JPH0576977A - 高温型鍛造方法および装置 - Google Patents
高温型鍛造方法および装置Info
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- JPH0576977A JPH0576977A JP4056463A JP5646392A JPH0576977A JP H0576977 A JPH0576977 A JP H0576977A JP 4056463 A JP4056463 A JP 4056463A JP 5646392 A JP5646392 A JP 5646392A JP H0576977 A JPH0576977 A JP H0576977A
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- JP
- Japan
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- forging
- liquid
- heating
- tool
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21K—MAKING FORGED OR PRESSED METAL PRODUCTS, e.g. HORSE-SHOES, RIVETS, BOLTS OR WHEELS
- B21K29/00—Arrangements for heating or cooling during processing
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Forging (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 被加工材を加工工具と同じ温度に加熱する。
加熱時間を短縮する。加熱の均一性を高める。オーバー
ヒートを防ぐ。加熱コストを下げる。酸化を防ぐ。 【構成】 鍛造加工温度域に加熱保持された液体または
液状物質11中で、被加工材10および加工工具3,4
を鍛造加工温度に加熱保持して、被加工材10の鍛造加
工を行う。
加熱時間を短縮する。加熱の均一性を高める。オーバー
ヒートを防ぐ。加熱コストを下げる。酸化を防ぐ。 【構成】 鍛造加工温度域に加熱保持された液体または
液状物質11中で、被加工材10および加工工具3,4
を鍛造加工温度に加熱保持して、被加工材10の鍛造加
工を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被加工材と共に、その
加工工具を加熱して鍛造を行う高温型鍛造方法および装
置に関する。
加工工具を加熱して鍛造を行う高温型鍛造方法および装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、成形性の向上や加工荷重の低減、
製品品質の向上を目的として、高温型鍛造方法の開発が
進められている(塑性と加工,vol.30 no.3
43,1989−8)。高温型鍛造方法では、鍛造加工
温度の50〜100%の温度に加工工具が加熱されて、
鍛造加工が行われる。加工中に加工工具による被加工材
の冷却が抑えられるので、叙上の種々利点が得られる。
製品品質の向上を目的として、高温型鍛造方法の開発が
進められている(塑性と加工,vol.30 no.3
43,1989−8)。高温型鍛造方法では、鍛造加工
温度の50〜100%の温度に加工工具が加熱されて、
鍛造加工が行われる。加工中に加工工具による被加工材
の冷却が抑えられるので、叙上の種々利点が得られる。
【0003】高温型鍛造方法で特に重要な技術は、加工
工具の加熱である。従来、この加熱は、ヒーター加熱、
誘導加熱、ガス加熱等により行われていた。
工具の加熱である。従来、この加熱は、ヒーター加熱、
誘導加熱、ガス加熱等により行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの工具加工技術
のうち、ヒータ加熱および誘導加熱では、加熱速度が速
いと加工工具の表面がオーバーヒートする。被加工材を
加工工具にセットして加熱を行う場合は、被加工材のオ
ーバーヒートも起きる。そのため、加熱をゆるやかに行
う必要があり、加熱に時間がかかりコスト高となるのを
避け得ない。また、加工工具や被加工材が複雑な形状を
している場合は、凸部の温度が上昇しやすく、均一加熱
が困難になる。その結果、加工製品の均質性が阻害され
る。
のうち、ヒータ加熱および誘導加熱では、加熱速度が速
いと加工工具の表面がオーバーヒートする。被加工材を
