JP2522849Y2 - 内燃機関点火装置用信号発生装置 - Google Patents

内燃機関点火装置用信号発生装置

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JP2522849Y2
JP2522849Y2 JP422491U JP422491U JP2522849Y2 JP 2522849 Y2 JP2522849 Y2 JP 2522849Y2 JP 422491 U JP422491 U JP 422491U JP 422491 U JP422491 U JP 422491U JP 2522849 Y2 JP2522849 Y2 JP 2522849Y2
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浩 山田
三雄 勝又
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国産電機株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、磁気センサを用いて点
火信号を発生させる、内燃機関点火装置用信号発生装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関用点火装置は一般に、点火コイ
ルの1次側に1次電流制御用の半導体スイッチを備えて
いて、該半導体スイッチを遮断または導通させることに
より点火コイルの1次電流を急変させて該点火コイルの
2次コイルに高電圧を誘起させ、該高電圧を機関の気筒
に取付けた点火プラグに印加して火花を飛ばすようにし
ている。点火位置を定めるため、内燃機関に信号発生装
置を取付け、該信号発生装置から得られる信号を点火信
号として、該点火信号により半導体スイッチを導通また
は遮断させる。
【0003】また信号発生装置から得られる信号に含ま
れる回転角度情報及び速度情報に基づいて点火位置を演
算して、演算した点火位置で1次電流制御用半導体スイ
ッチに点火信号を与える場合もある。
【0004】信号発生装置としては種々のものが実用化
されるているが、その一種として磁気センサを用いたも
のが知られている。
【0005】図7はこの種の信号発生装置を用いた点火
回路の一例を示したもので、この点火回路では、機関と
同期回転する磁石発電機に設けたエキサイタコイルEX
の出力により整流器Dを通して点火エネルギ蓄積用コン
デンサCを充電し、機関の点火位置で信号発電子4から
1次電流制御用半導体スイッチとしてのサイリスタTH
に点火信号を与える。これによりサイリスタTHが導通
すると、点火エネルギ蓄積用コンデンサCの電荷が点火
コイルの1次コイルL1 を通して放電する。これにより
点火コイルの鉄心中で大きな磁束変化が生じ、2次コイ
ルL2 に高電圧が誘起する。この高電圧は点火プラグP
に印加されるため、該点火プラグに火花が飛び、機関が
点火される。
【0006】信号発電子4は、ホール素子またはホール
ICを用いた磁気センサからなっていて、この磁気セン
サには機関と同期回転する回転子により磁束変化が与え
られる。磁気センサの入力端子4aには、エキサイタコ
イルEXの出力の一部を整流して得た直流電圧、または
バッテリにより低電圧の駆動電圧が印加され、機関の点
火位置で磁気センサに磁束変化が与えられたときに出力
端子4bに信号電圧が得られるようになっている。
【0007】図8は磁気センサを用いた従来の信号発生
装置の構造を示したもので、この信号発生装置は、磁性
材料からなる回転体の外周にリラクタ2を設けた回転子
1と、信号発電子4とからなっている。
【0008】信号発電子4は、中央脚部8aを有する磁
路構成部材8を備え、中央脚部8aの先端に磁気センサ
7が固定されている。磁気センサ7はホールICからな
っていて、その一面がリラクタ2とギャップを介して対
向する状態で取付けられている。中央脚部8aの両側に
は2個の永久磁石6a及び6bが取付けられ、これらの
磁石の一方の磁極がリラクタ2とギャップを介して対向
するようになっている。永久磁石6a及び6bのリラク
タと対向する側の磁極は互いに異極に直磁されていて、
リラクタ2が一方の永久磁石6aと磁気センサ7とに対
向する図示の状態では、図に破線矢印で示した方向の磁
束が磁気センサ7を通して流れる。回転子1が図示の実
線矢印方向に回転してリラクタ2が磁気センサ7と他方
の永久磁石6bとに対向する状態になると、図示の破線
