JPH05128401A

JPH05128401A - 磁気記録再生装置

Info

Publication number: JPH05128401A
Application number: JP3291431A
Authority: JP
Inventors: Shinichi Segi; 真一勢木
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 1991-11-07
Filing date: 1991-11-07
Publication date: 1993-05-25

Abstract

(57)【要約】【目的】音声信号に高周波バイアス信号を重畳し、こ
の重畳信号を磁気テープの磁性層の深層部分に音声用回
転磁気ヘッドにより記録し、映像用回転ヘッドによりＦ
Ｍ輝度信号と低域変換搬送色信号を磁気テープの磁性層
の表層部分に記録する磁気記録再生装置または消去用回
転ヘッドを備えた磁気記録再生装置の画質劣化を防ぐ。【構成】高周波バイアス信号の周波数または高周波消
去信号の周波数をＦＭ輝度信号の瞬時周波数に応じて変
化させ、妨害信号の周波数を０Ｈｚまたは画質劣化の起
こらない周波数に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＰＣＭ音声信号やＦＭ
音声信号に高周波バイアス信号を重畳し、磁気テープの
磁性層の深層部分に記録し、磁性層表層部分に映像信号
を記録する磁気記録再生装置、および消去用回転ヘッド
を備えた磁気記録再生装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図１１は例えば特開平１−１０５３０１
号公報に示された従来の磁気記録再生装置を示すブロッ
ク図である。同図中、一点鎖線Ａより上の部分が記録系
で、Ａより下の部分が再生系である。

【０００３】端子２５には標準カラー方式のカラー映像
信号が入来し、映像信号処理回路２６に供給される。映
像信号処理回路２６は輝度信号と搬送色信号とを分離
し、この輝度信号で搬送波を周波数変調したＦＭ輝度信
号を生成し、かつ、搬送色信号を低域変換し低域変換搬
送色信号を生成し、これら両信号を周波数分割多重して
図１２（ａ）に示すような周波数スペクトラムの信号を
出力する。図１２（ａ）中、ＹはＦＭ輝度信号でその搬
送周波数帯域は５．４ＭＨｚ〜７．０ＭＨｚである。Ｃ
は低域変換搬送色信号で、その低域変換色副搬送波周波
数は略６２９ＫＨｚである。上記の記録用映像信号は記
録アンプ２７を介して映像用回転ヘッド２８ａ，２８ｂ
に供給される。

【０００４】また、端子３１ａ，３１ｂに入来した左チ
ャンネル音声信号と右チャンネル音声信号は、一方では
ノイズリダクション回路７０ａ，７０ｂに送られダイナ
ミックレンジを１／２にされた後、プリエンファシス回
路７１ａ，７１ｂにおいてプリエンファシス特性を付与
され、リミッタ７２ａ，７２ｂにおいて所定レベル以上
の信号がカットされる。リミッタ７２ａ，７２ｂの出力
はＦＭ変調器７３ａ，７３ｂに送られ、夫々、１．３Ｍ
Ｈｚ，１．７ＭＨｚの搬送波でＦＭ変調され、帯域フィ
ルタ７４ａ，７４ｂを経た後混合機７５へ送られる。

【０００５】また、一方では、スイッチ手段６９ａ，６
９ｂがａ側に接続されている場合、端子３１ａ，３１ｂ
に入来した左チャンネル音声信号と右チャンネル音声信
号は、低域フィルタ３２ａ，３２ｂで不要高域成分を除
去した後、サンプルホールド回路３３ａ，３３ｂを経て
Ａ／Ｄ変換器３４ａ，３４ｂに供給され、ここで量子化
ビット数１６ビットに直線量子化された後、符号化され
てＰＣＭ音声信号になる。この左右チャンネル夫々のＰ
ＣＭ音声信号はエンコーダ３５に供給され、誤り訂正符
号を付加するなどの処理を経て、オフセット４相差分Ｐ
ＳＫ変調器（ＯＱＤＰＳＫ変調器）３６で変調される。
この変調信号の搬送波周波数は、約３．０ＭＨｚに選定
されており、図１２（ｂ）に示すような周波数スペクト
ラムをしている。この変調信号は帯域フィルタ３７を通
り混合器７５に入力され、前記ＦＭ音声信号と周波数分
割多重された後バイアス重畳回路３９に供給され、ここ
で周波数１０．８ＭＨｚの高周波バイアスを重畳され端
子４０へ出力される。端子４０より取り出された上記重
畳信号は、音声用回転ヘッド４１ａ，４１ｂに夫々供給
される。

