JPH0512476B2 - - Google Patents

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JPH0512476B2
JPH0512476B2 JP61012205A JP1220586A JPH0512476B2 JP H0512476 B2 JPH0512476 B2 JP H0512476B2 JP 61012205 A JP61012205 A JP 61012205A JP 1220586 A JP1220586 A JP 1220586A JP H0512476 B2 JPH0512476 B2 JP H0512476B2
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JP
Japan
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superentangled
fibers
ultrafine
repellent
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JP61012205A
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JPS61179378A (ja
Inventor
Kenkichi Yagi
Hiroyasu Kato
Kazuyoshi Okamoto
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
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Publication of JPS61179378A publication Critical patent/JPS61179378A/ja
Publication of JPH0512476B2 publication Critical patent/JPH0512476B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、極細繊維および/またはその束が緻
密に交絡した超交絡層を有し、かつ撥水、撥油性
に優れた新規な非銀付の人工皮革に関する。 従来、不織布を基体とした人工皮革は良く知ら
れている。かかる人工皮革は不織布をポリウレタ
ン樹脂のような弾性高分子物質で加工してあるた
め、イージーケア性や防水性があり、取り扱いが
容易である点が特徴であつた。しかし一方ではポ
リウレタンなどの高分子物質は、人工皮革の風合
やタツチをゴムライクとし官能特性を低下させる
上、通気性や透湿性をも低下させ、皮革代替物質
としての機能を損わしめる点が大きな欠点であつ
た。かかる欠点を防止しようとして高分子物質含
有量を下げると、機械的強力や表面摩耗などの特
性が低下し、実用にならなかつた。さらにこのよ
うな高分子物質の不足した人工皮革では、透湿性
や通気性は大きくても、撥水、撥油などの加工を
行なつても効果が小さく、水もれが起つたりして
この面でも実用化できなかつた。すなわち従来は
外観品位や風合、機械的強力、表面強度、気体通
過性および防水、防油特性の全てを兼ね備えた満
足できる不織布使いの人工皮革は到底得られなか
つた。 本発明はかかる諸性質を全て兼ね備えた新しい
撥水、撥油性の非銀付の人工皮革を提供すること
を目的とするものである。 かかる目的を達成するため、本発明は特許請求
の範囲に記載のごとき構成を有する。 すなわち本発明は、極細繊維が極めて緻密に交
絡すると、撥水、撥油効果が高くなり、かつ通気
や透湿などの特性が保持できる点に着目したもの
である。本発明の撥水、撥油性人工皮革は、極細
繊維の繊維交絡点間距離が200μ以下という極め
て緻密な交絡からなりプレスにより平滑化および
緻密化された超交絡層に、フツ素系またはシリコ
ン系またはその両方の化合物が付着しているた
め、撥水、撥油効果が極めて大きいという特徴を
有するとともに、従来のポリウレタン膜が積層さ
れているような人工皮革に比べると、極めて透湿
性や通気性に優れ、かつ風合や感触にも優れ、さ
らにプレスにより平滑化および緻密化された超交
絡層が存在するため人工皮革の機械的強度や表面
強度にも優れることを見出したものである。 本発明の人工皮革の超交絡層における繊維構造
は極細繊維および/またはその束が相互に緻密に
交絡していることが必要である。すなわち繊維の
