力を越えて、歩道や道路の表面に
雨水が溢れ出て、車や人の通行の妨げになることが生じ
ている。これは、集水溝や排水口などは平均又は平均よ
りやや多目の雨を想定してできるだけ経済的に、しかも
スペースを有効に活用できることを考慮して設計されて
いることに起因するものであるので、このような設計思
想等を一時的なものの処理のために大巾に変更して、経
済性,スペースの有効利用等を犠牲にすることは困難な
ために不便を強いられているという問題点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は上記事情に鑑
みてなされたものであって、その手段とするところは、
上方から浸入する雨水等の水を貯溜に要した時間以上の
時間をかけて徐々に排出する一時貯溜槽を地盤内に埋設
したことにあり、又、一時貯溜槽が通水蓋板と貯溜槽と
で構成されるところにある。
みてなされたものであって、その手段とするところは、
上方から浸入する雨水等の水を貯溜に要した時間以上の
時間をかけて徐々に排出する一時貯溜槽を地盤内に埋設
したことにあり、又、一時貯溜槽が通水蓋板と貯溜槽と
で構成されるところにある。
【0006】
【作用】上記手段によれば、通常の雨のような場合は当
然のこと、夕立のように一時的に大雨が降った場合であ
っても、地盤内等を通じて上方から浸入する雨水等を一
時的に貯溜するので、盛土地盤が自然に吸収する雨水等
の限度以上の量や、又、集水溝や排水口の処理能力を越
える以上の量の雨水等が排出されなく、前記した諸問題
の解決が図られる。更に、一時貯溜槽に溜っている雨水
等は、貯溜に要した以上の時間をかけて徐々に排水され
るために、排水溝や、集水溝あるいは排水口の処理能力
以下の流量となるので、何らの支障が生ずることもな
く、しかも、一時貯溜槽内は時間の経過と共に完全にな
るので次の雨等に備えることができる。複数積層した場
合にはより多くの雨水等を一時貯溜することができる。
又、一時貯溜槽を通水蓋板と貯溜槽で構成することによ
って、その内部に貯溜用の室を形成し易くなる。
然のこと、夕立のように一時的に大雨が降った場合であ
っても、地盤内等を通じて上方から浸入する雨水等を一
時的に貯溜するので、盛土地盤が自然に吸収する雨水等
の限度以上の量や、又、集水溝や排水口の処理能力を越
える以上の量の雨水等が排出されなく、前記した諸問題
の解決が図られる。更に、一時貯溜槽に溜っている雨水
等は、貯溜に要した以上の時間をかけて徐々に排水され
るために、排水溝や、集水溝あるいは排水口の処理能力
以下の流量となるので、何らの支障が生ずることもな
く、しかも、一時貯溜槽内は時間の経過と共に完全にな
るので次の雨等に備えることができる。複数積層した場
合にはより多くの雨水等を一時貯溜することができる。
又、一時貯溜槽を通水蓋板と貯溜槽で構成することによ
って、その内部に貯溜用の室を形成し易くなる。
【0007】
【実施例】この発明の実施例について以下図に基づいて
説明する。この発明は、図1乃至図4に示す実施例のよ
うに、地盤内に埋設した一時貯溜槽1によって、地盤内
に上方から浸入する雨水等を貯溜すると共に貯溜に要し
た時間以上の時間をかけて徐々に排出し、地盤内に一時
的に多量の水が浸入するのを防止するものである。
説明する。この発明は、図1乃至図4に示す実施例のよ
うに、地盤内に埋設した一時貯溜槽1によって、地盤内
に上方から浸入する雨水等を貯溜すると共に貯溜に要し
た時間以上の時間をかけて徐々に排出し、地盤内に一時
的に多量の水が浸入するのを防止するものである。
【0008】一時貯溜槽1は、図7乃至図9に示す第1
実施例のもの、図10乃至図12に示す第2実施例のも
のがあるが、まず、第1実施例について説明する。第1
実施例の一時貯溜槽1は、発泡合成樹脂体からなる貯溜
槽2と通水蓋板3からなる。貯溜槽2は上方が開口し、
中央に仕切枠4を2つ形成した矩形の箱で、その内部に
雨水等を貯えることができる。仕切枠4で区分けされた
3つの室5の底面6には、それぞれ雨水等を少しずつ通
過させる小透孔7が設けられている。この小透孔7は貯
溜槽2の下方側面に設けてもよい。又、仕切枠4の上部
及び貯溜槽2の上方側面には、各室5へ浸入した雨水等
が一杯になった時に隣の室5へ流入できるようにするた
めの通過口8及び貯溜槽2外へ流出するための溢水口9
