JPH0513077A - 水素吸蔵合金電極の製造法 - Google Patents
水素吸蔵合金電極の製造法Info
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- JPH0513077A JPH0513077A JP3162653A JP16265391A JPH0513077A JP H0513077 A JPH0513077 A JP H0513077A JP 3162653 A JP3162653 A JP 3162653A JP 16265391 A JP16265391 A JP 16265391A JP H0513077 A JPH0513077 A JP H0513077A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 水素吸蔵合金電極の初期特性の改善、利用率
の向上、サイクル寿命の向上を実現する、水素吸蔵合金
電極の製造法を提供する。 【構成】 水素吸蔵合金粉末を加圧して電極を形成した
後、この電極を100〜120℃に加熱したアルカリ溶
液に浸漬し、合金化していない金属を溶出させる。ま
た、水素吸蔵合金粉末を結着剤とともに金属多孔体に充
填し、加圧して電極に成形した後、100〜120℃に
加熱したアルカリ溶液に浸漬し、水洗乾燥後ふたたび結
着剤を添加して密閉形電池用水素吸蔵合金電極を作製す
る。この方法により、密閉形電池用水素吸蔵合金電極の
初期特性の改善、利用率の向上、サイクル寿命の向上が
可能となる。
の向上、サイクル寿命の向上を実現する、水素吸蔵合金
電極の製造法を提供する。 【構成】 水素吸蔵合金粉末を加圧して電極を形成した
後、この電極を100〜120℃に加熱したアルカリ溶
液に浸漬し、合金化していない金属を溶出させる。ま
た、水素吸蔵合金粉末を結着剤とともに金属多孔体に充
填し、加圧して電極に成形した後、100〜120℃に
加熱したアルカリ溶液に浸漬し、水洗乾燥後ふたたび結
着剤を添加して密閉形電池用水素吸蔵合金電極を作製す
る。この方法により、密閉形電池用水素吸蔵合金電極の
初期特性の改善、利用率の向上、サイクル寿命の向上が
可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水素を負極活物質とする
ニッケル−水素密閉形蓄電池などの負極に用いる、水素
吸蔵合金電極の製造法に関する。
ニッケル−水素密閉形蓄電池などの負極に用いる、水素
吸蔵合金電極の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ蓄電池は高信頼性で、小形軽量
化も可能などの理由で、小形電池は各種ポ−タブル機器
用に、大形電池は産業用の電源として広く使われてき
た。
化も可能などの理由で、小形電池は各種ポ−タブル機器
用に、大形電池は産業用の電源として広く使われてき
た。
【0003】このアルカリ蓄電池の正極としては、一部
で空気極や酸化銀極なども用いられているが、ほとんど
の場合ニッケル極が用いられている。さらに、ニッケル
極を用いたアルカリ電池は、ポケット式から焼結式に代
わって特性が向上し、さらに密閉化が可能になるととも
に、その用途も急速に広がった。
で空気極や酸化銀極なども用いられているが、ほとんど
の場合ニッケル極が用いられている。さらに、ニッケル
極を用いたアルカリ電池は、ポケット式から焼結式に代
わって特性が向上し、さらに密閉化が可能になるととも
に、その用途も急速に広がった。
【0004】一方、負極にはカドミウムの他に、亜鉛や
