JPS589381Y2 - パルス信号発生装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、時間間隔をおいて極性が順次反転するパルス
を発生する回転式パルス発生装置に関連するものである
。

順次に極性が反転する電気的トリガ・パルスの発生を必
要とする回路が用途によっては使われる。

たとえば、アメリカ合衆国特許第３５６６１８８号は、
永久磁石発電気をもつ２気筒エンジン用の同期発電機駆
動コンデンサ放電点火装置を開示し、この装置は逆極性
のトリガ・パルスを発生する。

また、アメリカ合衆国特許第３５７７９７１号は、磁極
片と永久磁石との結合装置を開示し、磁極片の結合部に
おいて単極性のパルスを発生するに必要な不連続性を提
供する。

これらの従来装置にはそれぞれ特徴はあるが、未だ最適
トリガ制御を与えるとは考えられない。

上記特許第３５６６１８８号は微少な先行及び後続パル
スを発生し、これが回路の安定度を阻害する。

上記及びその他の従来装置は、整流器などを所要範囲に
わたろで高信頼度をもって確実にトリガするに適する明
確な出力を発生しない。

とくに、船外エンジンなどの場合には、点火を、たとえ
ば毎分８０回転等の極めて低い速度においても確実に行
わなければならない。

一般に従来装置はこのような低速において所要の点火信
頼度を確保できない欠点をもつ。

本考案は、回転部分と静止部分との間に比較的大きい空
気間隙をもちクランク速度が非常に遅い場合にも振幅が
大きく時間間隔のあるパルスを発生し、かつ、非常に遅
いクランク速度においても点火装置に対して高信頼度の
スイッチ信号を与えしかもクランク軸に取付けた回転部
材の機械的偏倚に影響されない。

可動部と静止部との間の所要空気間隙を除けば、全磁路
に対して効率の高い低リラクタンス磁路を使っているの
で、大きな空気間隙に対しても動作能力をもつ。

本考案構造は、軽量大出力内燃機関の固定子と回転子と
の間において、燃料負荷変動や回転質の影響による磯釣
偏倚があっても、これに対応できる。

回転子位置や回転子の回転の有無に関係なく、磁石とピ
ックアップ・コイルとの間の相対的横運動が、ピックア
ップ・コイル内に出力を誘起する。

大きなトリガ・パルスを発生するために比較的小さい空
隙を使う場合には、機械的偏倚により誤ったトリガ信号
が発生し、点火装置の点火タイ□ングを狂わせエンジン
を傷めるおそれがある。

本考案では、パルス発生装置の可動部と静止部との間に
大きなりリアランス空隙を設け、上記の誤信号のおそれ
を少なくし、かつ上記偏倚を無害にする。

この効果が得られるのは、小空隙の場合に比して大空隙
の場合には、予想される通常の大きさの偏倚が空隙に対
してしめる割合が小であり、したがって磁路におけるリ
ラクタンス変動も低下する。

各パルスは単一極性であり、順次に発生する順次パルス
は交互に反転する。

本考案によれば、円周方向に延在する複数個の磁石を使
い、その隣接端部を接触させるか又は微小間隔をおいて
対向させ、これらの磁石の主平面と直交する軸線のまわ
りに回転できるようにこれらの磁石を取付ける。

一般に、磁石は平板状とし、接触させるか又は微小間隙
をおいた端末部を不連続とする。

本考案の原理によれば、実質的に連続的である磁路を形
成する磁石を、上記軸線方向に磁化し、しかも隣接磁石
の極性を逆にする。

本出願人は、この極性反転が単一急変をもつ磁束パター
ンを発生し、隣接磁石の接触端部ごとに比較的大きな振
幅の単一パルスの発生をすることを見出した。

回転子に取付ける複数個の磁石は、好ましくは、連続的
環状に形成し、その対向端面を平面とし、直径を隔てて
対向する半割部な軸線方向に逆向きに磁化し、周縁極の
１８０を下廻る部分を覆うパッドを取付け、各極の対向
部には空隙を形成する。

磁石から半径方向外向きに突出するシューを設ける。

Ｕ字形磁心のまわりに巻線を巻き、磁心のアームを上記
シューに心合せし、磁心開口部を回転子に向ける。

以下添付図を参照して本考案を詳細に説明する。

第１図は、１対の点火プラグ２，３をもつ２気筒内燃エ
ンジン１に使用するアメリカ合衆国特許第３５６６１８
８号の点火回路に類似の点火回路を示す。

エンジン１によって駆動される同期発電機４が主点火コ
ンデンサ５を充電し、これに並列接続した放電回路６，
７をスパーク・プラグ２゜３へそれぞれ接続する。

回路６は、トリガ・スイッチを形成するシリコン制御整
流器８をもち、主点火コンデンサ５の端子間に接続され
たパルス変圧器９と直列にこのスイッチを接続する。

パルス成形回路１０は、整流器８のゲート回路をパルス
発生装置１１へ接続し、このパルス発生装置が本発明の
要旨を形成する。

この回路１０は、発電機４の出力へ分離抵抗、器１３を
介して接続され同時充電される補助コンデンサ１２をも
つ。

パイロット制御整流器１５と直列のパルス変圧器１４を
、コンデンサ１２の端子間に接続する。

被制御整流器１５をパルス発生装置１１の出力によって
付勢作動し、被制御整流器１５０点弧タイミングを適当
にすることにより、被制御パルス成形回路１０及び回路
７の同様な成形回路１０′を介してコンデンサ１２を放
電する。

