JPH05123029A - 刈取り機の走行制御装置 - Google Patents

刈取り機の走行制御装置

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JPH05123029A
JPH05123029A JP3311332A JP31133291A JPH05123029A JP H05123029 A JPH05123029 A JP H05123029A JP 3311332 A JP3311332 A JP 3311332A JP 31133291 A JP31133291 A JP 31133291A JP H05123029 A JPH05123029 A JP H05123029A
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reaper
shooter
grass
clogging
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弘宣 加藤
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明男 野路
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正 嶋田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 刈取り機におけるシュータ内での草の詰まり
を防止する。 【構成】 シュータに透過型光センサを設け、その出力
信号によりシュータ内を移送される草の密度を検出す
る。カウンタ29は検出部28から予定間隔で出力され
る信号のハイレベル検出信号をカウントし、算出部30
は、そのカウンタ値によって遮光比を算出する。詰まり
判定部31では、しきい値と遮光比との大小関係を判定
し、遮光比の方が大であれば、詰まりが発生する恐れあ
りと判定する。そして、ソレノイド27をオンさせて変
速機33を強制的にニュートラルに切換え、カッタの回
転はそのままにして刈取り機の走行を急減速させる。そ
の結果、シュータ内の草は吹き飛ばされて詰まりを防止
できる。前記しきい値は、光センサ40で検出された芝
草の丈、密度、乾湿状態などによって補正される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、刈取り機の走行制御装
置に関し、特に、刈取り作業によって刈取られた芝草の
刈屑がダクト状のシュータ内を移送されるときに、この
刈屑の詰まりが発生しないように走行速度を制御するよ
うに構成した刈取り機の走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、エンジン等の動力によって自
走しながら作業を行う走行型作業機においては、作業負
荷の状態に応じて走行速度を自動的に操作する走行制御
が行われている。
【0003】このような作業機による方法に関し、次の
ような各種の改良された方法が提案されている。例え
ば、特開昭57−69148号公報には、作業負荷のト
ルクを検出して作業機の走行速度を変速することによ
り、軽負荷での不必要な高速回転や重負荷での回転数低
下を防ぎ、燃料消費量を節約する方法が示され、特開昭
60−116008号公報には、エンジンで駆動される
交流発電機の回転数によって作業負荷状態を検出して作
業車の走行速度を変速することにより、作業跡の美観を
良好に保ち、かつ過負荷状態で作動させないようにする
方法が示されている。さらに、特開昭62−69925
号公報には、作業車の前部に刈取り草の粗密度を検出す
るセンサを設け、このセンサの出力によって作業負荷状
態を検出(予測)して作業車の走行速度を変速すること
により、エンジン出力を有効に利用して草刈り作業を能
率良く行う方法が示されている。
【0004】ところで、例えばグラスバッグを有する芝
刈り機のように、カッタデッキ内で刈取った刈芝(刈
屑)をカッタブレード等による送風によって強制的に移
送してグラスバッグ内に回収するように構成された作業
機においては、刈取った刈屑がシュータ内を流れる空気
によって移送されるので、移送量が多くなると、移送能
力が低下してシュータ内に詰まってしまうという問題が
発生している。
【0005】この詰まり現象が一旦発生すると、刈取り
作業を継続するためにはシュータを取り外して詰まった
部分をきれいに掃除したうえで、再びこれを取り付ける
という作業が必要になる。この刈屑の除去および清掃作
業がたいへん厄介で、かつ汚れる作業となるため、作業
者には大変嫌われるうえ、作業能率も大幅に低下させる
ことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】単に刈取り量が多いか
ら詰まるというのであれば、カッタデッキの高さを自動
的に上げて刈取り高さを上げることにより、刈取り量を
減らすことが考えられるが、刈屑が詰まるたびに刈取り
高さを上げたり、詰まりが解消すると刈取り高さを下げ
たりしたのでは、刈取り高さが不均一になって作業跡の
美観(仕上がり)が悪くなる。
【0007】また、刈屑がシュータ内に詰まるという問
題は、単に刈取り量(負荷量)が多い場合に発生すると
は限らない。
【0008】例えば、芝草が濡れていて、刈屑がシュー
タの内面に付着しやすい状態であったり、空気の乱れに
よって刈屑がシュータ内で団子状にまとまって移送され
たりすることが詰まりの原因であることが多い。そし
て、一旦、わずかな詰まりが発生してシュータ内の空気
の流れが阻害されると、たちまち作業を不能にさせるよ
うな大きな詰まりにまで至るのである。
【0009】本発明者等は、長年の研究による試験結果
から、シュータ内の刈屑の詰まりは単に刈取り量の多さ
に起因するものではなく、むしろシュータ内で刈屑が詰
まり始めたとき等のような、刈屑の密度が一時的にしろ
極端に高まったときに、それに伴ってシュータ内を流れ
る風量が減少することに起因するものであることを発見
した。
【0010】つまり、シュータ内を通過する刈屑の密度
を適正値以下に保って、刈屑の移送量に対する最適な風
量を確保し続けることが肝要であるという結論に達し
た。
【0011】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、頻繁に発生しやすく、刈取り作業の再
開のための掃除が厄介で、かつ汚れる作業となる刈屑の
詰まりを大幅低減させることにより、簡単な操作で能率
的な作業が行える刈取り機の走行制御装置を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決し、
目的を達成するために、本発明は、シュータ内の芝草の
刈屑の移送状態を、シュータ内を通過する刈屑の単位時
間あたりの密度で判断して検出する移送状態検出手段
と、前記密度が所定のしきい値を超えていると判断した
場合に、刈取り用のカッタブレードの回転は維持したま
ま作業機の走行速度を減速させる手段とを具備すると共
に、前記しきい値は刈取り対象となる芝草の状態に応じ
て補正するようにした点に特徴がある。
【0013】
【作用】上記の特徴を有する本発明では、シュータ内の
刈屑の移送状態が通常運転状態より低下した場合に、作
業機を減速または停止させるので、刈取り量は減少す
る。しかしながら、シュータに対する空気量の送給はそ
のまま継続しているので、シュータ内に詰まりかけた芝
草は移送方向に吹き飛ばされることになり、結果として
シュータ内の刈屑の詰まりは未然に防止できる。
【0014】さらに、詰まりが発生する移送状態が刈取
りの対象となる芝草の状態によって変化することが予想
される場合に、その予想される移送状態の変化に応じて
判断基準を補正できるので適確な詰まり防止処理によっ
て作業能率の向上を図れる。
【0015】
【実施例】以下に、図面を参照して本発明の一実施例を
説明する。本実施例では、制御装置を適用する刈取り機
として乗用芝刈り機を例にして説明する。図2は乗用芝
