JPH0511775U - 内燃機関用磁石発電機 - Google Patents

内燃機関用磁石発電機

Info

Publication number
JPH0511775U
JPH0511775U JP5975091U JP5975091U JPH0511775U JP H0511775 U JPH0511775 U JP H0511775U JP 5975091 U JP5975091 U JP 5975091U JP 5975091 U JP5975091 U JP 5975091U JP H0511775 U JPH0511775 U JP H0511775U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ignition
coil
magnet
salient pole
field poles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5975091U
Other languages
English (en)
Inventor
博 芹沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kokusan Denki Co Ltd
Original Assignee
Kokusan Denki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kokusan Denki Co Ltd filed Critical Kokusan Denki Co Ltd
Priority to JP5975091U priority Critical patent/JPH0511775U/ja
Publication of JPH0511775U publication Critical patent/JPH0511775U/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多極の磁石発電機内に点火装置駆動用の発電
コイルを設けて、点火動作に有効な電圧の発生回数を1
回転当り2回以下に制限する。 【構成】 極間隔が本来の極間隔の2倍に拡大された2
個の突極部11a,11b間を連結部11xにより連結
した構造を有する点火用コイル巻回部11zを設ける。
点火用コイル巻回部11zの連結部11xに点火用発電
コイル5を巻回する。磁石回転子14の隣り合う1対の
界磁極M1 ,M2 が同極性を呈するように磁石を着磁す
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、内燃機関に取り付けられる磁石発電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関に取り付けられる磁石発電機には、ヘッドランプ等の一般負荷を駆動 する発電コイルの外に、内燃機関用点火装置を駆動するために用いる点火用発電 コイルが設けられる。
【0003】 内燃機関用の点火装置は、点火エネルギーを供給するための電源と、点火時期 を定めるための信号を発生する信号源とを必要とする。図10は点火装置の一例 として、コンデンサ放電式の点火装置の構成例を示したもので、同図において1 は点火コイル、2は機関の気筒に取り付けられ、点火コイルの2次コイルに接続 された点火プラグ、3は点火コイルの1次コイルに直列に接続された点火エネル ギー蓄積用コンデンサ、4はコンデンサ3の電荷を点火コイルの1次コイルに放 電させるサイリスタである。
【0004】 5は磁石発電機内に設けられた点火用発電コイルで、この点火用発電コイルは 、図示の実線矢印方向の正の半サイクルの電圧と破線矢印方向の負の半サイクル の電圧とを発生する。点火用発電コイルの出力はダイオード6を通してコンデン サ3と点火コイルの1次コイルとの直列回路の両端に印加されている。7は点火 時期を定めるために用いる点火信号を発生する信号コイルで、この信号コイルの 出力はダイオード8を通してサイリスタ4のゲートに供給されている。サイリス タ4のゲートカソード間には抵抗9が並列接続され、点火用発電コイル5の両端 には、該点火用発電コイルの負の半サイクルの出力を短絡するダイオード10が 並列接続されている。