が設けられている。そして、この溢水口9から流出され
る雨水等が流出し易いように流出溝10が貯溜槽2の側
面に形成されていると共にその底面6の裏側にはこの流
出した雨水等が通過し易いように通水溝を形成するため
の台座11が設けられている。又、貯溜槽2の上面の周
囲には、通水蓋板3を嵌着するための嵌着溝12が通水
蓋板3の裏面の周囲に形成した嵌着突起13に対応して
形成されている。
実施例のもの、図10乃至図12に示す第2実施例のも
のがあるが、まず、第1実施例について説明する。第1
実施例の一時貯溜槽1は、発泡合成樹脂体からなる貯溜
槽2と通水蓋板3からなる。貯溜槽2は上方が開口し、
中央に仕切枠4を2つ形成した矩形の箱で、その内部に
雨水等を貯えることができる。仕切枠4で区分けされた
3つの室5の底面6には、それぞれ雨水等を少しずつ通
過させる小透孔7が設けられている。この小透孔7は貯
溜槽2の下方側面に設けてもよい。又、仕切枠4の上部
及び貯溜槽2の上方側面には、各室5へ浸入した雨水等
が一杯になった時に隣の室5へ流入できるようにするた
めの通過口8及び貯溜槽2外へ流出するための溢水口9
が設けられている。そして、この溢水口9から流出され
る雨水等が流出し易いように流出溝10が貯溜槽2の側
面に形成されていると共にその底面6の裏側にはこの流
出した雨水等が通過し易いように通水溝を形成するため
の台座11が設けられている。又、貯溜槽2の上面の周
囲には、通水蓋板3を嵌着するための嵌着溝12が通水
蓋板3の裏面の周囲に形成した嵌着突起13に対応して
形成されている。
【0009】通水蓋板3は、貯溜槽2の上方開口部を塞
ぎ、その上面に荷重が掛っても耐え得、且つ、通水機能
を有する構造のものである。この実施例では、通水蓋板
3の表面の縦方向に複数の縦溝14を深さが2/3程度
で形成し、通水蓋板3の裏面の横方向に複数の横溝15
を深さが2/3程度で形成することによって、その2つ
の縦溝14と横溝15の交差点において表面から裏面へ
貫通する通水孔16が形成されたものである。
ぎ、その上面に荷重が掛っても耐え得、且つ、通水機能
を有する構造のものである。この実施例では、通水蓋板
3の表面の縦方向に複数の縦溝14を深さが2/3程度
で形成し、通水蓋板3の裏面の横方向に複数の横溝15
を深さが2/3程度で形成することによって、その2つ
の縦溝14と横溝15の交差点において表面から裏面へ
貫通する通水孔16が形成されたものである。
【0010】この実施例における貯溜槽2及び通水蓋板
3の材質としては、発泡合成樹脂成形体のように軽く、
ある程度の弾性力があり、しかも上方からの荷重に強い
ものが有効であるが、コンクリート体、合成樹脂体、防
錆金属板、木板などの材質であってもよい。又、貯溜槽
2に仕切枠4によって複数の室5を形成したが、この室
5の数はとくに限定されるものではない。この仕切枠4
の存在によって通水蓋板3にかかる荷重を貯溜槽2の周
側上面以外でも支えることができ、より大きな荷重に耐
えることができるが、コンクリート体などのように丈夫
な材質を使用した際には特に必要ではない。更に又、通
水蓋板3の通水孔16の形成は、図7,図8等に示され
るものの他に、単に細孔を多数設けたもの、あるいは、
上方を大きく下方を小さくした断面が逆円錐台形状の細
孔を多数設けたものなど種々の形状のものも含まれる。
逆円錐台形状のものの場合には、盛土地盤との滑りが少
なく、且つ、雨水等を通水し易くなる。
3の材質としては、発泡合成樹脂成形体のように軽く、
ある程度の弾性力があり、しかも上方からの荷重に強い
ものが有効であるが、コンクリート体、合成樹脂体、防
錆金属板、木板などの材質であってもよい。又、貯溜槽
2に仕切枠4によって複数の室5を形成したが、この室
5の数はとくに限定されるものではない。この仕切枠4
の存在によって通水蓋板3にかかる荷重を貯溜槽2の周
側上面以外でも支えることができ、より大きな荷重に耐
えることができるが、コンクリート体などのように丈夫
な材質を使用した際には特に必要ではない。更に又、通
水蓋板3の通水孔16の形成は、図7,図8等に示され
るものの他に、単に細孔を多数設けたもの、あるいは、
上方を大きく下方を小さくした断面が逆円錐台形状の細
孔を多数設けたものなど種々の形状のものも含まれる。
逆円錐台形状のものの場合には、盛土地盤との滑りが少