刈り機の側面図である。同図において、乗用芝刈り機
(以下、単に芝刈り機という)1は操向輪となる前輪3
を車体2の前部に備え、車体2の後部には駆動輪となる
後輪4を備えている。前記操向輪としての前輪3は車体
2の前部に設けられたハンドル5によって操向される。
車体2の中央部には座席6が備えられ、その下方にはカ
バー7で覆われたエンジン(図示しない)が搭載されて
いる。
【0016】車体2の下方にはカッタブレード8aを収
容したカッタハウジング8が配設されている。前記エン
ジンの出力軸は、図示しない油圧式無段変速装置(以
下、変速機という)に連結され、この変速機の出力軸が
前記後輪4の車軸に連結されている。また、前記カッタ
ブレード8aはベルトを介して前記変速機の入力軸側
(エンジンの出力軸側)に連結されている。
【0017】したがって、カッタブレード8aの回転数
を変更操作することによって、つまりスロットルを調整
することによって制御される。前記変速機はニュートラ
ル位置ではブレーキ機能を有するものであり、斜板式可
変容量ポンプの斜板の傾きを制御して車体2の走行速度
および方向が制御されるものである。なお、この変速機
の詳細は特開平2−306829号公報に記載されてい
る。
【0018】また、車体2の後部には支持ステー9が設
けられ、このステー9に対して水平に取付けられた支持
枠(図示せず)にグラスバッグ11が着脱自在に装着さ
れている。さらにこのグラスバッグ11は開閉自在な蓋
体12で覆われている。
【0019】前記カッタハウジング8とバッグ11との
間にはダクト状のシュータ13が設けられ、カッタブレ
ード8aで刈取られた芝草の刈屑はカッタブレード8a
の回転で生じる空気流(送風)によってシュータ13内
を移送されてグラスバッグ11に収容される。なお、シ
ュータ13は、整備や清掃のための分解・組立が容易な
ように、上部筒体14,中間筒体15および下部筒体1
6の、着脱自在な各要素から構成される。
【0020】座席6の前方に配置されたハンドル5の下
方にはコントロールパネル10が設けられる。このコン
トロールパネル10には、後述する制御モード設定スイ
ッチ、シュータ詰まり防止予防基準値を設定するための
しきい値設定ダイヤル、ならびに各種表示ランプ等が配
設される。
【0021】さらに、シュータ13にはシュータ内の刈
屑の移送状態を刈屑の密度として検出する光センサが設
けられる。図3は、前記光センサの配設状態を示す斜視
図である。同図において、前記中間筒体15には、発光
部17aと受光部17bとからなる透過型光センサ17
が取付けられている。この発光部17aおよび受光部1
7bは取付具19で互いに連結され、中間筒体15の直
径方向に設けられた貫通孔に合致され、互いの発光面と
受光面とが前記貫通孔から筒体15の内方に向くように
位置決めされている。前記発光部17aとしては、例え
ば発光ダイオード、受光部17bとしてはフォトダイオ
ードを含むフォトICを使用できる。発光部17aから
出た光18は受光部17bで検出される。なお、前記取
付具19は発光部17aおよび受光部17bの支持のほ
か電源線や信号線を内包し保護する機能を兼用できる。
【0022】また、車体2の前部には芝草の状態を検知
するセンサとしての透過型光センサ40が設けられてい
る。この光センサ40は、前記光センサ17と同様、発
光部40aと受光部40bとからなる。発光部40aお
よび受光部40bは、車体2の左右方向に予定間隔をお
いて、かつそれぞれの発光面および受光面が互いに対向
するように配置されている。
【0023】次に、図4のブロック図を参照して本実施
例の制御装置のハード構成を説明する。同図において、
制御装置のECU20はマイクロコンピュータおよびメ
モリなどその周辺装置を含む。このECU20の入力側
には、前記透過型光センサ17および40、前記しきい
値設定ダイヤルと連結されたしきい値設定器(ポテンシ
ョメータ)21、復帰スイッチ22、ならびに制御モー
ド設定スイッチ23からの信号が接続されている。
【0024】一方、ECU20の出力側には、詰まり防
止処理のために車体2が急減速されて停止したときに、
そのことを表示する減速ランプ24、制御モード設定ス
イッチ23によってシュータ詰まり防止モードが選択さ
れたときに点灯する制御ランプ25、前記変速機を自動
的に減速操作させるためのリレー26、ならびにこのリ
レー26を付勢することによって供給される電源で駆動
されて前記変速機をュートラル位置へ操作するソレノイ
ド27が接続されている。
【0025】以上の構成により、本実施例では次のよう
な動作によってシュータ13内での詰まり防止が行われ
る。まず、前記光センサ17の受光部17bの出力信号
に基づいて単位時間あたりの遮光時間(以下、遮光比と
いう)を検出する。シュータ13内を移送される芝草の
量が増加すればそれに伴ってこの遮光比が高くなるの
で、あらかじめ設定されたしきい値に従い、遮光比がこ
のしきい値を超過したならば、詰まりが発生しやすくな
ると判断する。そして、詰まりが発生しやすくなるとい
う判断がなされると、変速機が強制的にニュートラル位
置に切換えられ、車体2が急減速されると共に、急減速
を知らせるランプが点灯される。
【0026】ところで、前記光センサ17によって検出
される遮光比は、同一の車速のもとでも、芝草の状態つ
まり芝草の丈や乾湿の程度、繁茂密度等によって異な
る。本発明者等は芝草の状態が異なった場合の車体2の
速度と遮光比との関係を実験によって確認した。図9
は、車速と遮光比との関係を各種芝草の状態について調
査した結果を示す図である。本調査において、カッタブ
レードの高さは4cmで一定とし、13cm丈の芝草
(図中白丸印)および8cm丈の芝草(図中黒丸)につ
いて濡らした状態(図中実線)と乾燥した状態(図中点
線)のもの、ならびに繁茂密度の高い13cm丈の乾燥
した芝草(図中三角印)を実験に供した。同図におい
て、縦軸では遮光比、横軸では車速を示す。なお、本調
査において、芝草の濡れおよび乾燥状態は、比較的使用
頻度の高い作業の中での代表例を示している。
【0027】図9に示したように、車速が増大するほど
単位時間当たりの刈取り量が増大するので遮光比は上が
るが、その増大程度は、芝草の丈が同じ場合には濡れた
もののほうが乾燥したものより遮光比の増大割合が大き
く、繁茂密度が高い乾燥した芝草については、遮光比の
増大割合は丈が高い濡れた芝草に相当するほど大きい。
【0028】このように、遮光比は芝草の状態によって
異なり、芝草の丈が高いほど、また、濡れた芝草である
ほど、さらに繁茂密度の高い芝草ほど、同一の車速下に
おいて遮光比が高くなり、したがって刈屑の詰まりを生
じやすい。
【0029】したがって刈屑の詰まりが発生しやすくな
ると判断するためのしきい値も芝草の状態に合わせて補
正するのが望ましく、同一の車速では芝草の丈が高いも
の、濡れているもの、あるいは繁茂密度が高いものにつ
いては、遮光比のしきい値を低く設定するのが望まし
い。これに対して、丈の低いもの、乾燥しているもの、
あるいは繁茂密度の低いものを刈取る場合は、遮光比は
あまり増大しないので遮光比のしきい値を高く設定して
も頻繁に詰まり防止が行われることはない。
【0030】このような芝草の状態に対応したしきい値
の補正を行うために、前記光センサ40の出力信号が利
用される。光センサ40はシュータ13に設けられた光
センサ17と同様に動作する。光センサ40は車体2の
前方下部に配置されているので、光センサ40の出力に
基づいて得られる遮光比はこの光センサ40が取付けら
れた高さにある芝草の密度に対応する。すなわち、遮光
比が予定値以上であれば、光センサ40の取付け位置よ
りも丈が高い芝草が多いと判断するようにする。
【0031】本実施例では、光センサ40に基づいて検
出された遮光比に基づいて刈取りの対象となる芝草の背
丈を検知し、その結果によって、前記しきい値設定器2
1から読込んだしきい値を実際に使用するしきい値に換