交絡密度が高いということである。このようなシ
ートは気体通過性は大きくても、水などの液体通
過性は小さく、このことが撥水、撥油効果を高め
ることに寄与すると考えられる。繊維の交絡密度
を測る一つの方法として、後述する繊維交絡点間
距離を測定する方法があるが、超交絡層の繊維
は、この方法での測定値が200μ以下の交絡密度
を有していることが必要である。この値が200μ
より大きい構造のもの、たとえば繊維の交絡をニ
ードルパンチだけで行なつた絡みの少ない繊維構
造のもの、あるいは極細繊維またはその束が単に
面配列した構造のもの、あるいはまた極細繊維ま
たはその束が基材表面に毛羽状に密生しこれをね
かせて造面した構造のものは、繊維の交絡がほと
んどないかまたは少ないため、擦過、揉み、くり
返しせん断力などを受けたとき、表面が毛羽立つ
たり亀裂が発生したりしやすいため好ましくな
い。こうした欠点をなくすためには、繊維交絡点
間距離は200μ以下であることが必要である。
100μ以下の場合はより好ましい結果が得られる。 ここで、繊維交絡点間距離とは、つぎの方法で
求めた値のことであり、繊維の交絡の緻密さを示
す一つの尺度として値が小さいほど交絡が緻密で
あることを示すものである。第1図は銀面層にお
ける構成繊維を表面側から観察したときの構成繊
維の拡大模式図である。構成繊維をf1、f2、f3
……としそのうちの任意の2本の繊維f1、f2が交
絡する点をa1とし、a1で上になつている繊維f2
他の繊維の下になる形で交差する点までたどつて
いきその交差した点をa2(f2とf3の交絡点)とす
る。同様にa3、a4、a5……とする。つぎにこうし
て求めた交絡点の間の直線水平距離a1a2、a2a3
a3a4、a4a5、a5a6、a6a7、a7a3、a3a8、a8a7
a7a9、a9a6……を測定し、これら多数の測定値の
平均値を求めこれを繊維交絡点間距離とする。 このような超交絡層をもつ本発明の人工皮革は
透湿性や通気性が大きくても通水度が小さいこと
も特徴の1つであり、撥水、撥油効果が極めて高
くなることと関係があると思われるが、その機構
や原因は明確ではない。ここで言う通水度とは
120mmHg圧下で人工皮革1cm2当り1分間に通過す
る水量(ml)を言う。本発明の200μ以下の繊維
交絡点間距離の超交絡層を有する人工皮革は多く
の場合この値が1000ml以下、100μ以下の繊維交
絡点間距離をもつものでは多くの場合500ml以下
になる。しかしかかる値はあくまで目安であり、
繊維の緻密性をあらわす尺度として使用すべきも
のである。従来の不織布では透湿性や通気性が大
きいものは、必ずこの通水性も大きいものであ
り、たとえ撥水、撥油加工しても効果の大きいも
のは得られなかつたのである。また、超交絡層の
下層は極細繊維束が主体に交絡しており、超交絡
層の極細繊維および/またはその束は該下層の極
細繊維束が枝分れしてさらに緻密に交絡したもの
であり、超交絡層と該下層では繊維は実質的に連
続しており、かつ該両層の境界は枝分れの程度が
連続的に変化した繊維構造のものは、一体感のあ
る風合の人工皮革が得られ超交絡層と下層が剥離
することがないことから好ましく用いられる。こ
こで超交絡層の極細繊維束の束の太さは全ての束
が同じである必要はなく、該下層の束の太さにく
らべできるだけ細い(束に含まれる繊維の本数が
下層の束にくらべできるだけ少ない)方が人工皮
革の表面に凹凸が発生しにくく好ましい。 また超交絡層の下層も極細繊維束とそれから枝
分れした極細繊維が交絡した構造をしており、超
交絡層の極細繊維および/またはその束は、該下
層の極細繊維束が枝分れしてできたものや、下層
の極細繊維と連続したものからなつており、これ
らが互いに緻密に交絡しているような繊維構造の
ものも好ましい。 さらに超交絡層の下層は、極細繊維がランダム
に交絡しており、超交絡層は該下層の極細繊維か
ら実質的に連続している極細繊維が主体となつて
いるような繊維構造のものも同様に好ましく用い
られる。しかしこの場合は超交絡層の繊維交絡点
間距離が、前述の極細繊維束を枝分れさせた場合
よりやや大きくなりやすいので、超交絡層の緻密
さや、撥水、撥油効果の点からは、極細繊維束を
枝分れさせる方が特に好ましい。 かかる好ましい態様においては、不織布を構成
する繊維は、一本の極細繊維がある部分では束を
構成しまたある部分では枝分れしているため単繊
維と束と別々には分けられない構造をしているも
のである。これら本発明の好ましい態様を第2図
