JPH0512106Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、電磁クラツチおよび自動変速機を備
えた自動車の前照灯を走行状態に合わせて自動的
に点灯および消灯する装置に関する。

従来の技術 前照灯を点灯すべき夜間でも、自動車が停止し
ている間は消灯することが望ましい。なぜなら停
車中の自動車の前方を走行する自動車の運転者に
とつてこのような光はじやまだからである。

前照灯をそのつど操作して点灯および消灯を行
うことは煩わしいので、自動車の速度を検出して
自動的に点灯および消灯を行う装置はすでに提案
されている（実開昭56−87348号公報）。この装置
において自動車の速度は、自動車の走行中にのみ
回転する磁石とホール素子からなる検出器によつ
て検出される。

他方において自動変速機を備えた自動車に使用
する電磁クラツチは公知である（特開昭60−
161224号公報、特開昭56−131430号公報）。これ
ら電磁クラツチは、入力軸と出力軸の間に挿入さ
れた電磁粉末に磁界をかけまたは遮断することに
より、入力軸と出力軸の間の連結または遮断を行
うものである。

考案が解決しようとする問題点 自動車の速度を検出して停止を判断するには付
加的なセンサが必要であり、特に公知のセンサで
は速度０付近では精度が低く、停止を判断するた
めには複雑な制御回路が必要である。

本考案の目的は、前記のような複雑な制御回路
を用いることなく、簡単な手段で前照灯の点灯条
件を判定できる前照灯自動点灯装置を提供するこ
とにある。

問題点を解決するための手段 本考案によれば、この目的は次のようにして達
成される。すなわち前照灯給電回路がAND回路
を介して駆動され、その際AND回路のAND条件
が、電磁クラツチがオンであること、ドライブセ
レクトがドライブ状態であること、前照灯点灯モ
ードが自動モードであること、および前照灯スイ
ツチがオンであることからなる。

通常前照灯給電回路はリレーからなり、AND
回路の出力側はこのリレーに接続されている。
AND回路の入力側は、前記AND条件を表す信号
源に接続されている。すなわちAND回路の第１
の入力端子は、電磁クラツチのオンの指令を発す
る電磁クラツチ制御ユニツト出力端子に接続さ
れ、第２の入力端子は、ドライブセレクトのドラ
イブ接点または制御ユニツトの対応する出力端子
に接続され、かつ第３の入力端子は、モード切り
換えスイツチと前照灯スイツチを介して電圧源に
接続されている。

作 用 前照灯のオンおよびオフは、原則的に電磁クラ
ツチのオンおよびオフに同期して行われる。ただ
し前照灯の点灯は、前記AND条件を満たした場
合に限られる。すなわち前照灯スイツチがオンで
あり、モード切り換えスイツチが自動モードにな
つており、かつドライブセレクトがドライブ（通
常ドライブ、スポーツドライブ等）になつている
場合に限られる。

モード切り換えスイツチが手動モードになつて
いる場合には、前照灯給電回路は前照灯スイツチ
により直接制御される。

前照灯のオフは、自動車が停止した後ある程度
遅れて行うと有利である。そのため制御ユニツト
のオン指令出力端子とAND回路の第１の入力端
子の間に、オフ遅延回路を挿入してもよい。それ
により自動車の停止および発進の際に、短期間に
点灯および消灯を繰り返すことも防止できる。

実施例 本考案の実施例を以下図面により説明する。

自動車の前照灯１はリレー２の接点を介してバ
ツテリー３に接続されている。このリレー２のコ
イルはOR回路４の出力端子に接続されており、
このOR回路４の第１の入力端子は本考案による
AND回路８の出力端子に接続されており、かつ
第２の入力端子はモード切り換えスイツチ５と前
照灯スイツチ６を介して電圧源７に接続されてい
る。

OR回路４の第２の入力端子は、モード切り換
えスイツチ５の手動モード接点に接続されてい
る。従つてモード切り換えスイツチ５が手動モー
ド側に切り換えられている場合、前照灯スイツチ
６のオン・オフにより直接前照灯１のオン・オフ
を行うことができる。その他に本考案によれば、
OR回路４の第１の入力端子はAND回路８の出力
端子に接続されているので、AND条件を満たし
た場合、自動的に前照灯１を点灯することができ
る。

本考案による前照灯自動点灯装置は、主として
電磁クラツチ１０のオン・オフに従つて前照灯１
のオン・オフを行う。従つてAND回路８の３つ
の入力端子のうち第１および第２のものは、電磁
クラツチ１０の制御ユニツト９の出力端子に接続
されている。AND回路８の第３の入力端子は、
モード切り換えスイツチ５（自動モード側）と前
照灯スイツチ６を介して電圧源７に接続されてい
る。

制御ユニツト９には、アクセル開度信号、ドラ
イブセレクト位置信号、エンジン回転速度信号、
車速信号、エアコン状態信号等が供給されるが、
このことは図示されていない。制御ユニツト９
は、これらの信号から自動車の走行状態を判断
し、電磁クラツチ１０にオン指令およびオフ指令
を供給する。その際このオン指令が同時にAND
回路８の第１の入力端子に供給される。

その他に制御ユニツト９は、図示していないド
ライブセレクトから供給されたドライブセレクト
位置信号のうちドライブ関連の位置信号（例えば
通常ドライブ、スポーツドライブ等）をAND回
路８の第２の入力端子に供給する。

さらに前照灯スイツチ６がオンであり、なおか
つモード切り換えスイツチ５が自動モード側に切
り換えられている場合、AND回路８の第３の入
力端子には電圧信号が供給される。

従つてAND回路８は、次の条件がすべて満た
された場合、出力信号を発生する。

(1) 電磁クラツチ１０がオンである。

(2) ドライブセレクトがドライブ状態になつてい
る。

(3) 前照灯点灯モードが自動モードになつてい
る。

(4) 前照灯スイツチがオンである。

その他に図示した実施例では、制御ユニツト９
オン指令出力端子とAND回路８の第１の入力端
子の間に、オフ遅延回路１１が挿入されている。
このオフ遅延回路１１はオン指令信号の立ち上が
りはそのまま通過させるが、立ち下がりを所定の
期間だけ遅らせるものである。それにより自動車
の停止および発進が頻繁に繰り返される際の、短
期間に点灯および消灯を繰り返すことも防止でき
る。

考案の効果 本考案による前照灯自動点灯装置では、既存の
制御ユニツトの信号から前照灯の点灯および消灯
を判断できるので、前照灯制御のため付加すべき
部品は最少ですむ。従つて装置のコストは極めて
わずかである。また前照灯のオン・オフは、原則
的に電磁クラツチのオン・オフと同期しているの
で、その動作はおおいに確実である。

【図面の簡単な説明】

図は、本考案による前照灯自動点灯装置の実施
例を示すブロツク図である。 １……前照灯、２……リレー、３……バツテリ
ー、４……OR回路、５……モード切り換えスイ
ツチ、６……前照灯スイツチ、７……電圧源、８
……AND回路、９……制御ユニツト、１０……
電磁クラツチ、１１……オフ遅延回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電磁クラツチおよび自動変速機を備えた自動車
   の前照灯を走行状態に合わせて自動的に点灯およ
   び消灯する装置において、前照灯給電回路が
   AND回路を介して駆動され、その際AND回路の
   AND条件が、電磁クラツチがオンであること、
   ドライブセレクトがドライブ状態であること、前
   照灯点灯モードが自動モードであること、および
   前照灯スイツチがオンであることからなることを
   特徴とする、電磁クラツチ車の前照灯自動点灯装
   置。