JPH0512276B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、エレベータの据付工事に係り、特に
本設用かご枠上部に仮設用を作業台を設置する必
要のない、本設用かご枠の案内装置に関する。

（従来の技術） 従来、エレベータの据付工事において、、かご
用ガイドレールを昇降路に設置する場合には、特
開昭55−48182号工法に示されているように、ま
ず、昇降路壁面下部にあらかじめ一対のガイドレ
ールを芯出しして取付け、これに本設用かご枠を
はめ込むとともに、この本設用かご枠の上部に仮
設用作業台を設置し、次いで、本設用かご枠を巻
上機により運転して、上梁及び下梁に形成された
ガイドのうち上梁のガイドが前記ガイドレールの
上端近くにくるまで上昇させ、しかる後、作業台
に乗つた作業者がガイドレールに新たなガイドレ
ールを継ぎ足して芯出し後昇降路に取付け、この
ような工程を順次繰り返してかご用ガイドレール
を昇降路に設置していた。すなわち、従来は、か
ご用ガイドレールの芯出しや取付けをするには、
本設用かご枠の上部に特に仮設用作業台を設置し
ていた。

ところで、作業者がこのようなガイドレールの
芯出しや昇降路への取付けを作業台がなくかつ上
梁、下梁にガイドを形成した一般の本設用かご枠
で行うとすると、ガイドレールの単位長さは通常
５ｍもあることから、本設用かご枠を既設のガイ
ドレールの高位置まで上昇させないと、その既設
のガイドレールに継ぎ足しただけで未だ芯出しや
昇降路への取付けの作業をすませていない未作業
領域のガイドレールについて、その芯出しや取付
けの作業を本設用かご枠上で行うことは困難であ
る。そして、このように、本設用かご枠を既設の
ガイドレールの高位置まで上昇させると、上梁に
形成されたガイドは、既設レールを通り越して前
記未作業領域のガイドレールに係合することにな
る。そうすると、ガイドレールの芯出しや昇降路
への取付けの作業のため、ガイドレールを移動し
ようとすると、そのガイドレールとともに本設用
かご枠も一緒に移動させなければならず、本設用
かご枠上でのその作業は、非常に難しくなる。

このような事情から、従来は、本設用かご枠の
上部に作業床としての仮設用作業台を別途設置し
ており、もし、このような作業台を設置しないと
すると、現実にはこれに代る別の手段を設ける必
要があり、いずれにしても、本設用かご枠だけを
用いてガイドレールの芯出しや昇降路への取付け
を行うことは、現実には困難であつた。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、この従来の技術では、作業台の組立、
解体に多くの労力を費やすと共に、この作業台の
製作に伴う多大な費用が必要となる。すなわち、
作業者の安全性を確保するため、本設用かご枠の
床面と同様な形状、大きさのものを製作しなけれ
ばならず、特に大型エレベータでは大型の作業台
を要し、また特殊な形状のものはその都度製作し
なければならず、更に費用が掛るという問題があ
つた。

本発明の目的は、前記の作業台の設置を省き、
本設用かご枠のみを用いてガイドレールの芯出
し、取付けを行なうことのできるものを提供する
にある。

（問題点を解決するため手段） 本発明の前記の目的は、上梁および下梁を有
し、本設用かご枠を案内するかご用ガイドレール
を昇降路内に下方側より順次取付もしくは芯出し
する際に移動する作業床として用いられる本設用
かご枠の案内装置において、前記本設用かご枠
に、前記下梁および下梁の下方の位置で前記かご
用ガイドレールに係合するガイドをそれぞれ設け
たことを特徴とする特許請求の範囲に記載のとお
りの本設用かご枠の案内装置により達成できる。

（作用） このように構成された本発明では、本設用かご
枠の下梁の下方に設けられたガイドが、昇降路に
取付けられたガイドーレールと係合することによ
つて、本設用かご枠の上昇、下降の動作を案内す
る。そして、このガイドの位置が本設用かご枠よ
り下方にあるため、順次下方より取付けが完了し
たガイドレールの最上部位置まで、本設用かご枠
を上昇させ、作業者がこの本設用かご枠よりその
上の部分の作業を行なうことができる。

これにより、本設用かご枠の上部に作業台を設
置しなくとも、かご用ガイドレールを昇降路に下
方より順次取付けることができる。作業台設置に
伴う多くの労力と費用を削減できる。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を図に基づき説明す
る。

図において、１は昇降路、２は昇降路１に下方
より順次取付け中のガイドレール、３は本設用か
ご枠で、上梁３ａ、下梁３ｂ、手すり３ｃ、運転
操作装置（図示せず）等を備えている。４は本設
用かご枠３の上梁３ａに緊結されたワイヤロープ
で、このワイヤロープ４は、図示していないが巻
上機を介しその他端を釣合おもり、ウインチなど
に緊結されている。また、本設用かご枠３の下梁
３ｂの両端の下面には、案内装置５がそれぞれ設
けられ、これらの案内装置５の上下端にはガイド
５ａ，５ｂを備えており、これらのガイド５ａ，
５ｂは昇降路の相対する２面の壁に設けられた一
対のガイドレール２にそれぞれ係合している。す
なわち、本設用かご枠３は、ワイヤロープ４によ
り吊られており、その上昇、下降の動作は、前述
した一対のガイドレール２とそれぞれ係合する２
個の案内装置５の５ａ，５ｂにより案内される。

このような構成において、本設用かご枠３に乗
つている作業者は、ガイドレール２を下方より順
次取付けると共に、本設用かご枠３を順次上昇さ
せ、これらの動作を昇降路上端までくり返して行
なう。なお、本設用かご枠３の下方に案内装置５
が設けられているので、作業者が本設用かご枠３
より作業可能な位置までこの本設用かご枠３を上
昇させることができる。

このように構成した実施例において、本設用か
ご枠３上部に作業台を設置することなく、ガイド
レール２の取付け作業を行なえるので、従来は必
要であつたこの作業台の製作に伴う費用が削減で
きると共に、エレベータ据付工事の作業効率が向
上できる。

（発明の効果） 本発明によれば、本設用かご枠の上部に仮設用
の作業台を設置することなく、本設用かご枠のみ
を用いてガイドレールを昇降路に下方より順次取
付けできるので、多くの労力を要したこの作業台
の組立、解体が不要となり、エレベータの据付工
事の作業効率を向上できると共に、作業台の製作
費用も省くことができ、特に大型のものや、特殊
形状のものは更にこの効率が大きい。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例になる本設用かご枠の案
内装置を用いたエレベータ据付工事中の昇降路下
部の斜視図である。 １……昇降路、２……ガイドレール、３……本
設用かご枠、３ａ……上梁、３ｂ……下梁、３ｃ
……手すり、４……ワイヤロープ、５……案内装
置、５ａ，５ｂ……ガイド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上梁および下梁を有し、本設用かご枠を案内
   するかご用ガイドレールを昇降路内に下方側より
   順次取付もしくは芯出しする際に移動する作業床
   として用いられる本設用かご枠の案内装置におい
   て、前記本設用かご枠に、前記下梁および下梁の
   下方の位置で前記かご用ガイドレールに係合する
   ガイドをそれぞれ設けたことを特徴とする本設用
   かご枠の案内装置。