【0005】 図10に示した点火装置においては、内燃機関の回転に同期して点火用発電コ イル5が正負の半サイクルの出力を発生する。点火用発電コイルが正の半サイク ルの電圧を発生すると、点火用発電コイル5の出力でダイオード6を通してコン デンサ3が図示の極性に充電される。内燃機関の点火時期に信号コイル7が点火 信号を発生すると、サイリスタ4が導通するため、コンデンサ3の電荷がサイリ スタ4と点火コイルの1次コイルとを通して放電する。これにより点火コイルの 2次コイルに高電圧が発生するため、点火プラグ2に火花が生じ、機関が点火さ れる。
【0006】 磁石発電機が多極に構成される場合には、固定子に巻かれた発電コイルに1回 転当たり複数サイクルの電圧が誘起する。従って、上記点火装置の信号コイルを 多極の磁石発電機の固定子に巻くと、1回転当たり複数の点火信号が発生するこ とになり、正規の点火時期以外の時期に点火動作が行われて機関に悪影響を及ぼ すことになる。
【0007】 尚2サイクル機関の場合には、1回転当たり2回点火動作が行われても、一方 の火花が正規の点火時期に発生し、他方の火花が機関の排気行程中に発生すれば 、機関の動作に支障を来さない。そのため、2サイクル機関の場合、4極までの 磁石発電機が用いられる場合には、信号コイルを磁石発電機内に設けることがで きる。また信号コイルを設けずに、点火用発電コイルの正の半サイクルの出力で コンデンサを充電し、負の半サイクルの出力を点火信号として用いて、点火時期 を決定するようにすることもできる。
【0008】 しかしながら、磁石発電機が6極以上に構成される場合には、磁石発電機内の コイルから点火信号をとると、1回転当たり3回以上点火動作が行われるため、 2サイクル機関でも、その動作に支障を来すことになる。2サイクル機関を支障 なく動作させるためには、点火用発電コイルが点火動作に有効な電圧を誘起する 回数を1回転当り2回以下に制限する必要がある。
【0009】 そのため従来多極の磁石発電機が用いられる場合には、磁石回転子のヨークを 構成するフライホイールの外周にリラクタ(誘導子)を設けて、鉄心に巻かれた 信号コイルと該鉄心に結合された永久磁石とを備えた信号発電子をリラクタに対 向させ、リラクタが信号発電子の磁極位置を通過する際に信号コイルに磁束変化 を与えることにより、点火時期を定める信号を1回転当り1回だけ発生させて、 1回転当たり1回だけ点火動作を行わせるようにしていた。
【0010】 また、特公昭49−46163号に見られるように、多極鉄心の1つ置きの突 極部に点火用発電コイルを分割巻きして、これら分割巻きしたコイルを差働的に 直列接続するとともに、磁石回転子の周方向領域の一部に磁束変化が生じない領 域を設けることにより、点火用発電コイルが1回転当り1回だけ点火動作に有効 な電圧を誘起するようにしたものが提案されている。
【0011】 更に、特開昭60−135666号に見られるように、点火用発電コイルを巻 回する突極部の極弧角を磁石回転子の数極分の極弧角に相当する大きさに設定す るとともに、磁石回転子の周方向の一部に2極以上が連続して同一の極性を呈す る部分を設けることにより、1回転当り、1回だけ点火動作に有効な電圧を誘起 させるようにした磁石発電機が提案されている。この磁石発電機では、点火用発 電コイルが、極弧角を大きくした1つの突極部に集中巻きされている。
【0012】
【考案が解決しようとする課題】
従来の磁石発電機では、内燃機関の点火時期を定めるための信号を発生するコ イルを内蔵することができなかったため、磁石回転子の外周にリラクタを設けて 、該リラクタに信号発電子を対向させることが必要になり、発電機の構造が複雑 になってコストが高くなるのを避けられなかった。
【0013】 また点火用の発電コイルは、巻回数が多いため、特開昭60−135666号 に見られるように、点火用発電コイルを1つの突極部に集中巻きした場合にはコ イルの層数が多くなり、内層のコイル導体からの放熱が悪くなって、コイルの温 度が上昇するという問題があった。
【0014】 尚コイルの温度上昇を抑制するためには、突極部の長さ(径方向寸法)を長く して、発電コイルの層数を少なくすれば良いが、突極部の長さを長くすると、固 定子鉄心の径寸法が大きくなるため発電機が大形化し、コストが高くなるという 問題が生じる。
【0015】 更に、特公昭49−46163号に示されたように、1つ置きの突極部にコイ ルを分割巻きするようにした場合には、コイルの巻回作業が複雑になり、点火用 発電コイルの巻回が面倒になるという問題があった。
【0016】 本考案の目的は、複雑なコイルの巻回作業を行うことなく、点火用発電コイル を他の発電コイルと共に固定子に設けて、しかも1回転当たり2回以下の点火動 作を行わせることができるようにした内燃機関用磁石発電機を提供することにあ る。