加工工具にセットして加熱を行う場合は、被加工材のオ
ーバーヒートも起きる。そのため、加熱をゆるやかに行
う必要があり、加熱に時間がかかりコスト高となるのを
避け得ない。また、加工工具や被加工材が複雑な形状を
している場合は、凸部の温度が上昇しやすく、均一加熱
が困難になる。その結果、加工製品の均質性が阻害され
る。
【0005】これに対し、ガス加熱は、加熱の均一性に
は優れる。しかし、加熱媒体である気体は、比熱が小さ
く、目標温度よりも大幅に高い温度まで加熱する必要が
ある。そのため、熱効率が悪く、オーバーヒートの危険
性も高い。
は優れる。しかし、加熱媒体である気体は、比熱が小さ
く、目標温度よりも大幅に高い温度まで加熱する必要が
ある。そのため、熱効率が悪く、オーバーヒートの危険
性も高い。
【0006】これらの問題は、加熱温度が高くなるほど
顕著となり、被加工材と同程度に加工工具を加熱保持す
ることは極めて難しい。
顕著となり、被加工材と同程度に加工工具を加熱保持す
ることは極めて難しい。
【0007】ところで、この高温型鍛造は、難加工材で
あるTi合金やNi基合金にも適用されている。
あるTi合金やNi基合金にも適用されている。
【0008】代表的なTi合金であるTi−6Al−4
V合金の高温型鍛造では、加工工具および被加工材が、
ヒーター加熱や誘導加熱により900℃以上に加熱され
る。しかし、このような高温の加熱では、加工工具と被
加工材の焼付きが生じやすく、大気中での鍛造では、被
加工材表面の酸化も問題になる。
V合金の高温型鍛造では、加工工具および被加工材が、
ヒーター加熱や誘導加熱により900℃以上に加熱され
る。しかし、このような高温の加熱では、加工工具と被
加工材の焼付きが生じやすく、大気中での鍛造では、被
加工材表面の酸化も問題になる。
【0009】Ni基合金の高温型鍛造では、加工工具お
よび被加工材が更に高温の1000℃以上に加熱され、
加工工具には高温強度の優れたMo合金(Mo:90〜
99wt%)が用いられる。しかし、Mo合金は大気中
で1000℃以上に加熱されると昇華を起こす。そのた
め、鍛造加工は、真空チャンバー内あるいは不活性ガス
中で行われ、設備費がかさむ。また、チャンバー内への
材料の出し入れのため能率が悪い。更に、チャンバーに
より設備が大型化し、スペース的な問題もある。
よび被加工材が更に高温の1000℃以上に加熱され、
加工工具には高温強度の優れたMo合金(Mo:90〜
99wt%)が用いられる。しかし、Mo合金は大気中
で1000℃以上に加熱されると昇華を起こす。そのた
め、鍛造加工は、真空チャンバー内あるいは不活性ガス
中で行われ、設備費がかさむ。また、チャンバー内への
材料の出し入れのため能率が悪い。更に、チャンバーに
より設備が大型化し、スペース的な問題もある。
【0010】本発明の目的は、加工工具を被加工材と同
程度まで簡単に、しかも均一かつ短時間に経済性よく加
熱でき、更には、鍛造加工温度が高い場合の加工工具お
よび被加工材の酸化も簡単に防止できる高温型鍛造方法
および装置を提供することにある。
程度まで簡単に、しかも均一かつ短時間に経済性よく加
熱でき、更には、鍛造加工温度が高い場合の加工工具お
よび被加工材の酸化も簡単に防止できる高温型鍛造方法
および装置を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、加工工具と被加工材
の焼付きを防ぐ高温型鍛造方法を提供することにある。
の焼付きを防ぐ高温型鍛造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の高温型鍛造方法
は、鍛造加工温度域に加熱された液体または液状物質中
で、被加工材および加工工具を鍛造加工温度に加熱保持
して鍛造加工を行うことを特徴とする。
は、鍛造加工温度域に加熱された液体または液状物質中
で、被加工材および加工工具を鍛造加工温度に加熱保持
して鍛造加工を行うことを特徴とする。
【0013】加工工具と被加工材の焼付きが懸念される
場合は、鍛造加工の途中で加工を一旦停止して、被加工
材と加工工具との間に隙間をつくり、その隙間に液体ま
たは液状物質を導入して更に加工を行うのがよい。
場合は、鍛造加工の途中で加工を一旦停止して、被加工
材と加工工具との間に隙間をつくり、その隙間に液体ま
たは液状物質を導入して更に加工を行うのがよい。
【0014】本発明の高温型鍛造装置は、被加工材を鍛
造加工する加工工具と、被加工材の鍛造加工温度域に加
熱可能な液体または液状物質を収容し、且つ、該液体ま
たは液状物質中に被加工材および加工工具を浸漬させる
べく構成された容器と、該容器内の液体を鍛造加工温度