【０００６】音声用回転ヘッド４１ａおよび４１ｂは回
転シリンダ（図示せず）の回転面に１８０度対向して取
り付けられ、かつ、前記映像用回転ヘッドに対して一定
角度先行して取り付けられている。また、音声用回転ヘ
ッド４１ａおよび４１ｂのアジマス角度は一方が＋３０
度、他方が−３０度であり、また、映像用回転ヘッド２
８ａおよび２８ｂのアジマス角度は一方が＋６度、他方
が−６度である。音声用回転ヘッド４１ａ、４１ｂによ
り、ディジタル音声信号とＦＭ音声信号が上記回転シリ
ンダに１８０度強の角度範囲を亘って巻回されつつ走行
する磁気テープ４３の深層部分にまで高周波バイアス記
録されて音声トラックを形成し、その後、その音声トラ
ックの上方の磁性層表層部分に、映像用回転ヘッド２８
ａ，２８ｂにより記録用映像信号が記録され映像トラッ
クを形成する。

【０００７】次に上記記録系により記録された磁気テー
プ４３の深層部分に形成された音声トラックから音声用
回転ヘッド４１ａ、４１ｂで交互に再生された被変調デ
ィジタル音声信号とＦＭ音声信号はプリアンプ５５に供
給される。また、これと同時に磁気テープ４３の前記映
像トラックより回転ヘッド２８ａ，２８ｂで交互に再生
された映像信号はスイッチングアンプ５６に供給され、
再生信号を増幅すると共にスイッチングして連続信号と
し、プリアンプ５７を介して映像信号処理回路５８に供
給される。映像信号処理回路５８は再生信号よりＦＭ輝
度信号、低域変換搬送色信号を帯域分割して取り出し、
ＦＭ復調して輝度信号を得ると共に周波数変換により搬
送色信号を得て、輝度信号に搬送色信号を重畳して標準
カラー方式の再生カラー映像信号として端子５９より出
力する。

【０００８】他方、プリアンプ５５は回転ヘッド４１
ａ，４１ｂよりのディジタル音声信号と、ＦＭ音声信号
とが混合された再生音声信号を増幅すると共にスイッチ
ングして連続信号とする。このプリアンプ５５の出力信
号の周波数スペクトラムを図１３に示す。記録音声信号
は高周波バイアス信号が重畳されているので再生音声信
号の低域に発生するノイズは低く押さえられている。

【０００９】この再生信号を再生等化器８０および帯域
フィルタ８１ａ，８１ｂに供給する。帯域フィルタ８１
ａ，８１ｂの出力はリミッタ８２ａ，８２ｂを経てそれ
ぞれＦＭ復調器８３ａ，８３ｂにおいてＦＭ復調され、
ディエンファシス回路８４ａ，８４ｂに通り、ノイズリ
ダクション回路される。

【００１０】再生等化器８０は減衰した高域成分を増強
した後帯域フィルタ６０に供給する。帯域フィルタ６０
の出力はＯＱＤＰＳＫ復調器６１によって復調されディ
ジタル音声信号とされデコーダ６２に供給され、誤り訂
正などの処理が行われて、左チャンネル、右チャンネル
のディジタル音声信号に分離される。左右チャンネルの
ディジタル音声信号は、夫々Ｄ／Ａ変換器６３ａ，６３
ｂでアナログ化された後、デグリッチャ回路６４ａ，６
４ｂと、低域フィルタ６５ａ，６５ｂを通り、端子６６
ａ，６６ｂへ左チャンネル、右チャンネルの音声が出力
される。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】従来の磁気記録再生装
置は以上のように構成されており、高周波バイアス信号
の周波数は１０．８ＭＨｚ（特開平１−１０５３０１号
公報）または１１ＭＨｚ（DIGITAL SOUND SYSTEM OF S-
VHS VCR IEEE Transactions onConsumer Electronics,
Vol.36,AUGUST 1990, pp.642-646)に固定されている。
この高周波バイアス信号は周波数が高く、かつ、レベル
が高いためクロストークを起こしやすく、記録用映像信
号への混入を抑えることは非常に困難である。以下に、
高周波バイアス信号の周波数が１１ＭＨｚの場合を例に
とり、このクロストークが生じたときの問題点を説明す
る。

