JPH0513108Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、輝度信号と時分割多重色差信号とを
異なるトラツクに記録し再生する、磁気記録再生
装置に関する。

〔考案の概要〕

本考案は、垂直同期信号を含む輝度信号と垂直
同期信号を含まない時分割多重色差信号とを磁気
テープのそれぞれ異なるトラツクに記録し再生す
る磁気記録再生装置において、垂直同期信号の期
間には再生された輝度信号が送出されるように、
再生輝度信号と再生時分割多重色差信号とを１フ
イールド期間内で切り換えて白黒画像モニタに供
給することにより、輝度信号及び時分割多重色差
信号の各記録状態を１画面で同時に確認できるよ
うにしたものである。

〔従来の技術〕

従来、TVカメラとVTRとが一体に結合され
て可搬型とされた、所謂カメラ一体型VTRがニ
ユース取材等に使用されている。

従来のカメラ一体型VTRは、小型軽量化のた
めに、再生画像のモニタ機能を備えていないもの
が一般的であつて、取材現場で記録された磁気テ
ープは、番組編集のために中継車または放送局等
において再生されていた。

しかしながら、取材を確実なものとするために
は、取材先で直ちに記録状態を確認し得ることが
望ましい。このため、白黒のビユーフアインダ兼
画像モニタを設けて、輝度信号についてのみ、そ
の記録状態を確認し得るようにしたカメラ一体型
VTRもあつた。

かゝる従来のVTRは、例えば第４図に示すよ
うに構成される。即ち、第１図において、カメラ
１からの、例えば4MHzの帯域幅の輝度信号Ｙが、
スイツチ２の記録側固定接点２ｒ及び可動接点２
ｃを経て、白黒ビユーフアインダ３に供給される
と共に、輝度信号記録系１０の周波数変調器１２
に供給される。周波数変調器１２からのFM輝度
信号Y_FMが、記録増幅器１３及びスイツチ１４を
経て、図示を省略した回転ヘツドドラムに180°の
角間隔で配設された記録ヘツド１５_A及び１５_Bに
交互に供給される。スイツチ１４にはドラム系制
御回路４からヘツド切換信号が供給されて、ヘツ
ド切換のタイミングが制御される。

一方、カメラ１からの、例えばそれぞれ2MHz
の帯域幅の色差信号Ｒ−Ｙ及びＢ−Ｙが色信号記
録系２０の時分割多重回路２１に供給され、それ
ぞれ1/2に時間軸圧縮されて、各ライン毎に時分
割多重される。カメラ１の被写体がカラーバーパ
ターンであるとすると、輝度信号Ｙは第５図Ａに
示すような波形となり、時分割多重回路２１の出
力信号、即ち、時分割多重色差信号MXは同図Ｂ
に示すような波形となる。なお、輝度信号Ｙは垂
直同期信号を含むが、多重色差信号は垂直同期信
号を含まず、その水平同期信号のパルス幅は、時
間軸圧縮のために、例えば2μs程度に狭められて
いる。

このような時分割多重色差信号MXが周波数変
調器２２に供給されて、周波数変調器２２からの
FM多重色差信号MX_FMが、記録増幅器２３及び
スイツチ２４を経て、輝度信号用の記録ヘツド１
５_A及び１５_Bに対してそれぞれ所定の遅れ角間隔
で配設された記録ヘツド２５_A及び２５_Bに交互に
供給される。スイツチ２４にはドラム系制御回路
４から遅れ角に対応する遅延時間Tlの遅延線路
５を介してヘツド切換信号が供給されて、ヘツド
切換のタイミングが制御される。

上述のように構成された記録ヘツド１５_A，１
５_B，２５_A及び２５_Bにより、FM輝度信号Y_FMと
FM多重色差信号MX_FMとは図示を省略した磁気
テープ上の異なるトラツクにそれぞれ記録され
る。

再生時は、輝度信号再生系３０の両再生ヘツド
３１_A及び３１_Bにより、磁気テープの輝度信号ト
ラツクのみが走査されて、FM輝度信号Y_FMが再
生される。再生ヘツド３１_A及び３１_Bは記録ヘツ
ド１５_A及び１５_Bをそれぞれ兼用してもよく、そ
の再生出力がそれぞれ増幅器３２_A及び３２_Bを経
て、スイツチ３３の各固定接点３３ａ及び３３ｂ
に供給される。スイツチ３３には、ドラム系制御
回路４からヘツド切換信号が供給されて、両再生
ヘツド３１_A及び３１_Bがそれぞれ記録トラツクを
走査するタイミングに合わせて、可動接点３３ｃ
が両固定接点３３ａ及び３３ｂに交互に接続され
る。これにより、再生されたFM輝度信号Y_FMが
周波数復調器３４に供給されて、輝度信号Ｙが再
生される。復調器３４の出力が同期分離回路３５
及び同期整形回路３６に共通に供給されると共
に、同期分離回路３５の出力が同期整形回路３６
に供給されて、同期整形された再生輝度信号が、
スイツチ２の再生側固定接点２ｐ及び可動接点２
ｃを経て、白黒ビユーフアインダ３に供給され
て、再生輝度信号による画像がモニタされる。