域に加熱保持するヒータとを具備する。
造加工する加工工具と、被加工材の鍛造加工温度域に加
熱可能な液体または液状物質を収容し、且つ、該液体ま
たは液状物質中に被加工材および加工工具を浸漬させる
べく構成された容器と、該容器内の液体を鍛造加工温度
域に加熱保持するヒータとを具備する。
【0015】本発明でいう「加熱された液体または液状
物質中」とは、被加工材及び工具の表面に加熱された液
体又は液状物質が存在していることを意味する。具体的
には、加熱された液体又は液状物質中に被加工材及び工
具を浸漬したり、被加工材や工具の表面に液体を連続的
に供合しながら液体中なる状態にする。
物質中」とは、被加工材及び工具の表面に加熱された液
体又は液状物質が存在していることを意味する。具体的
には、加熱された液体又は液状物質中に被加工材及び工
具を浸漬したり、被加工材や工具の表面に液体を連続的
に供合しながら液体中なる状態にする。
【0016】
【作用】本発明の高温型鍛造方法および装置において
は、被加工材および加工工具が加工温度域に加熱された
液体または液状物質と接触することで鍛造加工温度に加
熱保持されて鍛造加工される。即ち、被加工材および加
工工具を加熱する媒体として、液体または液状物質を用
いるのである。
は、被加工材および加工工具が加工温度域に加熱された
液体または液状物質と接触することで鍛造加工温度に加
熱保持されて鍛造加工される。即ち、被加工材および加
工工具を加熱する媒体として、液体または液状物質を用
いるのである。
【0017】液体または液状物質からなる加熱媒体は、
被加工材および加工工具の形状に良く沿い、それらの形
状が複雑な場合も、局部的なオーバーヒートの危険性が
少ない。また、気体よりも比熱が格段に大きく、鍛造加
工温度に近い温度に加熱すれば良いので、熱効率が高
く、全体的なオーバーヒートの危険性も少ない。更に、
被加工材および加工工具が加熱媒体により大気からシー
ルドされるので、大気中では酸化のおそれがある被加工
材および加工工具の場合も、真空チャンバーや不活性ガ
スチャンバーを使用することなく、その酸化を防止でき
る。
被加工材および加工工具の形状に良く沿い、それらの形
状が複雑な場合も、局部的なオーバーヒートの危険性が
少ない。また、気体よりも比熱が格段に大きく、鍛造加
工温度に近い温度に加熱すれば良いので、熱効率が高
く、全体的なオーバーヒートの危険性も少ない。更に、
被加工材および加工工具が加熱媒体により大気からシー
ルドされるので、大気中では酸化のおそれがある被加工
材および加工工具の場合も、真空チャンバーや不活性ガ
スチャンバーを使用することなく、その酸化を防止でき
る。
【0018】鍛造加工の途中で加工を一旦停止して、被
加工材と加工工具との間に隙間をつくり、その隙間に液
体または液状物質を導入して更に加工を行う場合は、被
加工材と加工工具の間が、加工途中に加熱媒体により潤
滑され直すので、被加工材と加工工具の焼付きが懸念さ
れる苛酷な加工の場合も、その焼付きを防止できる。
加工材と加工工具との間に隙間をつくり、その隙間に液
体または液状物質を導入して更に加工を行う場合は、被
加工材と加工工具の間が、加工途中に加熱媒体により潤
滑され直すので、被加工材と加工工具の焼付きが懸念さ
れる苛酷な加工の場合も、その焼付きを防止できる。
【0019】加熱媒体は、常温では流動体、固体のいず
れであってもよい。しかし、鍛造加工温度域に加熱され
た状態では、物質的に安定な液体または物質的に安定で
流動性のよい液状物質であることが必要であり、変質や
気化の著しいものは適当でない。また、被加工材や加工
工具と著しく反応するものは使用できない。特に、加工
工具との反応は、鍛造品の寸法精度を悪化させる。
れであってもよい。しかし、鍛造加工温度域に加熱され
た状態では、物質的に安定な液体または物質的に安定で
流動性のよい液状物質であることが必要であり、変質や
気化の著しいものは適当でない。また、被加工材や加工
工具と著しく反応するものは使用できない。特に、加工
工具との反応は、鍛造品の寸法精度を悪化させる。
【0020】このような条件を満足する加熱媒体として
は、アルミ用フラックス(アルコア社製のフラックスN
o. 501)ガラス等がある。アルコア社製のフラック
スNo.501は、例えば、アルミ合金を400℃で鍛造
する場合、その温度域でも安定な液体を維持する。ガラ
スは、Ti合金、Ni基合金等の加工温度が高い鍛造に
適し、その温度域で流動性の良い液状物質になり、潤滑
性も良い。その他には、例えば鍛造温度域で液体または
液状物質になる低融点の各種塩(硝酸ナトリウム、硝酸
カリウム等)を用いることもできる。
