JPH05118336A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JPH05118336A
JPH05118336A JP3307178A JP30717891A JPH05118336A JP H05118336 A JPH05118336 A JP H05118336A JP 3307178 A JP3307178 A JP 3307178A JP 30717891 A JP30717891 A JP 30717891A JP H05118336 A JPH05118336 A JP H05118336A
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JP
Japan
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rolling
bearing
hardness
amount
retained austenite
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JP3307178A
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English (en)
Inventor
Kenji Notoya
憲治 能登谷
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Nachi Fujikoshi Corp
Original Assignee
Nachi Fujikoshi Corp
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Publication date
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高負荷、高速、準高温という過酷な使用環境で
使用しても、亀裂発生の起点となる介在物を除去し、残
留オーステナイトを存在させ、異物混入の潤滑下におけ
る微小亀裂の発生を阻止し、長寿命を維持することがで
きる転がり軸受を提供する。 【構成】C:0.7〜0.9重量%、Cr:2.5〜
4.0重量%、O:8ppm以下、残部鉄Fe及び不可
避不純物からなる高炭素鋼クロム軸受鋼を用い、軌道輪
の軌道面と転動体の転動面のいずれか一方又はその双方
の表面に0.3〜0.5mmの深さに高炭素の浸炭窒化
処理を施す。さらにその表層部を0.05〜0.15m
mの範囲にわたって研削加工によって除去する。この表
面における炭化物量を面積率で15〜30%、その大き
さを真円度換算直径2μm以下とする。また、この表面
の硬さをHRC63〜65、芯部の硬さをHRC60〜
63とし、表面の残留オーステナイト量を10〜25容
積%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、周辺部品の摩耗粉を
含む汚染油中で、しかも準高温下(120〜200°
C)というような苛酷な条件下で用いられる、例えば自
動車のトランスミッション用転がり軸受、その他農業機
械、建設機械、及び鉄鋼機械などに使用される転がり軸
受に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のトランスミッション用軸受に用
いられる材料には、日本工業規格(JIS)G4805
に規定される高炭素クロム軸受鋼鋼材が最も多く用いら
れてきた。これに浸炭、窒化処理を施して軌道表面に圧
縮残留応力を付与し、硬さを向上させることによって摩
耗粉を含む汚染油中での寿命向上を図っていた。例え
ば、特開昭60−92463号公報に開示された発明
は、SUJ2などの高炭素クロム軸受鋼に浸炭窒化を施
して表層部に炭化物(FeCr)3Cを生成させて、高
い硬さを与え耐摩耗性を向上させ、表面に圧縮残留応力
も誘起することで異物混入環境下の寿命を向上させるも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、転がり
軸受は高負荷、高速化が進み、使用環境が苛酷になって
準高温下で使用されるようになり、上記の材料では浸
炭、窒化を施しても摩耗粉を含む汚染油中で、しかも準
高温下(120〜200℃)で使用した場合に、焼戻し
抵抗性が十分でないため、軸受を長時間使用している中
に、軌道面が塑性変形を起こして圧痕を生じ、その周囲
に集中応力を受けて剥離発生の起点となる。また、耐摩
耗性において十分とは言えず、軸受使用中に摩耗による
寸法の変化を生じて、短寿命の原因となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明はJIS
G4805に規定されるSUJ2に、Crを多く添加
して、浸炭窒化することにより(FeCr)3 Cよりも
はるかに硬い炭化物(FeCr)7 3 を生成させたた
ものである。即ち、本発明はC:0.7〜0.9重量
%、Cr:2.5〜4.0重量%、O:8ppm以下、
残部鉄Fe及び不可避不純物からなる高炭素鋼クロム軸
受鋼から生産される転がり軸受の軌道輪の軌道面と転動
体の転動面のいずれか一方又はその双方の表面に0.3
〜0.5mmの深さに高炭素の浸炭窒化処理を行い、さ
らにその表層部を0.05〜0.15mmの範囲にわた
って研削加工を行って除去し、該表面における炭化物量
を面積率で15〜30%、その大きさは真円度換算直径
が2μm以下であって、該表面の硬さがHRC63〜6
5であり、芯部の硬さがHRC60〜63であり、かつ
表面の残留オーステナイト量が10〜25容量%とする
ことによって、軌道表面に高い硬さと耐摩耗性を与え、
かつ焼戻し抵抗性を付与して、過酷な使用条件下におい
ても長寿命を維持する転がり軸受を提供するものであ
る。
【0005】本発明における転がり軸受は、上記の如く
浸炭、窒化処理を行って、軸受表層部のC濃度を高くす
るのであり、軸受芯部の硬さを得るために必要なC含有
量が必要である。浸炭、窒化温度で不溶な球状炭化物が
あり、これが核となって炭化物析出に必要な炭化物生成
のためのC量、及びHRC60以上の芯部の硬さが得ら
れるC量が必要であるために、Cの含有量の下限を0.