【００１２】上記の磁気記録再生装置では記録用映像信
号は図１２（ａ）に示す周波数スペクトラムをしてい
る。この記録用映像信号に例えば１１ＭＨｚの高周波バ
イアス信号が混入した状態で、磁気記録再生を行うと磁
気記録系の非線形性により高周波バイアス信号とＦＭ輝
度信号が干渉を起こし妨害信号が発生し、低域変換搬送
色信号のカラーバーストに妨害信号が生じ、色信号のＳ
／Ｎが低下し、再生カラー映像信号の品位を著しく低下
させる問題点がある。

【００１３】図１２（ａ）に示すように、ＦＭ輝度信号
の搬送周波数帯域は５．４ＭＨｚ〜７．０ＭＨｚであ
り、低域変換色副搬送波周波数は略６２９ＫＨｚであ
り、カラーバースト信号があるペデスタルレベルに相当
するＦＭ輝度信号の周波数は５．８５ＭＨｚある。つま
り、カラーバーストの存在する期間のＦＭ輝度信号の周
波数は５．８５ＭＨｚある。図１４は記録映像信号を周
波数が５．８５ＭＨｚ（ペデスタルレベル）のＦＭ輝度
信号のみとして記録再生した場合の、再生映像信号（プ
リアンプ５７の出力）のスペクトラムであり、図中、Ｙ
はＦＭ輝度信号、Ｂはクロストークにより記録された高
周波バイアス信号、ＸはＦＭ輝度信号Ｙと前記高周波バ
イアス信号Ｂが磁気記録系の非線形性によって相互干渉
するために生じる妨害信号。図１４からも解るように妨
害信号Ｘの周波数Ｆｘは次式の周波数になっている。Ｆｘ＝｜２Ｆｙ−Ｆｂ｜ …（１）ただし、Ｆｙ：ＦＭ輝度信号Ｙの周波数Ｆｂ：高周波バイアス信号Ｂの周波数

【００１４】これは、記録映像信号に漏れ込んだ高周波
バイアス信号ＢがＦＭ輝度信号Ｙの上側帯波のような振
舞いをし、磁気記録系の非線形性（振幅制限効果）によ
り、この上側帯波に対応する下側帯波が発生する。これ
が、上記妨害信号Ｘの発生原因である。図１４の場合は
妨害信号Ｘの周波数は０．７ＭＨｚである。すなわち、
図１４の場合は色信号カラーバーストに妨害を与え色信
号のＳ／Ｎが低下する。従来例で示したように高周波バ
イアス信号の周波数が１０．８ＭＨｚの場合は妨害信号
Ｘの周波数は０．９ＭＨｚになり、高周波バイアス信号
の周波数が１１ＭＨｚの場合に比べカラーバーストにあ
たえる影響は多少すくないが、同様の妨害が生じる。ま
た、バイアス周波数を色信号に影響がない周波数に設定
すると、輝度信号に影響を与え、画面上にビートが生じ
るなどの問題が起こる。また、（１）式から明らかなよ
うにＦＭ輝度信号の周波数によって妨害信号Ｘの周波数
は大きく変化し、高周波バイアス信号の周波数Ｆｂが一
定であれば必ず映像信号に妨害をあたえる場合が存在す
る。