は、アルミ用フラックス(アルコア社製のフラックスN
o. 501)ガラス等がある。アルコア社製のフラック
スNo.501は、例えば、アルミ合金を400℃で鍛造
する場合、その温度域でも安定な液体を維持する。ガラ
スは、Ti合金、Ni基合金等の加工温度が高い鍛造に
適し、その温度域で流動性の良い液状物質になり、潤滑
性も良い。その他には、例えば鍛造温度域で液体または
液状物質になる低融点の各種塩(硝酸ナトリウム、硝酸
カリウム等)を用いることもできる。
【0021】被加工材は、加熱媒体中で常温から加熱し
てもよいし、他の装置で予熱してから加熱媒体中に浸漬
することもできる。加熱媒体への材料浸漬は、酸化防止
等の点からは、全体浸漬が良いが、加工の種類によって
は、加工を終えた部分が加熱媒体外へ露出してもよい。
てもよいし、他の装置で予熱してから加熱媒体中に浸漬
することもできる。加熱媒体への材料浸漬は、酸化防止
等の点からは、全体浸漬が良いが、加工の種類によって
は、加工を終えた部分が加熱媒体外へ露出してもよい。
【0022】加工工具も、酸化防止等の点から、少なく
とも加熱中、加工中は加熱媒体中に全体浸漬するのが望
ましい。しかし、酸化の危険がなければ、被加工材と接
触しない部分については、加熱中、加工中であっても加
熱媒体外へ露出させることが可能である。
とも加熱中、加工中は加熱媒体中に全体浸漬するのが望
ましい。しかし、酸化の危険がなければ、被加工材と接
触しない部分については、加熱中、加工中であっても加
熱媒体外へ露出させることが可能である。
【0023】なお、液状物質で被加工材を被覆して加熱
加工する熱間加工法は、特開昭61−206517号公
報に開示されている。しかし、加工工具については、液
状物質による被覆がなされていない。また、加工中の加
工工具及び被加工材の加熱保持も行われていない。
加工する熱間加工法は、特開昭61−206517号公
報に開示されている。しかし、加工工具については、液
状物質による被覆がなされていない。また、加工中の加
工工具及び被加工材の加熱保持も行われていない。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。図1は本
発明の高温型鍛造装置を据え込み鍛造の場合について例
示した縦断面図である。
発明の高温型鍛造装置を据え込み鍛造の場合について例
示した縦断面図である。
【0025】本装置は、プレスヘッド1とこれに上方か
ら対向されて上下に駆動されるクロスヘッド2とを備え
ている。プレスヘッド1およびクロスヘッド2の各対向
面には、加工工具として下型3および上型4が、断熱性
支持体5および6を介してそれぞれ取り付けられてい
る。
ら対向されて上下に駆動されるクロスヘッド2とを備え
ている。プレスヘッド1およびクロスヘッド2の各対向
面には、加工工具として下型3および上型4が、断熱性
支持体5および6を介してそれぞれ取り付けられてい
る。
【0026】下側の断熱性支持体5は、下型3と共に容
器7を支持している。容器7は、少なくとも鍛造温度で
液体または液状物質になって下型3、上型4および被加
工材10を加熱する加熱媒体11を収容している。下型
3は、この容器内に下方から完全挿入されており、上型
4は、加工開始時に容器内の加熱媒体11に上方から完
全浸漬されるようになっている。なお、容器7が底付き
の場合は、その底面上に下型3を置く方法も可能であ
る。
器7を支持している。容器7は、少なくとも鍛造温度で
液体または液状物質になって下型3、上型4および被加
工材10を加熱する加熱媒体11を収容している。下型
3は、この容器内に下方から完全挿入されており、上型
4は、加工開始時に容器内の加熱媒体11に上方から完
全浸漬されるようになっている。なお、容器7が底付き
の場合は、その底面上に下型3を置く方法も可能であ
る。
【0027】容器7の外側には、円筒状の断熱性外枠8
が配設されている。断熱性外枠8は、プレスヘッド1の
上面に取り付けられ、クロスヘッド2の下降に支障のな
い高さとされている。そして、断熱性外枠8の内面に沿
ってヒータ9が配設されている。ヒータ9は、加熱媒体
11を加熱するのに適した例えば誘導加熱コイル、抵抗
線ヒータ、セラミック発熱ヒータ等である。
が配設されている。断熱性外枠8は、プレスヘッド1の
上面に取り付けられ、クロスヘッド2の下降に支障のな
い高さとされている。そして、断熱性外枠8の内面に沿
ってヒータ9が配設されている。ヒータ9は、加熱媒体
11を加熱するのに適した例えば誘導加熱コイル、抵抗
線ヒータ、セラミック発熱ヒータ等である。
【0028】本装置を使用して本発明の高温型鍛造方法
を実施するには、まず、プレスヘッド1からクロスヘッ