鉄などが対象となっているが、現在のところカドミウム
極が多く用いられている。ところが、より一層の高エネ
ルギ−密度を達成するために金属水素化物、つまり水素
吸蔵合金電極を使ったニッケル−水素蓄電池が注目さ
れ、その製造法に関して多くの提案がされている。たと
えば水素吸蔵合金粉末の耐酸化性や成型性を改善するた
めに、水素吸蔵合金粉末の表面をニッケルや銅でメッキ
して、表面に多孔性の金属層を形成する技術がよく知ら
れている。さらに製造後の合金を均質化するための高温
熱処理や、合金粉末や合金電極中で、完全な合金になっ
ていない可溶性の金属をアルカリで溶解除去することに
より、長寿命化を図るためにアルカリによる処理などが
行われている。そのほかにも、種々の添加剤を加え、性
能の安定化や寿命向上のための手段が種々講じられてい
る。
鉄などが対象となっているが、現在のところカドミウム
極が多く用いられている。ところが、より一層の高エネ
ルギ−密度を達成するために金属水素化物、つまり水素
吸蔵合金電極を使ったニッケル−水素蓄電池が注目さ
れ、その製造法に関して多くの提案がされている。たと
えば水素吸蔵合金粉末の耐酸化性や成型性を改善するた
めに、水素吸蔵合金粉末の表面をニッケルや銅でメッキ
して、表面に多孔性の金属層を形成する技術がよく知ら
れている。さらに製造後の合金を均質化するための高温
熱処理や、合金粉末や合金電極中で、完全な合金になっ
ていない可溶性の金属をアルカリで溶解除去することに
より、長寿命化を図るためにアルカリによる処理などが
行われている。そのほかにも、種々の添加剤を加え、性
能の安定化や寿命向上のための手段が種々講じられてい
る。
【0005】水素吸蔵合金電極の製造法としては、合金
粉末を焼結する焼結式と、発泡体、繊維、パンチングメ
タルなどの導電性多孔体に合金粉末を充填するか塗着す
るペ−スト式とがある。水素吸蔵合金としては希土類系
のMmNi5多元系が主に用いられる。
粉末を焼結する焼結式と、発泡体、繊維、パンチングメ
タルなどの導電性多孔体に合金粉末を充填するか塗着す
るペ−スト式とがある。水素吸蔵合金としては希土類系
のMmNi5多元系が主に用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の水素
吸蔵合金負極は金属負極に較べて高容量である。とく
に、Zr(Ti)−NiをベースとするAB2系合金は
高容量ではあるが、充放電サイクルの初期での放電特性
にやや問題を残しいてる。そのほか一般に他の負極に較
べて水素吸蔵合金電極の製造法は煩雑で簡易化が望まれ
ている。また密閉形電池では、とくに充放電サイクルの
初期において水素吸蔵合金電極の放電特性と、充電時の
ガス吸収性が課題である。
吸蔵合金負極は金属負極に較べて高容量である。とく
に、Zr(Ti)−NiをベースとするAB2系合金は
高容量ではあるが、充放電サイクルの初期での放電特性
にやや問題を残しいてる。そのほか一般に他の負極に較
べて水素吸蔵合金電極の製造法は煩雑で簡易化が望まれ
ている。また密閉形電池では、とくに充放電サイクルの
初期において水素吸蔵合金電極の放電特性と、充電時の
ガス吸収性が課題である。
【0007】本発明はこのような課題を解決するもの
で、水素吸蔵合金電極の充放電初期の放電特性を改善
し、利用率を向上するとともに、さらに充放電サイクル
寿命の長い水素吸蔵合金電極の製造法を提供することを
目的とするものである。
で、水素吸蔵合金電極の充放電初期の放電特性を改善
し、利用率を向上するとともに、さらに充放電サイクル