【0017】 本考案の他の目的は、発電機の径を大きくすることなく点火用発電コイルを巻 回する部分の長さを長くして該発電コイルの層数を少なくし、コイルの温度上昇 を抑制した内燃機関用磁石発電機を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本考案の磁石発電機は、360/n(nは3以上の整数)度の角度間隔で配置 された2個の突極部間を径方向と直交する方向に伸びる連結部により連結した構 造を有する点火用コイル巻回部を少なくとも1個有し、該点火用コイル巻回部を 構成する2個の突極部以外の他の突極部は360/2n度の角度間隔で配置され ている環状の多極固定子鉄心と、点火用コイル巻回部の連結部に巻回された点火 用発電コイルと、固定子鉄心の突極部の先端に対向する磁石界磁極を有する磁石 回転子とを備えている。
【0019】 上記磁石回転子は、等角度間隔で並ぶ2n個の界磁極を構成し得るように配置 された磁石を有し、隣り合う特定の界磁極が同極性を呈し、他の界磁極は隣り合 う界磁極同士が互いに異なる極性を呈するように、磁石が着磁されている。
【0020】 また隣り合う特定の2個の界磁極を同極性とし、更に該2個の界磁極に対して 所定の角度離れた位置で隣り合う他の2個の界磁極をも同極性としても良い。
【0021】 上記磁石は、例えば、周方向に連続する1つのリング状磁石であっても良く、 リング状を呈するように並べられた複数の磁石であっても良い。
【0022】
【作用】
上記のように、極間隔が本来の極間隔の2倍に拡大された2個の突極部間を連 結部により連結した構造を有する点火用コイル巻回部を設けて、該点火用コイル 巻回部の連結部に点火用発電コイルを巻回するようにすると、固定子鉄心の径を 大きくすること無く、点火用発電コイルの巻回軸方向の長さを長くすることがで きるため、発電機の大形化を招くことなく、コイルの層数を少なくしてコイルの 温度上昇を抑制することができる。
【0023】 また上記のように固定子鉄心を構成した上で、隣り合う特定の界磁極が同極性 を呈するように磁石回転子を構成しておくと、同極性を呈する界磁極が特定の2 個の突極部の位置を通過する際にのみ、連結部を流れる磁束が変化し、この磁束 変化により、点火用発電コイルは1個のピークを有する負の半サイクルの電圧と 2個のピークを有する正の半サイクルの電圧と1個のピークを有する負の半サイ クルの電圧とからなる交流電圧を1回転当り1回誘起する。従って、コンデンサ 放電式の点火装置が用いられる場合には、この発電コイルから得られる正の半サ イクルの出力で点火エネルギー蓄積用コンデンサを充電し、正の半サイクルの出 力に続いて発生する負の半サイクルの出力で点火時期を定めるようにすることに より、1回転当たり1回の点火動作を行わせることができる。
【0024】 またバッテリを電源とした電流遮断形の点火装置が用いられる場合には、上記 点火用発電コイルを信号源として用いて、正の半サイクルの出力により点火時期 を決定することにより、1回転当り1回の点火動作を行わせることができる。
【0025】 また同極性を呈して隣り合う界磁極の対を2個設けた場合には、点火用発電コ イルが1個のピークを有する負の半サイクルの電圧と1個のピークを有する正の 半サイクルの電圧と1個のピークを有する負の半サイクルの電圧とからなる交流 電圧を1回転当り2回発生する。従って、コンデンサ放電式の点火装置が用いら れる場合、この発電コイルから得られる正の半サイクルの出力で点火エネルギー を得、負の半サイクルの出力で点火時期を定めるようにすることにより、1回転 当たり2回の点火火花が発生する。これらの点火火花の内、後から発生する点火 火花は無駄火となるが、2サイクル機関の場合には、この無駄火の発生位置を圧 縮行程以外の行程中に設定しておけば機関の動作に支障を来すことがない。
【0026】
【実施例】
図1は本考案の実施例を示したもので、同図において11は環状の継鉄部11 yの外周部から多数の突極部11a,11b,…11kを放射状に突出させた環 状の多極固定子鉄心であり、この固定子鉄心は、所定の形状に打ち抜いた鋼板を 所定枚数積層したものからなっている。固定子鉄心11は、2n(nは3以上の 整数、この例ではn=6)個の突極部を等角度間隔で放射状に設けた2n極の固 定子鉄心から1つの突極部を除去したものに相当する極配列を有し、突極部が除 去された部分の両側に位置する2個の突極部11a,11bの間が、半径方向と 直交する方向に伸びる連結部11xにより連結されて、該2個の突極部11a, 11bと連結部11xとにより点火用コイル巻回部11zが構成されている。