なく、且つ、雨水等を通水し易くなる。
【0011】第2実施例の貯溜槽2は、図10乃至図1
2に示されるが、前記第1実施例と異なるところは、通
水蓋板3に透水コンクリート等の硬質材料を使用した点
と、貯溜槽2の仕切枠4にスリット17を設けて各室5
への雨水等の貯溜を平均化し、且つ、小透孔7を1つ形
成した点である。この実施例の場合には、通水蓋板3に
硬質材料を使用したので、通水蓋板3の上面上をそのま
ま歩道等としても使用できる。
2に示されるが、前記第1実施例と異なるところは、通
水蓋板3に透水コンクリート等の硬質材料を使用した点
と、貯溜槽2の仕切枠4にスリット17を設けて各室5
への雨水等の貯溜を平均化し、且つ、小透孔7を1つ形
成した点である。この実施例の場合には、通水蓋板3に
硬質材料を使用したので、通水蓋板3の上面上をそのま
ま歩道等としても使用できる。
【0012】以上のような一時貯溜槽1を用いてこの発
明方法を実施した場合の例について説明する。
明方法を実施した場合の例について説明する。
【0013】図1は、下部地盤18の上方に盛土して形
成した盛土地盤20の傾斜面27の内側に一時貯溜槽1
を階段状に積み重ね、上方にアスファルト21によって
道路を敷設した実施例を示すものである。この場合、一
時貯溜槽1は、底面6に形成した小透孔7が下方の一時
貯溜槽1の通水蓋板3の上方に位置するように階段状に
積み重ねる。このような構成をとることにより、アスフ
ァルト21の上方に降った雨水や盛土地盤20の傾斜面
27に降った雨水がアスファルト21の両側方の路肩か
ら盛土地盤20内に浸入してゆくと、一時貯溜槽1の通
水蓋板3に達して更に室5の内部へと浸入し貯溜され
る。従って雨水等が盛土地盤20内を通過するのは通水
蓋板3に到達する迄のほぼ垂直方向の極めて短い距離だ
けであるので、盛土地盤20が雨水等によって崩れた
り、内部に水溜りを形成することが発生しなくなる。そ
して、各一時貯溜槽1の小透孔7からは少しずつ室5に
溜っている雨水等が漏れ出て、下方に位置する一時貯溜
槽1へと流出され、最下層の一時貯溜槽1からは必要に
応じて設けた排出管32によって排水溝29へと流出さ
れるが、下部地盤18に流出するようにしてもよい。こ
の最下層の一時貯溜槽1の排出管32からの流出量は極
めて少く、時間をかけてゆっくりと流出されるので排水
溝29が溢れることはない。又、一時貯溜槽1は、盛土
地盤20の側方の傾斜面27に沿って積層してあるの
で、アスファルト21の道路上を通行する車両などの荷
重がかからなく、中空状のものであっても十分に耐え得
る。
成した盛土地盤20の傾斜面27の内側に一時貯溜槽1
を階段状に積み重ね、上方にアスファルト21によって
道路を敷設した実施例を示すものである。この場合、一
時貯溜槽1は、底面6に形成した小透孔7が下方の一時
貯溜槽1の通水蓋板3の上方に位置するように階段状に
積み重ねる。このような構成をとることにより、アスフ
ァルト21の上方に降った雨水や盛土地盤20の傾斜面
27に降った雨水がアスファルト21の両側方の路肩か
ら盛土地盤20内に浸入してゆくと、一時貯溜槽1の通
水蓋板3に達して更に室5の内部へと浸入し貯溜され
る。従って雨水等が盛土地盤20内を通過するのは通水
蓋板3に到達する迄のほぼ垂直方向の極めて短い距離だ
けであるので、盛土地盤20が雨水等によって崩れた
り、内部に水溜りを形成することが発生しなくなる。そ
して、各一時貯溜槽1の小透孔7からは少しずつ室5に
溜っている雨水等が漏れ出て、下方に位置する一時貯溜
槽1へと流出され、最下層の一時貯溜槽1からは必要に
応じて設けた排出管32によって排水溝29へと流出さ
れるが、下部地盤18に流出するようにしてもよい。こ
の最下層の一時貯溜槽1の排出管32からの流出量は極
めて少く、時間をかけてゆっくりと流出されるので排水
溝29が溢れることはない。又、一時貯溜槽1は、盛土
地盤20の側方の傾斜面27に沿って積層してあるの
で、アスファルト21の道路上を通行する車両などの荷
重がかからなく、中空状のものであっても十分に耐え得
る。
【0014】図2はよう壁22の盛土地盤20にこの発
明方法を実施した場合の例である。この例は、傾斜地盤
23の下方によう壁22を立てて盛土して上方に平地を
形成するものであるが、この場合には発泡合成樹脂体1