寿命の長い水素吸蔵合金電極の製造法を提供することを
目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、水素吸蔵合金粉末を加圧成形して電極とし
た後、アルカリ溶液に漬けて電極の表面を酸化させる。
従来のアルカリ処理では、合金中に存在する、完全な合
金になっていない可溶性の金属を溶解除去することを目
的に、40〜80℃で行っていた。これに対し本発明で
は、はるかに苛酷な浸漬温度が選ばれる。すなわち95
℃以上、望ましくは100〜120℃程度でアルカリ処
理することが必要になる。なお処理時間は0.5〜5時
間程度でよい。この場合、処理する形態としては、水素
吸蔵合金粉末を芯材とともにに加圧して電極に成形した
後アルカリ溶液中で電極表面を酸化させてもよい。また
水素吸蔵合金粉末を多孔体に充填し、加圧成形して電極
とした後、アルカリ溶液中で電極表面を酸化させてもよ
い。またアルカリ液としては比重1.30(20℃)を
下限とする苛性カリが望ましいが、苛性ソ−ダ、水酸化
リチウムなどの苛性アルカリ溶液も有効である。また工
程は煩雑になるが、あらかじめ水素吸蔵合金粉末に従来
のアルカリ処理を行い、この処理粉末を加圧成形して電
極とし、この電極を本発明のアルカリ溶液中で表面酸化
させてもよい。
に本発明は、水素吸蔵合金粉末を加圧成形して電極とし
た後、アルカリ溶液に漬けて電極の表面を酸化させる。
従来のアルカリ処理では、合金中に存在する、完全な合
金になっていない可溶性の金属を溶解除去することを目
的に、40〜80℃で行っていた。これに対し本発明で
は、はるかに苛酷な浸漬温度が選ばれる。すなわち95
℃以上、望ましくは100〜120℃程度でアルカリ処
理することが必要になる。なお処理時間は0.5〜5時
間程度でよい。この場合、処理する形態としては、水素
吸蔵合金粉末を芯材とともにに加圧して電極に成形した
後アルカリ溶液中で電極表面を酸化させてもよい。また
水素吸蔵合金粉末を多孔体に充填し、加圧成形して電極
とした後、アルカリ溶液中で電極表面を酸化させてもよ
い。またアルカリ液としては比重1.30(20℃)を
下限とする苛性カリが望ましいが、苛性ソ−ダ、水酸化
リチウムなどの苛性アルカリ溶液も有効である。また工
程は煩雑になるが、あらかじめ水素吸蔵合金粉末に従来
のアルカリ処理を行い、この処理粉末を加圧成形して電
極とし、この電極を本発明のアルカリ溶液中で表面酸化
させてもよい。
【0009】なお水素吸蔵合金電極製造時に電気抵抗の
低いポリビニルアルコ−ルやカルボキシメチルセルロ−
スなどの結着剤を用いて粉末を固めた場合、アルカリ処
理による酸化が苛酷なため、結着剤が分解されて溶出す
るので、とくに密閉形で捲回を行う電池構成を採用する
場合脱落のおそれがある。したがって、アルカリ処理後
に改めて結着剤を添加してもよい。
低いポリビニルアルコ−ルやカルボキシメチルセルロ−
スなどの結着剤を用いて粉末を固めた場合、アルカリ処
理による酸化が苛酷なため、結着剤が分解されて溶出す
るので、とくに密閉形で捲回を行う電池構成を採用する
場合脱落のおそれがある。したがって、アルカリ処理後
に改めて結着剤を添加してもよい。
【0010】
【作用】水素吸蔵合金電極の容量を向上し、性能の安定
化や寿命を向上するための手段として、水素吸蔵合金粉
末をアルカリ溶液に浸漬するアルカリ処理が行われる。
このアルカリ処理の主な目的は、合金製造時に偏析など
の原因で所望の合金になっていない金属で、電池に使用
中に溶出する可能性のある金属を予め除去するために行