7重量%とした。さらにC含有量が0.9重量%を越え
ると、素材状態における巨大炭化物の発生により塑性加
工性に悪影響を与えること、及び転がり疲労寿命の低下
を招くことになる。そこでC含有量を0.7〜0.9%
に限定した。
【0006】Crは浸炭、窒化を促進させるために、ま
たCと結合してM73 炭化物を生成し、硬くて、粒成
長が遅く微細分散して、転がり疲労寿命を向上させるた
めに有効な元素である。Crの含有量が2.5%重量未
満であると、浸炭、窒化焼入による硬い炭化物が少ない
ためにHRC63〜65が得られない。また、4.0重
量%を越えると、塑性加工性が悪いために生産性が低下
することと、コスト高になる。そのためCrの含有量を
2.5〜4.0重量%とした。尚、Oは酸化物系の非金
属介在物を形成して転がり疲労寿命を低下させるため、
できるだけその量を低下させる必要がある。そのため8
ppmを上限とした。
【0007】さらに、浸炭窒化深さは、研削してもなお
有効な部分を残すために下限を0.3mmとし、また浸
炭窒化時間を短縮させるためにその上限を0.5mmと
する。また、転がり軸受表層部の脆弱部分の除去のため
には最低0.05mm除去することが必要であり、有効
部残存のために最大除去量を0.15mmとすることが
必要である。転がり軸受表面の炭化物量は面積率で15
〜30%の範囲を越えると軸受の寿命に悪影響を及ぼす
ので、上記範囲に限定した。炭化物の粒径についても、
これが大きくなると軸受寿命が悪くなるので、その真円
度換算値を2μm以下とした。
【0008】表1に示す成分の本発明例を含む供試材を
溶製し、表2に示す条件で各供試料を熱処理した。即
ち、発明例であるA1,A2及び従来例であるC2をそ
れぞれ浸炭、窒化した。また比較較例であるBとC1
を、ずぶ焼入した。その後、各供試料の研削を行った。
RXガス+エンリッチガス(3〜5容量%)+アンモニ
ヤガス(3〜5容量%)の炉内温度で900℃、3時間
浸炭,窒化処理を行い、その後油中に焼入し、各温度で
2時間焼戻しを行った。またずぶ焼入の場合は、RXガ
ス雰囲気中で840℃で40分加熱しその後油中に焼入
した。
【0009】このようにして得られた本発明の実施例
(A1,A2)では、表層部に硬くて微細な炭化物M3
C +M7 3 を生成し、マトリックスに固溶したCや
Crの存在により、表3に示すようにに耐摩耗性に優れ
ると共に、図1に示すように耐熱性にも優れていること
が分かる。さらに図2に示すように異物混入油中の転が
り疲労寿命の向上が認められる。また、浸炭、窒化によ
り極表層部に粗大な炭化物や脆弱な窒化物が生ずるの
で、その部分を研削によって除去することにより、発明
例A2のように、さらに長寿命の結果が得られる。
【0010】なお、摩耗試験には大越式迅速摩耗試験機
を用い、試験条件として摩耗距離400m、最終荷重
6.3Kgf、無潤滑で行った。表3の結果は摩耗速度
0.61m/secで実施した摩耗量で示した。また、
転がり疲労寿命試験は、単列深溝6306を用い、寿命
試験機は、株式会社不二越製玉軸受寿命試験機を用いて
10寿命を求めた。試験条件は軸受負荷荷重830Kg
f(ラジアル荷重)、軸受回転数3000rpm、潤滑
油は#80ギヤオイル油中に、粒径が11〜100μm
の硬質鉄粉を0.2g/1の割合で混入させたものを使
用した。試験温度は120℃で行った。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【表3】
【0013】
【効果】本発明に係る転がり軸受は、上記のようにC:
0.7〜0.9重量%、Cr:2.5〜4.0重量%、
O:8ppm以下、残部鉄Fe及び不可避不純物からな
る高炭素鋼クロム軸受鋼から生産される転がり軸受であ
って、軌道輪の軌道面と転動体の転動面のいずれか一方
又はその双方の表面に0.3〜0.5mmの深さに高炭
素の浸炭窒化処理がなされ、さらにその表層部が0.0
5〜0.15mmの範囲にわたって研削加工によって除
去され、該表面における炭化物量は面積率で15〜30
%、その大きさは真円度換算直径が2μm以下であっ
て、該表面の硬さがHRC63〜65であり、芯部のか
たさがHRC60〜63であり、かつ表面の残留オース
テナイト量が10〜25容積%であるから、内輪若しく
は転動体、又は内輪、転動体のいずれにも、亀裂発生の
起点となる介在物が除去されており、適度の残留オース
テナイトを存在させ、異物混入の潤滑下における微小亀
裂発生を阻止し、また発生した亀裂の進展を遅らせるこ
とできる。その結果、異物混入の潤滑下で使用する軸受
において、従来の軸受に比べて、遙かに長寿命であり、
