JPH05130722A - ケーブル端末処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 この方法は、ケーブル１をその軸にほぼ垂直
な面で切断し、この切断端面に端部保護体１０を配置す
る。この端部保護体１０は、ケーブル１と共にモールド
用樹脂１１により一体化される。この場合、両者の外周
と両者の間隙には、モールド用樹脂が圧入される。この
樹脂の圧力を逃がし、モールドを完全にする為に、端部
保護体軸部に樹脂逃がし用貫通孔１２が設けられてい
る。 【効果】 従来より作業が簡略化され熟練が不要とな
り、処理を短時間で行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、工場で製造され、布設
現場へ運搬するまでのケーブル端末を保護するため等に
使用されるケーブル端末処理方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】工場でケーブルを製造し、布設現場まで
ケーブルを運搬する際や、ケーブルを布設後最終的な接
続加工を行う前の段階では、ケーブル端末に水分やその
他の有害物質が浸入しないように端末処理を行う。図３
に従来のこの種の端末縦断面図を示す。図において、ケ
ーブル１はその導体２を一部露出させ、絶縁体３及びシ
ース４が順に段剥されている。この導体２及び絶縁体３
の端末付近には、自己融着性合成ゴムテープを巻き付
け、これにビニールキャップ５を被せている。このビニ
ールキャップ５は、粘着ビニールテープ巻き層７によっ
て、ケーブル１のシース４に一体に固定されている。な
お、上記ケーブル１は、絶縁体３に架橋ポリエチレン、
シース４に塩化ビニール樹脂などを使用したものであ
る。ケーブル端末の保護を行う場合に、上記のように導
体２を所定長露出させるのは、自己融着性合成ゴムテー
プ６を巻き付け易くし、巻き上げた形状がビニールキャ
ップ５を被せ易くする為である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なケーブル端末処理作業は、一定の加工技術と確実性と
を要求される為、従来、比較的熟練された技能者により
行われていた。即ち、導体２を包囲する絶縁体３やシー
ス４の段剥作業は、この種の作業に不慣れな作業者で
は、手早く的確に行うことは困難であるという問題があ
った。また、図３に示すようなケーブル端末は、図４に
示すような外観となり、その布設作業の際には図４に示
すような網状のワイヤーグリップ８を取り付ける。しか
しながら、上記のような端末は、粘着ビニールテープ巻
き層７を巻き付けた後の最大外径が大きくなり、ほぼケ
ーブルの外径に合わせて作られているワイヤーグリップ
８の装着の障害になる場合がある。本発明は以上の点に
着目してなされたもので、処理作業が容易で、ケーブル
外径の増加も低く押さえることのできる、ケーブル端末
処理方法を提供することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明のケーブル端末処
理方法は、ケーブルを、その軸にほぼ垂直な面で切断
し、前記ケーブルの切断端面に端部保護体を配置し、こ
の端部保護体には、軸部に樹脂逃がし用貫通孔を設け、
前記ケーブルと前記端部保護体の外周の一部を覆い、か
つ、両者の間隙を満たして前記樹脂逃がし用貫通孔に到
るまで、モールド用樹脂を圧入し被覆することを特徴と
するものである。

【０００５】

【作用】この方法は、ケーブルをその軸にほぼ垂直な面
で切断し、この切断端面に端部保護体を配置する。この
端部保護体は、ケーブルと共にモールド用樹脂により一
体化される。この場合、両者の外周と両者の間隙には、
モールド用樹脂が圧入されるが、この樹脂の圧力を逃が
し、モールドを完全にする為に、端部保護体軸部に樹脂
逃がし用貫通孔が設けられている。これにより、作業が
簡略化され熟練が不要となり処理を短時間で行うことが
できる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明を図の実施例を用いて詳細に説
明する。図１は本発明のケーブル端末処理方法実施例を
示す、ケーブル端末縦断面図である。図において、ケー
ブル１は先に図３において説明したと同様の構成のもの
で、導体２の外周に絶縁体３及びシース４を被覆したも
のである。この絶縁体３は、例えば架橋ポリエチレンか
ら成り、シース４は塩化ビニール樹脂から成る。このよ
うなケーブルの端末処理を行う為に、本発明の方法で
は、予めこのケーブル１をその軸にほぼ垂直な面でその
まま切断する。即ち、従来の方法のように絶縁体３及び
シース４の段剥は必要としない。そして、ケーブル１の
切断端面には、このケーブル１とほぼ同程度の外径の端
部保護体１０を配置する。この端部保護体１０は、例え
ば塩化ビニール樹脂を射出成型して構成される。なおこ
の端部保護体１０には、軸部に樹脂逃がし用貫通孔１２
が設けられている。