われている。したがって、この目的のためには、粉末の
状態でアルカリ溶液に浸漬するのが最も有効である。ま
た電極に形成してからアルカリに浸漬しても電極の外観
に変化はない。
化や寿命を向上するための手段として、水素吸蔵合金粉
末をアルカリ溶液に浸漬するアルカリ処理が行われる。
このアルカリ処理の主な目的は、合金製造時に偏析など
の原因で所望の合金になっていない金属で、電池に使用
中に溶出する可能性のある金属を予め除去するために行
われている。したがって、この目的のためには、粉末の
状態でアルカリ溶液に浸漬するのが最も有効である。ま
た電極に形成してからアルカリに浸漬しても電極の外観
に変化はない。
【0011】ところが本発明のアルカリによる酸化処理
は、不純物の除去だけに留まらず、より苛酷な表面の酸
化を行なう。したがって、たとえばZr(Ti)−Ni
をベースとするAB2系合金の場合、表面は金属色から
完全に黒褐色に変化する。このため従来のアルカリ処理
ではほとんど効果がなかった、充放電サイクルの初期で
の放電特性の改良に効果がある。その理由は、合金の表
面がアルカリにより酸化され、アルカリ水溶液に対する
濡れ性がいちじるしく向上したことがあげられる。一
方、充放電サイクル初期の放電特性が比較的優れている
Mm−Ni系合金の場合も、酸化により表面が黒褐色と
なり、利用率が向上する。また、不純物の除去効果も加
わってガス吸収性も改善される。
は、不純物の除去だけに留まらず、より苛酷な表面の酸
化を行なう。したがって、たとえばZr(Ti)−Ni
をベースとするAB2系合金の場合、表面は金属色から
完全に黒褐色に変化する。このため従来のアルカリ処理
ではほとんど効果がなかった、充放電サイクルの初期で
の放電特性の改良に効果がある。その理由は、合金の表
面がアルカリにより酸化され、アルカリ水溶液に対する
濡れ性がいちじるしく向上したことがあげられる。一
方、充放電サイクル初期の放電特性が比較的優れている
Mm−Ni系合金の場合も、酸化により表面が黒褐色と
なり、利用率が向上する。また、不純物の除去効果も加
わってガス吸収性も改善される。
【0012】本発明のアルカリ処理により、いずれの合
金の場合も、従来のアルカリ処理ではほとんど得られな
かった充放電時の過電圧の低下が認められ、充電の受け
入れ性と放電時の利用率の向上をもたらしている。
金の場合も、従来のアルカリ処理ではほとんど得られな
かった充放電時の過電圧の低下が認められ、充電の受け
入れ性と放電時の利用率の向上をもたらしている。
【0013】
【実施例】水素吸蔵合金としてAB2系合金の一つであ
るZrMn0.5Cr0.2V0.1Ni1. 2を粉砕して360メ
ッシュを通過させた。この合金粉末に2重量%のポリビ
ニルアルコ−ル溶液を加えて調製した合金ペ−ストを、
多孔度95%で厚さ1.0mmの発泡状ニッケル板に充填
した。この電極を幅33mm、長さ210mmに裁断し、リ
−ド板をスポット溶接により取り付けた。電極はまず1
00tonの加圧機で加圧した後さらにロ−ラプレス機
を通して厚さ0.52mmに調整した。その後30重量%
のカセイカリ水溶液中に108〜112℃で2時間浸漬
した。その結果、合金中で完全な合金層を形成していな
いと思われるZr、Mn、Vなどがアルカリ溶液中に一
部溶出し、おもに鱗片状の沈澱が認められるとともに電
極面は黒褐色を呈している。この電極は乾燥後は金属光
沢はまったくなく黒褐色のままである。この電極をAと
する。
るZrMn0.5Cr0.2V0.1Ni1. 2を粉砕して360メ