【００１５】また、消去用回転ヘッドを備え、この消去
用回転ヘッドに高周波消去信号を加えることによって磁
気テープ４３に記録されている情報を消去する磁気記録
再生装置の場合は、この高周波消去信号が記録映像信号
にクロストークとして混入し、磁気記録系によってＦＭ
輝度信号と干渉を起こし妨害信号が発生し再生映像信号
が劣化する。この再生映像信号の劣化は、上記の高周波
バイアス信号が記録映像信号にクロストークした場合と
同じ原理により起こる。

【００１６】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、高周波バイアス信号、または、高
周波消去信号が、記録用映像信号に混入した場合におい
ても、再生カラー映像信号の品位の低下がない磁気記録
再生装置を得ることを目的とする。

【００１７】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明に
係る磁気記録再生装置は、前記ＦＭ輝度信号を２倍の周
波数に逓倍して前記高周波バイアス信号を生成するよう
にしたものである。

【００１８】また、請求項２に記載の発明に係る磁気記
録再生装置は、輝度信号をＦＭ変調することによって前
記高周波バイアス信号を生成し高周波バイアス信号が記
録映像信号に混入した場合に磁気記録再生系によって再
生映像信号に生ずる妨害信号の周波数が映像信号に影響
を与えず、かつ、ほぼ一定の周波数になるようにしたも
のである。

【００１９】また、請求項３に記載の発明に係る磁気記
録再生装置は、前記ＦＭ輝度信号を２倍の周波数に逓倍
して前記高周波消去信号を生成するようにしたものであ
る。

【００２０】また、請求項４に記載の発明に係る磁気記
録再生装置は、輝度信号をＦＭ変調することによって前
記高周波消去信号を生成し高周波消去信号が記録映像信
号に混入した場合に磁気記録再生系によって再生映像信
号に生ずる妨害信号の周波数が映像信号に影響を与え
ず、かつ、ほぼ一定の周波数になるようにしたものであ
る。

【００２１】

【作用】請求項１の発明によれば、前記ＦＭ輝度信号と
前記高周波バイアス信号が磁気記録系の非線形性によっ
て相互干渉するために生じる妨害信号の周波数は０Ｈｚ
になるので、妨害信号は再生されず画質劣化が生じな
い。

【００２２】また、請求項２の発明によれば、前記ＦＭ
輝度信号と前記高周波バイアス信号が磁気記録系の非線
形性によって相互干渉するために生じる妨害信号の周波
数は映像信号に影響を与えない周波数に固定できるので
画質劣化が生じない。

【００２３】請求項３の発明によれば、前記ＦＭ輝度信
号と前記高周波消去信号が磁気記録系の非線形性によっ
て相互干渉するために生じる妨害信号の周波数は０Ｈｚ
になるので、妨害信号は再生されず画質劣化が生じな
い。

【００２４】また、請求項４の発明によれば、前記ＦＭ
輝度信号と前記高周波消去信号が磁気記録系の非線形性
によって相互干渉するために生じる妨害信号の周波数は
映像信号に影響を与えない周波数に固定できるので画質
劣化が生じない。

【００２５】

【実施例】

実施例１．図１は本発明の実施例１による磁気記録再生
装置の構成を示すブロック図であり、同図において、従
来例と同じ動作を行う部分は従来例と同じ符号を付けそ
の説明を省略し、従来例と異なる部分を中心に説明す
る。

【００２６】端子２５には標準カラー方式のカラー映像
信号が入来し、映像信号処理回路２６に供給され、以下
のような動作を行なう。まず、Ｙ／Ｃ分離回路２６０に
よって輝度信号と搬送色信号とを分離し、この輝度信号
をプリエンファシス回路２６１、クランプ回路２６２に
通した後、ＦＭ変調器２６３によって搬送波を周波数変
調しＦＭ輝度信号を生成する。また、搬送色信号は記録
色信号処理回路２６４によって低域変換し低域変換搬送
色信号を生成する。これら両信号を混合器２６５によっ
て周波数分割多重して記録アンプ２７を介して映像用回
転ヘッド２８ａ，２８ｂに供給する。また、ＦＭ変調器
２６３によって生成されたＦＭ輝度信号はバイアス重畳
回路３９に送られ、このＦＭ輝度信号を２倍の周波数に
逓倍し高周波バイアス信号を生成する。