に例示した。 本発明に使用される極細繊維には、メルトブロ
ーやスーパードローなどの方法で直接製造した極
細繊維を用いてもよい。また極細繊維形成型繊維
を用い加工工程中の適当な時期に極細繊維に変成
して用いることも好ましい。かかる極細繊維形成
型繊維は、たとえば、紡糸直後で極細繊維を集束
し部分的に軽く接着して1本にした繊維、1成分
を他成分間に放射状に介在せしめた菊花状断面の
繊維、多層バイメタル型繊維、ドーナツ状断面の
多層バイメタル型繊維、2成分以上の成分を溶融
混合して紡糸した海島繊維、繊維軸方向に連続し
た極細繊維が多数配列集合し他の成分で結合およ
び/または一部結合され1本の繊維を形成した高
分子相互配列体繊維などであり、これらの2種以
上の繊維を混合あるいは組み合せて用いてもよ
い。複数の芯が他成分による介在的に結合およ
び/または一部結合された横断面を有する極細繊
維形成型繊維は物理的作用を加えるあるいは結合
成分の除去などにより比較的容易に極細繊維が得
られるため好ましく用いられる。第3図に好まし
く用いられる極細繊維形成型繊維の断面形状を例
示した。また、少なくとも1成分を溶解除去した
とき0.2デニール以下好ましくは0.05デニール以
下さらに好ましくは0.005デニール以下の極細繊
維を主体とする繊維の束が得られる多成分からな
る極細繊維形成型繊維は、特に超交絡層の緻密性
が高くなり撥水、撥油効果が高い上、しなやかな
風合、なめらかな表面を有する人工皮革が得られ
るため、さらに好ましく用いられる。また、本発
明における極細繊維は繊維形成能を有する高分子
物質からなり、例えば、ナイロン6、ナイロン
66、ナイロン12、共重合ナイロンなどのポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、共重合ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、共重合ポリブチレンテレフタレートなどの
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンな
どのポリオレフイン、ポリウレタン、ポリアクリ
ロニトリルおよびビニル重合体などがあげられ
る。また、該極細繊維形成型繊維の結合成分ある
いは被溶解除去成分としては、例えば、ポリスチ
レン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミ
ド、ポリウレタン、アルカリ溶液に易溶出型の共
重合ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルア
ルコール、共重合ポリビニルアルコール、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレンとアク
リル酸の高級アルコールエステルおよび/または
メタクリル酸の高級アルコールエステルとの共重
合体などが用いられる。紡糸のしやすさ、溶解除
去の容易さの点でポリスチレン、スチレン−アク
リロニトリル共重合体、スチレンとアクリル酸の
高級アルコールエステルおよび/またはメタクリ
ル酸の高級アルコールエステルとの共重合体は好
ましく用いられる。さらに延伸倍率が高くとれ強
度の高い繊維が得られるという点でスチレンとア
クリル酸の高級アルコールエステルおよび/また
はメタクリル酸の高級アルコールエステルとの共
重合体はさらに好ましく用いられる。また、該極
細繊維を枝分れしやすくするという点で、結合成
分あるいは溶解除去成分にポリエチレングリコー
ルなどの重合体を0.5〜30重量%混合して用いる
ことが好ましい。かかる極細繊維形成型繊維の繊
度は特に限定されるものではないが、紡糸におけ
る安定性、シート形成のしやすさなどから0.5〜
10デニールのものが好ましい。もちろん結合成分
は極細繊維成分として使用されることも差し支え
ない。 本発明の超交絡層における極細繊維は、繊度が
0.2デニール以下のものが好ましい。0.2デニール
より太い場合は、繊維の剛性が過大で超交絡層の
柔軟性や表面のしわ形態が損われるばかりでな
く、撥水、撥油剤が付着してもその効果が小さく
なり、さらに揉みなどにより亀裂が発生しやすく
表面に凹凸が発生したりして緻密でしなやかな超
交絡層の形成がむつかしい。0.2デニール以下好
ましくは0.05デニール以下さらに好ましくは
0.005デニール以下の極細繊維を用いることによ
つて、はじめて繊維どうしの交絡が緻密にでき、
高い撥水、撥油効果が得られ、さらに平滑性がよ