【0027】 2個の突極部11a,11b間の角度間隔は、360/n度(=60度)に設 定され、他の突極部相互間の間隔、即ち、突極部11b,11c,…11k,1 1a相互間の角度間隔は、360/2n度(=30度)に設定されている。また この例では、2個の突極部11a,11bの基部が、両突極部間を2分する位置 を通る半径方向の直線とほぼ平行に伸びるように形成されて両突極部11a,1 1b間のスペースが拡大されている。他の突極部11c〜11kは通常この種の 鉄心に設けられる突極部と同様に放射方向に伸びるように形成されている。また 各突極部の先端には後記する磁石回転子の界磁極に対向する磁極面が形成されて いる。
【0028】 点火用コイル巻回部11zの連結部11xには、点火用発電コイル5が巻回さ れ、突極部11c〜11kにはそれそれ一般負荷用の発電コイル12c〜12k が巻回されている。一般負荷用発電コイル12c〜12kは、それぞれに誘起す る電圧が同じ極性で相加わるように、交互に異なる方向に巻回されて直列に接続 されている。即ち、発電コイル12c〜12kは和働的に巻回されて直列接続さ れている。
【0029】 上記固定子鉄心11と、点火用発電コイル5と一般負荷用発電コイル12c〜 12kとにより固定子が構成されている。この固定子は、機関の出力軸と同心的 に位置決めされ、継鉄部11yに設けられた取付け孔11y1に挿入されたボルト により機関のケース等に設けられた取付け部に固定される。
【0030】 磁石回転子13は、カップ状に形成された鉄製の回転子ヨーク14と、ヨーク 14の内周に設けられた磁石界磁極Mとからなっている。ヨーク14はフライホ イールを兼ねるもので、その底壁部に設けられた図示しないボスが機関の出力軸 に取り付けられる。従ってヨーク14は機関の出力軸と共に回転する。
【0031】 磁石界磁極Mは、極弧角が等しい2n個(この例ではn=6)の界磁極M1 〜 M12を構成し得るように配置された磁石15を有し、隣り合う特定の2個の界磁 極M1 ,M2 は同極性を呈し、他の一連の界磁極M3 ,M4 ,…,M12は互いに 異なる極性を呈するように、磁石15が着磁されている。この例では界磁極M12 がM1 と同極性(S極)を呈しているため、M12,M1 ,M2 の3つの界磁極が 同極性を呈して並んでいる。尚磁石の各界磁極を構成する部分の着磁方向は回転 子の径方向であり、磁石15の内周側の磁極が界磁極を構成する。磁石15は1 個のリング状の磁石であっても良く、またヨーク13の内周にリング状に配置さ れた複数の磁石からなっていても良い。
【0032】 図2は、上記の磁石発電機を用いる場合の点火装置の回路構成の一例を示した ものである。この点火装置の構成は、図10に示したものと同様のコンデンサ放 電式の回路であるが、図2に示した例では信号コイルが省略され、ダイオード2 0が追加されている。この点火装置では、点火用発電コイル5が図示の実線矢印 方向の正の半サイクルの電圧を誘起した時にダイオード6と点火コイル1の1次 コイルとダイオード20とを通してコンデンサ3が図示の極性に充電される。点 火用発電コイル5が図示の破線矢印方向の電圧を誘起した時には、点火用発電コ イル5→ダイオード8→サイリスタ4のゲート、カソード→ダイオード10→点 火用発電コイル5の経路で電流が流れ、サイリスタ4に点火信号が与えられる。 これによりサイリスタ4が導通し、コンデンサ3の電荷を点火コイル1の1次コ イルに放電させる。これにより点火コイル1の2次コイルに高電圧が誘起し、点 火動作が行われる。
【0033】 即ち、図2に示した点火装置では、点火用発電コイル5の正の半サイクルの出 力により点火エネルギーを得、点火用発電コイル5の負の半サイクルの出力で点 火時期を定めている。
【0034】 図1の磁石発電機において、磁石回転子14が時計方向に回転すると、点火用 コイル巻回部11zを構成する突極部11a,11bは1つ置きの界磁極に対向 するため、連結部11xに流れる磁束φaは回転角θに対して図3(A)に示し たように変化する。即ち、界磁極M1 ,M3 が突極部11a,11bに対向した 際に磁束φa1が流れ、界磁極M1 ,M11が突極部11a,11bに対向した際に 磁束φa2が流れる。これ以外の界磁極が突極部11a,11bに対向した際には 連結部11xに磁束が流れない。従って、この磁束φaの変化により、点火用発 電コイル5には、図3(B)に示すように、1つの負の半サイクルの電圧Va3と 、2つの正の半サイクルの電圧V1a,Va2と、1つの負の半サイクルの電圧Va4 とからなる交流電圧が誘起する。