矢印方向と反対の方向の磁束が磁気センサ7を通して流
れる。従って回転子1の回転により磁気センサ7を通る
磁束が交番し、この磁束の交番に感応して磁気センサ7
から電気信号が出力される。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】上記従来の信号発生装
置では、磁気センサを通る磁束を交番させるために2個
の永久磁石を用いる必要があり、そのため信号発生装置
の構造が複雑で大形になるという問題があった。
【0010】本考案の目的は、1個の永久磁石を用いて
磁気センサを通る磁束を交番させることができるように
して、構造の簡素化と小形化とを図った内燃機関点火装
置用信号発生装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本考案はリラクタを備え
た回転子と、このリラクタにより生じさせられる磁束変
化に応じて信号を出力する信号発電子とを備えた内燃機
関点火装置用信号発生装置において、1個の永久磁石を
用いるだけで磁気センサに交番する磁束変化を与えるこ
とができるようにしたものである。
【0012】そのため本考案においては、回転軸との相
対的位置が回転角度位置により変化しない標準面を回転
子に設ける。また信号発電子は、回転子の回転方向に間
隔をあけた状態で設けられてリラクタに対向する磁極部
を先端に有する対の脚部と、この対の脚部の回転子と反
対側の端部間を連結する継鉄部とを備えた磁極構成体
と、磁極構成体の継鉄部に一方の磁極が結合された永久
磁石と、対の脚部間に配置されて対の脚部のそれぞれの
先端の磁極部がリラクタに対向した際に両脚部間を流れ
る磁束に感応して電気信号を出力する磁気センサと、永
久磁石の他方の磁極に結合された部分と基準面にギャッ
プを介して対向する部分とを有する磁路構成部材とによ
り構成する。
【0013】上記磁気センサはホール素子またはホール
ICにより構成できる。
【0014】上記基準面は回転子の回転軸からの径方向
距離が回転角度位置により変化しない円筒面であっても
よく、また回転角度位置により軸線方向の位置が変化し
ない円環状の面であっても良い。
【0015】
【作用】上記のように構成すると、永久磁石の他方の磁
極に結合された磁路構成部材は、常に回転子の基準面と
一定のギャップを介して対向する。一方磁極構成体の対
の脚部のそれぞれの先端の磁極部と回転子との間の磁気
抵抗は、回転子が回転する過程でリラクタが各磁極部と
対向する毎に変化する。そのため、リラクタが一方の脚
部の磁極部と対向した状態では、対の脚部間に一方の方
向の磁位差が生じて対の脚部間に配置された磁気センサ
に一方の方向の磁束が通る。回転子が回転してリラクタ
が他方の脚部の磁極部と対向すると、対の脚部間には反
対方向の磁位差が生じて磁気センサに反対方向の磁束が
通る。
【0016】従って、1個の永久磁石を用いて磁気セン
サを通る磁束を交番させて変化させることができ、信号
発電子の構造を簡単にすることができる。
【0017】
【実施例】図1(A)ないし(C)及び図3は本考案の
実施例の構造を示したもので、同図において1は磁性体
からなる円筒状の回転体の外周にリラクタ2を設けた回
転子である。回転子1を構成する回転体としては例えば
フライホイール磁石回転子のカップ状のフライホイール
を用いることができる。フライホイールを用いる場合に
は、その周壁部の一部を外側に打ち出すことによりリラ
クタ2を構成できる。リラクタ2は、回転子の外周面の
軸線方向の領域の一部のみを占めるように設けられてお
り、リラクタ2の側方の外周面は、回転軸中心からの距
離rが回転子の回転角度位置により変化しない円筒面状
の基準面3となっている。
【0018】4は図示しない内燃機関のクランクケース
等に固定された信号発電子で、該信号発電子4と回転子
1とにより内燃機関点火装置用信号発電装置が構成され
ている。
【0019】信号発電子4は図1に示したように、磁極
構成体5と1個の永久磁石6と磁気センサ7と磁路構成
部材8とにより構成されている。磁極構成体5は、回転
子1の回転方向に間隔をあけた状態で設けられてリラク
タ2と小ギャップを介して対向する磁極部52及び54
をそれぞれ先端に有する対の部51及び53と、これ
らの対の脚部の回転子1と反対側の端部を連結する継鉄
部55とを備えている。永久磁石6はその一方の磁極
(本実施例ではN極)が磁極構成体の継鉄部55に結合
されている。磁路構成部材8は磁性材料の板からなって
いて、永久磁石6の他方の磁極(本実施例ではS極)に