ッシュを通過させた。この合金粉末に2重量%のポリビ
ニルアルコ−ル溶液を加えて調製した合金ペ−ストを、
多孔度95%で厚さ1.0mmの発泡状ニッケル板に充填
した。この電極を幅33mm、長さ210mmに裁断し、リ
−ド板をスポット溶接により取り付けた。電極はまず1
00tonの加圧機で加圧した後さらにロ−ラプレス機
を通して厚さ0.52mmに調整した。その後30重量%
のカセイカリ水溶液中に108〜112℃で2時間浸漬
した。その結果、合金中で完全な合金層を形成していな
いと思われるZr、Mn、Vなどがアルカリ溶液中に一
部溶出し、おもに鱗片状の沈澱が認められるとともに電
極面は黒褐色を呈している。この電極は乾燥後は金属光
沢はまったくなく黒褐色のままである。この電極をAと
する。
【0014】比較のために、上記の実施例と同じ水素吸
蔵合金電極を30重量%のカセイカリ水溶液中に80℃
で4時間浸漬し、水洗、乾燥し、それ以外の工程は電極
Aと同じ工程で得られた電極をBとする。電極Bはアル
カリ浸漬前と同様に金属色を呈している。
蔵合金電極を30重量%のカセイカリ水溶液中に80℃
で4時間浸漬し、水洗、乾燥し、それ以外の工程は電極
Aと同じ工程で得られた電極をBとする。電極Bはアル
カリ浸漬前と同様に金属色を呈している。
【0015】またアルカリ処理を省略する以外は、電極
Aと同じ工程で加工した水素吸蔵合金電極をCとする。
Aと同じ工程で加工した水素吸蔵合金電極をCとする。
【0016】これら3種類の電極を、負極としての特性
を調べるために負極律則になるように、十分容量の大き
い対極として焼結式のニッケル極を正極に用い、密閉形
電池を想定して電解液として比重1.26の苛性カリ水
溶液に20g/lの水酸化リチウムを溶解してセパレ−
タに含浸して用い、電極試験を行なった。5時間率で負
極容量の140%定電流充電−0.5A で0.9V まで
の定電流放電を行なったところ、電極Aの放電容量密度
は1サイクル目305mAh/g、2サイクル目359mAh/
g、3サイクル目367mAh/gで以後ほぼ一定になった。
ところが電極Bでは、1サイクル目190mAh/g、3サ
イクル目270、5サイクル目344で、7サイクル以
後はほぼ一定で360mAh/gであった。また電極Cで
は、1サイクル目125mAh/g、3サイクル目232、
5サイクル目289で、12サイクル以後はほぼ一定で
355mAh/gであった。この結果から電極Aではサイク
ル初期特性が向上し、利用率も高いことがわかる。
を調べるために負極律則になるように、十分容量の大き
い対極として焼結式のニッケル極を正極に用い、密閉形
電池を想定して電解液として比重1.26の苛性カリ水
溶液に20g/lの水酸化リチウムを溶解してセパレ−
タに含浸して用い、電極試験を行なった。5時間率で負
極容量の140%定電流充電−0.5A で0.9V まで
の定電流放電を行なったところ、電極Aの放電容量密度
は1サイクル目305mAh/g、2サイクル目359mAh/
g、3サイクル目367mAh/gで以後ほぼ一定になった。
ところが電極Bでは、1サイクル目190mAh/g、3サ
イクル目270、5サイクル目344で、7サイクル以
後はほぼ一定で360mAh/gであった。また電極Cで
は、1サイクル目125mAh/g、3サイクル目232、
5サイクル目289で、12サイクル以後はほぼ一定で
355mAh/gであった。この結果から電極Aではサイク
ル初期特性が向上し、利用率も高いことがわかる。
【0017】つぎに本実施例の電極を用いて密閉形ニッ
