JPH05123489A - 電気洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子制御回路部に予め漂白・殺菌の洗浄工程
と洗浄方法を記憶させ、洗浄工程で漂白と殺菌作用のあ
る次亜塩素酸イオンを適量生成する電気洗濯機を提供す
ることを目的とする。 【構成】 水受け用の外槽４内壁の底部もしくは下部側
壁に直流電気を印加して塩水を電気分解する電極１１を
配置し、食塩又は食塩水の投入装置９を設け、電子制御
回路部に予め記憶させている洗浄工程に於いて、漂白・
殺菌効果のある次亜塩素酸イオンを適量電気分解で生成
させるものである。 【効果】 洗濯物の汚れを除去した後に自動的且つ効果
的に漂白・殺菌洗浄を行える。また、強い酸化作用と殺
菌作用のある次亜塩素酸イオンを必要量生成させるの
で、市販されている塩素系漂白剤の危険な原液を家庭内
に置くこともない。更に、安全であるが漂白効果の弱い
酸素系漂白剤も使わなくて良いものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、食塩水の電気分解によ
り生成する次亜塩素酸イオンにて、漂白洗浄・殺菌洗浄
を行う機構を設けた家庭用洗濯機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の電気洗濯機の構成につい
て図２を参照しながら説明する。

【０００３】図に示すように、ボデー１の上部には漂白
剤投入口２を設けた樹脂製のボデー覆い体３が取り付け
られており、水受け用の外槽４の内側に、底部に攪拌翼
５を設けた洗濯槽兼脱水槽の内槽６が配置されている。
前記外槽４の上部には外槽４と内槽６の間に漂白剤が投
入されるように、漂白剤受け７を設けたカバー８が固着
されている。

【０００４】次に上記構成において、洗濯衣類の漂白作
業の仕方を説明すると、洗濯工程で洗剤と塩素系あるい
は酸素系の漂白剤を一緒に入れて通常の運転をする。ま
たは、漂白したい衣類だけを電気洗濯機に入れ、給水後
攪拌翼５が攪拌を始めると漂白剤を投入し、数分後に一
時停止をかけて漬け置きする。その後にすすぎと脱水を
行うものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の電気洗濯機では、市販の塩素系（次亜塩素酸ソー
ダ）あるいは酸素系（過炭酸ソーダ）の漂白剤を使用す
るが、アルカリ性の塩素系漂白剤の原液と酸性タイプの
パイプクリーナ等と混ぜると塩素ガスを発生し危険であ
り、一方、安全な酸素系漂白剤は漂白力が弱いという問
題があった。

【０００６】更に、漂白は衣類の汚れを洗剤で除去した
後にするのが最も効果があるが、洗浄後に漂白すること
はマニアル操作となり非常に手間がかかる。また、市販
の漂白剤を準備しておいて必要な量を使用のたびに投入
するという手間もかかるものであった。

【０００７】本発明は、上記従来の問題点を解決するも
ので、制御回路部に予め漂白・殺菌の洗浄方法を記憶さ
せてあり、前記洗浄工程で漂白と殺菌作用のある次亜塩
素酸イオン

【０００８】

【化１】

【０００９】を適量生成する装置を有する電気洗濯機の
提供を目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、水受け用の外槽内壁の底部もしくは下部側壁に電
圧を印加して塩水を電気分解する電極を配置し、食塩又
は食塩水の投入装置を電気洗濯機に設け、電子制御回路
部に予め記憶させている洗浄工程に於いて、漂白・殺菌
効果のある次亜塩素酸イオンを適量電気分解で生成させ
るものである。

【００１１】

【作用】上記構成によれば、電子制御回路部には予め漂
白・殺菌洗浄工程を洗濯物と洗剤を入れた洗濯で汚れを
除去した後と洗剤を入れずに漂白・殺菌を行う洗浄工程
の２種類記憶させている。この漂白洗浄工程は布量に応
じた適量の洗浄水を給水し、次に食塩または食塩水を投
入装置により供給した後、攪拌翼が洗浄水を攪拌すると
共に水受け用の外槽内壁に設けた電極に直流電気が印加
され、陽極で生成する塩素と陰極で生成するカセイソー
ダが下記（化２）の反応で酸化作用を持つ次亜塩素酸イ
オンを生成し、洗濯物の汚れの分解と大腸菌等を殺菌し
た後すすぎと脱水を行い洗濯物の塩分を除去するもので
ある。