算するためのテーブルが自動的に選択されるようにし
た。
【0032】図10は後述するしきい値算出部に記憶さ
れるしきい値換算テーブルの例である。同図において、
横軸にはA/D変換後のしきい値設定器21の値、縦軸
には実際に光センサ17の出力と比較されるしきい値を
示す。例えば、芝草の丈が高い場合、つまり光センサ4
0の出力信号基づいて得られた遮光比が予定のしきい値
より高い場合は換算テーブルaが選択され、芝草の丈が
低い場合つまり遮光比がしきい値より高い場合は換算テ
ーブルbが選択され、これらの選択テーブルによって、
詰まり防止判定のためのシュータ13内の遮光比判断の
しきい値が算出されるようにする。図10の換算テーブ
ルでは、値A,B,C,D,D´をROMデータとして
記憶している。
【0033】次に、詰まり防止処理を行うための制御装
置の要部機能を図1の機能ブロック図を参照して説明す
る。同図において、光センサ17は、その受光部の受光
レベルが予定値より低い場合に出力信号がハイ(H)に
なり、受光レベルが予定値より高い場合には出力信号が
ロー(L)になるように設定されている。レベル検出部
28では、光センサ17の出力信号レベルを判定し、こ
の出力信号のレベルがハイのときに検出信号を出力す
る。この検出信号は、予定の割込時間(本実施例では5
00μsec)毎に出力される。遮光比算出用のハイレ
ベルカウンタ29は前記レベル検出部28からの信号に
よってカウンタ値をインクリメントする。
【0034】このカウンタ値は予定の計算周期(本実施
例では500msec)毎に遮光比算出部30に供給さ
れる。遮光比算出部30では、前記カウンタ値に基づ
き、前記計算周期内の、光センサ17による高出力信号
の発生割合つまり遮光比を算出して詰まり状態判定部3
1に出力する。
【0035】一方、しきい値算出部32では、しきい値
設定器21の値に基づいて詰まりを予防するための判定
基準となる光センサ17用の遮光比のしきい値が計算さ
れる。このしきい値算出部32には芝草の丈によって異
なる値が設定されたしきい値換算テーブルが設けられて
いる。この換算テーブルは、換算テーブル選択部35か
らの選択信号によって選択される。
【0036】芝草状態検出用の光センサ40は、光セン
サ17と同様その受光部の受光レベルが予定値より低い
場合に出力信号がハイ(H)になり、受光レベルが予定
値より高い場合には出力信号がロー(L)になるように
設定されている。
【0037】光センサ40の出力信号は芝草状態判定部
36に供給され、遮光比に基づいて芝草の丈が予定の高
さより高いか低いかの判定がなされる。この芝草状態判
定部36は、図中、鎖線で示した詰まり防止指令発生部
と同様に構成される。すなわち、光センサ40の出力信
号レベルに基づいて検出される遮光比を予定のしきい値
と比較して芝草の丈を判定する。なお、光センサ部40
は図示しない高さ調節手段によって上下動自在に構成さ
れている。そして、その判定信号は換算テーブル選択部
35に供給され、換算テーブル選択部35はこの芝草丈
判定信号に応答し、前記テーブル選択信号を前記しきい
値算出部32に出力する。
【0038】しきい値設定器21の出力値はしきい値算
出部32の換算テーブルによって換算され、正規のしき
い値として詰まり状態判定部31に出力される。詰まり
状態判定部31には、シュータを移送される刈屑の移送
状態を代表する前記遮光比データと、前記しきい値算出
部32で計算された詰まり予防のためのしきい値が供給
され、両者の大小が比較される。
【0039】しきい値よりも算出された遮光比の方が大
きい場合は、詰まりが発生する危険性が高いと判断し
て、詰まり防止指令c1を出力する。ソレノイド27お
よび減速ランプ24はこの詰まり防止指令c1に応答し
て駆動される。ソレノイド27が駆動されると、変速機
33はニュートラル位置に切換えられ、車体2は急減速
する。なお、必要に応じて自動的にブレーキをかけるよ
うにすることもできる。
【0040】復帰スイッチ22は、変速機がニュートラ
ル位置か否かを検出しており、ニュートラル位置に戻っ
たときにオンすることによって前記ソレノイド27はオ
フとなり、次に再び変速位置となってオフすることによ
り、このオフ動作によって減速ランプ24は消灯する。
このように復帰スイッチ22は、詰まり防止処理から通
常の作業モードに復帰させる機能を備えている。
【0041】一方、このように復帰機能を設定せずとも
ソレノイド27は、ソレノイドオンカウンタ34にあら
かじめ設定されているカウンタ値のカウントアップ信号
によってオフ動作させるように構成してもよい。なお、
以上の詰まり防止処理を行うか否かは、前記制御モード
設定スイッチ23の設定によって選択することができ
る。
【0042】次に、上記の動作を図5,図6および図8
のフローチャート、ならびに図7のタイミングチャート
を参照して説明する。まず、図5に従ってメインルーチ
ンを説明する。図5において、ステップS1では、各種
タイマ、カウンタの設定、メモリのクリアなど、マイコ
ン処理に必要なイニシャル処理を行う。ステップS2で
は、前記しきい値設定器21から読込んだしきい値(ポ
テンショメータのアナログ値)をデジタル値に変換する
A/D変換を行う。
【0043】ステップS3では、刈取りの対象となる芝
草の種類や乾湿に応じてROMに設定されている前記換
算テーブルの一つを、前記換算テーブル選択部35の選
択信号に応じて選択し、これによって前記A/D変換さ
れたしきい値を補間計算し、正規のしきい値を得るしき
い値計算処理を行う。
【0044】ステップS4では、制御モード設定スイッ
チ23によってシュータ詰まり防止の制御モードが選択
されたとき、これに応答するモード切換処理が行われ
る。このモード切換処理ではソレノイド27のオン時間
設定用カウンタおよび遮光比算出用割込みカウンタに初
期値をセットし、制御ランプ点灯用フラグをセットす
る。さらに、遮光比算出用ハイレベルカウンタと、遮光
比記憶メモリの内容をクリアする。
【0045】ステップS5では、詰まり防止処理を行
う。この処理は図6のフローチャートに詳細に示した。
図6において、まず、前記遮光比算出用割込みカウンタ
のカウントアップを判断し(ステップS51)、このカ
ウントアップ毎に遮光比を計算し(ステップS52)、
その結果を前記しきい値と比較し(ステップS53)、
しきい値よりも遮光比が大きい場合に詰まりフラグをセ
ット(ステップS54)する。
【0046】ステップS6(図5)では、詰まり復帰処
理を行う。この詰まり復帰処理では、前記詰まりフラグ
がセットされたときに、図7に示したような動作を行
う。図7のタイミングチャートにおいて、詰まりフラグ
がセットされたときには、変速機の駆動ソレノイド27
をオン動作させて変速機をニュートラル位置に切換え
る。変速機をニュートラル位置に切換えると、車体2が
急減速状態に入るので、この急減速が詰まり防止処理に
よるものであることを表わすため、減速ランプ24を点
灯させる。この減速ランプ24は、1周期内に予定の点
灯(オン)時間が設定された点滅動作を行う。
【0047】ソレノイド27は、一旦、変速機がニート
ラル位置に切換えられると、長時間これをオン動作させ
ておく必要はないし、電力の無駄にもなるので、変速機
がニュートラルに戻ったことを検出した復帰スイッチ2
2のオンによってソレノイド27をオフ動作させる。な
お、ソレノイド27は復帰スイッチ22のオンによらな
くても、前述のように、あらかじめソレノイドオン時間
設定用カウンタ(ソレノイドオンカウンタ34)に設定
された時間が経過した時点でオフとなるようにしてもよ
い。
【0048】さらに、前述のように変速機が作業者によ
って操作されてニュートラルから抜けると復帰スイッチ
22はオンからオフとなり、減速ランプ24は消灯し
て、もとの状態に復帰する。
【0049】次に、前記メインルーチンの制御に予定時
間毎に割込むタイマ割込制御を、図8のフローチャート
を参照して説明する。このタイマ割込みは例えば2ms
ec毎に行われる。