【０００７】図２に、本発明のケーブル端末処理方法を
実施した場合の射出成型機２０と、これに装着したケー
ブル端末縦断面図を示す。上記図１に示したようなケー
ブル端末は、図のような状態で、射出成型機２０に、ケ
ーブル１の端末部分と端部保護体１０と装着し、ノズル
１４を通じてモールド用樹脂１１を圧入することにより
製造される。このような状態でモールド用樹脂１１を圧
入すると、このモールド用樹脂１１はケーブル１と端部
保護体１０の外周の一部を覆いながら、次第に両者の間
隙を満たし、さらに樹脂逃がし用貫通孔１２を通じて図
の右側に溢れでる。このように樹脂が溢れでた状態で、
溢れ出した不要な樹脂を取り除けば、図１に示したよう
なケーブル端末が完成する。

【０００８】上記のようなケーブル端末処理方法を実施
する場合には、単にケーブル１の端末を軸にほぼ垂直な
面で切断し、ケーブル１を射出成型機２０に装着し、さ
らに端部保護体１０を装着して、射出成型機のスイッチ
を入れるだけでよく、特に熟練した技能者でなくても容
易に作業が行える。しかも、作業内容が簡単で、テープ
巻き作業等もない為、処理時間は大幅に短縮される。例
えば、従来図３に示したようなケーブル端末処理に約１
０分程度の時間を必要としていたのに対し、本発明の方
法を採用することにより、その処理時間を５分の１程度
に短縮することができた。さらに本発明の方法によれ
ば、図１を見て明らかなように、モールド用樹脂１１
は、ケーブル１と端部保護体１０とを結合する為に必要
な最小限の厚さに選定すればよく、ケーブル外径の増大
も比較的小さく押さえることができる。しかも、その外
側の形状も滑らかで、図４に示したようなワイヤグリッ
プ８を装着する作業が従来のものに比べてはるかに容易
になる。従って、特に分岐付きケーブル幹線の端末処理
等に著しい効果がある。

【０００９】本発明は以上の実施例に限定されない。上
記実施例においては、架橋ポリエチレン絶縁、ビニール
シースケーブルに本発明を採用する例を示したが、これ
以外の構造の各種のケーブルの端末処理に利用すること
ができる。また、本発明の方法によって、最終的な外径
を小さく押さえることは、必ずしもワイヤグリップの装
着を容易にするだけでなく、例えば狭いダクトへのケー
ブルの挿入やその他取扱の面で簡便になるという効果も
ある。

【００１０】

【発明の効果】以上説明した本発明のケーブル端末処理
方法によれば、ケーブルをその軸にほぼ垂直な面で切断
し、その端面に端部保護体を配置し、両者にモールド用
樹脂を圧入して被覆するようにしたので、端末処理が簡
便になり迅速確実にその作業を行うことができる。この
為、端末処理自体に熟練を有しない。また、端部保護体
に、その軸部に樹脂逃がし貫通孔を設けることにより、
ケーブルと端部保護体の間隙に樹脂を十分に満たすこと
ができる。さらに、ケーブルと端部保護体とをモールド
により一体化する為、モールド用樹脂の外径を十分に小
さく押さえることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のケーブル端末処理方法を実施したケー
ブル端末縦断面図である。

【図２】本発明の方法を実施する場合の射出成型機とケ
ーブル端末の縦断面図である。

【図３】従来のケーブル端末縦断面図である。

【図４】従来のケーブル端末側面図及びワイヤグリップ
の側面図である。

【符号の説明】

１ ケーブル ２ 導体 ３ 絶縁体 ４ シース １０ 端部保護体 １１ モールド用樹脂 １２ 樹脂逃がし用貫通孔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーブルを、その軸にほぼ垂直な面で切
   断し、 前記ケーブルの切断端面に端部保護体を配置し、 この端部保護体には、軸部に樹脂逃がし用貫通孔を設
   け、 前記ケーブルと前記端部保護体の外周の一部を覆い、か
   つ、両者の間隙を満たして前記樹脂逃がし用貫通孔に到
   るまで、モールド用樹脂を圧入し被覆することを特徴と
   するケーブル端末処理方法。