JPH05121427A - 半導体増幅素子 - Google Patents
半導体増幅素子Info
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- JPH05121427A JPH05121427A JP3277789A JP27778991A JPH05121427A JP H05121427 A JPH05121427 A JP H05121427A JP 3277789 A JP3277789 A JP 3277789A JP 27778991 A JP27778991 A JP 27778991A JP H05121427 A JPH05121427 A JP H05121427A
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Abstract
ジスタ構造を提供することを目的とする。 【構成】 コレクタ走行層11は半絶縁性III −V化合
物半導体からなり、この片側に設けられたn型エミッタ
層12およびp型ベース層13はnp接合をなしてい
る。n型コレクタ層14はこれらと反対側にコレクタ走
行層11を挟むように形成されている。エミッタ層12
には外部電源18から電極15を通じてエミッタ電圧が
印加され、これによって4極の内圧倒的にキャリア濃度
の低いコレクタ走行層11に集中的に電界が生じる。こ
のエミッタ電圧を数Vに、コレクタ走行層11の厚さを
数μmに設定することにより、コレクタ走行層11には
容易に0.5kV/cm以上の電界が生じ、電子の平均自
由行程が非常に長い状態が実現できる。
Description
半導体増幅素子に関するものである。
幅素子としては、図5に示されるバイポーラトランジス
タ、およびこれを光検出器として用いる図6に示される
フォトトランジスタがある。これらは比較的低キャリヤ
濃度のベース層1を、これとは反極性の高キャリヤ濃度
のエミッタ層2、コレクタ層3の両層で挟み込んだ構造
をしており、ベース層1の厚さは、エミッタ層2から注
入された少数キャリヤの拡散長よりも薄く(一般的に数
μm以下)作られており、この利得は、該少数キャリヤ
のコレクタ層3への拡散到達率に依存している。ベース
層1,エミッタ層2,コレクタ層3にはそれぞれベース
電極4,エミッタ電極5,コレクタ電極6が設けられて
おり、エミッタ電極5には外部電源7から所定の電圧が
印加され、また、ベース電極4には電気入力信号源8か
ら信号電圧が印加される。
を形成して、ベース層内の少数キャリヤをドリフト走行
させることにより、高速特性を改善した、いわゆるドリ
フトベーストランジスタがある。これは通常、エミッタ
層およびコレクタ層の不純物の量を、エミッタ層側に濃
くコレクタ層側に薄くドーピングすることによって、接
合によりベース層内に誘起される内部電界によって実現
されている。
合には、ベース層をできるだけ薄くする必要がある。こ
れは、高速応答のためにも必要なことである。
進んだ技術として図7に示されるヘテロバイポーラトラ
ンジスタ(HBT;Heterojunction Bipolar Transisto
r )がある。これは、エミッタ層2、ベース層1間の接
合をヘテロ構造とし、エミッタ注入効率を高くすること
によって高利得、高速応答を実現したものである。
HBTも含めて高利得、高速応答を実現するためには、
上記のようにベース層を極力薄くする必要があり、この
ためには高度な結晶薄膜作成技術を要することから、量
産には適しておらず、コストが高いという欠点がある。
また、ベース層を無制限に薄くすることは、端子間浮遊
容量の増加を伴い、かえって高速特性を劣化させてしま
う結果になる。一方、フォトトランジスタにおいては、
光入射部であるベース層をあまり薄くはできないので、
高利得、高速応答の素子の作成は、実質的に不可能であ
った。
ラトランジスタのベースに相当する部分、実際にここで
はコレクタ走行層と名付けられている部分に、半絶縁性
III −V化合物半導体層を用いることで、この問題点を
解決したものである。
る半導体増幅素子、すなわちトランジスタの利得を高く
するには、エミッタ注入効率を高めることもさることな
がら、ベース層に注入された少数キャリアの、コレクタ
層への到達率を高めることが第1条件である。本発明で
は、ベース層を薄くする代わりに、コレクタ走行層とし
て設けられた部分に、厚さ1μm以上の半絶縁性III −
V化合物半導体層を用い、外部から0.5kV/cm以
上の電界を印加することによって、この到達率を高め、
高利得、高速応答を実現しようとするものである。ま
た、本来高抵抗の半絶縁性半導体層を、1μm以上の厚
さに形成することにより、端子間浮遊容量を最少限に抑
えることができ、より一層の高速応答が可能になる。
合物半導体は、高純度化、もしくはCr(クロム)、F
e(鉄)等の不純物、ないしはこれらにO(酸素)等を
組み合わせてドーピングすることにより、熱平衡キャリ
アの非常に少ない、高抵抗の半導体結晶となる。これら
は、通常、半絶縁性結晶と呼ばれているが、本発明者等
の研究によれば、0.5kV/cm以上の電界を印加さ
れたこれらの半絶縁性結晶内では、ここに注入され、電
界によって加速された走行電子の散乱緩和時間が、通常
言われている値の100ないし1000倍、すなわち半
絶縁性GaAsにおいては、0.1ないし1nsにも増
加していることが発見された。また、電子の到達最高速
度も、通常言われている飽和速度の約10倍にも達して
いることがわかった。これにより、電子の平均自由行程
は、半絶縁性GaAsにおいて、10ないし100μm
にまで増加していることが明らかになった。
