JPH05131224A - 表面酸化皮膜の成長を抑制する温間成形方法 - Google Patents

表面酸化皮膜の成長を抑制する温間成形方法

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JPH05131224A
JPH05131224A JP3293382A JP29338291A JPH05131224A JP H05131224 A JPH05131224 A JP H05131224A JP 3293382 A JP3293382 A JP 3293382A JP 29338291 A JP29338291 A JP 29338291A JP H05131224 A JPH05131224 A JP H05131224A
Authority
JP
Japan
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atmosphere
oxide film
plate material
aluminum
oxygen
Prior art date
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Pending
Application number
JP3293382A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Hosokawa
俊之 細川
Motohiro Nanbae
元広 難波江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Furukawa Aluminum Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Aluminum Co Ltd
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPH05131224A publication Critical patent/JPH05131224A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、アルミニウム板材表面の酸化皮膜の
成長を抑制することができる温間成形方法を提供するこ
とを目的とする。 【構成】アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる
板材を成形金型に配置し、無酸素雰囲気下で前記板材お
よび/または前記金型を60〜500℃に加熱しながら
前記板材に温間成形を施すことを特徴としている。無酸
素雰囲気は、10-2Torr以下の真空状態、不活性ガス雰
囲気、および還元ガス雰囲気からなる群より選ばれた雰
囲気であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウムまたはア
ルミニウム合金からなる板材の温間成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アルミニウムまたはアルミニウ
ム合金からなる板材(以下、アルミニウム板材と省略す
る)は、SPCC材と比較して成形性が劣ることが知ら
れている。そこで、成形性の向上を目的として、アルミ
ニウム板材に温間成形を施すことが試みられている。
【0003】しかしながら、温間成形は成形時の温度が
高いので、アルミニウム板材の表面に酸化皮膜が成長す
る傾向がある。この酸化皮膜は、成形後のアルミニウム
板材に溶接、接着、塗装等の処理を施す場合にこれらの
処理に悪影響を及ぼす。
【0004】このため、温間成形後にアルミニウム板材
の表面から酸化皮膜を除去する必要がある。しかし、酸
化皮膜の除去は、作業が大変であり、コストもかかるの
で、温間成形の実用化を妨げている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる点に鑑
みてなされたものであり、アルミニウム板材表面の酸化
皮膜の成長を抑制できる温間成形方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アルミニ
ウム板材表面の酸化皮膜の成長が板材に接する雰囲気中
に存在する酸素の材料内部への拡散により起こることに
着目し、無酸素雰囲気下でこの拡散を防止して酸化皮膜
の成長を抑制することを見出だし本発明をするに至っ
た。
【0007】すなわち、本発明は、アルミニウムまたは
アルミニウム合金からなる板材を成形金型に配置し、無
酸素雰囲気下で前記板材および/または前記金型を60
〜500℃に加熱しながら前記板材に温間成形を施すこ
とを特徴とする表面酸化皮膜の成長を抑制する温間成形
方法を提供する。
【0008】ここで、無酸素雰囲気は、10-2Torr以下
の真空状態、不活性ガス雰囲気、および還元ガス雰囲気
からなる群より選ばれた雰囲気であることが好ましい。
これは、10-2Torr以下の真空状態および不活性ガス雰
囲気では酸素分圧を小さくすることができ、還元ガス雰
囲気では酸素分圧を小さくすると共に還元ガスにより酸
素を還元することができるからである。この場合、雰囲
気の制御は、成形装置全体で行ってもよいし、必要な箇
所、すなわちアルミニウム板材近傍のみで行ってもよ
い。
【0009】温間成形時の加熱温度は60〜500℃に
設定する。これは、加熱温度が60℃未満であると加工
硬化の原因となる転移が熱エネルギーにより開放され
ず、加熱温度が500℃を超えると材料中の粒界の結合
力が低下し、これにより粒界に空隙が発生したり、強度
が低下して成形性を低下させるからである。また、加熱
温度が500℃を超えると、板材にいわゆる肌荒れが生
じて成形加工品に悪影響を及ぼす。なお、非熱処理型合
金については、本発明の温度範囲全般にわたって効果が
発揮されるが、熱処理により析出硬化する熱処理型合金
については、ある温度領域で時効硬化により成形加工限
界が低下する。このため、熱処理型合金では、本発明の
温度範囲であってしかもその合金の溶体化温度領域で温
間成形を行う必要がある。
【0010】加熱は、アルミニウム板材または成形金型
のいずれかに対して行ってもよいし、アルミニウム板材
および成形金型の両方に対して行ってもよい。
【0011】
【作用】本発明の表面酸化皮膜の成長を抑制する温間成