9を逆直角三角形状に積層し、図5に示すようにその積
層体と傾斜地盤23の境界部分に一時貯溜槽1を逆階段
状に積層して、上方の一時貯溜槽1の小透孔7が下方の
通水蓋板3上に位置するように配置したものである。こ
の実施例の場合には、上方の平地に降った雨は、盛土地
盤20内に浸入して発泡合成樹脂体19の最上面に沿っ
て最上位置にある一時貯溜槽1の通水蓋板3を通過して
室5の内部に入る。したがって、最上位置の一時貯溜槽
1からのみしか雨水が侵入しないので、図5に示すよう
に、下方の一時貯溜槽1へ流出する小透孔7は上段のも
のほど大きく、すなわち、D1>D2>D3となるよう
に形成して、下方の一時貯溜槽1への流出を早め、最下
位置の一時貯溜槽1から排出管32を通ってよう壁22
外へ流出させるようにしたものである。このように構成
することにより、よう壁22によって形成された盛土地
盤20に降った雨水等は複数の一時貯溜槽1に順次貯え
られ、時間をかけて徐々に流出されるので、平地の雨水
の溜りや地盤崩れなどを防止できるのである。勿論、複
数積層する場合には、例えば、D1,D1,D1,D
2,D2,D2,D3等のように組み合わせたり、透水
量によっては同じものを積重ねて使用することもでき
る。
明方法を実施した場合の例である。この例は、傾斜地盤
23の下方によう壁22を立てて盛土して上方に平地を
形成するものであるが、この場合には発泡合成樹脂体1
9を逆直角三角形状に積層し、図5に示すようにその積
層体と傾斜地盤23の境界部分に一時貯溜槽1を逆階段
状に積層して、上方の一時貯溜槽1の小透孔7が下方の
通水蓋板3上に位置するように配置したものである。こ
の実施例の場合には、上方の平地に降った雨は、盛土地
盤20内に浸入して発泡合成樹脂体19の最上面に沿っ
て最上位置にある一時貯溜槽1の通水蓋板3を通過して
室5の内部に入る。したがって、最上位置の一時貯溜槽
1からのみしか雨水が侵入しないので、図5に示すよう
に、下方の一時貯溜槽1へ流出する小透孔7は上段のも
のほど大きく、すなわち、D1>D2>D3となるよう
に形成して、下方の一時貯溜槽1への流出を早め、最下
位置の一時貯溜槽1から排出管32を通ってよう壁22
外へ流出させるようにしたものである。このように構成
することにより、よう壁22によって形成された盛土地
盤20に降った雨水等は複数の一時貯溜槽1に順次貯え
られ、時間をかけて徐々に流出されるので、平地の雨水
の溜りや地盤崩れなどを防止できるのである。勿論、複
数積層する場合には、例えば、D1,D1,D1,D
2,D2,D2,D3等のように組み合わせたり、透水
量によっては同じものを積重ねて使用することもでき
る。
【0015】図3は、路肩地盤24にこの発明方法を実
施した場合の例である。この例は、図3の左側の路肩地
盤24内に図6乃至図8に示した一時貯溜槽1を複数階
段状に埋設してその通水蓋板3の上方に盛土して歩道と
し、図3の右側の路肩地盤24内には図10乃至図12
に示した一時貯溜槽1を埋設してその通水蓋板3をその
まま歩道とし、且つ傾斜面27に沿って階段状に一時貯
溜槽1を埋設したものである。左側の路肩地盤24内の
一時貯溜槽1は、アスファルト21上から流れ出た水や
歩道上に降った雨水を通水蓋板3を通じてすべて室5に
導き、この室5に溜った雨水等を時間をかけて小透孔7
から下方の一時貯溜槽1へ導き、且つ下方の一時貯溜槽
1は傾斜面27から浸入する雨水等を通水蓋板3を通じ
て室5に導き、最下層の一時貯溜層1から排出管32を
通じて非水溝29へ流出される。これによって、路肩地
盤24や傾斜面27が崩れることもない。又、右側の路
肩地盤24内の一時貯溜槽1は、図6に示すように、排
水溝25の上方に設置されているので、室5の中に溜っ
た水は小透孔7から少しずつ排出溝25内に流出し、こ
の排水溝25によって下水や川等に導かれ、傾斜面27
から浸入した雨水等は傾斜面27に沿って埋設した一時
貯溜槽1より前記と同様にして一時貯溜して排出され
る。
施した場合の例である。この例は、図3の左側の路肩地
盤24内に図6乃至図8に示した一時貯溜槽1を複数階
段状に埋設してその通水蓋板3の上方に盛土して歩道と
し、図3の右側の路肩地盤24内には図10乃至図12
に示した一時貯溜槽1を埋設してその通水蓋板3をその
まま歩道とし、且つ傾斜面27に沿って階段状に一時貯