なお、上述のようにして輝度信号Ｙと時分割多
重色差信号MXとが別トラツクに記録された磁気
テープが中継車等の据置型VTRで通常再生され
る場合、再生輝度信号と再生多重色差信号との時
間軸誤差が水平走査期間の1/2以下となるように
記録フオーマツトが設定されているので、垂直同
期信号を含まない多重色差信号の垂直同期は、同
時に再生される輝度信号に含まれる垂直同期信号
によつてカバーされる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、第４図に示したような従来のカメラ
一体型VTRは、色信号のモニタ機能を備えてい
ないため、色信号の記録状態を確認することがで
きないという問題があつた。

また、色信号をモニタするためには、カラーデ
イスプレーを設けると共に、多重色差信号を分離
する装置をも設けることが必要であり、回路構成
が複雑になると共に、寸法、消費電力、重量等が
増大して可搬性が損なわれ、取材に支障を来たす
という問題が生ずる。

かゝる点に鑑み、本考案の目的は、簡単な構成
で輝度信号及び多重色差信号の記録状態を同時に
手軽に確認することのできる磁気記録再生装置を
提供するところにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、垂直同期信号を含む輝度信号と垂直
同期信号を含まない時分割多重色差信号とを磁気
記録媒体のそれぞれ異なるトラツクに記録し再生
する磁気記録再生装置において、再生された輝度
信号と時分割多重色差信号とを選択的に送出する
再生信号切換手段を設け、垂直同期信号の期間に
は再生された輝度信号が送出されるように、再生
信号切換手段を１フイールド期間内で切り換え
て、再生された輝度信号と時分割多重色差信号と
を白黒画像モニタに供給して、輝度信号及び時分
割多重色差信号の各記録状態を１画面で同時に確
認するようにした磁気記録再生装置である。

〔作用〕

かゝる構成によれば、輝度信号及び多重色差信
号の記録状態を、同時に手軽に、記録直後にモニ
タすることができる。

〔実施例〕

以下、第１図〜第３図を参照しながら、本考案
による磁気記録再生装置の一実施例について説明
する。

本考案の一実施例の構成を第１図に示す。この
第１図において、第４図に対応する部分には同一
の符号を付して重複説明を省略する。

第１図において、４０は多重色信号再生系を全
体として示し、前述の輝度信号再生系３０と同様
に構成される。

即ち、多重色信号再生系４０の再生ヘツド４１
_Ａ及び４１_Bは記録ヘツド２５_A及び２５_Bをそれぞ
れ兼用してもよく、その再生出力がそれぞれ増幅
器４２_A及び４２_Bを経て、スイツチ４３の各固定
接点４３ａ及び４３ｂに供給される。スイツチ４
３には、ドラム系制御回路４から遅延線路５を経
てヘツド切換信号が供給される。スイツチ４３の
出力が周波数復調器４４に供給され、復調器４４
の出力が同期分離回路４５及び同期整形回路４６
に共通に供給されると共に、同期分離回路４５の
出力が同期整形回路４６に供給されて、同期整形
された再生多重色差信号が電子スイツチ７の多重
色信号側固定接点７ｍに供給される。輝度信号側
固定接点７ｙには輝度信号再生系３０の同期整形
回路３６の出力が供給され、スイツチ７の可動接
点７ｃはスイツチ２の再生側固定接点２ｐに接続
される。ドラム系制御回路４から垂直駆動信号と
同じタイミングのパルスVDが整形回路６に供給
され、整形回路６の出力が制御信号として電子ス
イツチ７に供給される。このパルスVDは、サー
ボ系の基準垂直駆動信号であつてもよく、また、
輝度信号再生系３０の同期分離回路３５から得た
ものであつてもよい。その余の構成は、前出第４
図の従来例と同様である。

次に、第２図及び第３図をも参照しながら、本
実施例の再生時の動作について説明する。

前述のように、輝度信号用再生ヘツド３１_A及
び３１_Bが多重色信号用再生ヘツド４１_A及び４１
_Ｂよりそれぞれ先行しているので、再生ヘツド３
１_A及び３１_Bの各再生RF信号及びが、それ
ぞれ第２図Ａ及びＢに示すように、１フイールド
周期で交互に出力されると共に、同図Ｃ及びＤに
示すように、これからそれぞれTl時間遅れて、
再生ヘツド４１_A及び４１_Bの各再生RF出力〓及
び〓が１フイールド周期で交互に出力される。