【0035】 また一般負荷用の発電コイル12c〜12kが巻かれた他の突極部に鎖交する 磁束φb は、図3(D)に示すように変化し、発電コイル12c〜12kには図 3(E)に示す電圧Vb が誘起する。本実施例では、発電コイル12c〜12k と鎖交する磁束が変化しない期間が生じるが、発電コイル12c〜12kを和働 巻きとすれば、極端な出力の低下はない。
【0036】 上記点火用発電コイル5により図2の点火装置を駆動すると、発電コイル5の 正の半サイクルの電圧Va1及びVa2によりコンデンサ3が図示の極性に充電され る。コンデンサ3の充電電圧Vc の波形は図3(C)に示す通りである。続いて 負の半サイクルの電圧Va4が発生すると、ダイオード8を通してサイリスタ4に 点火信号が与えられてサイリスタ4が導通し、点火動作が行われる。負の半サイ クルの電圧Va3が発生したときにもダイオード8を通してサイリスタ4のゲート に信号が与えられるが、この時はコンデンサ3が充電されておらず、サイリスタ 4のアノードカソード間に順方向電圧が印加されてないため、サイリスタ4は導 通せず、点火動作は行われない。従って点火動作は1回転当り1回だけ行われる 。
【0037】 上記実施例において、突極部11a,11bにはコイルが巻回されないため、 これらの突極部の周辺に比較的広いスペース(図1に網線を施した部分)を確保 することができ、このスペースを、発電コイル5と外部導出リード線との接続部 を配置するために利用できるため、コイル導体及びリード線の引き回しを容易に することができ、組み立て作業を容易にすることができる。
【0038】 また上記実施例において、連結部11xはその長さを、突極部の長さよりは長 くすることができるため、連結部11xに点火用発電コイルを巻回すれば、該発 電コイルの層数を少なくすることができ、コイルの内層からの放熱を容易にする ことができる。
【0039】 図4は本考案の他の実施例を示したもので、この実施例では、磁石回転子の特 定の2個の界磁極M1 及びM2 が同極性に形成されるとともに、これら2個の界 磁極M1 ,M2 に対して所定の角度離れた位置にある他の2個の界磁極M8 ,M 9 も同極性に形成されている。その他の点は図1の実施例と同様である。
【0040】 図4の実施例においては、点火用コイル巻回部11zの連結部11xに流れる 磁束φa が図5(A)のように、1回転当り2回交番する。これらの磁束の交番 により、点火用発電コイル5に図5に示すような電圧Va3,Va1,Va4及びVa3 ´,Va1´,Va4´が誘起する。この点火用発電コイル5により図2に示した点 火装置を駆動した場合には、図5(C)に示すように1回転当り2回コンデンサ 3が充電され、1回転当り2回点火動作が行われる。図5(B)において、後か ら発生する負の半サイクルの電圧Va4´がサイリスタ4をトリガするレベルに達 する位置は、機関の上死点後約130度の位置であり、2サイクル機関の場合、 圧縮行程前であるため、機関の動作にはなんら支障を来さない。
【0041】 図4に示した実施例では、磁束φaが交番し、その変化量が図1に示した例よ りも大きいため、点火用発電コイル5に誘起する電圧の波高値を高くすることが できる。
【0042】 図1に示した実施例では、磁石回転子の界磁極M12,M1 ,M2 が、同極性( S極)になっているが、この場合、図6に示したように、界磁極M12,M1 及び M2 を3つの界磁極分の極弧角を有する1つの界磁極M1 ´で置き換えることが できる。
【0043】 また図4に示した実施例においても、図7に示したように、界磁極M1 ,M2 を2極分の極弧角を有する1つの界磁極M1 ´で置き換えることができ、界磁極 M7 ,M8 を2極分に相当する1つの界磁極M8 ´で置き換えることができる。 上記の実施例において、固定子の点火用コイル巻回部11zの連結部11xに 点火用発電コイル5を巻き易くするため、図8に示すように、点火用コイル巻回 部11zの両端に鳩尾状の嵌合凸部21,21を設け、固定子鉄心の継鉄部1y に嵌合凹部22,22を設けて、嵌合凸部21,21を嵌合凹部22,22に嵌 合させることにより、点火用コイル巻回部11zを固定子鉄心に取り付ける構造 にするのが好ましい。このように構成しておけば、点火用コイル巻回部11zを 固定子鉄心から外した状態で点火用発電コイル5を巻回することができるため、 該発電コイルの巻回作業を容易にすることができる。