溜槽1を埋設したものである。左側の路肩地盤24内の
一時貯溜槽1は、アスファルト21上から流れ出た水や
歩道上に降った雨水を通水蓋板3を通じてすべて室5に
導き、この室5に溜った雨水等を時間をかけて小透孔7
から下方の一時貯溜槽1へ導き、且つ下方の一時貯溜槽
1は傾斜面27から浸入する雨水等を通水蓋板3を通じ
て室5に導き、最下層の一時貯溜層1から排出管32を
通じて非水溝29へ流出される。これによって、路肩地
盤24や傾斜面27が崩れることもない。又、右側の路
肩地盤24内の一時貯溜槽1は、図6に示すように、排
水溝25の上方に設置されているので、室5の中に溜っ
た水は小透孔7から少しずつ排出溝25内に流出し、こ
の排水溝25によって下水や川等に導かれ、傾斜面27
から浸入した雨水等は傾斜面27に沿って埋設した一時
貯溜槽1より前記と同様にして一時貯溜して排出され
る。
【0016】図4は、ゴルフ場の低地盤26にこの発明
方法を実施した場合の例である。図に示すように、低地
盤26内に一時貯溜槽1を一段又は複数段に積層して埋
設したものである。このように設置することにより、雨
水等が低地盤26上に一時的に大量に集まっても、直ち
に通水蓋板3から室5内に入って保溜され、少しずつ小
透孔7から時間をかけて流出されるために、低地盤26
に水が溜ることがなく、ブレーヤーの通行の妨げになら
ない。
方法を実施した場合の例である。図に示すように、低地
盤26内に一時貯溜槽1を一段又は複数段に積層して埋
設したものである。このように設置することにより、雨
水等が低地盤26上に一時的に大量に集まっても、直ち
に通水蓋板3から室5内に入って保溜され、少しずつ小
透孔7から時間をかけて流出されるために、低地盤26
に水が溜ることがなく、ブレーヤーの通行の妨げになら
ない。
【0017】
【発明の効果】以上の各実施例の説明においてもすでに
述べたように、この発明方法によると、上方から浸入す
る雨水等の水を貯溜すると共に貯溜に要した時間以上の
時間をかけて徐々に排出する一時貯溜槽を地盤内に埋設
したものであるから、夕立のように一時的に多量に降っ
た雨水等はこの一時貯溜槽の上方からその内部で貯溜さ
れるので、地盤上で水が溢れて通行が妨げられることも
なくなるのに加えて、地盤内に多量の雨水等が浸入しな
くなるので、地盤が崩れることはなくなる。又、既存の
集水溝や排水口がある場合であっても、一時貯溜槽で貯
溜するので、溢れ出ることはない。更に、一時貯溜槽内
に貯溜された雨水等は時間をかけて徐々に流出されるた
めに、地盤の崩れや集水溝の溢れなどは全く生じないの
に加えて、所定時間の内に全て空になり、次の雨等に備
えることができる。又、一時貯溜槽を通水蓋板と貯溜槽
とで構成した場合には、内部に室を形成し易い利点があ
る。
述べたように、この発明方法によると、上方から浸入す
る雨水等の水を貯溜すると共に貯溜に要した時間以上の
時間をかけて徐々に排出する一時貯溜槽を地盤内に埋設
したものであるから、夕立のように一時的に多量に降っ
た雨水等はこの一時貯溜槽の上方からその内部で貯溜さ
れるので、地盤上で水が溢れて通行が妨げられることも
なくなるのに加えて、地盤内に多量の雨水等が浸入しな
くなるので、地盤が崩れることはなくなる。又、既存の
集水溝や排水口がある場合であっても、一時貯溜槽で貯
溜するので、溢れ出ることはない。更に、一時貯溜槽内
に貯溜された雨水等は時間をかけて徐々に流出されるた
めに、地盤の崩れや集水溝の溢れなどは全く生じないの
に加えて、所定時間の内に全て空になり、次の雨等に備
えることができる。又、一時貯溜槽を通水蓋板と貯溜槽
とで構成した場合には、内部に室を形成し易い利点があ
る。
【図1】この発明の実施例の説明図。
【図2】この発明の他の実施例の説明図。
【図3】この発明の他の実施例の説明図。
【図4】この発明の他の実施例の説明図。
【図5】図2の一部拡大説明図。
【図6】図3の一部拡大説明図。
【図7】一時貯溜槽の第1実施例の貯溜槽と通水蓋板の
分離斜視図。
分離斜視図。
【図8】図7の貯溜槽に通水蓋板を被せた状態のA−A
線断面図。
線断面図。
【図9】図7の同B−B線断面図。
【図10】一時貯溜槽の第2実施例の貯溜槽と通水蓋板
の分離斜視図。
の分離斜視図。
【図11】図10の一時貯溜槽に通水蓋板を被せた状態