ド2を遠ざけ、容器7内の加熱媒体11から上型4を引
き上げた状態で、下型3上に被加工材10を載せる。次
いで、加工開始の状態、すなわち被加工材10に上方か
ら上型4が接触する程度まで、プレスヘッド2を下降さ
せる。これにより、被加工材10および上型4が下型3
と共に加熱媒体11中に完全浸漬される。
を実施するには、まず、プレスヘッド1からクロスヘッ
ド2を遠ざけ、容器7内の加熱媒体11から上型4を引
き上げた状態で、下型3上に被加工材10を載せる。次
いで、加工開始の状態、すなわち被加工材10に上方か
ら上型4が接触する程度まで、プレスヘッド2を下降さ
せる。これにより、被加工材10および上型4が下型3
と共に加熱媒体11中に完全浸漬される。
【0029】そして、加熱媒体11をヒータ9により加
熱する。加熱媒体11の加熱温度は、鍛造加工温度と同
一かこれより若干高い程度とする。加熱媒体11が目標
温度に加熱されると、その温度が保持されるようにヒー
タ9を制御する。
熱する。加熱媒体11の加熱温度は、鍛造加工温度と同
一かこれより若干高い程度とする。加熱媒体11が目標
温度に加熱されると、その温度が保持されるようにヒー
タ9を制御する。
【0030】加熱媒体11の加熱保持により、下型3、
上型4および被加工材10が鍛造加工温度に均一加熱さ
れると、被加工材10を鍛造加工するべく、クロスヘッ
ド2を下方へ移動させて上型4を下降させる。このと
き、被加工材10は、鍛造加工温度に均一加熱されてお
り、被加工材10に接触する下型3および上型4も、被
加工材10と同じ温度に均一加熱されている。従って、
被加工材10の鍛造加工において優れた成形性および品
質が得られる。
上型4および被加工材10が鍛造加工温度に均一加熱さ
れると、被加工材10を鍛造加工するべく、クロスヘッ
ド2を下方へ移動させて上型4を下降させる。このと
き、被加工材10は、鍛造加工温度に均一加熱されてお
り、被加工材10に接触する下型3および上型4も、被
加工材10と同じ温度に均一加熱されている。従って、
被加工材10の鍛造加工において優れた成形性および品
質が得られる。
【0031】次の加工からは、下型3、上型4および加
熱媒体11が加熱されている状態で、被加工材10の加
熱および加工が繰り返される。被加工材10は、別の装
置で鍛造加工温度程度まで予熱しておいてもよい。
熱媒体11が加熱されている状態で、被加工材10の加
熱および加工が繰り返される。被加工材10は、別の装
置で鍛造加工温度程度まで予熱しておいてもよい。
【0032】本高温型鍛造方法により、アルミニウム合
金(JIS−H4000−6061)からなる直径50
mm×高さ75mmの試材を、直径86.6mm×高さ2
5mmに据え込んだ。鍛造比は3.0である。加工温度は
400℃、加工歪速度は10-3S-1とした。加工工具は
JIS−G4404−SKD61からなる。加熱媒体は
硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの混合物とし、その液量
は据え込み加工前において試材全体と上型の下半分が液
中にあるような量とした。液体および加工工具は、予め
加工温度に加熱した。ヒータとしてはカンタル線ヒータ
を使用した。試材が均一温度に加熱されたことを確認す
るために、材料中心部に熱電対を取り付けた。試材が4
00℃に均一加熱されるのに要した時間は約5分であっ
た。鍛造製品に割れ、しわ等の欠陥は認められなかっ
た。ちなみに、同一試材をヒータで400℃に均一加熱
するには、約20分を要した。
金(JIS−H4000−6061)からなる直径50
mm×高さ75mmの試材を、直径86.6mm×高さ2
5mmに据え込んだ。鍛造比は3.0である。加工温度は
400℃、加工歪速度は10-3S-1とした。加工工具は
JIS−G4404−SKD61からなる。加熱媒体は
硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの混合物とし、その液量
は据え込み加工前において試材全体と上型の下半分が液
中にあるような量とした。液体および加工工具は、予め
加工温度に加熱した。ヒータとしてはカンタル線ヒータ
を使用した。試材が均一温度に加熱されたことを確認す
るために、材料中心部に熱電対を取り付けた。試材が4
00℃に均一加熱されるのに要した時間は約5分であっ
た。鍛造製品に割れ、しわ等の欠陥は認められなかっ
た。ちなみに、同一試材をヒータで400℃に均一加熱
するには、約20分を要した。
【0033】同様の手順で、Ti合金(Ti−6Al−
4V)からなる外径50mm×内径25mm×高さ12.