ケル−水素蓄電池を構成し、電池性能を検討した。相手
極としては公知の発泡状ニッケル極、それに親水処理ポ
リプロピレン不織布セパレ−タを用いた。電解液として
比重1.25の苛性カリ水溶液に25g/l の水酸化リチ
ウムを溶解して用いた。電池はSubC型とした。公称
容量は3.0Ahである。正極に対する負極の容量を1
50%とした。この電極Aを用いた電池をA’とする。
つぎに、比較例の電極Bを用いた電池をB’、電極C
を用いた電池をC’とした。
ケル−水素蓄電池を構成し、電池性能を検討した。相手
極としては公知の発泡状ニッケル極、それに親水処理ポ
リプロピレン不織布セパレ−タを用いた。電解液として
比重1.25の苛性カリ水溶液に25g/l の水酸化リチ
ウムを溶解して用いた。電池はSubC型とした。公称
容量は3.0Ahである。正極に対する負極の容量を1
50%とした。この電極Aを用いた電池をA’とする。
つぎに、比較例の電極Bを用いた電池をB’、電極C
を用いた電池をC’とした。
【0018】まず充放電サイクル初期の放電電圧と放電
容量を比較した。8時間率で容量の150%定電流充電
と、0.5Aで0.9Vまでの定電流放電を行なったとこ
ろ、A’は1サイクル目で平均電圧は1.24Vであ
り、2サイクル目以降は1.25V、放電容量は2サイ
クル目以後はほぼ一定で、2.95〜3.00Ahであっ
た。ところが電池B’では、1サイクル目の平均電圧は
1.18Vであり放電容量が向上してほぼ一定になるま
でに8サイクルを要し、平均電圧は15サイクル目でも
電池A’よりやや低かった。電池C’では、1サイクル
目での平均電圧は1.16Vであり放電容量が向上して
ほぼ一定になるまでに15サイクルを要し、放電容量は
2.4〜2.6Ah、平均電圧は25サイクル目で電池
A’よりやや低かった。
容量を比較した。8時間率で容量の150%定電流充電
と、0.5Aで0.9Vまでの定電流放電を行なったとこ
ろ、A’は1サイクル目で平均電圧は1.24Vであ
り、2サイクル目以降は1.25V、放電容量は2サイ
クル目以後はほぼ一定で、2.95〜3.00Ahであっ
た。ところが電池B’では、1サイクル目の平均電圧は
1.18Vであり放電容量が向上してほぼ一定になるま
でに8サイクルを要し、平均電圧は15サイクル目でも
電池A’よりやや低かった。電池C’では、1サイクル
目での平均電圧は1.16Vであり放電容量が向上して
ほぼ一定になるまでに15サイクルを要し、放電容量は
2.4〜2.6Ah、平均電圧は25サイクル目で電池
A’よりやや低かった。
【0019】つぎに各電池それぞれ10セル用い、急速
充電特性を調べた。周囲温度を0℃で、まず0.7C充
電を行なったところ容量の200%充電時での電池内圧
力が電池A’では1.3Kg/cm2、電池B’では5.4Kg
/cm2、電池C’では10Kg/cm2以上であり、1.2C充
電では電池A’では2.2Kg/cm2、電池B’では7.6
Kg/cm2、1.5Cでも電池A’では5.3Kg/cm2であ
り、電池B’では10Kg/cm2以上になった。
充電特性を調べた。周囲温度を0℃で、まず0.7C充
電を行なったところ容量の200%充電時での電池内圧
力が電池A’では1.3Kg/cm2、電池B’では5.4Kg
/cm2、電池C’では10Kg/cm2以上であり、1.2C充
電では電池A’では2.2Kg/cm2、電池B’では7.6
Kg/cm2、1.5Cでも電池A’では5.3Kg/cm2であ
り、電池B’では10Kg/cm2以上になった。
【0020】つぎに各電池それぞれ10セル用い、0.
