JPH051269Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、中間醗酵を終えたパン・菓子生地を
整形する整形工程に続いて設けられる自動配列装
置に関し、整形並びに切断を行う整形機から得ら
れたパン・菓子生地が、移送中あるいは次工程の
醗酵・焼成過程で再接合しないように、切断面同
士を離反させて容器に収納する自動配列装置に関
するものである。

〔従来の技術〕

製パン・製菓工程には、中間醗酵の終わつたパ
ン・菓子生地（以下単に生地という）を最終的な
形状に整える為の整形工程が設けられている。

この整形工程においては、まず、中間醗酵機で
醗酵を終えた生地を投入ホツパから整形機へ投入
し、整形機の１対のローラ間で薄板状に展伸す
る。次いで、薄板状に展伸された生地を、カール
ネツト等で略円柱状にカールさせた後、コンベア
上を移送され円柱状生地を転圧板によつて転圧し
て生地にしまりを与えつつ正確な円柱状に整形す
る。こうして整形された生地は、適当な数に切
断・分割された後、食型やトレー等の容器に収納
され、次工程へ供給される。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかるに、上記整形工程では、整形並びに切断
された少なくとも１対の生地を１つの容器に収納
して次工程へ移送するので、切断の際に生地同士
は若干の間隙で離反するものの、容器内では生地
の切断面同士が対向した状態となつている。従つ
て、移送中の振動や整形機から容器へ移す際の移
行状況によつて切断面同士が接触することがあ
り、パウダー等が散布されて密着しにくくなつて
いる外周面に比べると接着し易い切断面が、接触
状態で次工程へ供給されると、切断面が部分的に
再接合した不良生地が生成することになる。又、
醗酵・焼成過程で生地は膨張するので、これによ
り再接合が一層起こり易くなる。

尚、再接合を防止する為に容器を大きくした
り、仕切りを設けることも考えられるが、数多く
使用される容器を全て交換あるいは改造するとな
ると、多大のコストを要するので経済的に問題が
あり、又、仕切りを設けると、パン生地の形状に
対する容器の適用性の自由度が低下する。

本考案は、上記事情に着目してなされたもので
あつて、整形後、切断・分割した少なくとも１対
の生地を１つの容器に収納して次工程へ供給する
に際し、切断・分割した生地の切断面同士を離反
させて生地の再接合を確実に防止し、良品質のパ
ン等を歩留りよく生産し得るような自動配列装置
を提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

しかして、上記目的を達成した本考案の自動配
列装置は、中間醗酵を終えた塊状の生地を、整形
ローラで展伸後、整形並びに切断してパン・菓子
生地を得る整形機に、連続してあるいは独立して
設置される自動配列装置であつて、切断された１
対の生地を搬送方向に位置をずらせて配置する配
置機構と、配置された生地を相互に対向生地側へ
移動させて切断面が離反するように再配置する再
配置機構と、再配置された少なくとも１対の生地
を１つの容器に収納する収納機構とを有する点に
要旨が存在する。

〔作用〕

上記構成によれば、整形機でロール状に整形さ
れた生地が、例えば移送方向と平行に２つに切断
されて切断面が対向する１対の生地となる。こう
して得られる１対の生地は、配置機構によつて
夫々移送方向に位置をずらして配置された後、再
配置機構によつて相互に対向生地側へ移送されて
切断面が離反する状態に再配置される。そして、
再配置された１対の生地は、収納機構によつて食
型やトレー等の容器にまとめて収納されることに
なる。

かくして、整形生地は、再接着し易い切断面が
離反した状態で容器内に収納されることになり、
容器と共に移送並びに醗酵・焼成する間も生地同
士の再接合を防止することができ、良品質のパン
等を歩留り良く得ることができる。

〔実施例〕

整形装置１は、第１，２図に示すように、中間
醗酵された生地を整形し所望の大きさに切断する
整形機２に、整形された生地を分配する実施例の
自動配列装置３を連接して構成されている。