【００２７】ＦＭ変調器７３ａ，７３ｂによってそれぞ
れＦＭ変調されたＦＭ音声信号と、オフセット４相差分
ＰＳＫ変調器（ＯＱＤＰＳＫ変調器）３６で変調された
ＰＣＭ音声信号は帯域フィルタ７４ａ，７４ｂ、３７を
それぞれ通った後、混合器７５で周波数分割多重され、
バイアス重畳回路３９に供給される。ここで前記高周波
バイアス信号を重畳し端子４０へ出力される。

【００２８】図２にバイアス重畳回路３９の内部のブロ
ック図の一例を示す。ＦＭ変調器２６３から出力された
ＦＭ輝度信号は帯域フィルタ３９０により側帯波のレベ
ルを下げた後、２倍逓倍器３９１に入り前記ＦＭ輝度信
号を２倍の周波数の信号に変換し、帯域フィルタ３９２
によってＦＭ輝度信号の基本波成分を除去すると共に側
帯波のレベルを下げた後、リミッタ３９３によって振幅
一定の高周波バイアス信号とする。この高周波バイアス
信号と混合器７５から出力された混合音声信号を混合器
３９４によって混合し、記録アンプ３９５によって増幅
し記録音声信号として端子４０へ出力する。この高周波
バイアス信号は帯域フィルタ３９０および帯域フィルタ
３９２により側帯波のレベルを下げているので瞬時周波
数の変化があまり急激でなく、また、リミッタ３９３に
よって振幅を一定にしているので、安定したバイアス記
録を行なうことができる。

【００２９】図４に上記高周波バイアス信号がクロスト
ークにより記録映像信号に混入して記録再生された場合
の再生映像信号の周波数スペクトラムを示す。なお、図
４（ａ）の記録映像信号はペデスタルレベルのＦＭ輝度
信号（５．８５ＭＨｚ）のみであり、図４（ｂ）の記録
映像信号はグレーレベルのＦＭ輝度信号（６．４ＭＨ
ｚ）のみである。高周波バイアス信号の周波数はＦＭ輝
度信号の周波数の２倍になっており、高周波バイアス信
号とＦＭ輝度信号の相互干渉による妨害信号は再生され
ない。これは妨害信号の周波数が（１）式の関係により
０Ｈｚになるためである。このように妨害信号が再生さ
れないので再生映像信号の劣化がない磁気記録再生装置
を得ることができる。

【００３０】実施例２．実施例１ではバイアス重畳回路
３９が図２に示すように、高周波バイアス信号と混合器
７５から出力された混合音声信号を混合器３９４によっ
て混合し、記録アンプ３９５によって増幅し記録音声信
号として端子４０へ出力していたが、図３に示すよう
に、高周波バイアス信号と混合器７５から出力された混
合音声信号を、記録アンプ３９５ａ、３９５ｂで別々に
増幅した後に、混合器３９４によって混合し記録音声信
号として端子４０へ出力してもよい。この場合、記録ア
ンプ３９５ａの出力段に共振回路を用て高周波バイアス
信号の振幅を大きくできるので、電源電圧の低い磁気記
録再生装置においても音声信号を強く記録できる効果が
ある。

【００３１】実施例３．図５は本発明の実施例３による
磁気記録再生装置の構成を示すブロック図であり、同図
において、実施例１と同じ動作を行う部分は実施例１と
同じ符号を付けその説明を省略し、実施例１と異なる部
分を中心に説明する。

【００３２】端子２５には標準カラー方式のカラー映像
信号が入来し、Ｙ／Ｃ分離回路２６０によって輝度信号
と搬送色信号とを分離し、この輝度信号をバイアス重畳
回路３９に入力し、この輝度信号レベルによって高周波
バイアス信号の周波数を変化させる。