【0050】同図において、ステップS10では、詰ま
り防止および詰まり復帰処理に基づく詰まりフラグの状
態や復帰スイッチ22の切換え位置に応じて、変速機
(HST)駆動処理つまりソレノイド27のオン・オフ
を行う。ステップS20では、減速ランプ24を点滅さ
せるランプ駆動処理を行う。
【0051】ステップS30では、復帰スイッチ22お
よび制御モード設定スイッチ23の入力信号を読込むス
イッチ入力処理を行う。この入力処理では、2msec
毎の割込みを10回行う毎、つまり20msec毎に入
力信号を読込む。そして、チャタリングによる誤った信
号の読込みを防止するため、3回続けて同一レベルの信
号が読込まれたときの入力信号レベルを入力値とする。
このスイッチ入力処理の入力結果は、それぞれの入力に
対して設けられたフラグにセットする。
【0052】以上のほか、遮光比算出用ハイレベルカウ
ンタによるカウント処理もタイマ割込みによって行う。
すなわち、光センサ17の受光部17bの受光レベルを
500μsec毎に読込み、この受光レベルが低いと
き、つまり受光部17bの出力信号レベルがハイ(H)
のときにカウンタをインクリメントする。そして遮光比
算出用割込みカウンタに設定された算出周期(500m
sec)毎に、このカウント処理結果つまり遮光比算出
用ハイレベルカウンタの値を前記詰まり防止処理(ステ
ップS5)で読込んで遮光比を算出し、その遮光比がし
きい値より大きいか否かを判断する。
【0053】以上のように、本実施例では、遮光比算出
用割込みカウンタに設定された設定時間つまり算出周期
500msecの間のハイレベルカウンタ29の値に基
づいて詰まり防止処理としての車体減速処理を行うか否
かを判断するようにした。
【0054】すなわち、シュータ13に設けられた光セ
ンサ17の出力信号によって得られた遮光比によってシ
ュータ13内の刈屑の密度を検出し、この密度(遮光
比)が予定値以上になった場合に、詰まり防止指令によ
って作業機を急減速し、芝草の刈取りを停止させる。
【0055】本実施例では、遮光比が予定値以上になっ
た場合に作業機を急減速するようにしたが、作業機を完
全に停止させるようにしてもよい。また、遮光比のしき
い値を多段階設定し、各段階毎に減速の程度を変化させ
るようにしてもよい。例えば、遮光比がやや低い場合に
は作業機を減速するようにし、遮光比が極端に低い場合
は作業機を停止させるようにする。
【0056】なお、前記しきい値算出部32内の換算テ
ーブルとしては、単に芝草の丈のみならず、芝草の繁茂
密度、湿り具合ならびにこれらと丈とを組合わせたデー
タをパラメータとしたものを数種類設定しておくことも
できる。芝草の繁茂密度は本実施例の光センサ40を使
用できるし、湿り具合をパラメータにした換算テーブル
を使用するためには、光センサ40のほか芝草の湿り具
合を検出するセンサを設けることができる。
【0057】芝草の湿り具合を検出するセンサとして
は、静電容量型のセンサを用いることができる。この型
のセンサは、例えば車体2の下部に一対の電極を予定間
隔で対向して配置し、この電極間の静電容量を検出する
ことによってこの電極間にある芝草の乾湿程度を検出す
るものである。
【0058】また、芝草の丈を検出するセンサも本実施
例に示した光センサに限らず、前記静電容量型センサ、
超音波センサ、感圧センサなど、周知のセンサを適宜選
択して使用できる。要は、これらのセンサを車体2の前
部に設けて、刈取りの対象となる芝草の状態を刈取りに
先立って検知できるように構成してあればよい。
【0059】さらに、本実施例では、芝草の状態に応じ
て複数の換算テーブルから一つを選択するようにした
が、芝草の状態に応じ、しきい値設定器21の出力値に
予定の補正値を加算または減算したり、予定の補正係数
を乗算するようにしてもよい。また、これら換算テーブ
ルの選択やしきい値の補正は上記各センサによって検出
された芝草状態に応じて、本実施例のように自動的に行
えるほか、運転者によって操作できる選択スイッチを設
け、目視判断やセンサによって得られた芝草の状態によ
って前記選択スイッチを操作するようにしてもよい。
【0060】なお、本実施例は、乗用型芝刈り機に本発
明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、無
人で走行する刈取り機にも同様に実施できる。
【0061】また、シュータに対する空気流の供給を、
カッタブレードとは別に設けるファンから行うようにし
た刈取り機にも本発明は適用できる。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、芝草がシュータ内に詰まるおそれが出てきた
場合に、作業機を急減速して実質的な芝刈り量を少なく
できるので、シュータ内に送り込まれる刈屑量を大幅減
少させることができ、しかもこのときにカッタブレード
は回転を継続なので、このカッタブレードによる風力で
シュータ内に詰まりかけた刈屑をグラスバッグの方へ吹
飛ばすことができ、詰まりを未然に防止することができ
る。
【0063】これによって、この種の刈取り作業機にお
いて頻繁に発生しやすく、刈取り作業再開のための掃除
がたいへん厄介で、かつ汚れる作業となる刈屑の詰まり
を大幅低減させることができる。したがって、簡単な操
作で能率的な刈取り作業が行えるようになる。
【0064】また、上記のように刈屑が詰まりかかった
ことに起因して作業機の走行速度の急減速が行われた場
合には、減速ランプを点灯させることができるので、急
減速状態の理由を速やかに運転作業者や周囲の者に確実
に知らせることができる。
【0065】詰まり防止を実行するか否かの判断のため
の基準となるしきい値を芝草の状態に対応して補正する
ようにしたので、刈取り対象となる芝草に応じ、シュー
タ内での現実の芝草の移送量に合った最適の判断基準に
よって詰まり防止ができる。その結果、実状に合わない
車体の減速や停止がなくなり、詰まりが生じない最適の
作業スピードを維持でき、能率を低下させずに作業を行
える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 制御装置の要部機能ブロック図である。
【図2】 乗用型芝刈り機の側面図である。
【図3】 遮光比検出用の光センサの装着態様を示す
斜視図である。
【図4】 制御装置のハード構成を示すブロック図で
ある。
【図5】 詰まり防止制御のメインフローチャートで
ある。
【図6】 詰まり防止処理のフローチャートである。
【図7】 詰まり復帰処理のタイミングチャートであ
る。
【図8】 タイマ割込みルーチンのフローチャートで
ある。
【図9】 芝草の状態と遮光比ならびに車速の関係を
示す図である。
【図10】 しきい値換算テーブルの一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…乗用型芝刈り機、 2…車体、 8…カッタハウジ
ング、 11…グラスバッグ、 13…シュータ、 1
7a…発光部、 17b…受光部、 21…しきい値設
定器、 22…復帰スイッチ、 24…減速ランプ、
27…ソレノイド、28…レベル検出部、 29…ハイ
レベルカウンタ、 30…遮光比算出部、31…詰まり
状態判定部、 32…しきい値算出部、 36…芝草状
態判定部、40…芝草状態検出用光センサ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項12
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、刈取り機の走行制
御装置に関し、特に、刈取り作業によって刈取られた芝
草の刈屑がダクト状のシュータ内を移送されるときに、
この刈屑の詰まりが発生しないように走行速度を制御す
るように構成した刈取り機の走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来から、エンジン等の動力によって