5mmの試材を930℃で据え込んだ。加熱媒体として
はガラスを用いた。50%の圧下では焼付きは発生せ
ず、摩擦係数μは0.08を得た。また、試材の表面に酸
化は生じず、良好な表面側の鍛造品を得ることができ
た。しかし、75%の圧下では、焼付きが生じた。
4V)からなる外径50mm×内径25mm×高さ12.
5mmの試材を930℃で据え込んだ。加熱媒体として
はガラスを用いた。50%の圧下では焼付きは発生せ
ず、摩擦係数μは0.08を得た。また、試材の表面に酸
化は生じず、良好な表面側の鍛造品を得ることができ
た。しかし、75%の圧下では、焼付きが生じた。
【0034】そこで、50%の圧下の後に、試材と型と
の間に隙間を形成してここにガラスを導入し、75%ま
で圧下を続けた。その結果、焼付きはなく、摩擦係数μ
も0.10と低く、表面酸化のない良好な表面肌の鍛造品
が得られた。
の間に隙間を形成してここにガラスを導入し、75%ま
で圧下を続けた。その結果、焼付きはなく、摩擦係数μ
も0.10と低く、表面酸化のない良好な表面肌の鍛造品
が得られた。
【0035】ちなみに、同一試材を従来の高温型鍛造に
より大気中で75%まで据え込んだ場合、焼付きが生
じ、しかも、試材の表面に有害な酸化層(αケース)が
形成された。
より大気中で75%まで据え込んだ場合、焼付きが生
じ、しかも、試材の表面に有害な酸化層(αケース)が
形成された。
【0036】Ni基合金(IN−718)からなる外径
20mm×内径10mm×高さ5mmの試片を1030
℃で据え込んだ場合は、30%での圧下では焼付きがな
く、摩擦係数μは0.09を得た。しかし、50%の圧下
では、焼付きが生じた。そこで、30%圧下後に試材と
型との間に隙を形成してここにガラスを導入し、最終的
に50%まで圧下を行った。結果、焼付きがなく、摩擦
係数も0.10と低く、表面肌の良好な鍛造品を得ること
ができた。また、型材はMo合金(0.45%Ti−0.8
Zr−0.03%C)を使用したが、型の酸化は認められ
なかった。
20mm×内径10mm×高さ5mmの試片を1030
℃で据え込んだ場合は、30%での圧下では焼付きがな
く、摩擦係数μは0.09を得た。しかし、50%の圧下
では、焼付きが生じた。そこで、30%圧下後に試材と
型との間に隙を形成してここにガラスを導入し、最終的
に50%まで圧下を行った。結果、焼付きがなく、摩擦
係数も0.10と低く、表面肌の良好な鍛造品を得ること
ができた。また、型材はMo合金(0.45%Ti−0.8
Zr−0.03%C)を使用したが、型の酸化は認められ
なかった。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の高温型鍛造方法および装置は、被加工材および加工工
具の加熱媒体として液体または液状物質を使用すること
により、被加工材および加工工具を鍛造加工温度までオ
ーバーヒートの危険なく短時間で簡単に均一加熱でき
る。従って、優れた加工性および加工品質が得られ、経
済性も優れる。また、被加工材および加工工具が加熱媒
体によって大気からシールドされるので、これらの酸化
が防止される。更に、シールドにチャンバー等を要しな
いので、設備の複雑化が避けられ、チャンバー等への材
料の出し入れによる工数増加も回避される。
の高温型鍛造方法および装置は、被加工材および加工工
具の加熱媒体として液体または液状物質を使用すること
により、被加工材および加工工具を鍛造加工温度までオ
ーバーヒートの危険なく短時間で簡単に均一加熱でき
る。従って、優れた加工性および加工品質が得られ、経
済性も優れる。また、被加工材および加工工具が加熱媒
体によって大気からシールドされるので、これらの酸化
が防止される。更に、シールドにチャンバー等を要しな
いので、設備の複雑化が避けられ、チャンバー等への材
料の出し入れによる工数増加も回避される。
【0038】鍛造加工の途中で加工を一旦停止して、被
加工材と加工工具との間に隙間をつくり、その隙間に液
体または液状物質を導入して更に加工を行う場合は、焼
付き防止により加工度を大きくできる。
加工材と加工工具との間に隙間をつくり、その隙間に液
体または液状物質を導入して更に加工を行う場合は、焼
付き防止により加工度を大きくできる。
【図1】本発明の高温型鍛造装置の一例を示す縦断面図
である。
である。
3 下型 4 上型 7 容器 9 ヒータ 10 被加工材 11 加熱媒体(液体または液状物質)
Claims (3)
- 【請求項1】 鍛造加工温度域に加熱された液体また液
状物質中で、被加工材および加工工具を鍛造加工温度に
加熱保持して鍛造加工を行うことを特徴とする高温型鍛