のC−C線断面図。
のC−C線断面図。
【図12】図10の同D−D線断面図。
【図13】従来例の説明図。
【図14】従来例の説明図。
1 一時貯溜槽 2 貯溜槽 3 通水蓋板 20 盛土地盤 24 路肩地盤 26 低地盤
Claims (2)
- 【請求項1】 上方から浸入する雨水等の水を貯溜に要
した時間以上の時間をかけて徐々に排出する一時貯溜槽
を1つ又は複数積層して地盤内に埋設したことを特徴と
する雨水等の時間差排水方法。 - 【請求項2】 一時貯溜槽が通水蓋板と貯溜槽とで構成
される請求項1に記載の雨水等の時間差排水方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03321339A JP3143652B2 (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 雨水等の一時貯溜槽 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03321339A JP3143652B2 (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 雨水等の一時貯溜槽 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05132994A true JPH05132994A (ja) | 1993-05-28 |
JP3143652B2 JP3143652B2 (ja) | 2001-03-07 |
Family
ID=18131487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03321339A Expired - Fee Related JP3143652B2 (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 雨水等の一時貯溜槽 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3143652B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016145500A (ja) * | 2015-02-09 | 2016-08-12 | 株式会社プラント・ツリース | 擁壁、造成地及び造成地の造成方法 |
CN105926748A (zh) * | 2016-06-03 | 2016-09-07 | 华能伊敏煤电有限责任公司 | 排土场的排水系统 |
JP2020045622A (ja) * | 2018-09-14 | 2020-03-26 | 株式会社竹中工務店 | 貯水システム |
JP2020165165A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | のり面表層を構築する工法、雨水流下抑制工法、及び下流域への雨水の流出を抑制する工法 |
-
1991
- 1991-11-08 JP JP03321339A patent/JP3143652B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016145500A (ja) * | 2015-02-09 | 2016-08-12 | 株式会社プラント・ツリース | 擁壁、造成地及び造成地の造成方法 |
CN105926748A (zh) * | 2016-06-03 | 2016-09-07 | 华能伊敏煤电有限责任公司 | 排土场的排水系统 |
JP2020045622A (ja) * | 2018-09-14 | 2020-03-26 | 株式会社竹中工務店 | 貯水システム |
JP2020165165A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | のり面表層を構築する工法、雨水流下抑制工法、及び下流域への雨水の流出を抑制する工法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3143652B2 (ja) | 2001-03-07 |
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