JPH0511958Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は回転磁石の軸心と平行に配置されたア
ーム軸に軸心回り揺動自在にドレスアームを設
け、上記ドレスアームにドレスツールを設け、ド
レスアームの揺動により回転砥石軸方向端面の砥
石面をドレツシングする平面研削盤のドツサツサ
ーに関する。

（従来技術） 従来のこの種ドレツサーにおいて、例えば両頭
研削盤の場合には片側の砥石に対して１つのドレ
スツールを設け、ドレスアームを３〜４回往復さ
せてドレツシングを行つている。したがつてドレ
ツシング作業に時間がかかり、又１往復毎に切り
込み量を増やしていくので手間もかかる。

（考案の目的） 本考案の目的は、ドレツシング作業時間の短縮
化及び作業の容易化である。

（目的を達成するための技術的手段） ドレスアームにその揺動方向に間隔を隔てて複
数個のドレスツールを設け、各ドレスツールを、
砥石に近い粗削り用のドレスツールから遠い仕上
げ用のドレスツールに行くに従い軸方向高さが高
くなるように構成している。

（作用） ドレスアームを１回往復する工程において、軸
方向高さの低いドレスツール、即ち切り込み量の
少ないドレスツールから順に粗削りから仕上げま
で１度に行うことができる。

（実施例） 第１図は両頭平面研削盤に適用した例であり、
回転砥石１は同一軸真に間隔を隔てて左右一対に
備えられると共に、それぞれ回転軸３に固着され
ている。砥石１間には回転自在なキヤリヤ円板７
が突入し、ギヤリヤ円板７はポケツト８にワーク
を保持して砥石１間を通過し、その間に両砥石１
でワークの両面を研削するようになつている。ド
レスアーム１２はキヤリヤ円板７とは反対側に配
置されており、ドレスアーム１２の上端部は砥石
回転軸３と平行なアーム軸１１に固着され、アー
ム軸１１は砥石ガード１０に回転駆動自在に支持
されている。アーム軸１１の回動によりドレスア
ーム１２は第１図の実線で示す下降位置と仮想線
で示すアーム先端部が砥石１の中心空間部Ｓに収
まる上昇位置との間で揺動駆動される。ドレスア
ーム１２の先端部の左右両側には、ドレスアーム
揺動方向に間隔を隔ててそれぞれ３個のドレスツ
ール１４，１５，１６が設けられている。

第２図において砥石１に近いドレスツールから
順に第１、第２、第３ドレスツール１４，１５，
１６とすると、第１ドレスツール１４は軸方向高
さが一番低く、第２、第３ドレスツール１５，１
６に行くに従い順次高くなつている。第１ドレス
ツール１４と第２ドレスツール１５との段差ｄ２
及び第２ドレスツール１５と第３ドレスツーール
１６との段差ｄ３は例えばそれぞれ0.03mm〜0.10
mmの間で設定される。第１、第２ドレスツール１
４，１５はその先端部１４ａ，１５ａに例えば粗
削り用及び中間削り用としてダイヤモンドを１個
取り付けた単石仕様が採用されており、第３ドレ
スツール１６は仕上げ用としてその先端部１６ａ
にダイヤモンドを数個取り付けた多石仕様が採用
されている。

第１図の−断面図を示す第３図において、
アーム軸１１はハウジング２９を介して砥石ガー
ド１０に回動自在に支持されており、アーム軸１
１の一端部にはドレスアーム１２の上昇位置、下
降位置及び収納位置等を制御するためのリミツト
スイツチ機構２６が設けられ、他端部にはウオー
ムホイール２０が固着されている。ウオームホイ
ール２０はウオーム２１に噛合い、ウオーム２１
は第４図に示すように継手２９を介して減速機付
可変速モータ２８に連結している。

次に作動について説明する。平面研削盤におい
ては、第１図のようにキヤリヤ円板７によりワー
クを砥石１の外周端部側から砥石間に挿入するた
め、第２図に仮想線で示すように砥石面１ａは、
砥石１の外周端部側に行くに従い摩耗量が多くな
つている。即ち砥石軸中心側が最も高く、外周端
部側に行くに従い低くなるように山形に磨耗す
る。このように磨耗した砥石面１ａをドレツサー
により次のように平面状にドレツシングする。