清浄な潤滑下においても、軸受の寿命を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】供試材表面からの距離と炭素量(重量%)を示
す特性図である。
【図2】焼戻し温度と表層部硬さとの関係を示す特性図
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年12月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】自動車のトランスミッション用軸受に用
いられる材料には、日本工業規格(JIS)G4805
に規定される高炭素クロム軸受鋼鋼材が最も多く用いら
れてきた。これに浸炭、窒化処理を施して軌道表面に圧
縮残留応力を付与し、硬さを向上させることによって摩
耗粉を含む汚染油中での寿命向上を図っていた。例え
ば、特開昭60−92463号公報に開示された発明
は、SUJ2などの高炭素クロム軸受鋼に浸炭窒化を施
して表層部に炭化物(FeCr)3Cを生成させて、高
い硬さを与え耐摩耗性を向上させると同時に、表面に圧
縮残留応力を付与することで異物混入環境下の寿命を向
上させるものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、転がり
軸受は高負荷、高速化が進み、使用環境が苛酷になって
準高温下で使用されるようになり、上記の材料では浸
炭、窒化を施しても摩耗粉を含む汚染油中で、しかも準
高温下(120〜200℃)で使用した場合に、焼戻し
抵抗性が十分でないため、軸受を長時間使用している中
に、軌道面が塑性変形を起こして圧痕を生じ、その周囲
に集中応力を受けて剥離発生の起点となる。また、耐摩
耗性においても十分とは言えず、軸受使用中に摩耗によ
る寸法の変化を生じて、短寿命の原因となる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明はJIS
G4805に規定されるSUJ2に、Crを多く添加
して、浸炭窒化することにより(FeCr)3 Cよりも
はるかに硬い炭化物(FeCr)7 3 を生成させたた
ものである。即ち、C:0.7〜0.9重量%、Cr:
2.5〜4.0重量%、O:8ppm以下、残部鉄Fe
及び不可避不純物からなる高炭素クロム軸受鋼から製造
される転がり軸受であって軌道輪の軌道面と転動体の転
動面のいずれか一方又はその双方の表面に0.3〜0.
5mmの深さに高炭素の浸炭窒化処理を行い、さらにそ
の表層部を0.05〜0.15mmの範囲にわたって研
削加工を行って除去し、該表面における炭化物量を面積
率で15〜30%、その大きさは真円度換算直径が2μ
m以下であって、該表面の硬さがHRC63〜65であ
り、芯部の硬さがHRC60〜63であり、かつ表面の
残留オーステナイト量が10〜25容量%とすることに
よって、軌道表面に高い硬さと耐摩耗性を与え、かつ焼
戻し抵抗性を付与して、過酷な使用条件下においても長
寿命を確保できる転がり軸受を提供するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】本発明における転がり軸受は、上記の如く
浸炭、窒化処理を行って、軸受表層部のC濃度を高くす
ものであるが、軸受芯部の硬さを得るために、浸炭
窒化温度で不溶な球状炭化物があり、これが核となって
炭化物析出に必要な炭化物生成のためのC量、及びHR
C60以上の芯部の硬さが得られるC量が必要であるた
めに、Cの含有量の下限を0.7重量%とした。さらに
C含有量が0.9重量%を越えると、素材状態における
巨大炭化物の発生により塑性加工性に悪影響を与えるこ
と、及び転がり疲労寿命の低下を招くことになる。そこ
でC含有量を0.7〜0.9%に限定した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】Crは浸炭、窒化を促進させるために、ま
たCと結合してM73 炭化物を生成し、硬くて、粒成
長が遅く微細分散して、転がり疲労寿命を向上させるた
めに有効な元素である。Crの含有量が2.5%重量未
満であると、浸炭、窒化焼入による硬い炭化物が少なく
なりHRC63〜65が得られない。また、4.0重量
%を越えると、塑性加工性が悪いために生産性が低下す
ることと、コスト高になる。そのためCrの含有量を
2.5〜4.0重量%とした。尚、Oは酸化物系の非金
属介在物を形成して転がり疲労寿命を低下させるため、
できるだけその量を低下させる必要がある。そのため8