【００３３】図６にバイアス重畳回路３９内部のブロッ
ク図の一例を示す。Ｙ／Ｃ分離回路２６０によって分離
した輝度信号を低域フィルタ３９６によって高周波成分
を除去し、クランプ回路３９７によって直流レベルを固
定し、ＦＭ変調器３９８によって搬送波をＦＭ変調し、
これを高周波バイアス信号とする。この高周波バイアス
信号と混合器７５から出力された混合音声信号を混合器
３９４によって混合し、記録アンプ３９５によって増幅
し記録音声信号として端子４０へ出力する。ＦＭ変調器
３９８の搬送波周波数および周波数変移をＦＭ変調器２
６３の搬送波周波数および周波数変移をそれぞれ２倍に
設定することにより、実施例１と同様に妨害信号の周波
数を０Ｈｚにする事ができ、再生映像信号の周波数スペ
クトラムも実施例１と同様に図４のようになる。

【００３４】また、ＦＭ変調器３９８の搬送波周波数お
よび周波数変移の設定値をかえることにより妨害信号の
周波数を例えば１．１ＭＨｚに固定することができる。
この場合の再生映像信号の周波数スペクトラムを図８に
示す。なお、図８（ａ）の記録映像信号はペデスタルレ
ベルのＦＭ輝度信号（５．８５ＭＨｚ）のみであり、図
４（ｂ）の記録映像信号はグレーレベルのＦＭ輝度信号
（６．４ＭＨｚ）のみである。図４（ａ）、図４（ｂ）
ともに高周波バイアス信号の周波数はＦＭ輝度信号の周
波数の２倍の周波数より１．１ＭＨｚ低い周波数になっ
ており、高周波バイアス信号とＦＭ輝度信号の相互干渉
による妨害信号はＦＭ輝度信号の周波数が変わっても
１．１ＭＨｚに固定されている。１．１ＭＨｚは輝度信
号周波数帯域と低域変換搬送色信号周波数帯域の間でこ
の周波数に妨害信号が生じても再生映像信号に影響をほ
とんど与えない。

【００３５】実施例４．実施例３ではバイアス重畳回路
３９が図６に示すように、高周波バイアス信号と混合器
７５から出力された混合音声信号を混合器３９４によっ
て混合し、記録アンプ３９５によって増幅し記録音声信
号として端子４０へ出力していたが、図７に示すよう
に、高周波バイアス信号と混合器７５から出力された混
合音声信号を、記録アンプ３９５ａ、３９５ｂで別々に
増幅した後に、混合器３９４によって混合し記録音声信
号として端子４０へ出力してもよい。この場合、記録ア
ンプ３９５ａの出力段に共振回路を用いて高周波バイア
ス信号の振幅を大きくできるので、音声信号を強く記録
できる効果がある。

【００３６】なお、上記実施例１〜４はＦＭ音声信号と
ＰＣＭ音声信号を周波数多重した多重信号に高周波バイ
アス信号を重畳し音声用回転ヘッド４１ａ，４１ｂに供
給したが、ＰＣＭ音声信号を記録しない場合はＦＭ音声
信号に高周波バイアス信号を重畳し音声用回転ヘッド４
１ａ，４１ｂに供給しもよく、また、ＦＭ音声信号を記
録しない場合はＰＣＭ音声信号に高周波バイアス信号を
重畳し音声用回転ヘッド４１ａ，４１ｂに供給しもよ
い。

【００３７】実施例５．消去用回転ヘッドを備え、この
消去用回転ヘッドに高周波消去信号を加えることによっ
て磁気テープ４３に記録されている情報を消去する磁気
記録再生装置の場合は、この高周波消去信号が記録映像
信号にクロストークとして混入し、磁気記録系によって
ＦＭ輝度信号と干渉を起こし妨害信号が発生し再生映像
信号が劣化する。上記実施例１〜４において高周波バイ
アス信号に対しておこなった手段を高周波消去信号に適
用することで、この問題は解決される。図９は実施例１
の手段を高周波消去信号にも適用した例であり、実施例
１（図２）で示したバイアス重畳回路３９の中のリミッ
タ３９３の出力から高周波バイアス信号を取り出し、ア
ンプ９０によって増幅し、この信号を高周波消去信号と
して消去用回転ヘッド９１に供給する。このようにして
作られた高周波消去信号はＦＭ輝度信号の２倍の周波数
になっているので、高周波消去信号が記録映像信号に混
入しても妨害信号の周波数は０Ｈｚとなり再生されず、
再生映像信号の劣化が生じない効果がある。