形方法によれば、無酸素雰囲気下でアルミニウム板材お
よび/または金型を60〜500℃に加熱しながら行う
ので、アルミニウム板材の表面から内部への酸素の拡散
を充分に防止できる。これにより、アルミニウム板材に
対する良好な成形性を維持しつつ、アルミニウム板材表
面の酸化皮膜の成長を抑制する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0013】実施例1 図1は本発明の温間成形方法に使用される張出し成形装
置を示す概略図である。図中10は上板押えを示す。上
板押え10の上部にはスライド11が取り付けられてい
る。また、上板押え10の下方には下板押え12が設置
されており、上板押え10と下板押え12でアルミニウ
ム板材13を挟持するようになっている。下板押え12
は、クッションパッド14に立設されたクッションピン
15により支持されている。また、クッションピン15
にはボルスター16が取り付けられており、ボルスター
16上には直径200mmφの球頭ポンチ17が載置され
ている。
【0014】上板押え10および下板押え12の板材挟
持部、並びに球頭ポンチ17の板材接触部には、それぞ
れヒータ18が埋設されている。それぞれのヒータ18
は、図示しない制御手段と接続されており制御手段から
の信号に基づいて温度制御されている。
【0015】スライド11には導管19が取り付けられ
ており、導管19は装置内部と連通するようになってい
る。導管19にはコック20が取り付けられており、コ
ック20により吸気およびガス導入が選択的に行われ
る。
【0016】このような構成の張出し成形装置に、JI
S A 5182−0からなる板厚1.0mmの板材を打
ち抜いて得られた直径400mmφのブランク材を設置
し、このブランク材に球頭ポンチ17を用いて張出し成
形を施した。このとき、金型、すなわち上板押え10、
下板押え12、および球頭ポンチ17をヒータ18によ
り100℃に加熱し、コック20を吸気側にして装置内
部を10-2Torr以下の真空状態とした。
【0017】その後、上板押え10、下板押え12、お
よび球頭ポンチ17を室温に冷却してブランク材を装置
から取り出して実施例1の成形品を得た。
【0018】得られた実施例1の成形品について成形
性、肌荒れの有無、および酸化皮膜厚を調べた。その結
果を下記表1に示す。なお、成形性はポンチ変位量を変
えて成形することで得られた成形品で破断したもののう
ち、最も短いポンチ変位量で破断した成形品の成形高さ
を実測することにより評価した。また、肌荒れの有無は
目視により判断し、酸化皮膜厚はX線光電子分光分析装
置により、表面から深さ方向に向かって検出される元素
の濃度分析を行うことにより測定した。
【0019】実施例2〜4、比較例1〜4 下記表1に示す加熱温度および雰囲気に設定すること以
外は実施例1と同様にしてアルミニウム板材に温間成形
を施して実施例2〜4、比較例1〜4の成形品を得た。
【0020】得られた実施例2〜4、比較例1〜4の成
形品について、成形性、肌荒れの有無、および酸化皮膜
厚を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1
に併記する。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかなように、本発明の方法に
より得られた成形品(実施例1〜4)は、成形性が良好
であり、肌荒れがなく、しかも酸化皮膜の形成が少なか
った。これに対して、本発明において規定する雰囲気で
温間成形を行って得られた成形品(比較例1,2)は酸
化皮膜の形成が多く、本発明において規定する温度範囲
より低い温度で温間成形を行って得られた成形品(比較
例3)は成形性が悪く、本発明において規定する温度範
囲より高い温度で温間成形を行って得られた成形品(比
較例4)は肌荒れが発生した。
【0023】
【発明の効果】以上説明した如く本発明の表面酸化皮膜
の成長を抑制する温間成形方法は、アルミニウム板材の
成形性を向上させ、かつアルミニウム板材表面の酸化皮
膜の成長を抑制することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温間成形方法に使用される張出し成形
装置を示す概略図。
【符号の説明】
10…上板押え、11…スライド、12…下板押え、1
3…アルミニウム板材、14…クッションパッド、15
…クッションピン、16…ボルスター、17…球頭ポン
チ、18…ヒータ、19…導管、20…コック。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
    らなる板材を成形金型に配置し、無酸素雰囲気下で前記
    板材および/または前記金型を60〜500℃に加熱し
    ながら前記板材に温間成形を施すことを特徴とする表面
    酸化皮膜の成長を抑制する温間成形方法。
  2. 【請求項2】 無酸素雰囲気は、10-2Torr以下の真空
    状態、不活性ガス雰囲気、および還元ガス雰囲気からな
    る群より選ばれた雰囲気である請求項1記載の表面酸化
    皮膜の成長を抑制する温間成形方法。
JP3293382A 1991-11-08 1991-11-08 表面酸化皮膜の成長を抑制する温間成形方法 Pending JPH05131224A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003105445A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Nippon Steel Corp 外観の優れためっき鋼板の加熱成形方法
WO2009107938A3 (ko) * 2008-02-28 2009-11-26 일진경금속 주식회사 보빈 일체형 마그네슘 진동판 및 그 제조 방법
KR101035785B1 (ko) * 2008-07-25 2011-05-20 현대제철 주식회사 프레스 경화용 금형의 인서트구조체
CN103406448A (zh) * 2013-08-01 2013-11-27 张家港海陆重型锻压有限公司 用于制造厚壁球缺封头的模具

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