【0044】 また図9に示したように、連結部11xの両端に鳩尾状の凸部23,23を設 けるとともに、突極部11a,11bの対向面に鳩尾状の凹部24,24を設け て、連結部11xのみを後から取り付けるようにしても同様の効果を得ることが できる。
【0045】 上記の各実施例では、点火用コイル巻回部が1つだけ設けられているが、多気 筒内燃機関を点火するために、2以上の点火用コイル巻回部を設けることができ る。
【0046】 例えば図1に示した実施例において、点火用コイル巻回部11zを180度間 隔で2個設けることにより、2気筒内燃機関を点火する点火装置を駆動すること ができる。
【0047】 上記の実施例において、突極部11c〜11kにそれぞれ巻かれるコイルの巻 き方向を図示の方向と逆にすることもできる。同様に、磁石回転子の各界磁極の 極性を図示の極性と反対の極性にしてもなんら差支えない。
【0048】 上記の実施例では、点火用発電コイル5により点火エネルギーを供給するとし たが、この点火用発電コイル5を点火時期を定める信号を発生する信号源として 用いて、該信号源の出力により、バッテリを電源とした電流遮断断形の点火装置 の点火時期を定めるようにすることもできる。従って、本考案は、上記実施例の ように、コンデンサ放電式の点火装置を駆動する場合に限定されない。
【0049】 上記の実施例において、点火用コイル巻回部11zを他の部分と別体に形成す ることもできるが、このようにした場合には、点火用コイル巻回部11zの継鉄 部に取付け孔を設ける必要があるだけでなく、図1に示した磁束φ1 ,φ2 の内 、φ2 がなくなるため、一般負荷用の発電コイルの出力が低下するのを避けられ ない。
【0050】 上記の実施例では、n=6として、12極の構成を基本としたが、極数はこれ に限定されるものではなく、6極以上の構成を基本として本考案を実施すること ができる。
【0051】
【考案の効果】
以上のように、本考案によれば、極間隔が本来の極間隔の2倍に拡大された2 個の突極部間を連結部により連結した構造を有する点火用コイル巻回部を設けて 、該点火用コイル巻回部の連結部に点火用発電コイルを巻回するようにしたので 、固定子鉄心の径を大きくすること無く、点火用発電コイルの巻回軸方向の長さ を長くすることができ、発電機の大形化を招くこと無く、コイルの層数を少なく してコイルの温度上昇を抑制することができる利点がある。
【0052】 また請求項1に記載した考案によれば、点火用発電コイルは1個のピークを有 する負の半サイクルの電圧と2個のピークを有する正の半サイクルの電圧と1個 のピークを有する負の半サイクルの電圧とからなる交流電圧を1回転当り1回誘 起するので、発電コイルから得られる正の半サイクルの出力で点火エネルギー蓄 積用コンデンサを充電し、正の半サイクルの出力に続いて発生する負の半サイク ルの出力で点火時期を定めるようにすることにより、1回転当たり1回の点火動 作を行わせることができる。またバッテリを電源とした電流遮断形の点火装置が 用いられる場合には、上記点火用発電コイルを信号源として用いて、正の半サイ クルの出力により点火時期を決定することにより、1回転当り1回の点火動作を 行わせることができる。
【0053】 更に請求項2に記載した考案においては、点火用発電コイルが1個のピークを 有する負の半サイクルの電圧と1個のピークを有する正の半サイクルの電圧と1 個のピークを有する負の半サイクルの電圧とからなる交流電圧を1回転当り2回 発生するため、1回転当たり2回点火動作が行われることになり、後から発生す る点火火花は無駄火となるが、2サイクル機関の場合には、この無駄火の発生位 置を圧縮行程以外の行程中に設定しておけば機関の動作に支障を来すことがない 。従って、多極の磁石は発電機内に点火用発電コイルを設けて、2サイクル機関 を点火する点火装置を駆動することができる。特にこの場合、点火用発電コイル と鎖交する磁束の変化量を大きくすることができるため、該発電コイルの出力電 圧の波高値を高くして点火性能を高くすることができる。
