JPH0513237Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、シートバツクに固定されるステー
と、着座者の頭部を支えるヘツドレスト本体と、
該本体を支持すると共に、前記ステーにピンを介
して傾動可能に枢支された支持部材とを具備し、
支持部材の傾動時に、該支持部材とステーとの間
に摩擦力が作用するように両部材が配置されてい
るシートのヘツドレストに関する。

従来技術 例えば自動車や一般住宅の室内等に配置される
シートのシートバツク上部に、上記形式のヘツド
レストを設け、着座者の快さや安全性を確保する
ことは従来より周知である。この形式のヘツドレ
ストは、その支持部材とステーとの間に作用する
摩擦力に打ち勝つ力で、支持部材とこれに支持さ
れたヘツドレスト本体を傾動させるだけで該本体
を所望する位置に傾けることができ、ヘツドレス
ト本体を傾動させるための複雑な機構は不要であ
る。このため構造の簡素化とコストの低減を図る
ことができる。

ところが、従来のこの種のヘツドレストにおい
ては、ヘツドレスト本体を傾動させるとき、操作
者に対して快い節度感、即ち適度な引つ掛かり感
を与えることができない点に問題があつた。

目 的 本考案の目的は、上記従来の欠点を簡単な構成
によつて除去した冒頭に記載した形式のヘツドレ
ストを提供することにある。

構 成 本考案は上記目的を達成するため、ステーにピ
ンを介して板ばねを固定し、該板ばねと、これに
対向する支持部材部分の一方に突部を設け、他方
には複数の凹溝を形成し、支持部材の傾動時に、
前記突部が複数の凹溝に順次係合するように、突
部と凹溝の位置を設定した構成を提案する。

作 用 ヘツドレスト本体の傾動操作時に、突部が凹溝
に順次係合し、操作者に快い節度感を与える。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図及び第２図において、１はシートのシー
トバツク、２はシートバツク１の上部に設けられ
たヘツドレストをそれぞれ示す。シートバツク１
は図示していない着座者の背部を支え、ヘツドレ
スト２はその頭部を支える用をなす。

ヘツドレスト２は、シートバツク１に固定され
たステー３と、着座者の頭部を支えるヘツドレス
ト本体４と、該本体４を固定支持する支持部材５
を有し、ステー３はシートバツク１に対して不動
に、又は上下位置調整可能に固定されている。ま
たヘツドレスト本体４はその表皮の内側に発泡体
等の軟質材より成るパツドを有し、これにより着
座者は頭部を快くヘツドレスト本体４に載せるこ
とができる。なお、第１図及び第２図においては
シートバツク１とヘツドレスト本体４を鎖線で示
してある。

第１図から判るようにステー３、支持部材５及
びこれに関連する後述の各要素は、その板ばね１
１、突部１８及び凹溝１９を除き左右対称に形成
されているので、以下の説明では、主として第１
図における右側部の構成を明らかにし、左側部に
ついては、右側部と異なるところだけを説明する
ことにし、右側部の各要素に対応する左側部の要
素には、右側部に付した符号にａを添えた符号を
付しておく。

ステー３及び支持部材５はほぼ水平に延びる中
央部６，７を有し、その端部から脚部８，９が下
方に突出している。これらの脚部８，９にはピン
１０が貫通し、該ピン１０はステー３の脚部８に
対して回転不能に固定され、支持部材５はピン１
０のまわりを回転自在である。即ち、第３図に示
す如くピン１０の軸部は小判型の横断面形状を有
し、これに嵌合したステー３の孔も同じ小半型形
状に形成され、これによりステー３とピン１０の
相対回転が禁止され、一方、ピン１０に嵌合する
支持部材５の孔は円形に形成され、よつて支持部
材５はピン１０に対して回転することができる。
このようにヘツドレスト本体４を支持した支持部
材５は、ピン１０を介して、ステー３にシートの
前後方向（矢印Ａ，Ｂ方向）に傾動可能に枢支さ
れる。ピン１０には後に詳しく説明する板ばね１
１が嵌合し、この板ばね１１と支持部材５の脚部
９との間に、ピン１０に嵌合した皿ばね１２が圧
入されている。また板ばね１１側のピン１０の先
端がかしめられ、これによりピン１０に嵌合した
各要素が離脱することなく組付けられる。

支持部材５の脚部９には、ピン１０の軸心を中
心とした円弧状のビード１３，１３が形成され、
該ビードの先端はステー３の脚部８に、皿ばね１
２の弾力で圧接している。

着座者がその体躯や好みに応じてヘツドレスト
本体４の傾き状態を調整するときは、ステー３の
脚部８と支持部材５のビード１３，１３との間に
作用する摩擦力に打ち勝つだけの力でヘツドレス
ト本体４を矢印Ａ又はＢ方向に押すだけでよい。
これによつてヘツドレスト本体４は、その支持部
材５と共に矢印Ａ又はＢ方向に傾動する。本体４
を所望する位置にもたらしたところで手を離せ
ば、脚部８とビード１３，１３との摩擦力によつ
て、本体４と支持部材５はその位置に保持され
る。