スタのコレクタ走行層として利用することにより、従来
よりさらに、なおかつ簡単に高利得、高速応答を実現す
るためのトランジスタ構造を提供するものである。
について説明する。
構造を示す。11は、半絶縁性III−V化合物半導体か
らなるコレクタ走行層、12、13はそれぞれ、コレク
タ走行層11の片側に設けられたn型エミッタ層、およ
びp型ベース層であり、np接合をなしている。14は
これらと反対側にコレクタ走行層11を挟むように形成
されたn型のコレクタ層である。このコレクタ層14は
コレクタ走行層11に直接オーム性接触を形成すること
によって設けてもよい。コレクタ走行層11以外の各層
にはそれぞれ金属電極15、16、17が設けられてい
る。エミッタ層12には、外部電源18から電極15を
通じてエミッタ電圧が印加されるが、これによって、こ
れら4極の内、圧倒的にキャリア濃度の低い半絶縁性半
導体で形成されるコレクタ走行層11に、集中的に電界
が生じる。このエミッタ電圧を数Vに、コレクタ走行層
11の厚さを数μmに設定することにより、コレクタ走
行層11には、容易に0.5kV/cm以上の電界を生
じさせることができ、前述の通り、電子の平均自由行程
が非常に長い状態が実現できる。ただし、コレクタ走行
層11内の電界が100kV/cmを越えるほどにエミ
ッタ電圧を印加することは、電子がコレクタ走行層11
内において、ナダレ増倍等のブレークダウンを起こすお
それがあり、これは信号に加えて熱雑音も増幅してしま
うことになるため、好ましくない。よって、コレクタ走
行層11内に過剰の電界を作らないように、印加するエ
ミッタ電圧を調整する必要がある。本特許においては、
通常2.5kV/cm以下の電界で充分であり、1kv
/cm程度でも有効に動作する。
信号源19が接続されてあり、この入力によって、エミ
ッタ電極15ないしコレクタ電極17において取り出さ
れる出力信号が制御され、結果としてトランジスタ増幅
作用が行われる。
く示す。エミッタ層12からベース層13を通じて注入
された電子は、コレクタ走行層11内で電界加速される
が、これらの大部分は結晶の格子振動等による散乱を受
けることなく、数μmを走り抜けてコレクタ層14に達
する。このため、この到達率αはほぼ100%であり、 G=1/(1−α) で表される利得(増幅率)は103 から104 に達する
と見積もられる。また、動作速度の目安となる電子がベ
ース層13を走行するのに要する時間は、わずか数ps
であり、これは、現在実現されている最高速度のトラン
ジスタに匹敵する値である。
力によって制御される。すなわち、ベース層13に外部
電圧を印加することにより、電子に対するポテンシャル
を変調して、エミッタ層12からの電子の注入を制御す
るものである。これにより、ベース層13へのわずかな
入力信号により、大きなエミッタ電流を制御することが
できるため、実質的に非常に大きな利得を得ることがで
きることになる。
スタが、特別な微細加工や高い制御性を伴う製造技術を
要せずに、しかも室温において実現でき、ともすれば、
性能、コストの両面において、従来の高性能トランジス
タを上回る素子の実現が可能となる。
け、これを通じて外部からコレクタ走行層11内部の電
界を制御するようになされた実施例について、その素子
構造を図2に示す。ここで、20はコレクタ走行層11
に新たに設けられた制御電極であり、外部入力信号源2
1が接続されている。エミッタ電圧が印加された状態で
は、コレクタ走行層11内をドリフト走行する電子は、
前述のように散乱緩和時間が非常に長い状態が実現され
ており、この層をほとんど何者にも衝突散乱されずに走
り抜けることができる。これは電子管内において真空中
を走行している電子と同様の状態であり、外部から与え
られる電界や磁界によって、その走行速度や方向を容易
に制御することができる。ここでは、この制御電極20
によって、コレクタ走行層11内部において実現されて
いる電界状態が変調されるため、走行電子の速度等を変
化させて、増幅率を任意に変えることができる。すなわ
ち、この方法によってもトランジスタ動作が行われ、さ
らに、これは前述のトランジスタ動作とは独立して行わ
れるため、2入力動作が可能であり、AND等の論理演
算を行わせることもできる。
子の注入効率を高めるために、エミッタ層12およびベ
ース層13として、コレクタ走行層11に用いられる半
導体材料よりも、大きなエネルギーバンドギャップ(E
g)をもった半導体材料を用いる場合の実施例について
示す。これは、従来技術であるHBTと同様の効果を、
本実施例におけるトランジスタにおいても、得られるこ
とを示すものである。具体的には、コレクタ走行層11
として半絶縁性GaAsを用い、エミッタ層12および
ベース層13としてGaAsよりもEgが大きく、しか
も格子整合性のよいGaAlAsを用いて形成される。
また、コレクタ層14にはn型のGaAsが用いられ
る。これにより、コレクタ走行層11内における注入電
子のコレクタ到達率の増加に加えて、エミッタ層12、
ベース層13からコレクタ走行層11への電子の注入効
率の増加により、さらに高利得、高速応答のトランジス
タが実現できる。
する高感度の光検出器、すなわちフォトトランジスタと
して用いる場合の実施例を示したものである。この場合
には、制御信号入力はベース層13への光信号hνの入
力によってなされるため、ベース層13は外部電極が接
続されない、いわゆるフロート状態となる。そして、エ
ミッタ層12からコレクタ走行層11への電子の注入
は、ベース層13への光信号の入力によって、この層1
3の電子に対するポテンシャルを変調することにより制