【００１２】

【化２】

【００１３】

【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。

【００１４】図１（ａ）の実施例は、電気洗濯機のボデ
ー覆い体３上に飽和食塩水投入装置９を配置し、水受け
用の外槽４の内壁底部に設けられた支持体１０に棒状の
２本の電極１１を嵌着している。前記電極１１の両端は
パッキング１２を介し外槽４の外側にあり、結線されて
いる。図１（ｂ）は飽和食塩水投入装置９の構成を示す
が、直結した水道蛇口から電気洗濯機の給水口（図示せ
ず）に連通する電磁給水弁１３と飽和食塩水投入装置９
に連通する電磁給水弁１４と飽和食塩水の外槽４への給
水経路に電磁給水弁１５を設け、飽和食塩水投入装置９
の出入口には、ろ過用のフィルター１６とフィルター１
７を配置し、上部には通気膜１８を設けている。尚、未
溶解の食塩１９は飽和食塩水投入装置９の底部に、飽和
食塩水２０は食塩１９の上にある。

【００１５】次に、この実施例の作用を説明する。洗濯
槽兼脱水槽の内槽６内に洗濯と漂白・殺菌する洗濯物を
入れ、洗濯・漂白・殺菌コースのボタン（図示せず）を
押すと攪拌翼５が数秒洗濯物を攪拌し水位と洗剤量と飽
和食塩水の投入量を決定し、水位と洗剤量を表示盤（図
示せず）に表示する。電子制御回路部には洗剤を入れた
本洗いの洗浄水を排水した後に漂白・殺菌の洗浄工程を
予め記憶させているので、漂白・殺菌の洗浄工程では電
磁給水弁１３を開いて所定の水位まで給水する時に、電
磁給水弁１４と電磁給水弁１５を開き、水圧でフィルタ
ー１７を介し飽和食塩水投入装置９から所定量の飽和食
塩水を投入する。この後、電磁給水弁１５を閉じ、水道
水を飽和食塩水投入装置９に貯めると共に電磁給水弁１
３と同時に電磁給水弁１４を閉じると攪拌翼５が洗濯物
を攪拌し食塩水を洗浄水に拡散する。

【００１６】また、電極１１に直流電気が印加され、洗
浄水を電気分解する。この結果、陽極で生成する塩素と
陰極で生成するカセイソーダが反応して漂白と殺菌作用
を持つ次亜塩素酸イオンを生成し漂白・殺菌洗浄を行
い、すすぎと脱水を経て運転を終了するものである。通
気膜１８は飽和食塩水投入装置９内の食塩が無くなり供
給するときに、電磁弁１５を開き飽和食塩水投入装置９
内の水を一旦抜くときに負圧を解除するものである。

【００１７】尚、洗剤を入れずに漂白・殺菌を行う洗浄
工程は、上記洗濯を入れた洗濯工程を除いたものと同じ
であることは言うまでもない。

【００１８】以上のように本実施によれば、電極１１に
直流電圧を印加して、漂白と殺菌作用を持つ次亜塩素酸
イオンを生成し、洗濯液の中にこのイオンを存在させる
ので、従来にはない、安全な漂白・殺菌洗浄を行うこと
ができる。

【００１９】なお、本実施例においては電極１１に印加
する電圧を直流のものとしたが、これは交流であっても
かまわない。

【００２０】

【発明の効果】以上のように本発明は、電気洗濯機の水
受け用の外槽内壁の底部もしくは下部側壁に直流電気を
印加して塩水を電気分解する電極と食塩または食塩水の
投入装置を設け、電子制御回路部には予め漂白・殺菌洗
浄工程を洗濯物と洗剤を入れた洗濯で汚れを除去した後
と洗剤を入れずに漂白・殺菌を行う洗浄工程の２種類記
憶させているので、自動的且つ効果的に漂白・殺菌洗浄
を行えるものである。

【００２１】また、強い酸化分解作用と殺菌作用のある
次亜塩素酸イオンを必要量生成させるので、市販されて
いる塩素系漂白剤の危険な原液を家庭に置く必要がな
く、更に、安全な酸素系漂白剤よりも優れた漂白・殺菌
効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は、本発明の一実施例である電気洗濯機
の要部断面図 （ｂ）は、本発明の一実施例である飽和食塩水投入装置
の構成と流路の概略図

【図２】従来の電気洗濯機の要部断面図

【符号の説明】

２ 漂白剤投入口 ７ 漂白剤受け ９ 飽和食塩水投入装置 １１ 電極 １８ 通気膜 １９ 食塩 ２０ 飽和食塩水

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗濯槽に洗濯物と洗浄液を入れ、撹拌する
   ことにより洗濯を行う電気洗濯機において、前記洗濯槽
   の内槽を配置している水受け用の外槽内壁の底部に、も
   しくは前記外槽内壁の下部側壁に配置され電圧を印加し
   て電気分解を行う電極と、予め、洗浄行程、脱水行程な
   どの複数の洗濯行程を記憶する電子制御回路部と、前記
   電子制御回路部からの制御により食塩または食塩水を投
   入する自動投入装置とを具備し、前記電子制御回路部は
   洗浄工程にて漂白洗浄・殺菌洗浄を行うことを特徴とす
   る電気洗濯機。