結合された部分と回転子1の基準面3に小ギャップを介
して対向する極部81とを有している。
【0020】磁気センサ7は磁極構成体5の対の脚部5
1と53の間に配置されている。この磁気センサ7はホ
ールICからなり、その入力端子には図示しない電源よ
り定電圧の直流電圧が印加されていて、磁極構成体5の
対の脚部51と53との間に生ずる磁界によって流れる
磁束に感応して該磁気センサ7の出力端に電気信号を出
力する。
【0021】磁極構成体5の一方の磁極部52がリラク
タ2と対向する図1(A)に示した状態では、永久磁石
6のN極→継鉄部55→脚部51→磁極部52→リラク
タ2→基準面3→磁路構成部材8→永久磁石6のS極の
経路で磁束が流れるとともに、永久磁石6のN極→継鉄
部55→脚部53→磁気センサ7→脚部51→磁極部5
2→リラクタ2→基準面3→磁路構成部材8→永久磁石
6のS極の経路でも磁束が流れ、磁気センサ7には図示
の破線矢印方向の磁束φa (磁束密度Ba )が流れる。
回転子1が図示の実線矢印方向に回転してリラクタ2が
磁極構成体5の磁極部54と対向する図1(B)に示す
状態になると、永久磁石6のN極から出た磁束は脚部5
3→リラクタ2の経路を流れるとともに、一部の磁束は
継鉄部55→脚部51→磁気センサ7→脚部53→磁極
部54→リラクタ2→基準面3→磁路構成部材8→永久
磁石6のS極の経路を流れ、磁気センサ7には同図に破
線矢印で示したように磁束φa と反対方向の磁束φb
(磁束密度Bb )が流れる。図3(A)は、回転子1の
回転角θに対する磁気センサ7の磁束密度Bの変化の様
子を示したものであり、また図3(B)はこの磁束密度
の変化に応じて磁気センサ7(ホールIC)から出力さ
れる電気信号の波形を示したものである。
【0022】同図において、磁気センサ7を一方向に磁
束が流れる間に磁束密度Ba が上昇して回転子1の回転
角度位置θ1 においてホールICの出力動作レベル+B
t に達すると、磁気センサの出力が高レベル(H)とな
り、磁束の方向が反転して、回転角度位置θ2 において
磁束密度Bb がホールICの出力動作レベル−Bt にな
ると、磁気センサの出力が低レベル(L)になる。高レ
ベルの電気信号出力を点火回路の1次電流制御用半導体
スイッチに点火信号として供給すると、回転角度位置θ
1 において点火を行わせることができる。
【0023】また、信号発電子から得られる信号に含ま
れる回転角度情報に基づいて点火位置を演算する点火装
置が知られているが、本考案の信号発生装置はこのよう
な点火装置に信号を供給する目的にも用いることができ
る。
【0024】例えば機関の最大進角位置及び最小進角位
置でそれぞれ発生する信号を入力として、各回転数にお
ける点火位置を演算する点火装置が知られている。この
ような点火装置に供給する信号を得る場合には、信号発
電子4の取付け位置を調整し、磁極部52,54の間隔
を最大進角幅に等しく設定することにより、磁気センサ
の出力信号が高レベルに立上がる角度θ1 及び該出力信
号が低レベルに立ち下がる角度θ2 をそれぞれ機関の最
大進角位置及び最小進角位置に対応させればよい。
【0025】上記の実施例においては磁気センサ7はホ
ールICにより構成したが、磁気センサとしてホール素
子を用いてその出力側に必要に応じて増幅回路及び波形
整形回路を接続するようにしてもよい。
【0026】図4は本考案の他の実施例を示したもの
で、この実施例においては、カップ状のフライホイール
からなる回転子の周壁部の端面が基準面3となってい
る。この基準面3は、回転子の軸線方向の基準位置(例
えば回転子のボス部11の端面)からの距離Lが回転子
1の回転角度位置により変化しない円環状の面である。
即ちこの場合の基準面3は、回転子の回転角度位置によ
って軸線方向の位置及び面積が変化しない面である。
【0027】図5は本考案の更に他の実施例を示したも
ので、この実施例においては回転子1に設ける基準面3
を回転子の周壁部の端面とし、機関のクランクケースの
一部を構成する磁性部材10を小ギャップを介して基準
面3に対向させている。そして永久磁石6の他方の磁極
に結合された板状部材9を磁性部材10にネジ止めし、
該板状部材9と磁性部材10とにより磁路構成部材8を
構成している。
【0028】以上の実施例においては、回転子の周壁の
一部を外方に突出させてリラクタ2を形成したが、図6
に示したように回転子1の周壁の一部に凹所を形成して
該凹所をリラクタ2としてもよい。この場合には、リラ