造方法。 - 【請求項2】 鍛造加工の途中で加工を一旦停止して、
被加工材と加工工具との間に隙間をつくり、その隙間に
液体または液状物質を導入して更に加工を行うことを特
徴とする請求項1に記載の高温型鍛造方法。 - 【請求項3】 被加工材を鍛造加工する加工工具と、被
加工材の鍛造加工温度域に加熱可能な液体または液状物
質を収容し、且つ、該液体または液状物質中に被加工材
および加工工具を浸漬させるべく構成された容器と、該
容器内の液体または液状物質を鍛造加工温度域に加熱保
持するヒータとを具備することを特徴とする高温型鍛造
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4056463A JPH0576977A (ja) | 1991-07-23 | 1992-02-05 | 高温型鍛造方法および装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-207591 | 1991-07-23 | ||
JP20759191 | 1991-07-23 | ||
JP4056463A JPH0576977A (ja) | 1991-07-23 | 1992-02-05 | 高温型鍛造方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0576977A true JPH0576977A (ja) | 1993-03-30 |
Family
ID=26397411
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4056463A Pending JPH0576977A (ja) | 1991-07-23 | 1992-02-05 | 高温型鍛造方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0576977A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6645281B2 (en) | 2000-03-30 | 2003-11-11 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Ink-jet ink and ink jet recording method |
US6800123B2 (en) | 2000-03-21 | 2004-10-05 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Ink-jet ink, method of manufacturing the same, and ink jet recording method |
US6800673B2 (en) | 2000-08-07 | 2004-10-05 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Ink for ink jet recording, method of producing ink for ink jet recording, and ink jet recording method |
JP2011131228A (ja) * | 2009-12-24 | 2011-07-07 | Yoshimura Company:Kk | 中空エンジンバルブの弁傘部の製造方法及び中空エンジンバルブの弁傘部のプレス装置及び中空エンジンバルブ |
CN102458712A (zh) * | 2009-06-08 | 2012-05-16 | Ati资产公司 | 锻造模具加热设备及使用方法 |
US8596106B2 (en) * | 2008-05-21 | 2013-12-03 | The Hong Kong Polytechnic University | Isothermal forming system for production of sheet metal parts |
-
1992
- 1992-02-05 JP JP4056463A patent/JPH0576977A/ja active Pending
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JP2011131228A (ja) * | 2009-12-24 | 2011-07-07 | Yoshimura Company:Kk | 中空エンジンバルブの弁傘部の製造方法及び中空エンジンバルブの弁傘部のプレス装置及び中空エンジンバルブ |
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