くしなやかで、亀裂が発生しにくく手になじみの
よい超交絡層を有する人工皮革が得られる。 本発明で使用するフツ素系化合物の代表的なも
のはパーフルオロアルキル、パーフルオロアルケ
ニルアリルエーテル、パーフルオロヘキサセニ
ル、パーフルオロノネニルなどのフルオロカーボ
ン基を側鎖に有し、ポリアクリル酸エステルある
いはメタクリル酸エステル系高分子等を主鎖にも
つ、含フツ素重合体であり、例えば次のような単
量体の重合体や共重合体が一般的である。 (R1は水素あるいはメチル基、R2はメチル基あ
るいはエチル基を示す。nは3〜21の整数) また本発明で使用するシリコン系化合物はジメ
チルポリシロキサンやその共重合体等のシリコン
系樹脂である。 本発明の極細繊維および/またはその束の繊維
交絡点間距離が200ミクロン以下の繊維構造体か
ら主として形成された超交絡層を有し、少なくと
も該超交絡層の表面にフツ素系および/またはシ
リコン系化合物が付着している撥水、撥油性人工
皮革は具体的には以下のような方法で得ることが
できる。 例えば前述した各方法により、直接紡糸した極
細繊維あるいはそれを束ねて一時的に仮接着した
極細繊維束、または極細繊維形成型繊維のフイラ
メントもしくはカツトしたものを用いてウエツブ
を形成し、ニードルパンチを施すなどして絡合構
造を形成した後、柱状水流などの高速流体流を片
面もしくは両面に噴き当てれば、噴出流のエネル
ギーにより、表層部の極細繊維が交絡または枝分
れと交絡を起して超交絡層が形成される。結合成
分により多数の極細繊維成分がとり囲まれた構造
の極細繊維形成型繊維であつても、高速流体流が
結合成分を割裂するので露出した極細繊維を交絡
することができる。もちろん高速流体流噴き当て
前に結合成分を溶解除去して極細繊維束としてお
いても良い。かかる超交絡層はもちろん表裏両面
に形成されても良く、このようなものはバインダ
ーなどの樹脂を含有しなくとも人工皮革として実
用化できる。もちろんポリウレタンなどのバイン
ダー含浸工程、ポリビニルアルコールなどの仮固
定剤による仮固定処理などの技術を上記の工程と
組み合せることは好ましい方法である。 さらに表層部の極細繊維が交絡または枝分れと
交絡された繊維シートにプレスなどの処理を行な
い表面の平滑化と緻密化を行なう。表面にシボ模
様のあるエンボスロールあるいはシボ賦型シート
を使用して行なうと、超交絡層の平滑化とシボ賦
型が同時に行なえるため好ましい。 このようにして得られた超交絡層を有する人工
皮革はさらに必要に応じて、仕上げ剤塗布、染
色、揉みなどの処理を行なつてもよい。 本発明ではかかる人工皮革の少なくとも超交絡
層表面に前記のフツ素系化合物またはシリコン系
化合物またはその両方を付与する。付与する時期
は超交絡層の形成以降の何れの時期でも良いが、
結合成分を有する極細繊維形成型繊維の溶解工程
がある場合は、その後の方が好ましい。通常は染
色後などの最終に近い工程が好ましい。付与の仕
方は含浸、パツド法あるいはコーテイング法等で
行ない、引き続き乾燥する。必要ならその後に一
定温度、時間条件での熱処理を行なつても良い
し、カレンダー加工などの加熱プレスを行なつて
も良い。またフツ素系化合物とシリコン系化合物
は単独で用いても良く、混合して用いても良い、
また工程を別にして両方共用いても良い。また双
方の化合物はエマルジヨンの形態で付与すること
もできるし、トリクロルエタン、トリクロルエチ
レン、パークロルエチレンなどの溶液として付与
することもできる。最初にエマルジヨンの形態で
付与し熱処理後、再度付与させる時は溶液の形態
で付与すれば、最初の付与による撥水性に影響さ
れずに、溶液が内部まで浸透可能となる。帯電防
止剤や浸透剤等を併用することも差し支えない。 こうして得られた本発明の撥水、撥油性人工皮
革は、高い撥水、撥油性としなやかな風合、なめ
らかな表面感触を有し、耐屈曲性、耐せん断疲労
性、耐傷性が良好なため衣料用の人工皮革をはじ
め、靴用甲皮、ハンドバツグ、カバン、ベルト、
袋物、手袋、ボールの表革など各種の用途に好ま
しく用いられる。 以下に示す実施例は、本発明をより明確にする
ためのものであつて、本発明はこれに限定される
ものではない。実施例において、部および%とあ
るのは特に記載のないかぎり重量に関するもので
ある。また平均交絡点間距離の値は100個の測定
値の平均値とした。 実施例 1 2−エチルヘキシルアクリレート20部、スチレ
ン80部の割合で共重合させたビニール系ポリマ