自走しながら作業を行う走行型作業機においては、作業
負荷の状態に応じて走行速度を自動的に操作する走行制
御が行われている。
【0003】 このような作業機による方法に関し、次
のような各種の改良された方法が提案されている。例え
ば、特開昭57−69148号公報には、作業負荷のト
ルクを検出して作業機の走行速度を変速することによ
り、軽負荷での不必要な高速回転や重負荷での回転数低
下を防ぎ、燃料消費量を節約する方法が示され、特開昭
60−116008号公報には、エンジンで駆動される
交流発電機の回転数によって作業負荷状態を検出して作
業車の走行速度を変速することにより、作業跡の美観を
良好に保ち、かつ過負荷状態で作動させないようにする
方法が示されている。さらに、特開昭62−69925
号公報には、作業車の前部に刈取り草の粗密度を検出す
るセンサを設け、このセンサの出力によって作業負荷状
態を検出(予測)して作業車の走行速度を変速すること
により、エンジン出力を有効に利用して草刈り作業を能
率良く行う方法が示されている。
【0004】 ところで、例えばグラスバッグを有する
芝刈り機のように、カッタデッキ内で刈取った刈芝(刈
屑)をカッタブレード等による送風によって強制的に移
送してグラスバッグ内に回収するように構成された作業
機においては、刈取った刈屑がシュータ内を流れる空気
によって移送されるので、移送量が多くなると、移送能
力が低下してシュータ内に詰まってしまうという問題が
発生している。
【0005】 この詰まり現象が一旦発生すると、刈取
り作業を継続するためにはシュータを取り外して詰まっ
た部分をきれいに掃除したうえで、再びこれを取り付け
るという作業が必要になる。この刈屑の除去および清掃
作業がたいへん厄介で、かつ汚れる作業となるため、作
業者には大変嫌われるうえ、作業能率も大幅に低下させ
ることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 単に刈取り量が多い
から詰まるというのであれば、カッタデッキの高さを自
動的に上げて刈取り高さを上げることにより、刈取り量
を減らすことが考えられるが、刈屑が詰まるたびに刈取
り高さを上げたり、詰まりが解消すると刈取り高さを下
げたりしたのでは、刈取り高さが不均一になって作業跡
の美観(仕上がり)が悪くなる。
【0007】 また、刈屑がシュータ内に詰まるという
問題は、単に刈取り量(負荷量)が多い場合に発生する
とは限らない。
【0008】 例えば、芝草が濡れていて、刈屑がシュ
ータの内面に付着しやすい状態であったり、空気の乱れ
によって刈屑がシュータ内で団子状にまとまって移送さ
れたりすることが詰まりの原因であることが多い。そし
て、一旦、わずかな詰まりが発生してシュータ内の空気
の流れが阻害されると、たちまち作業を不能にさせるよ
うな大きな詰まりにまで至るのである。
【0009】 本発明者等は、長年の研究による試験結
果から、シュータ内の刈屑の詰まりは単に刈取り量の多
さに起因するものではなく、むしろシュータ内で刈屑が
詰まり始めたとき等のような、刈屑の密度が一時的にし
ろ極端に高まったときに、それに伴ってシュータ内を流
れる風量が減少することに起因するものであることを発
見した。
【0010】 つまり、シュータ内を通過する刈屑の密
度を適正値以下に保って、刈屑の移送量に対する最適な
風量を確保し続けることが肝要であるという結論に達し
た。
【0011】 本発明は、上記のような事情に鑑みてな
されたものであり、頻繁に発生しやすく、刈取り作業の
再開のための掃除が厄介で、かつ汚れる作業となる刈屑
の詰まりを大幅低減させることにより、簡単な操作で能
率的な作業が行える刈取り機の走行制御装置を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】 前記の問題点を解決
し、目的を達成するために、本発明は、シュータ内の芝
草の刈屑の移送状態を、シュータ内を通過する刈屑の単
位時間あたりの密度で判断して検出する移送状態検出手
段と、前記密度が所定のしきい値を超えていると判断し
た場合に、刈取り用のカッタブレードの回転は維持した
まま作業機の走行速度を減速させる手段とを具備すると
共に、前記しきい値は刈取り対象となる芝草の状態に応
じて補正するようにした点に特徴がある。
【0013】
【作用】 上記の特徴を有する本発明では、シュータ内
の刈屑の移送状態が通常運転状態より低下した場合に、
作業機を減速または停止させるので、刈取り量は減少す
る。しかしながら、シュータに対する空気量の送給はそ
のまま継続しているので、シュータ内に詰まりかけた芝
草は移送方向に吹き飛ばされることになり、結果として
シュータ内の刈屑の詰まりは未然に防止できる。
【0014】 さらに、詰まりが発生する移送状態が刈
取りの対象となる芝草の状態によって変化することが予
想される場合に、その予想される移送状態の変化に応じ
て判断基準を補正できるので適確な詰まり防止処理によ
って作業能率の向上を図れる。
【0015】
【実施例】 以下に、図面を参照して本発明の一実施例
を説明する。本実施例では、制御装置を適用する刈取り
機として乗用芝刈り機を例にして説明する。図2は乗用
芝刈り機の側面図である。同図において、乗用芝刈り機
(以下、単に芝刈り機という)1は操向輪となる前輪3
を車体2の前部に備え、車体2の後部には駆動輪となる
後輪4を備えている。前記操向輪としての前輪3は車体
2の前部に設けられたハンドル5によって操向される。
車体2の中央部には座席6が備えられ、その下方にはカ
バー7で覆われたエンジン(図示しない)が搭載されて
いる。
【0016】 車体2の下方にはカッタブレード8aを
収容したカッタハウジング8が配設されている。前記エ
ンジンの出力軸は、図示しない油圧式無段変速装置(以
下、変速機という)に連結され、この変速機の出力軸が
前記後輪4の車軸に連結されている。また、前記カッタ
ブレード8aはベルトを介して前記変速機の入力軸側
(エンジンの出力軸側)に連結されている。
【0017】 したがって、カッタブレード8aの回転
はエンジン回転数を変更操作することによって、つま
りスロットルを調整することによって制御される。前記
変速機はニュートラル位置ではブレーキ機能を有するも
のであり、斜板式可変容量ポンプの斜板の傾きを制御し
て車体2の走行速度および方向が制御されるものであ
る。なお、この変速機の詳細は特開平2−306829
号公報に記載されている。
【0018】 また、車体2の後部には支持ステー9が
設けられ、このステー9に対して水平に取付けられた支
持枠(図示せず)にグラスバッグ11が着脱自在に装着
されている。さらにこのグラスバッグ11は開閉自在な
蓋体12で覆われている。
【0019】 前記カッタハウジング8とバッグ11と
の間にはダクト状のシュータ13が設けられ、カッタブ
レード8aで刈取られた芝草の刈屑はカッタブレード8
aの回転で生じる空気流(送風)によってシュータ13
内を移送されてグラスバッグ11に収容される。なお、
シュータ13は、整備や清掃のための分解・組立が容易
なように、上部筒体14,中間筒体15および下部筒体
16の、着脱自在な各要素から構成される。
【0020】 座席6の前方に配置されたハンドル5の
下方にはコントロールパネル10が設けられる。このコ
ントロールパネル10には、後述する制御モード設定ス
イッチ、シュータ詰まり防止予防基準値を設定するため
のしきい値設定ダイヤル、ならびに各種表示ランプ等が
配設される。
【0021】 さらに、シュータ13にはシュータ内の
刈屑の移送状態を刈屑の密度として検出する光センサが
設けられる。図3は、前記光センサの配設状態を示す斜
視図である。同図において、前記中間筒体15には、発
光部17aと受光部17bとからなる透過型光センサ1
7が取付けられている。この発光部17aおよび受光部
17bは取付具19で互いに連結され、中間筒体15の
直径方向に設けられた貫通孔に合致され、互いの発光面
と受光面とが前記貫通孔から筒体15の内方に向くよう