ppmを上限とした。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】さらに、浸炭窒化深さは、研削してもなお
有効な部分を残すために下限を0.3mmとし、また浸
炭窒化時間を短縮させるためにその上限を0.5mmと
する。また、転がり軸受表層部の脆弱部分の除去のため
には最低0.05mm除去することが必要であり、浸炭
窒化層有効部残存のために最大除去量を0.15mmと
することが必要である。転がり軸受表面の炭化物量は面
積率で15〜30%の範囲を超えると軸受の寿命に悪影
響を及ぼすので、上記範囲に限定した。炭化物の粒径に
ついても、これが大きくなると軸受寿命が低下する
で、その真円度換算値を2μm以下とした。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】表1に示す成分の本発明例を含む供試材を
溶製し、表2に示す条件で各供試材を熱処理した。即
ち、発明例であるA1,A2及び従来例であるC2をそ
れぞれ浸炭、窒化した。また比較例であるBとC1を、
ずぶ焼入した。その後、各供試材の研削を行った。RX
ガス+エンリッチガス(3〜5容量%)+アンモニヤガ
ス(3〜5容量%)の炉内温度で900℃、3時間浸
炭,窒化処理を行い、その後油中で焼入し、各温度で2
時間焼戻しを行った。またずぶ焼入の場合は、RXガス
雰囲気中で840℃で40分加熱しその後油で焼入し
た。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】このようにして得られた本発明の実施例
(A1,A2)では、表層部に硬くて微細な炭化物M3
C +M7 3 を生成し、マトリックスに固溶したCや
Crの存在により、表3に示すようにに耐摩耗性に優れ
ると共に、図1に示すように耐熱性にも優れていること
が分かる。さらに図2に示すように異物混入油中の転が
り疲労寿命の向上が認められる。また、浸炭、窒化によ
ごく表層部に粗大な炭化物や脆弱な窒化物が生ずるの
で、その部分を研削によって除去することにより、発明
例A2のように、さらに長寿命の結果が得られる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【効果】本発明に係る転がり軸受は、上記のようにC:
0.7〜0.9重量%、Cr:2.5〜4.0重量%、
O:8ppm以下、残部鉄Fe及び不可避不純物からな
高炭素クロム軸受鋼から生産される転がり軸受であっ
て、軌道輪の軌道面と転動体の転動面のいずれか一方又
はその双方の表面に0.3〜0.5mmの深さに高炭素
の浸炭窒化処理がなされ、さらにその表層部が0.05
〜0.15mmの範囲にわたって研削加工によって除去
され、該表面における炭化物量は面積率で15〜30
%、その大きさは真円度換算直径が2μm以下であっ
て、該表面の硬さがHRC63〜65であり、芯部のか
たさがHRC60〜63であり、かつ表面の残留オース
テナイト量が10〜25容積%であるから、内輪若しく
は転動体、又は内輪、転動体のいずれにも、亀裂発生の
起点となる介在物が除去されており、適度の残留オース
テナイトを存在させ、異物混入の潤滑下における微小亀
裂発生を阻止し、また発生した亀裂の進展を遅らせるこ
とできる。その結果、異物混入油による潤滑下で使用す
る軸受において、従来の軸受に比べて、遙かに長寿命で
あり、清浄な潤滑下においても、軸受の寿命を向上させ
ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.7〜0.9重量%、Cr:2.5
    〜4.0重量%、O:8ppm以下、残部鉄Fe及び不
    可避不純物からなる高炭素鋼クロム軸受鋼から生産され
    る転がり軸受であって、軌道輪の軌道面と転動体の転動
    面のいずれか一方又はその双方の表面に0.3〜0.5
    mmの深さに高炭素の浸炭窒化処理がなされ、さらにそ
    の表層部が0.05〜0.15mmの範囲にわたって研
    削加工によって除去され、該表面における炭化物量は面
    積率で15〜30%、その大きさは真円度換算直径が2
    μm以下であって、該表面の硬さがHRC63〜65で
    あり、芯部の硬さがHRC60〜63であり、かつ表面
    の残留オーステナイト量が10〜25容積%であること
    を特徴とする転がり軸受。
JP3307178A 1991-10-28 1991-10-28 転がり軸受 Pending JPH05118336A (ja)

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