(以下AS樹脂という)を結合成分として60部、極
細繊維成分としてナイロン6が40部からなる割合
で1フイラメント中に16本の島成分を有し、さら
にその島成分中に平均約0.001デニールの極細繊
維成分が多数含まれる第3図ヨの形態のごとき高
分子相互配列体繊維の4.0デニール、51mmのステ
ープルを用いてカード・クロスラツパーを通して
ウエブを形成し、しかる後フツクの数が1個のニ
ードルを用いて2000本/cm2のニードルパンチをし
て該高分子相互配列体繊維を絡合させ不織布(A)を
つくつた。不織布(A)の目付は405g/m2、見掛密
度は0.18g/cm3であつた。 孔径0.1mmの孔が孔の中心間距離0.6mmのピツチ
で1列に並んだ噴射ノズルから100Kg/cm2の圧力
をかけた水をノズルを揺動させながら、その表面
に高速で噴射接触させ同じ条件で合計5回および
10回処理し、つぎに圧力を50Kg/cm2に下げノズル
を振動させながら同様の処理を5回処理のものお
よび10回処理のものそれぞれに1回行ない不織布
(B)および不織布(C)をつくつた。これらの不織布を
熱プレスロールに通してプレスし表面の平滑化と
緻密化を行なつた。得られた不織布(B)、(C)では表
層の高分子相互配列体繊維が極細繊維やその束に
枝分れしており、かつ相互に緻密に交絡した繊維
構造を有する超交絡層となつていた。 得られた不織布(B)、(C)と超交絡層をもたない不
織布(A)をトリクロルエチレン中につけ、浸漬、絞
液をくり返し、AS樹脂をほぼ完全に抽出除去し、
ついで乾燥を行なつて残留トリクロルエチレンを
蒸発除去した。不織布(B)、(C)から得られたシート
の水流処理した側の面は凹凸の少ないきわめてス
ムーズな面であつたが、不織布(A)から得られたシ
ートの表面は枝分れしてない極細繊維束にそつた
凹凸がみられ平滑性の悪いものであつた。 得られた3種のシートを常圧で1:2型金属錯
塩染料で染色加工を行なつた。さらにこれらのシ
ートに、下記処方1の処理浴を含浸・パツド(ピ
ツクアツプ35%)し、100℃で乾燥後150℃で1分
間の熱処理を行なつた。 処方1 アサヒガードAG−710(旭硝子K.K.製フツ素系撥
水剤エマルジヨン) 3部 AGアクセル700(明成化学K.K.製帯電防止剤)
1部 イソプロパノール 3部 水 93部 次に、下記処方2の溶液をパツド(ピツクアツ
プ30%)し、100℃で乾燥後160℃で1分間の熱処
理を行なつた。 処方2 ボロンコート(信越化学K.K.製シリコン系撥水
剤溶剤溶液) 100部 トリクレン 400部 得られた(人工皮革)の表層の繊維交絡点間距
離および物性は表1の通りであり、不織布(B)およ
び(C)からの人工皮革(B)、(C)は、なめらかで品位の
高い外観を有し、柔軟で一体感のある風合を有し
ている上、通気性、透湿性に優れており、かつ撥
水性も高い値を示していた。繊維交絡点間距離が
本発明の範囲を越えて大きい不織布(A)からの人工
皮革(A)は、外観や風合が良くない上、直ぐに破
れ、また撥水性も良くない結果であり、本発明の
目的を達成していなかつた。 【表】
【図面の簡単な説明】
第1図は超交絡層における構成繊維を表面側か
ら観察したときの構成繊維の拡大模式図である。
第2図は本発明の人工皮革の繊維構造の好ましい
態様を示すモデル断面図である。図中Bは超交絡
層を示し、Aは極細繊維束の交絡層または極細繊
維の交絡層を示す。第3図は本発明で好ましく用
いられる極細繊維形成型繊維の断面構造を例示し
た。図中1および1′は極細繊維、図中2および
2′は結合成分である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 極細繊維および/またはその束の繊維交絡点
    間距離が200ミクロン以下でありプレスにより平
    滑化および緻密化された超交絡層を少なくとも片
    面に有し、かつ少なくとも該超交絡層の表面には
    フツ素系化合物および/またはシリコン系化合物
    が付着してなることを特徴とする超交絡層を有す
    る非銀付の撥水、撥油性人工皮革。 2 超交絡層の表面にシボ模様が賦型されている
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の
    超交絡層を有する非銀付の撥水、撥油性人工皮
    革。 3 超交絡層の下層は極細繊維束が主体に絡合し
    ており、超交絡層は該下層の極細繊維束から枝分
    れした極細繊維および/またはその束が主体とな