【００３８】なお、上記実施例５では実施例１（図２）
で示したバイアス重畳回路３９の中のリミッタ３９３の
出力から高周波バイアス信号を取り出し、アンプ９０に
よって増幅し、この信号を高周波消去信号として消去用
回転ヘッド９１に供給したが、実施例２（図３）で示し
たバイアス重畳回路３９の中のリミッタ３９３の出力か
ら高周波バイアス信号を取り出し、アンプ９０によって
増幅し、この信号を高周波消去信号として消去用回転ヘ
ッド９１に供給してもよい。

【００３９】実施例６．なお、上記実施例５では実施例
１（図２）で示したバイアス重畳回路３９の中のリミッ
タ３９３の出力から高周波バイアス信号を取り出し、ア
ンプ９０によって増幅し、この信号を高周波消去信号と
して消去用回転ヘッド９１に供給したが、図１０に示す
ように実施例３（図６）で示したバイアス重畳回路３９
の中のＦＭ変調器３９８の出力から高周波バイアス信号
を取り出し、アンプ９０によって増幅し、この信号を高
周波消去信号として消去用回転ヘッド９１に供給しても
よい。このようにして作られた高周波消去信号は記録映
像信号に混入しても妨害信号の周波数は０Ｈｚまたは、
再生映像信号に影響を与えない周波数に固定されるので
再生映像信号の劣化が生じない。

【００４０】なお、上記実施例６では実施例３（図６）
で示したバイアス重畳回路３９の中のＦＭ変調器３９８
から高周波バイアス信号を取り出し、アンプ９０によっ
て増幅し、この信号を高周波消去信号として消去用回転
ヘッド９１に供給したが、実施例４（図７）で示したバ
イアス重畳回路３９の中のＦＭ変調器３９８の出力から
高周波バイアス信号を取り出し、アンプ９０によって増
幅し、この信号を高周波消去信号として消去用回転ヘッ
ド９１に供給してもよい。

【００４１】なお、上記実施例５〜６では記録音声信号
に高周波バイアス信号を重畳して音声用回転ヘッド４１
によって記録する場合に於て、高周波消去信号の作り方
を示したが、記録音声信号に高周波バイアス信号を重畳
せず記録する例に於ても同様にして高周波消去信号を作
り消去用回転ヘッド９１に加えてもよく、また、音声用
回転ヘッド４１による記録を行なわない場合においても
同様にして高周波消去信号を作り消去用回転ヘッド９１
に加えてもよい。

【００４２】なお、上記実施例１〜６はＦＭ輝度信号の
搬送波周波数が一定の場合について説明したが、ＦＭ輝
度信号の搬送波周波数がモードによって複数切り替えら
れるようになっていてもよく、この場合においても高周
波バイアス信号および高周波消去信号は、妨害信号が再
生映像信号に妨害を与えないように最適な周波数に変化
する効果がある。

【００４３】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば記録映像
信号に高周波バイアス信号、または高周波消去信号がク
ロストークにより混入し、磁気記録系の非線形歪みによ
って妨害信号が発生しても、この妨害信号の周波数が映
像信号に影響しない周波数になるように、高周波バイア
ス信号の周波数をＦＭ輝度信号の瞬時周波数に応じて変
化させるので、画質の良い磁気記録再生装置が得られる
効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１による磁気記録再生装置の構
成を示すブロック図である。