【0054】 また本考案によれば、点火用コイル巻回部を構成する突極部にはコイルを巻回 しないため、該突極部の周囲に比較的広いスペースを確保することができ、点火 用発電コイルからのリード線の引き出しを容易にすることができる利点がある。 更に、本考案では、点火用発電コイルを巻回するに当り、1つ置きの突極部に コイルを巻回する必要が無いため、点火用発電コイルの巻回を容易にすることが できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例の構成を一部省略して示した正
面図である。
【図2】本考案の磁石発電機により駆動できる点火装置
の構成例を示した回路図である。
【図3】(A)ないし(E)は図1の磁石発電機で図2
の点火装置を駆動した場合の、発電機の磁束波形及び電
圧波形と点火装置内のコンデンサの端子電圧波形とを示
した波形図である。
【図4】本考案の他の実施例の構成を一部省略して示し
た正面図である。
【図5】(A)ないし(C)は図4の磁石発電機を用い
て図2の点火装置を駆動した場合の磁束波形と電圧波形
とを示した波形図である。
【図6】本考案の他の実施例で用いる磁石回転子のボス
部を省略した正面図である。
【図7】本考案の更に他の実施例で用いる磁石回転子の
ボス部を省略した正面図である。
【図8】本考案で用いる固定子鉄心の構成例を示した正
面図である。
【図9】本考案で用いる固定子鉄心の他の構成例を示し
た正面図である。
【図10】従来の磁石発電機で駆動されていた点火装置
の回路構成の一例を示した回路図である。
【符号の説明】
5…点火用発電コイル、11…固定子鉄心、11a〜1
1k…突極部、11x…連結部、11z…点火用コイル
巻回部、12c〜12k…一般負荷用発電コイル、14
…磁石回転子、15…磁石、M1 〜M12…界磁極。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 360/n(nは3以上の整数)度の角
    度間隔で配置された2個の突極部間を径方向と直交する
    方向に伸びる連結部により連結した構造を有する点火用
    コイル巻回部を少なくとも1個有し、該点火用コイル巻
    回部を構成する2個の突極部以外の他の突極部は360
    /2n度の角度間隔で配置されている環状の多極固定子
    鉄心と、 前記点火用コイル巻回部の連結部に巻回された点火用発
    電コイルと、 前記固定子鉄心の突極部の先端に対向する磁石界磁極を
    有する磁石回転子とを具備し、 前記磁石回転子は、等角度間隔で並ぶ2n個の界磁極を
    構成し得るように配置された磁石を有し、 隣り合う特定の界磁極が同極性を呈し、他の界磁極は隣
    り合う界磁極同士が互いに異なる極性を呈するように、
    前記磁石が着磁されていることを特徴とする内燃機関用
    磁石発電機。
  2. 【請求項2】 360/n(nは3以上の整数)度の角
    度間隔で配置された2個の突極部間を径方向と直交する
    方向に伸びる連結部により連結した構造を有する点火用
    コイル巻回部を少なくとも1個有し、該点火用コイル巻
    回部を構成する2個の突極部以外の他の突極部は360
    /2n度の角度間隔で配置されている環状の多極固定子
    鉄心と、 前記点火用コイル巻回部の連結部に巻回された点火用発
    電コイルと、 前記固定子鉄心の突極部の先端に対向する磁石界磁極を
    有する磁石回転子とを具備し、 前記磁石回転子は、等角度間隔で並ぶ2n個の界磁極を
    構成し得るように配置された磁石を有し、 隣り合う特定の2個の界磁極と該特定の2個の界磁極に
    対して所定の角度離れた位置で隣り合う他の2個の界磁
    極とがそれぞれ同極性を呈し、他の界磁極は隣り合うも
    の同士が互いに異なる極性を呈するように前記磁石が着
    磁されていることを特徴とする内燃機関用磁石発電機。
JP5975091U 1991-07-30 1991-07-30 内燃機関用磁石発電機 Pending JPH0511775U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5975091U JPH0511775U (ja) 1991-07-30 1991-07-30 内燃機関用磁石発電機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5975091U JPH0511775U (ja) 1991-07-30 1991-07-30 内燃機関用磁石発電機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0511775U true JPH0511775U (ja) 1993-02-12