5Cで容量の150%定電流充電と0.5Cで0.9V
までの定電流放電の条件で寿命特性を比較した。その結
果、放電容量は、400サイクルでは電池A’、B’と
も正極律則で、初期容量の93%を示しているのに対し
て、800サイクルでは電池A’は90%であったのに
電池B’では負極律則になり75%であった。なお電池
C’では400サイクルでも負極律則であり73%であ
った。この結果から明らかなように電池A’が最も長寿
命であった。
5Cで容量の150%定電流充電と0.5Cで0.9V
までの定電流放電の条件で寿命特性を比較した。その結
果、放電容量は、400サイクルでは電池A’、B’と
も正極律則で、初期容量の93%を示しているのに対し
て、800サイクルでは電池A’は90%であったのに
電池B’では負極律則になり75%であった。なお電池
C’では400サイクルでも負極律則であり73%であ
った。この結果から明らかなように電池A’が最も長寿
命であった。
【0021】なお、工程は複雑になるが、合金粉末をア
ルカリに浸漬して不純物を除き、この粉末を用いて電極
を成形後、さらに本発明のアルカリによる酸化を行って
も同様の効果が得られた。
ルカリに浸漬して不純物を除き、この粉末を用いて電極
を成形後、さらに本発明のアルカリによる酸化を行って
も同様の効果が得られた。
【0022】
【発明の効果】以上の実施例の説明からも明らかなよう
に本発明によれば、水素吸蔵合金粉末を主体とする電極
をアルカリ水溶液中で酸化させることにより、水素吸蔵
合金電極の充放電サイクル初期の放電特性、利用率、充
放電サイクル寿命が向上し、優れた電池特性を示すアル
カリ二次電池が得られる。
に本発明によれば、水素吸蔵合金粉末を主体とする電極
をアルカリ水溶液中で酸化させることにより、水素吸蔵
合金電極の充放電サイクル初期の放電特性、利用率、充
放電サイクル寿命が向上し、優れた電池特性を示すアル
カリ二次電池が得られる。
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フロントページの続き
(72)発明者 辻 庸一郎
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器
産業株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 水素吸蔵合金粉末を主体とする粉末組成
物を加圧して電極を形成した後、前記電極を100〜1
20℃に加熱したアルカリ溶液に浸漬する水素吸蔵合金
電極の製造法。 - 【請求項2】 水素吸蔵合金粉末と結着剤を主体とする
ペースト組成物を多孔体に充填し、加圧して電極を形成
した後、前記電極を100〜120℃に加熱したアルカ
リ溶液に浸漬し、水洗、乾燥後、ふたたび結着剤を前記
電極に含浸する水素吸蔵合金電極の製造法。 - 【請求項3】 水素吸蔵合金粉末を主体とする粉末組成
物、または水素吸蔵合金粉末と結着剤を主体とするペー
スト組成物を多孔体に充填したものを、エンボス加工し
たロ−ラプレス機により加圧する請求項1または2記載
の水素吸蔵合金電極の製造法。 - 【請求項4】 アルカリ溶液に浸漬した粉末状態の水素
吸蔵合金粉末を主体とする粉末組成物を用いる請求項1
または2記載の水素吸蔵合金電極の製造法。 - 【請求項5】 アルカリ溶液として比重1.30(20
℃)を下限とする苛性カリ水溶液を用いる請求項1また
は2記載の水素吸蔵合金電極の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3162653A JPH0513077A (ja) | 1991-07-03 | 1991-07-03 | 水素吸蔵合金電極の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3162653A JPH0513077A (ja) | 1991-07-03 | 1991-07-03 | 水素吸蔵合金電極の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0513077A true JPH0513077A (ja) | 1993-01-22 |
Family
ID=15758718
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3162653A Pending JPH0513077A (ja) | 1991-07-03 | 1991-07-03 | 水素吸蔵合金電極の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0513077A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000268818A (ja) * | 1999-03-18 | 2000-09-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電池用水素吸蔵合金の活性化処理方法およびそれを用いたアルカリ蓄電池 |
JP2006216239A (ja) * | 2005-02-01 | 2006-08-17 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 水素吸蔵合金粉末およびその処理方法、ならびにそれを用いたアルカリ蓄電池 |
JP2015210865A (ja) * | 2014-04-24 | 2015-11-24 | トヨタ自動車株式会社 | 水素吸蔵合金粒子 |
-
1991
- 1991-07-03 JP JP3162653A patent/JPH0513077A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000268818A (ja) * | 1999-03-18 | 2000-09-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電池用水素吸蔵合金の活性化処理方法およびそれを用いたアルカリ蓄電池 |
JP2006216239A (ja) * | 2005-02-01 | 2006-08-17 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 水素吸蔵合金粉末およびその処理方法、ならびにそれを用いたアルカリ蓄電池 |
JP2015210865A (ja) * | 2014-04-24 | 2015-11-24 | トヨタ自動車株式会社 | 水素吸蔵合金粒子 |
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