ドラム系制御回路４から両スイツチ３３並びに
４３に供給されるヘツド切換信号により、各再生
ヘツド３１_A及び３１_B並びに４１_A及び４１_Bがそ
れぞれ記録トラツクを走査するタイミングに合わ
せて、可動接点３３ｃ並びに４３ｃが各固定接点
３３ａ及び３３ｂ並びに４３ａ及び４３ｂに交互
に接続される。これにより、再生されたFM輝度
信号Y_FM及びFM多重色差信号MX_FMが周波数復
調器３４及び４４にそれぞれ供給されて、輝度信
号Ｙ及び多重色差信号MXが再生される。

第２図Ｅ及びＦに示すように、復調器３４の出
力には垂直同期信号Vsyncが含まれるが、復調
器４４の出力には垂直同期信号が含まれないの
で、復調器４４の出力をそのままビユーフアイ
ンダ３に供給しても垂直同期が掛らない。

よつて、本実施例においては、同期整形回路４
６において、再生多重色差信号の水平同期信号
のパルス幅を通常の5μs程度に伸張すると共に、
第２図Ｇに示すようなタイミングの整形回路６の
出力信号により、電子スイツチ７の接続状態が
各フイールド期間内で切り換えられて、同図Ｈに
示すように、スイツチ７の出力は、各フイール
ドの前半期間に垂直同期信号を含んだ輝度信号Ｙ
となり、後半期間に多重色差信号MXとなる。

このようなスイツチ７の出力がスイツチ２を
経てビユーフアインダ３に供給されるので、ビユ
ーフアインダ３が同期して、その画面には輝度信
号Ｙによる通常の白黒画像と共に、多重色差信号
による白黒の再生画像が現出し、これにより、輝
度信号の記録状態と多重色差信号の記録状態とを
１画面で同時に確認することができる。

被写体が赤いりんごであり、背景が青い場合、
スイツチ７が１フイールド期間にわたつて図示と
は逆の接続状態にあれば、ビユーフアインダ３の
画面には、第３図Ａに示すような、通常の白黒画
像が現出することになる。

本実施例においては、上述のように、電子スイ
ツチ７が切り換えられて、その出力信号は第２
図Ｈに示すようになるので、ビユーフアインダ３
の画面には、同図Ｂに示すように、上半部に輝度
信号Ｙによる通常の白黒画像が現出すると共に、
時間軸圧縮された多重色信号により、下半部に水
平方向に圧縮されて縦長となつたＲ−Ｙ成分の画
像とＢ−Ｙ成分の画像とが左右に並んで現出され
る。

前出第５図にも示したように、両色差信号Ｒ−
Ｙ及びＢ−Ｙは同一色に対する直流レベルが異な
り、上述の場合、Ｒ−Ｙ信号に対応する左側画面
では被写体のりんごが白となり背景が灰色となる
のに対して、Ｂ−Ｙ信号に対応する右側画面で
は、逆に、被写体のりんごが灰色となり背景が白
となる。

また、ドラム系制御回路４からのパルスVDを
適宜遅延させて整形回路６に供給する等により、
第２図Ｊに示すようなタイミングの切換制御信号
で電子スイツチ７が切り換えられると、ビユーフ
アインダ３には各フイールドの前半期間に多重色
差信号MXが供給され、後半期間に同期信号を含
む輝度信号Ｙが供給される。これにより、ビユー
フアインダ３の画面には、第３図Ｂとは逆に、上
部に多重色差信号MXによる水平方向圧縮画像が
現出し、下部に輝度信号Ｙによる通常の白黒画像
が現出する。

〔考案の効果〕

以上詳述のように、本考案によれば、垂直同期
信号の期間には再生輝度信号が送出されるよう
に、再生輝度信号と再生多重色差信号とを１フイ
ールド期間内で切り換えて白黒画像モニタに供給
するようにしたので、輝度信号の記録状態と多重
色差信号の記録状態とを１画面で同時に手軽に確
認することのできる磁気記録再生装置が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による磁気記録再生装置の一実
施例の構成を示すブロツク図、第２図は第１図の
実施例の動作を説明するためのタイミングチヤー
ト、第３図は第１図の実施例による再生画像を示
す略線図、第４図は従来の磁気記録再生装置の構
成例を示すブロツク図、第５図は従来例の映像信
号を示す波形図である。 ３は白黒画像モニタ、４はドラム系制御回路、
７は電子スイツチ、２１は時分割多重回路、３０
は輝度信号再生系、４０は多重信号再生系、４６
は同期整形回路である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 垂直同期信号を含む輝度信号と上記垂直同期信
   号を含まない時分割多重色差信号とを磁気記録媒
   体のそれぞれ異なるトラツクに記録し再生する磁
   気記録再生装置において、 再生された上記輝度信号と上記時分割多重色差
   信号とを選択的に送出する再生信号切換手段を設
   け、 上記垂直同期信号の期間には再生された上記輝
   度信号が送出されるように、上記再生信号切換手
   段を１フイールド期間内で切り換えて、再生され
   た上記輝度信号と上記時分割多重色差信号とを白
   黒画像モニタに供給して、 上記輝度信号及び時分割多重色差信号の各記録
   状態を１画面で同時に確認するようにして成る磁
   気記録再生装置。