に位置決めされている。前記発光部17aとしては、例
えば発光ダイオード、受光部17bとしてはフォトダイ
オードを含むフォトICを使用できる。発光部17aか
ら出た光18は受光部17bで検出される。なお、前記
取付具19は発光部17aおよび受光部17bの支持の
ほか電源線や信号線を内包し保護する機能を兼用でき
る。
【0022】 また、車体2の前部には芝草の状態を検
知するセンサとしての透過型光センサ40が設けられて
いる。この光センサ40は、前記光センサ17と同様、
発光部40aと受光部40bとからなる。発光部40a
および受光部40bは、車体2の左右方向に予定間隔を
おいて、かつそれぞれの発光面および受光面が互いに対
向するように配置されている。
【0023】 次に、図4のブロック図を参照して本実
施例の制御装置のハード構成を説明する。同図におい
て、制御装置のECU20はマイクロコンピュータおよ
びメモリなどその周辺装置を含む。このECU20の入
力側には、前記透過型光センサ17および40、前記し
きい値設定ダイヤルと連結されたしきい値設定器(ポテ
ンショメータ)21、復帰スイッチ22、ならびに制御
モード設定スイッチ23からの信号が接続されている。
【0024】 一方、ECU20の出力側には、詰まり
防止処理のために車体2が急減速されて停止したとき
に、そのことを表示する減速ランプ24、制御モード設
定スイッチ23によってシュータ詰まり防止モードが選
択されたときに点灯する制御ランプ25、前記変速機を
自動的に減速操作させるためのリレー26、ならびにこ
のリレー26を付勢することによって供給される電源で
駆動されて前記変速機をュートラル位置へ操作するソ
レノイド27が接続されている。
【0025】 以上の構成により、本実施例では次のよ
うな動作によってシュータ13内での詰まり防止が行わ
れる。まず、前記光センサ17の受光部17bの出力信
号に基づいて単位時間あたりの遮光時間(以下、遮光比
という)を検出する。シュータ13内を移送される芝草
の量が増加すればそれに伴ってこの遮光比が高くなるの
で、あらかじめ設定されたしきい値に従い、遮光比がこ
のしきい値を超過したならば、詰まりが発生しやすくな
ると判断する。そして、詰まりが発生しやすくなるとい
う判断がなされると、変速機が強制的にニュートラル位
置に切換えられ、車体2が急減速されると共に、急減速
を知らせるランプが点灯される。
【0026】 ところで、前記光センサ17によって検
出される遮光比は、同一の車速のもとでも、芝草の状態
つまり芝草の丈や乾湿の程度、繁茂密度等によって異な
る。本発明者等は芝草の状態が異なった場合の車体2の
速度と遮光比との関係を実験によって確認した。図9
は、車速と遮光比との関係を各種芝草の状態について調
査した結果を示す図である。本調査において、カッタブ
レードの高さは4cmで一定とし、13cm丈の芝草
(図中白丸印)および8cm丈の芝草(図中黒丸)につ
いて濡らした状態(図中実線)と乾燥した状態(図中点
線)のもの、ならびに繁茂密度の高い13cm丈の乾燥
した芝草(図中三角印)を実験に供した。同図におい
て、縦軸では遮光比、横軸では車速を示す。なお、本調
査において、芝草の濡れおよび乾燥状態は、比較的使用
頻度の高い作業の中での代表例を示している。
【0027】 図9に示したように、車速が増大するほ
ど単位時間当たりの刈取り量が増大するので遮光比は上
がるが、その増大程度は、芝草の丈が同じ場合には濡れ
たもののほうが乾燥したものより遮光比の増大割合が大
きく、繁茂密度が高い乾燥した芝草については、遮光比
の増大割合は丈が高い濡れた芝草に相当するほど大き
い。
【0028】 このように、遮光比は芝草の状態によっ
て異なり、芝草の丈が高いほど、また、濡れた芝草であ
るほど、さらに繁茂密度の高い芝草ほど、同一の車速下
において遮光比が高くなり、したがって刈屑の詰まりを
生じやすい。
【0029】 したがって刈屑の詰まりが発生しやすく
なると判断するためのしきい値も芝草の状態に合わせて
補正するのが望ましく、同一の車速では芝草の丈が高い
もの、濡れているもの、あるいは繁茂密度が高いものに
ついては、遮光比のしきい値を低く設定するのが望まし
い。これに対して、丈の低いもの、乾燥しているもの、
あるいは繁茂密度の低いものを刈取る場合は、遮光比は
あまり増大しないので遮光比のしきい値を高く設定して
も頻繁に詰まり防止が行われることはない。
【0030】 このような芝草の状態に対応したしきい
値の補正を行うために、前記光センサ40の出力信号が
利用される。光センサ40はシュータ13に設けられた
光センサ17と同様に動作する。光センサ40は車体2
の前方下部に配置されているので、光センサ40の出力
に基づいて得られる遮光比はこの光センサ40が取付け
られた高さにある芝草の密度に対応する。すなわち、遮
光比が予定値以上であれば、光センサ40の取付け位置
よりも丈が高い芝草が多いと判断するようにする。
【0031】 本実施例では、光センサ40に基づいて
検出された遮光比に基づいて刈取りの対象となる芝草の
背丈を検知し、その結果によって、前記しきい値設定器
21から読込んだしきい値を実際に使用するしきい値に
換算するためのテーブルが自動的に選択されるようにし
た。
【0032】 図10は後述するしきい値算出部に記憶
されるしきい値換算テーブルの例である。同図におい
て、横軸にはA/D変換後のしきい値設定器21の値、
縦軸には実際に光センサ17の出力と比較されるしきい
値を示す。例えば、芝草の丈が高い場合、つまり光セン
サ40の出力信号基づいて得られた遮光比が予定のしき
い値より高い場合は換算テーブルaが選択され、芝草の
丈が低い場合つまり遮光比がしきい値より高い場合は換
算テーブルbが選択され、これらの選択テーブルによっ
て、詰まり防止判定のためのシュータ13内の遮光比判
断のしきい値が算出されるようにする。図10の換算テ
ーブルでは、値A,B,C,D,D′をROMデータと
して記憶している。
【0033】 次に、詰まり防止処理を行うための制御
装置の要部機能を図1の機能ブロック図を参照して説明
する。同図において、光センサ17は、その受光部の受
光レベルが予定値より低い場合に出力信号がハイ(H)
になり、受光レベルが予定値より高い場合には出力信号
がロー(L)になるように設定されている。レベル検出
部28では、光センサ17の出力信号レベルを判定し、
この出力信号のレベルがハイのときに検出信号を出力す
る。この検出信号は、予定の割込時間(本実施例では5
00μsec)毎に出力される。遮光比算出用のハイレ
ベルカウンタ29は前記レベル検出部28からの信号に
よってカウンタ値をインクリメントする。
【0034】 このカウンタ値は予定の計算周期(本実
施例では500msec)毎に遮光比算出部30に供給
される。遮光比算出部30では、前記カウンタ値に基づ
き、前記計算周期内の、光センサ17による高出力信号
の発生割合つまり遮光比を算出して詰まり状態判定部3
1に出力する。
【0035】 一方、しきい値算出部32では、しきい
値設定器21の値に基づいて詰まりを予防するための判
定基準となる光センサ17用の遮光比のしきい値が計算
される。このしきい値算出部32には芝草の丈によって
異なる値が設定されたしきい値換算テーブルが設けられ
ている。この換算テーブルは、換算テーブル選択部35
からの選択信号によって選択される。
【0036】 芝草状態検出用の光センサ40は、光セ
ンサ17と同様その受光部の受光レベルが予定値より低
い場合に出力信号がハイ(H)になり、受光レベルが予
定値より高い場合には出力信号がロー(L)になるよう
に設定されている。
【0037】 光センサ40の出力信号は芝草状態判定
部36に供給され、遮光比に基づいて芝草の丈が予定の
高さより高いか低いかの判定がなされる。この芝草状態
判定部36は、図中、鎖線で示した詰まり防止指令発生
部と同様に構成される。すなわち、光センサ40の出力
信号レベルに基づいて検出される遮光比を予定のしきい