整形機２は、ボデイ４の上部に投入ホツパ５を
設けると共に、ボデイ４の内部に生地を展伸する
２組のローラ（整形ローラ）６を取付けてなり、
且つ台部７の上面に沿つてコンベア８を配設して
おり、コンベア８の上方には、所定の間隔を隔て
て転圧板９が取付けられている。そして、ボデイ
４及び台部７には、ローラ間隔あるいはコンベア
８との間隔を調整する調整ハンドル６ａ，９ａが
夫々設けられており、ボデイ４に近いコンベア８
の上方には、カールネツト８ａが取付けられてい
る。

又、コンベア８の下流側には、移送方向と平行
に生地を切断するカツター１０が設置されると共
に、カツター１０の両サイドには切断された生地
を引き続き転圧する補助転圧板１１，１１が夫々
設けられ、且つ、転圧板９とカツター１０の間に
は、第３図にも示されるように、生地厚さ検出セ
ンサー１２が設置されている。

一方、自動配列装置３は、揚搬コンベア１３と
水平コンベア１４を有してなり、整形機２のコン
ベア８と揚搬コンベア１３とは、シユータ１５で
接続されると共に、揚搬コンベア１３と水平コン
ベア１４の間には両開き式のダンパ（配置機構）
１６が設けられ、且つ水平コンベア１４の下方に
は、分割された４つの生地を収納するトレー１７
が搬送コンベア１８に搭載されて矢印方向に移送
されている。又、水平コンベア１４と搬送コンベ
ア１８の間には両開き式の複式ダンパ（収納機
構）１９が設置され、搬送コンベア１８上の複式
ダンパ１９の下方位置には、トレーストツパ２０
が設けられている。さらに、ダンパ１６は、第４
図に示すように、支点２１，２１を中心として矢
印方向に揺動する前方ダンパ２２と後方ダンパ２
３を組合わせてなり、この前方ダンパ２２と後方
ダンパ２３は、第５図に示すように、幅方向中央
位置で左右に分割されている。又、複式ダンパ１
９は、第６図に示されるように、上段ダンパ２４
と２つの下段ダンパ２５，２５ａからなり、各ダ
ンパ２４，２５，２５ａは夫々矢印の如く揺動す
る、軸方向に分割されない前方ダンパ２６，２
７，２８と後方ダンパ２９，３０，３１から構成
されている。又、揚搬コンベア１３は、スプロケ
ツト３２によつて回転駆動するチエーン３３にバ
ケツト３４を連結して構成され、さらに、水平コ
ンベア１４は、第７図に示すように、水平コンベ
ア１４上に移送方向と直交する方向のガイド軸
（再配置機構）３５を形成し、該ガイド溝３５に
トレー３６の係合爪（再配置機構）３６ａを係止
して離脱しないようにすると共に、該ガイド溝３
５に沿つてトレー３６をスライド可能に形成して
いる。

上記構成の自動配列装置３付き整形装置１にお
いて、投入ホツパ５に投入された中間醗酵済みの
生地は、２組みのローラ６によつて薄板状に展伸
され、コンベア８上に供給される。そして、薄板
状生地は、カールネツト８ａによつてコンベア８
上で丸棒状に丸められ、さらに、転圧板９との間
隙を転動することによつて圧締め整形される。こ
うして形成された丸棒状の生地は、カツタ１０で
移送方向と平行に２つに切断され、切断された生
地は、補助転圧板１１によつて再転圧され、コン
ベア８端部のシユータ１５を介して自動配列装置
３へ移送される。尚、転圧板９から出てくる生地
には、時折、隣接する生地同士が一体化した所謂
２ケ玉の生地が生成することがあるが、転圧板９
の出口には生地厚さ検出センサー１２が設置され
ており、２ケ玉の生地が発生した場合には、生地
の厚みが大きくなるので、これを生地厚さ検出セ
ンサー１２で検知して、例えばシユータ１５を撥
ね上げあるいは降下させることによつて不良生地
をシユータ１５の下方の搬出コンベア３７上へ落
下させ、不良生地受箱３８へ回収する。