クタ2(凹所)が磁極構成体5の磁極部52と対向する
図6(A)に示した状態では、永久磁石6のN極から出
た磁束の一部が磁路構成部材8→基準面3→磁極部54
→脚部53→磁気センサ7→脚部51→継鉄部55→永
久磁石6のS極の経路で流れて、磁気センサ7に、同図
(A)に斜線矢印で示した方向の磁束φa (磁束密度B
a )が流れる。回転子1が図示の実線矢印方向に回転し
てリラクタ2(凹所)が磁極構成体5の磁極部54と対
向する図7(B)に示した状態になると、永久磁石6の
N極から出た磁束の一部が磁路構成部材8→基準面3→
磁極部52→脚部51→磁気センサ7→脚部53→継鉄
部55→永久磁石6のS極の経路で流れ、磁気センサ7
には、同図(B)に破線矢印で示したように磁束φa と
反対の方向の磁束φb (磁束密度Bb )が流れる。従っ
て回転子1の回転により磁気センサ7の磁束密度Bが交
番する。
【0029】
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、信号発
電子に1個の永久磁石を用いて磁気センサを通る磁束を
交番させて変化させることができるので、構造が簡単で
小形の内燃機関点火装置用信号発生装置を得ることがで
きる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例の要部の構造を示したもので、
(A)及び(B)はリラクタの回転方向位置が互いに異
なる状態における正面図、(C)は(B)の側面図であ
る。
【図2】図1の実施例の回転子の半部と信号発電子とを
示す側面図である。
【図3】(A)は図1の実施例における磁気センサの磁
束密度を示した線図、(B)は磁気センサの出力信号の
波形を示した線図である。
【図4】本考案の他の実施例の要部を示す縦断面図であ
る。
【図5】本考案の更に他の実施例の要部を示す縦断面図
である。
【図6】本考案の更に他の実施例の要部の構造を示した
もので、(A)及び(B)はリラクタの回転方向位置が
互いに異なる状態を一部断面して示した正面図であり、
(C)は(A)の側面図である。
【図7】本考案で用いる点火回路の一例を示した接続図
である。
【図8】従来例の構造を示した正面図である。
【符号の説明】
1 回転子 2 リラクタ 3 基準面 4 信号発電子 5 磁極構成体 51,53 対の脚部 52,54 対の脚部の磁極部 6 永久磁石 7 磁気センサ 8 磁路構成部材

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リラクタを備えた回転子と、前記リラク
    タにより生じさせられる磁束変化に応じて信号を出力す
    る信号発電子とを備えた内燃機関点火装置用信号発生装
    置において、前記回転子は回転軸との相対的位置が回転
    角度位置により変化しない面を基準面として有し、前記
    信号発電子は、前記回転子の回転方向に間隔をあけた状
    態で設けられて前記リラクタに対向する磁極部を先端に
    有する対の脚部と該対の脚部の回転子と反対側の端部間
    を連結する継鉄部とを備えた磁極構成体と、前記磁極構
    成体の継鉄部に一方の磁極が結合された永久磁石と、前
    記対の脚部間に配置されて該対の脚部のそれぞれの先端
    の磁極部がリラクタに対向した際に両脚部間を流れる磁
    束に感応して電気信号を出力する磁気センサと、前記永
    久磁石の他方の磁極に結合された部分と前記基準面にギ
    ャップを介して対向する部分とを有する磁路構成部材と
    を具備したことを特徴とする内燃機関点火装置用信号発
    生装置。
  2. 【請求項2】 前記磁気センサはホール素子またはホー
    ルICからなっていることを特徴とする請求項1に記載
    の内燃機関点火装置用信号発生装置。
  3. 【請求項3】 前記基準面は回転子の回転軸からの径方
    向距離が回転角度位置により変化しない円筒面からなっ
    ていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関点火
    装置用信号発生装置。
  4. 【請求項4】 前記基準面は回転角度位置により軸線方
    向の位置が変化しない円環状の面からなっていることを
    特徴とする請求項1に記載の内燃機関点火装置用信号発
    生装置。
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