JPH0511897U - 車両用シートの構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】自動車用シートなどの車両用シートにおいて、
トリムカバーを簡単に、略受皿状フレームに掛止でき、
且つトリムカバーの使用量を削減することである。 【構成】略受皿状のフレーム（１）の外周に、下方に向
けて延設したトリムカバー取付部（１１）を設け、該ト
リムカバー取付部（１１）の先端に、トリムカバーの端
末に縫着した合成樹脂製リテーナ（３１）を掛止したこ
とを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車用シート（座席）などの車両用シート、詳しくは、略受皿状に 形成したフレームと、このフレーム上に載置する発泡体製クッション体と、この クッション体を被覆するトリムカバーとからなるシートクッション（座部）の改 良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種のシートクッションには、フレームが略受皿状に形成され、その フレームの底部に、トリムカバーの端末を係止する係止片を設け、この係止片に トリムカバーの端末をホッグリング等で結着しているものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従って、前記従来品はトリムカバーの端末をフレームの底部のコーナー部から 底部の一部に渉って被覆している。 そのため、フレームの底部までを被覆するトリムカバーが必要になるため、ト リムカバーの使用量が大になると共に、トリムカバーの張設作業が行い難い不具 合があった。 そこで、本考案はトリムカバーが簡単に張設され、且つ、トリムカバーの使用 量を削減することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

以上の目的を達成するための本考案は、受皿状のフレームの外周に、下方に向 けて延設したトリムカバー取付部を設け、該トリムカバー取付部の先端に、トリ ムカバーの端末に縫着した合成樹脂製リテーナを掛止してなるものである。

【０００５】

【作用】

トリムカバーはフレームより突出する発泡体製クッション体の露出部と、フレ ームのトリムカバー取付部とを被覆する大きさに形成し、そのトリムカバーの端 末に設けたリテーナをフレームのトリムカバー取付部に掛止すると、クッション 体の弾力によって生ずるトリムカバーの張力によって、リテーナはフレームから 外れることがない。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図１は、本案に係る自動車用シートのシートクッションを示し、図中、（１） は硬質合成樹脂板、金属板（アルミ）などの剛性材製の略受皿状フレーム、（２ ）は、このフレーム（１）に載置したウレタンフォームなどの発泡体製クッショ ン体、（３）はクッション体（２）を被覆するトリムカバーを夫々示す。

【０００７】 以上のフレーム（１）には、図２、図３に示すように、その外周に沿って下方 に向けて垂直状に延設したトリムカバー取付部（１１）が設けてある。 そして、このフレーム（１）の上面中央は、凹窪状に成形された凹窪状（１３ ）が形成され、その周面は平坦状の隆起部（１２）が設けてある。このフレーム （１）の左右における隆起部（１２）の内面側にはＬ字状のブラケット（４）（ ４）が鋲着され、このブラケット（４）（４）に、リクライニングデバイスのロ アアーム（５）（５）などとスライドレール（６）のアッパーレールが共締めさ れる。

【０００８】 クッション体（２）は、フレーム（１）の凹窪部（１３）、隆起部（１２）に 対応するようにモールド成形されている。 トリムカバー（３）はクッション体（２）の表面に接着剤で接着するか、或い は、トリムカバー（３）の裏面に設けた吊込材（不図示）をクッション体（２） 内に埋設したインサートワイヤに結着することにより、トリムカバー（３）を吊 込んで、クッション体（２）の表面に密着するように取付けられている。そして 、このトリムカバー（３）の端末には、Ｕ字状の合成樹脂製リテーナ（３１）が 一体に縫着されている。

【０００９】 斯くして、フレーム（１）上にクッション体（２）を載置し、このクッション 体（２）に、トリムカバー（３）を接着等して被覆した後、クッション体（２） の周囲を加圧した状態で、トリムカバー（３）のリテーナ（３１）をフレーム（ １）のトリムカバー取付部（１１）に掛止すると、トリムカバー（３）は固定さ れる。 そして、前記クッション体（２）の加圧状態を解除すると、トリムカバー（３ ）の端末にはクッション体（２）の弾力による張力が作用するため、フレーム（ １）のトリムカバー取付部（１１）からリテーナ（３１）は脱出することがなく 掛止される。

【００１０】 図４は、トリムカバー（１）の端末に平板状のリテーナ（３２）を縫着し、こ のリテーナ（３２）をトリムカバー取付部（１１）に差し込むことにより、トリ ムカバー（１）の端末を掛止する場合を示し、斯かる場合には、トリムカバー取 付部（１１）の内側に沿ってＬ字状にガイド片（１１′）を一体に設け、このガ イド片（１１′）とトリムカバー取付部（１１）との間に形成される挿込溝に、 リテーナ（３２）が差し込まれて掛止される。

【００１１】

【考案の効果】

本考案によれば、トリムカバーの端末に設けたリテーナをフレームの外周に設 けたトリムカバー取付部に掛止することにより、トリムカバーがフレーム側に固 定される。従って、前記従来品の如く、トリムカバーをフレームの底部における コーナー部から底部の一部に渉って張設する必要がないので、トリムカバーの使 用量を削減できる。また、従来品の如く、クッション体付のフレームを裏返して 、トリムカバーの端末を固定する必要もないため、トリムカバーの張設作業が簡 単になり、その作業性を向上し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案品の断面図である。

【図２】本考案に使用するフレームの斜視図である。

【図３】図２におけるIIIーIII線断面図である。

【図４】本考案の他の実施例の部分断面図である。

【符号の説明】

１ フレーム ２ クッション体 ３ トリムカバー １１ フレームのトリムカバー取付部 ３１、３２ リテーナ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 略受皿状に形成したフレームと、このフ
   レーム上に載置する発泡体製クッション体と、このクッ
   ション体を被覆するトリムカバーとからなる車両用シー
   トにおいて、 前記フレームの外周に、下方に向けて延設したトリムカ
   バー取付部を設け、該トリムカバー取付部の先端に、前
   記トリムカバーの端末に縫着した合成樹脂製リテーナを
   掛止してなる車両用シートの構造。