即ちドレスアーム１２を第１図の下降位置から
矢印Ｆ方向に上昇させることにより、まず第１ド
レスツール１４が砥石外周端側から粗削りのドレ
ツシング作業を開始し、続いて第１ドレスツール
１４よりも高い第２ドレスツール１５がドレツシ
ング作業を行いし、最後に最も高い第３ドレスツ
ール１６により仕上げがなされる。第１ドレスツ
ール１４は主に砥石面１ａの回転軸中心側の部分
を削り、第３ドレスツール１６は砥石の外周端か
ら内周端まで全体に亘つて削る。

ドレスアーム１２が第１図の上昇位置までくる
と、第３図のリミツトスイツチ機構２６の作用に
より、ドレスアーム１２は、一旦停止する。即ち
下降位置から上昇位置までの一度の回動で、粗削
りから仕上げまで３つのドレス工程が完了する。

次にドレスアーム１２は矢印Ｂ方向に下降し、
砥石間から抜かれる。この工程において、第３ド
レスツール１６により砥石面１ａをさらに精密に
仕上げることもできる。

ちなみにドレス量0.15mmのドレツシング作業を
行う場合において、従来の１個配置のドレツサー
の作業時間と図示の３個配置のドレツサーの作業
時間を比較する。ドレスアームの１往復に20秒か
かるとすると、従来は例えば３往復する時間と２
度の切り込み量調節時間（５秒）とが必要とな
り、合計20秒×３＋５秒×２＝70秒かかる。これ
に対して図示の実施例のドレツサーでは20秒で作
業が終わる。

なお、ワーク研削中においては、ドレスアーム
１２は第１図の実線の下降位置よりもさらに砥石
１から遠ざかる収納位置にまで移動される。

（別の実施例） (1) 第１図〜第４図の実施例は両頭平面研削盤に
適用した例であるが、回転砥石を１個だけ備え
た片面平面研削盤に適用することもできる。

(2) 第２図の第１、第２ドレスツール１４，１５
として多石仕様のドレスツールを使用すること
もできる。

(3) ドレスツールとして２個あるいは４個以上設
けることもできる。

（考案の効果） 以上説明したように本考案は： (1) ドレスアーム１２にその揺動方向に間隔を隔
てて複数個のドレスツール１４，１５…を設
け、各ドレスツールを、砥石１に近いドレスツ
ールから遠いドレスツールに行くに従い軸方向
高さが高くなるように構成しているので、ドレ
スアーム１２の１回の揺動工程により例えば粗
削り、中間仕上げ及び仕上げの３つのドレツシ
ング作業を同時に行うことができ、作業時間を
短縮できる。

(2) ドレツシング作業の途中でドレスツールの切
込量を調節する必要がなくなり、ドレツシング
作業が容易になる。

(3) 粗削りから仕上げ用のドレスツール１４，１
５，１６まで、１つのドレスアーム１２に一緒
に備えて同時に研削に利用することになるの
で、各ドレスツール１４，１５，１６の高さの
差、すなわち、中間削り及び仕上げ等の切り込
み量を正確かつ容易に設定できる。

しかも、各ドレスツール１４，１５，１６を揺
動方向に並べていることにより、各ドレスツール
１４，１５，１６は同一軌跡上を往復することに
なり、ドレツシング作業中における砥石１に対す
る各ドレスツール１４，１５，１６の作業位置
が、同一軌跡上に揃い、ドレツシング作業精度の
向上につながる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用したドレツサーの側面
図、第２図は第１図の−断面拡大図、第３図
は第１図の−断面拡大図、第４図は第３図の
−断面図である。 １……回転砥石、１１……アーム軸、１２……
ドレスアーム、１４，１５，１６……ドレスツー
ル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転砥石の軸心と平行に配置されたアーム軸に
   軸心回り揺動自在にドレスアームを設け、上記ド
   レスアームにドレスツールを設け、ドレスアーム
   の揺動により回転磁石の軸方向端面の砥石面を平
   面状にドレツシングする平面研削盤のドレツサー
   において、ドレスアームにその揺動方向に間隔を
   隔てて複数個のドレスツールを設け、各ドレスツ
   ールを、砥石に近い粗削り用のドレスツールから
   遠い仕上げ用のドレスツールに行くに従い軸方向
   高さが高くなるように構成した平面研削盤のドレ
   ツサー。