Family

ID=13122236

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5975091U Pending JPH0511775U (ja) 1991-07-30 1991-07-30 内燃機関用磁石発電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0511775U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004032312A1 (ja) * 2002-10-04 2004-04-15 Mitsuba Corporation 始動発電システム及び始動発電機

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5080520A (ja) * 1973-11-21 1975-06-30
JPS60132953A (ja) * 1983-11-21 1985-07-16 イ−ストマン コダック カンパニ− α,β―不飽和ケトンの製法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5080520A (ja) * 1973-11-21 1975-06-30
JPS60132953A (ja) * 1983-11-21 1985-07-16 イ−ストマン コダック カンパニ− α,β―不飽和ケトンの製法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004032312A1 (ja) * 2002-10-04 2004-04-15 Mitsuba Corporation 始動発電システム及び始動発電機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4636671A (en) Magneto generator for internal combustion engine
US3623467A (en) Triggering magnet and coil assembly for use with an ignition system including a permanent magnet alternator
US5704338A (en) Flywheel magneto generator
JPH0511775U (ja) 内燃機関用磁石発電機
US3942501A (en) Timing circuit for flywheel ignition system
JP3707529B2 (ja) 内燃機関駆動発電装置
JP2560031Y2 (ja) 3気筒内燃機関用磁石発電機
JP2560032Y2 (ja) 3気筒内燃機関用磁石発電機
JP2569834B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JPH0521978Y2 (ja)
JP3412370B2 (ja) 内燃機関用磁石発電機の固定子
JPS6067769A (ja) エンジン用点火装置
JPH0430379Y2 (ja)
JP2517335Y2 (ja) フライホイ−ル磁石発電機
JPS60131054A (ja) 内燃機関無接点点火装置用多極磁石発電機
JPS586066B2 (ja) 内燃機関用無接点点火装置
JP2569836B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JPS585088Y2 (ja) 無接点点火装置用磁石発電機
JPS585090Y2 (ja) 内燃機関点火装置
JPS6220704Y2 (ja)
JP2522849Y2 (ja) 内燃機関点火装置用信号発生装置
JPH0717816Y2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP2653230B2 (ja) 多気筒内燃機関用点火装置
JPH0799914B2 (ja) 磁石発電機
JP3435922B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関点火装置用磁石発電機

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19970128