    つており、該下層の超交絡層における繊維は実質
    的に連続しており、かつ該両層の境界は枝分れの
    程度が連続的に変化していることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項または第2項に記載の超交絡
    層を有する非銀付の撥水、撥油性人工皮革。 4 超交絡層の下層は極細繊維束とそれから枝分
    れした極細繊維が互いに交絡しており、超交絡層
    は該下層の極細繊維束から枝分れした極細繊維お
    よび/またはその束と、該下層の極細繊維と連続
    した極細繊維とが主体となつていることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項または第2項に記載の
    非銀付の超交絡層を有する撥水、撥油性人工皮
    革。 5 超交絡層の下層は極細繊維が主体に交絡して
    おり、超交絡層は該下層の極細繊維と実質的に連
    続していることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項または第2項に記載の非銀付の超交絡層を有す
    る撥水、撥油性人工皮革。 6 極細繊維束が高分子相互配列体繊維から得ら
    れたものであることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項〜第4項のいずれかに記載の非銀付の超交
    絡層を有する撥水、撥油性人工皮革。 7 極細繊維束が混合紡糸繊維から得られたもの
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項〜
    第4項のいずれかに記載の非銀付の超交絡層を有
    する撥水、撥油性人工皮革。 8 極細繊維束が化学的もしくは物理的に分割剥
    離可能な多成分系繊維から得られたものであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項〜第5項の
    いずれかに記載の非銀付の超交絡層を有する撥
    水、撥油性人工皮革。 9 極細繊維がメルトブロー法により製造された
    ものであることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項〜第5項のいずれかに記載の非銀付の超交絡層
    を有する撥水、撥油性人工皮革。
JP1220586A 1986-01-24 1986-01-24 超交絡層を有する撥水、撥油性人工皮革 Granted JPS61179378A (ja)

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Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61179378A JPS61179378A (ja) 1986-08-12
JPH0512476B2 true JPH0512476B2 (ja) 1993-02-18

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ID=11798888

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JP1220586A Granted JPS61179378A (ja) 1986-01-24 1986-01-24 超交絡層を有する撥水、撥油性人工皮革

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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5212902A (en) * 1975-07-22 1977-01-31 Asahi Chemical Ind Nonwoven fabric for artificial leather
JPS5225170A (en) * 1975-08-14 1977-02-24 Asahi Chemical Ind Manufacture of unwoven fabric
JPS6075683A (ja) * 1983-09-30 1985-04-30 Toray Ind Inc 超交絡層を有する撥水,撥油性人工皮革
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