値と比較して芝草の丈を判定する。なお、光センサ部4
0は図示しない高さ調節手段によって上下動自在に構成
されている。そして、その判定信号は換算テーブル選択
部35に供給され、換算テーブル選択部35はこの芝草
丈判定信号に応答し、前記テーブル選択信号を前記しき
い値算出部32に出力する。
【0038】 しきい値設定器21の出力値はしきい値
算出部32の換算テーブルによって換算され、正規のし
きい値として詰まり状態判定部31に出力される。詰ま
り状態判定部31には、シュータを移送される刈屑の移
送状態を代表する前記遮光比データと、前記しきい値算
出部32で計算された詰まり予防のためのしきい値が供
給され、両者の大小が比較される。
【0039】 しきい値よりも算出された遮光比の方が
大きい場合は、詰まりが発生する危険性が高いと判断し
て、詰まり防止指令c1を出力する。ソレノイド27お
よび減速ランプ24はこの詰まり防止指令c1に応答し
て駆動される。ソレノイド27が駆動されると、変速機
33はニュートラル位置に切換えられ、車体2は急減速
する。なお、必要に応じて自動的にブレーキをかけるよ
うにすることもできる。
【0040】 復帰スイッチ22は、変速機がニュート
ラル位置か否かを検出しており、ニュートラル位置に戻
ったときにオンすることによって前記ソレノイド27は
オフとなり、次に再び変速位置となってオフすることに
より、このオフ動作によって減速ランプ24は消灯す
る。このように復帰スイッチ22は、詰まり防止処理か
ら通常の作業モードに復帰させる機能を備えている。
【0041】 一方、このように復帰機能を設定せずと
もソレノイド27は、ソレノイドオンカウンタ34にあ
らかじめ設定されているカウンタ値のカウントアップ信
号によってオフ動作させるように構成してもよい。な
お、以上の詰まり防止処理を行うか否かは、前記制御モ
ード設定スイッチ23の設定によって選択することがで
きる。
【0042】 次に、上記の動作を図5,図6および図
8のフローチャート、ならびに図7のタイミングチャー
トを参照して説明する。まず、図5に従ってメインルー
チンを説明する。図5において、ステップS1では、各
種タイマ、カウンタの設定、メモリのクリアなど、マイ
コン処理に必要なイニシャル処理を行う。ステップS2
では、前記しきい値設定器21から読込んだしきい値
(ポテンショメータのアナログ値)をデジタル値に変換
するA/D変換を行う。
【0043】 ステップS3では、刈取りの対象となる
芝草の種類や乾湿に応じてROMに設定されている前記
換算テーブルの一つを、前記換算テーブル選択部35の
選択信号に応じて選択し、これによって前記A/D変換
されたしきい値を補間計算し、正規のしきい値を得るし
きい値計算処理を行う。
【0044】 ステップS4では、制御モード設定スイ
ッチ23によってシュータ詰まり防止の制御モードが選
択されたとき、これに応答するモード切換処理が行われ
る。このモード切換処理ではソレノイド27のオン時間
設定用カウンタおよび遮光比算出用割込みカウンタに初
期値をセットし、制御ランプ点灯用フラグをセットす
る。さらに、遮光比算出用ハイレベルカウンタと、遮光
比記憶メモリの内容をクリアする。
【0045】 ステップS5では、詰まり防止処理を行
う。この処理は図6のフローチャートに詳細に示した。
図6において、まず、前記遮光比算出用割込みカウンタ
のカウントアップを判断し(ステップS51)、このカ
ウントアップ毎に遮光比を計算し(ステップS52)、
その結果を前記しきい値と比較し(ステップS53)、
しきい値よりも遮光比が大きい場合に詰まりフラグをセ
ット(ステップS54)する。
【0046】 ステップS6(図5)では、詰まり復帰
処理を行う。この詰まり復帰処理では、前記詰まりフラ
グがセットされたときに、図7に示したような動作を行
う。図7のタイミングチャートにおいて、詰まりフラグ
がセットされたときには、変速機の駆動ソレノイド27
をオン動作させて変速機をニュートラル位置に切換え
る。変速機をニュートラル位置に切換えると、車体2が
急減速状態に入るので、この急減速が詰まり防止処理に
よるものであることを表わすため、減速ランプ24を点
灯させる。この減速ランプ24は、図7では連続点灯し
ている例を示しているが、これに限定されず1周期内に
予定の点灯(オン)時間が設定された点滅動作であって
もよい
【0047】 ソレノイド27は、一旦、変速機がニー
トラル位置に切換えられると、長時間これをオン動作さ
せておく必要はないし、電力の無駄にもなるので、変速
機がニュートラルに戻ったことを検出した復帰スイッチ
22のオンによってソレノイド27をオフ動作させる。
なお、ソレノイド27は復帰スイッチ22のオンによら
なくても、前述のように、あらかじめソレノイドオン時
間設定用カウンタ(ソレノイドオンカウンタ34)に設
定された時間が経過した時点でオフとなるようにしても
よい。
【0048】 さらに、前述のように変速機が作業者に
よって操作されてニュートラルから抜けると復帰スイッ
チ22はオンからオフとなり、減速ランプ24は消灯し
て、もとの状態に復帰する。
【0049】 次に、前記メインルーチンの制御に予定
時間毎に割込むタイマ割込制御を、図8のフローチャー
トを参照して説明する。このタイマ割込みは例えば2m
sec毎に行われる。
【0050】 同図において、ステップS10では、詰
まり防止および詰まり復帰処理に基づく詰まりフラグの
状態や復帰スイッチ22の切換え位置に応じて、変速機
(HST)駆動処理つまりソレノイド27のオン・オフ
を行う。ステップS20では、減速ランプ24を点滅さ
せるランプ駆動処理を行う。
【0051】 ステップS30では、復帰スイッチ22
および制御モード設定スイッチ23の入力信号を読込む
スイッチ入力処理を行う。この入力処理では、2mse
c毎の割込みを10回行う毎、つまり20msec毎に
入力信号を読込む。そして、チャタリングによる誤った
信号の読込みを防止するため、3回続けて同一レベルの
信号が読込まれたときの入力信号レベルを入力値とす
る。このスイッチ入力処理の入力結果は、それぞれの入
力に対して設けられたフラグにセットする。
【0052】 以上のほか、遮光比算出用ハイレベルカ
ウンタによるカウント処理もタイマ割込みによって行
う。すなわち、光センサ17の受光部17bの受光レベ
ルを500μsec毎に読込み、この受光レベルが低い
とき、つまり受光部17bの出力信号レベルがハイ
(H)のときにカウンタをインクリメントする。そして
遮光比算出用割込みカウンタに設定された算出周期(5
00msec)毎に、このカウント処理結果つまり遮光
比算出用ハイレベルカウンタの値を前記詰まり防止処理
(ステップS5)で読込んで遮光比を算出し、その遮光
比がしきい値より大きいか否かを判断する。
【0053】 以上のように、本実施例では、遮光比算
出用割込みカウンタに設定された設定時間つまり算出周
期500msecの間のハイレベルカウンタ29の値に
基づいて詰まり防止処理としての車体減速処理を行うか
否かを判断するようにした。
【0054】 すなわち、シュータ13に設けられた光
センサ17の出力信号によって得られた遮光比によって
シュータ13内の刈屑の密度を検出し、この密度(遮光
比)が予定値以上になった場合に、詰まり防止指令によ
って作業機を急減速し、芝草の刈取りを停止させる。
【0055】 本実施例では、遮光比が予定値以上にな
った場合に作業機を急減速するようにしたが、作業機を
完全に停止させるようにしてもよい。また、遮光比のし
きい値を多段階設定し、各段階毎に減速の程度を変化さ
せるようにしてもよい。例えば、遮光比がやや低い場合
には作業機を減速するようにし、遮光比が極端に低い場
合は作業機を停止させるようにする。
【0056】 なお、前記しきい値算出部32内の換算
テーブルとしては、単に芝草の丈のみならず、芝草の繁
茂密度、湿り具合ならびにこれらと丈とを組合わせたデ
ータをパラメータとしたものを数種類設定しておくこと