またステー３にはピンよる成るストツパ１４が
固着され、支持部材５にはピン１０の軸心を中心
とした円弧状のガイド孔１５が形成され、このガ
イド孔１５に上記ストツパ１４が嵌合している。
ヘツドレスト本体４を矢印Ａ方向に傾け、これを
鎖線L₁で示した最前端位置にもたらしたときガ
イド孔１５の一端１６がストツパ１４に当り、逆
にヘツドレスト本体４を鎖線L₂で示した最後端
位置にもたらしたときは、ガイド孔１５の他端１
７がストツパ１４に当り、ヘツドレスト本体４が
それぞれの位置に止められる。このようにヘツド
レスト本体４は両鎖線L₁，L₂のなす角度範囲を
回動することができる。

上述のように支持部材５とステー３は支持部材
５の傾動時に両者間に摩擦力が作用するように配
置されており、このような構成自体は従来と変り
はない。その際、従来のヘツドレストにおいて
は、先にも説明した如くヘツドレスト本体４の傾
動時に操作者に対して節度感を与えることができ
ない点に問題があつた。

そこで本考案に係るヘツドレストにおいては、
前述の板ばね１１によつて節度感を与えることが
できるように構成されている。板ばね１１はピン
１０に嵌合しているが、該ピン１０が嵌合する板
ばね１１の孔は、第３図に示したピン１０の軸部
と同じ小判型に形成され、よつて板ばね１１はピ
ン１０に対して回転することはない。即ち板ばね
１１はピン１０を介してステー３に一体に固定さ
れているのである。

板ばね１１の先端部には、第４図にも示すよう
に一般にダボと称せられている突部１８が形成さ
れ、他方、板ばね１１に対向する支持部材５の部
分にはビードより成る複数の凹溝１９が形成され
ている。

前述のようにヘツドレスト本体４とその支持部
材５を矢印Ａ又はＢ方向に傾動させると、このと
き、板ばね１１の突部１８がそのばねの作用で各
凹溝１９に順次係合する。このため、ヘツドレス
ト本体４を傾動させる操作者には、突部１８が各
凹溝１９に入り込み、或いはここから離脱すると
きのかすかな快い衝撃感を受ける。このようにし
て操作者に対し快い節度感、即ち適度な引つ掛か
り感を与えることができるのである。

上述した実施例では、板ばね１１に突部１８を
設け、支持部材５の側に複数の凹溝１９を形成し
たが、これを逆にして板ばね１１に複数の凹溝を
形成し、これに順次係合する突部を支持部材５に
設けても同じ効果が得られる。

また図示した実施例では、板ばね１１が皿ばね
１２をワツシヤとしても機能し、１つの部材１１
が２つの働きをなすように構成されている。この
ようにすれば構成部品点数を減少できる利点も得
られ、特に有利である。

第１図における左側部には、先にも説明したよ
うに板ばね１１、突部１８及び凹溝１９が設けら
れていないが、これは右側部にだけこれら要素を
設けるだけで、節度感が得られるからであり、必
要に応じて左側部にも板ばね、突部及び凹溝を設
けることができる。図示した例では、左側部に
は、右側部の板ばね１１の代りにワツシヤ１１１
aaが設けられている。

本考案は自動車や住宅等に用いられるシートの
他、各種用途のシートに付設されるヘツドレスト
に適用できるものである。

効 果 本考案によれば、簡単な構成によつてヘツドレ
スト本体の傾動時に、操作者に対して快い節度感
を与えることが可能となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図はヘツドレストの正面図であつて、ヘツ
ドレスト本体及びシートバツクを鎖線で表わした
図、第２図は第１図に示したヘツドレストの右側
面図、第３図はピンの斜視図、第４図は第２図の
−線拡大断面図である。 １……シートバツク、２……ヘツドレスト、３
……ステー、４……ヘツドレスト本体、５……支
持部材、１０……ピン、１１……板ばね、１８…
…突部、１９……凹溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートバツクに固定されるステーと、着座者の
   頭部を支えるヘツドレスト本体と、該本体を支持
   すると共に、ピンを介して前記ステーに傾動可能
   に枢支された支持部材とを具備し、支持部材の傾
   動時に、該支持部材とステーとの間に摩擦力が作
   用するように両部材が配置されているシートのヘ
   ツドレストにおいて、 前記ステーに前記ピンを介して板ばねを固定
   し、該板ばねと、これに対向する支持部材部分の
   一方に突部を設け、他方には複数の凹溝を形成
   し、支持部材の傾動時に、前記突部が複数の凹溝
   に順次係合するように、突部と凹溝の位置を設定
   したことを特徴とするヘツドレスト。