次に、自動配列装置３の揚搬コンベア１３のバ
ケツト３４に２列に導入された整形生地は、揚搬
コンベア１３に載つて上昇し、その上方端部から
ダンパ１６上に落下する。ダンパ１６は、第４，
５図に示されるように、進行方向に向かつて右側
領域及び左側領域に夫々設けられる前方ダンパ２
２と後方ダンパ２３が、右側前方と左側後方ある
いは右側後方と左側前方が同期するように、交互
に開放され、第７図に示すように、水平コンベア
１４上に左右交互に配置されているトレー３６に
生地を振り分けていく。そして、水平コンベア１
４上においては、トレー３６が移送方向と直交す
る方向であつて対向生地側（矢印方向）へ、夫々
ガイドあるいは押出しピストン等に案内されて
夫々移動する。これによつて、トレー３６中の生
地は、その切断面が互いに離反するように再配置
される。次いで、水平コンベア１４上の生地は、
その端部から複式ダンパ１９上に落下し、複式ダ
ンパ１９の上部ダンパ２４に、１対の生地が切断
時とは位置が入れ換わつた状態で収納されると、
まず前方ダンパ２６が開いて下部ダンパ２５内に
落下し、次いで、水平コンベア１４から上部ダン
パ２４に１対の生地が切断時とは位置が入れ換わ
つた状態で収納されると、今度は後方ダンパ２９
が開いて下部ダンパ２５ａ内に落下した後、これ
ら２つの下部ダンパ２５及び２５ａが同時に開い
て下方に位置するトレー１７内に落下する。この
結果、第８図に示されるように、トレー１７内
に、切断面が離反するように２対の切断生地が配
置される。このとき、トレー１７内に生地が収納
されると、ストツパー２０が開放されて次の１つ
の空のトレー１７が複式ダンパ１９の下方に位置
するように移動する。このような動作を繰り返し
行なうことによつて、トレー１７内に生地が次々
と収納される。かくして、トレー１７に収納され
た生地は、次工程へ互いに密着することなく供給
され、醗酵・焼成されて製品となる。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように構成されており、整形機
で整形され、適当な大きさに切断された生地が、
配置機構及び再配置機構によつて切断面が対向す
る状態から切断面が離反する状態に置き換えられ
る。そして、置き換えられた少なくとも１対の生
地がまとめて１つの容器に収納されて次工程へ供
給される。

この結果、整形生地の移送中あるいは醗酵・焼
成中における生地同士の再接着を防止することが
でき、良品質の製品を歩留り良く得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例に係る自動配列装置を組込んだ
整形装置を示す正面図、第２図は同平面図、第３
図は生地厚さ検出センサーの取付け状況を示す正
面図、第４図は揚搬コンベアから水平コンベアへ
の移行部を示す正面図、第５図は同右側面図、第
６図は水平コンベアから搬送コンベアへの移行部
を示す正面図、第７図は搬送コンベア上の再配置
機構を示す平面図、第８図は搬送コンベア上のト
レーにおける生地配置状況を示す平面図である。 ２……整形機、３……自動配列装置、６……ロ
ーラ（整形ローラ）、１６……ダンパ（配置機
構）、１９……複式ダンパ（収納機構）、３５……
ガイド溝（再配置機構）、３６ａ……係合爪（再
配置機構）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中間醗酵を終えた塊状の生地を、整形ローラで
   展伸後、整形並びに切断してパン・菓子生地を得
   る整形機に、連続してあるいは独立して設置され
   る自動配列装置であつて、切断された１対の生地
   を搬送方向に位置をずらせて配置する配置機構
   と、配置された生地を相互に対向生地側へ移動さ
   せて切断面が離反するように再配置する再配置機
   構と、再配置された少なくとも１対の生地を１つ
   の容器に収納する収納機構とを有することを特徴
   とする自動配列装置。