もできる。芝草の繁茂密度は本実施例の光センサ40を
使用できるし、湿り具合をパラメータにした換算テーブ
ルを使用するためには、光センサ40のほか芝草の湿り
具合を検出するセンサを設けることができる。
【0057】 芝草の湿り具合を検出するセンサとして
は、静電容量型のセンサを用いることができる。この型
のセンサは、例えば車体2の下部に一対の電極を予定間
隔で対向して配置し、この電極間の静電容量を検出する
ことによってこの電極間にある芝草の乾湿程度を検出す
るものである。
【0058】 また、芝草の丈を検出するセンサも本実
施例に示した光センサに限らず、前記静電容量型セン
サ、超音波センサ、感圧センサなど、周知のセンサを適
宜選択して使用できる。要は、これらのセンサを車体2
の前部に設けて、刈取りの対象となる芝草の状態を刈取
りに先立って検知できるように構成してあればよい。
【0059】 さらに、本実施例では、芝草の状態に応
じて複数の換算テーブルから一つを選択するようにした
が、芝草の状態に応じ、しきい値設定器21の出力値に
予定の補正値を加算または減算したり、予定の補正係数
を乗算するようにしてもよい。また、これら換算テーブ
ルの選択やしきい値の補正は上記各センサによって検出
された芝草状態に応じて、本実施例のように自動的に行
えるほか、運転者によって操作できる選択スイッチを設
け、目視判断やセンサによって得られた芝草の状態によ
って前記選択スイッチを操作するようにしてもよい。
【0060】 なお、本実施例は、乗用型芝刈り機に本
発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、
無人で走行する刈取り機にも同様に実施できる。
【0061】 また、シュータに対する空気流の供給
を、カッタブレードとは別に設けるファンから行うよう
にした刈取り機にも本発明は適用できる。
【0062】
【発明の効果】 以上の説明から明らかなように、本発
明によれば、芝草がシュータ内に詰まるおそれが出てき
た場合に、作業機を急減速して実質的な芝刈り量を少な
くできるので、シュータ内に送り込まれる刈屑量を大幅
減少させることができ、しかもこのときにカッタブレー
ドは回転を継続なので、このカッタブレードによる風力
でシュータ内に詰まりかけた刈屑をグラスバッグの方へ
吹飛ばすことができ、詰まりを未然に防止することがで
きる。
【0063】 これによって、この種の刈取り作業機に
おいて頻繁に発生しやすく、刈取り作業再開のための掃
除がたいへん厄介で、かつ汚れる作業となる刈屑の詰ま
りを大幅低減させることができる。したがって、簡単な
操作で能率的な刈取り作業が行えるようになる。
【0064】 また、上記のように刈屑が詰まりかかっ
たことに起因して作業機の走行速度の急減速が行われた
場合には、減速ランプを点灯させることができるので、
急減速状態の理由を速やかに運転作業者や周囲の者に確
実に知らせることができる。
【0065】 詰まり防止を実行するか否かの判断のた
めの基準となるしきい値を芝草の状態に対応して補正す
るようにしたので、刈取り対象となる芝草に応じ、シュ
ータ内での現実の芝草の移送量に合った最適の判断基準
によって詰まり防止ができる。その結果、実状に合わな
い車体の減速や停止がなくなり、詰まりが生じない最適
の作業スピードを維持でき、能率を低下させずに作業を
行える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 利和 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転するカッタブレードで刈取られた芝
    草の刈屑を、この芝草と共にシュータ内に送給される空
    気流の風圧によってシュータ内を移送させてグラスバッ
    グに収容するように構成された刈取り機の走行制御装置
    において、 シュータ内の刈屑の移送状態をシュータ内を通過する刈
    屑の単位時間あたりの密度で判断して検出する移送状態
    検出手段と、 この密度が所定のしきい値を超えていると判断したとき
    に詰まり防止指令を出力する詰まり判定手段と、 前記詰まり防止指令に応答し、シュータに対する空気流
    の送給は継続したまま刈取り機の走行速度を減速させる
    手段と、 刈取られる芝草の状態に応じて前記しきい値を補正する
    手段とを具備したことを特徴とする刈取り機の走行制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記空気流は、前記カッタブレードの回
    転によってシュータ内に送給されるものであることを特
    徴とする請求項1記載の刈取り機の走行制御装置。
  3. 【請求項3】 入力軸にエンジンおよび前記カッタブレ
    ードが連結され、出力軸に刈取り機の駆動輪が連結され
    た油圧式無段変速装置を具備し、 前記詰まり防止指令に応答して前記変速装置をニュート
    ラル位置に切換えることによってシュータに対する空気
    流の送給は継続したまま刈取り機の走行速度を減速させ
    ることを特徴とする請求項2記載の刈取り機の走行制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記補正手段は、複数の詰まり予防判断
    基準のしきい値の算出テーブルから一つを選択するよう
    に構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の刈取り機の走行制御装置。
  5. 【請求項5】 前記補正手段は、刈取り機の下部に設け
    た芝草状態検出センサで検出される芝草状態に応じて前
    記詰まり予防判断基準のしきい値を補正するように構成
    されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の刈取り機の走行制御装置。
  6. 【請求項6】 前記芝草状態検出センサは、芝草の丈を
    検出するセンサであることを特徴とする請求項5記載の
    刈取り機の走行制御装置。
  7. 【請求項7】 前記芝草状態検出センサは、芝草の乾湿
    程度を検出するセンサであることを特徴とする請求項5
    記載の刈取り機の走行制御装置。
  8. 【請求項8】 前記シュータ内での刈屑の移送状態は、
    シュータ内を通過する刈屑の密度に基づいて検出すると
    共に、この密度があらかじめ設定した基準値を超過して
    いるときに、前記移送状態が低下して詰まり状態に近い
    側にあると判断するように構成したことを特徴とする請
    求項1〜7のいずれかに記載の刈取り機の走行制御装
    置。
  9. 【請求項9】 前記刈屑の密度を、発光部および受光部
    を前記シュータの直径方向に対向して配置した透過型光
    センサの出力信号に基づいて算出することを特徴とする
    請求項8記載の刈取り機の走行制御装置。
  10. 【請求項10】 前記詰まり防止指令に応答してシュー
    タに対する空気流の送給は継続したまま刈取り機を減速
    させたときには、その状態の解除指令が供給されるまで
    警報を継続するように構成したことを特徴とする請求項
    1〜9のいずれかに記載の刈取り機の走行制御装置。
  11. 【請求項11】 前記詰まり防止指令に応答してシュー
    タに対する空気流の送給は継続したまま刈取り機を減速
    させられたときには、次の増速操作が行われるまで警報
    を継続するように構成したことを特徴とする請求項1〜
    9記載の刈取り機の走行制御装置。
  12. 【請求項12】 前記刈取り機の減速は、刈取り機の停
    止に至る急減速であることを特徴とする請求項1〜11
    のいずれかに記載の刈取り機の走行制御装置。
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