御される。これにより、わずかな光信号の入力により、
大きなエミッタ電流を制御することができるため、実質
的に非常に大きな利得を得ることができる。よって、高
感度であり、また高速特性にも優れた光検出器の実現が
可能となる。
タから行ってもよい。この場合にはエミッタ電極から電
子を励起することもでき、その波長感度は電極とエミッ
タとのフェルミレベル差に相当する限界波長となり、赤
外長波長にまで感度を持つことが特長となる。電極金属
層内で励起された電子が有効に放出されるためには、電
極金属層は0.1μm程度に薄くすることが好ましく、
かつ、その背後に光の反射面を設けるなどの処置が効率
を高める。
って、高利得であり、なおかつ高速特性を有するトラン
ジスタ、ないしフォトトランジスタの実現が可能にな
る。この実現に際しては、特別な微細加工ないし高い制
御性を伴う製造技術や、冷却手段を必要としない。
り、現在において、非常に高度な製造技術により作成さ
れている高性能トランジスタと同レベルないしそれ以上
のものが、室温において非常に簡単に作成できる。これ
により、コストの低下や製造歩留まりの向上に飛躍的な
進歩をもたらすことが期待される。また、フォトトラン
ジスタについては、従来、通常のトランジスタと同レベ
ルの性能を有するものは実現不可能であったが、本発明
によりこれが可能になった。
本構造を示す断面図である。
第2の施例によるトランジスタを示す断面図である。
ャップの大きい半導体材料を用いて構成した本発明の第
3の実施例によるトランジスタを示す断面図である。
フォトトランジスタの構造を示す断面図である。
る。
である。
体)、12…エミッタ層(n型半導体)、13…ベース
層(p型半導体)、14…コレクタ層(n型半導体)、
15…エミッタ電極(金属薄膜)、16…ベース電極
(金属薄膜)、17…コレクタ電極(金属薄膜)、18
…外部電源(エミッタ電圧用)、19,21…電気入力
信号源、20…制御電極(金属薄膜)。
Claims (6)
- 【請求項1】 1μm以上の厚さの半絶縁性III −V化
合物半導体層からなるコレクタ走行層と、このコレクタ
走行層を挟む、n型エミッタおよびp型ベースの接合か
らなる電子注入構造層と、n型もしくはオーム性接触の
コレクタ層とから構成されるnpin構造を有し、前記
コレクタ走行層内にある電子をコレクタ方向に加速する
電界を与える手段を備え、その電界の大きさが0.5な
いし2.5kV/cmの範囲に設定されることによっ
て、前記コレクタ走行層内における電子の平均自由行程
が実質的に長くなされたことを特徴とし、前記p型ベー
スへの信号入力によって前記n型エミッタから前記コレ
クタ走行層への電子注入量が制御される半導体増幅素
子。 - 【請求項2】 コレクタ走行層内部の電界を制御するゲ
ート電極がこのコレクタ走行層に設置されていることを
特徴とする請求項1記載の半導体増幅素子。 - 【請求項3】 コレクタ走行層に用いられる半導体材料
よりもエネルギーバンドギャップの大きな半導体層によ
りエミッタ層を形成したことを特徴とする請求項1記載
の半導体増幅素子。 - 【請求項4】 コレクタ走行層は半絶縁性GaAsから
なり、エミッタ層はGaAlAsからなることを特徴と
する請求項3記載の半導体増幅素子。 - 【請求項5】 光を入射する手段が設けられ、この入射
光を入力信号とすることによって実質的に高感度の光検
出器として作用することを特徴とする請求項1記載の半
導体増幅素子。 - 【請求項6】 光電子を放出すべき金属層が0.1μm
程度以下に薄くなされてあることを特徴とする請求項5
記載の半導体増幅素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3277789A JPH05121427A (ja) | 1991-10-24 | 1991-10-24 | 半導体増幅素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3277789A JPH05121427A (ja) | 1991-10-24 | 1991-10-24 | 半導体増幅素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05121427A true JPH05121427A (ja) | 1993-05-18 |
Family
ID=17588317
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3277789A Pending JPH05121427A (ja) | 1991-10-24 | 1991-10-24 | 半導体増幅素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05121427A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009033043A (ja) * | 2007-07-30 | 2009-02-12 | Panasonic Corp | 光半導体装置 |
-
1991
- 1991-10-24 JP JP3277789A patent/JPH05121427A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009033043A (ja) * | 2007-07-30 | 2009-02-12 | Panasonic Corp | 光半導体装置 |
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