【図２】本発明の実施例１による磁気記録再生装置のバ
イアス重畳回路の構成を示すブロック図である。

【図３】本発明の実施例２による磁気記録再生装置のバ
イアス重畳回路の構成を示すブロック図である。

【図４】本発明の実施例１による磁気記録再生装置の再
生映像信号の周波数スペクトラムを示す図である。

【図５】本発明の実施例３による磁気記録再生装置の構
成を示すブロック図である。

【図６】本発明の実施例３による磁気記録再生装置のバ
イアス重畳回路の構成を示すブロック図である。

【図７】本発明の実施例４による磁気記録再生装置のバ
イアス重畳回路の構成を示すブロック図である。

【図８】本発明の実施例３の一例による磁気記録再生装
置の再生映像信号の周波数スペクトラムを示す図であ
る。

【図９】本発明の実施例５による磁気記録再生装置の高
周波消去信号発生回路の構成を示すブロック図である。

【図１０】本発明の実施例６による磁気記録再生装置の
高周波消去信号発生回路の構成を示すブロック図であ
る。

【図１１】従来の磁気記録再生装置の構成を示すブロッ
ク図である。

【図１２】従来の磁気記録再生装置の記録信号の周波数
スペクトラムを説明するための図である。

【図１３】従来の磁気記録再生装置の再生音声信号につ
いての周波数スペクトラムを示す図である。

【図１４】従来の磁気記録再生装置の再生映像信号につ
いてのの周波数スペクトラムを示す図である。

【符号の説明】

２６映像信号処理回路２６０Ｙ／Ｃ分離回路２６３ＦＭ変調器２８映像用回転ヘッド３６ＯＱＤＰＳＫ変調器３９バイアス重畳回路３９１２倍逓倍器３９３リミッタ３９４混合器３９５記録アンプ３９８ＦＭ変調器４１音声用回転ヘッド４３磁気テープ５８映像信号処理回路７３ＦＭ変調器７５混合器９０アンプ９１消去用回転ヘッド

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【手続補正書】

【提出日】平成４年３月１６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００９

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００９】この再生信号を再生等化器８０および帯域
フィルタ８１ａ，８１ｂに供給する。帯域フィルタ８１
ａ，８１ｂの出力はリミッタ８２ａ，８２ｂを経てそれ
ぞれＦＭ復調器８３ａ，８３ｂにおいてＦＭ復調され、
ディエンファシス回路８４ａ，８４ｂに通り、ノイズリ
ダクション回路８５ａ，８５ｂによってダイナミックレ
ンジを元に戻され、出力端子８６ａ，８６ｂよりそれぞ
れ左チャンネル、右チャンネルの音声として取り出され
る。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ＦＭ音声信号またはＰＣＭ音声信号また
はこれらの多重信号に高周波バイアス信号を重畳し、こ
の重畳信号を磁気テープの磁性層の深層部分に音声用回
転磁気ヘッドにより記録し、これにより形成された音声
トラックの上方の磁性層表層部分に、該音声用回転磁気
ヘッドとはアジマス角度を異ならせた映像用回転ヘッド
により映像トラックを形成してＦＭ輝度信号と低域変換
搬送色信号を記録する磁気記録再生装置において、前記
高周波バイアス信号が前記ＦＭ輝度信号を２倍の周波数
に逓倍した信号から生成されることを特徴とする磁気記
録再生装置。
【請求項２】ＦＭ音声信号またはＰＣＭ音声信号また
はこれらの多重信号に高周波バイアス信号を重畳し、こ
の重畳信号を磁気テープの磁性層の深層部分に音声用回
転磁気ヘッドにより記録し、これにより形成された音声
トラックの上方の磁性層表層部分に、該音声用回転磁気
ヘッドとはアジマス角度を異ならせた映像用回転ヘッド
により映像トラックを形成してＦＭ輝度信号と低域変換
搬送色信号を記録する磁気記録再生装置において、輝度
信号をＦＭ変調することによって前記高周波バイアス信
号を生成することを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項３】消去用回転ヘッドによって磁気テープに
記録された情報を消去し、映像用回転ヘッドによってＦ
Ｍ輝度信号と低域変換搬送色信号を記録する磁気記録再
生装置において、前記消去用回転ヘッドに加える消去信
号が前記ＦＭ輝度信号を２倍の周波数に逓倍した信号か
ら生成されることを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項４】消去用回転ヘッドによって磁気テープに
記録された情報を消去し、映像用回転ヘッドによってＦ
Ｍ輝度信号と低域変換搬送色信号を記録する磁気記録再
生装置において、輝度信号をＦＭ変調することによって
前記消去用回転ヘッドに加える消去信号を生成すること
を特徴とする磁気記録再生装置。