本考案によるパルス発生装置１１は、回転子ユニット回
転磁石装置１６及び整流器１５．１５に接続されたコイ
ル・ユニット１７をもつ。

ピックアップ・コイル・ユニット１７の単一巻線１８の
ゴ端を、直列抵抗器１９を介してパイロット制御整流器
１５のゲート２０へ接続し、その他端を直列抵抗器２１
を介して他方のパイロット制御整流器１５′のゲート２
０′へ接続する。

そのノ帯路は、本願と同時出願する本出頭人の「先行安
定化装置をもつ点火装置」と題する特許願に示す方法に
よって形成することが望ましい。

各整流器の陰極は、共通接地線２２及び自己偏倚容量性
回路２３を介して、巻線１８の帰路を形成する１対の帰
路ダイオード２４及び２５の共通結合点へ接続する。

回転子ユニット１６の一部を形成する中央ボス支持体２
６を、エンジン１の出力軸２７に直結するか又はこの出
力軸と同期駆動される他の適当な回転体に結合し、内燃
エンジン１のクランク軸及びピストンと適当なタイミン
グ関係にある運動をさせる。

船外エンジンやスノーモビールなどの小型２サイクル・
エンジンの場合には、回転子ユニットをエンジンはずみ
車と一体形成してもよい。

１対の永久磁石２８及び２９を支持体に取付け、連続環
状すなわちドーナツ状の永久磁石装置を形成する。

磁石装置の材料は、従来のフェライトや比較的高い残磁
性を示す他の合金などの適当な永久磁石材料でよい。

２つの永久磁石を、１８０づつの１対の手内部材として
別々に形成してその端面が接触するように配置するか、
又は単一連続エレメントとして形成しその対向１８０￥
内部を適当に磁化して磁石対を形成してもよい。

本考案では、磁石２８．２９を軸線方向に磁化し、相互
に逆極性とする。

第１図において、磁石２８はＮ極を頂面にＳ極を底面に
形成するように軸線方向磁化を受け、その周縁に下向き
のリターン磁束を形成する。

磁石２９は逆極性に磁化される。１対の個別磁極シュー
３０．３１を各磁石２８゜２９にそれぞれ取付げる。

シューの各対を構成する対応磁鋼セクタ（ｍａｇｎｅｔ
ｉｃ ５ｔｅｅｌ ５ｅｃｔｏｒ）を、対応磁石の対向
磁極面に接触係合するようにクランプする。

各シューの周縁部を対応磁石の外測へ等しく突出させ、
磁石の実際の磁束が磁極片シューから磁石端縁を経て垂
直に対向磁極片シューへ向うようにし、図中記号３２．
３３でこの磁束を示す。

磁極片シューの外周長さを１８０°よりわずかに短かく
し、それぞれの端部の間に高リラクタンス間隙磁石接合
部３４．３５を形成する。

図示実施例では、共通ピックアップ・コイル１８をＵ字
形磁心３６に巻付け、その開口部を回転子ユニットの周
縁部へ向ける。

すなわち、Ｕ字形磁心３６は上下アーム３７及び３８と
、これらアームの外側端部な結合する連結磁心部材から
なり、コイル１８をこの連結磁心部材に巻付げる。

アーム３７及び３８の内方端に取付けた磁極片３９は、
上記シューの外縁部と心合せされた位置で相互に接近す
る方向に延在する。

コイル・ユニット１７を適当に配置して、その磁極アー
ムと磁極シュー３０．３１の周縁との間にわずかな空隙
をおく。

心合せ位置へきた磁石２８又は２９の磁路は、Ｎ極シュ
ーからアーム及び磁心を径でＳ極シューへ帰る。

回転子が一回転するごとに、第３図に示すような交番磁
束が磁心を通過し、この磁束パターンに応じて第４図に
示す電圧がコイル１８内に誘起される。

各シュ一対の端縁間に現われる磁界は、その極性及び強
さともに一定である。

この一定磁束は、コイル１８内に信号を誘起しない。

しかし、回転子がその空隙部分をコイル１８に心合せし
これを通過させるときには、コイル１８を通る磁束が反
転し、パルス信号を発生する。

磁石２８及び２９の両端の磁極片シュ一端面がコイルか
ら離れようとするときに、コイル１８を通る磁束が急減
して両磁極片間の磁束が消失し、その後逆方向に急上昇
する。

第３図は、磁石２８及び２９の磁束パターン、ならびに
シューに加えられさらに回転子ユニットに隣接配置した
コイル１８に結合される磁束パターンの一般的波形を示
す。

このグラフの零点は、第２図で磁石２９の端面４０に対
応し、そこから反時計式向きに進む。

磁石２８及び２９の軌跡を理想化して実線４１で示し、
シュー３０及び３１による修正を点線４２で示す。

したがって、頂部シュ一端面４０で負の最大磁束が現わ
れ、両磁石又は磁界の接合部に向って比例的に減少する
。

接合部では実質的に零の磁界が現われ、その後シュー３
０の端面における正の最大値まで増大する。

このシュー３０の反対側端面に来るまでは磁束の正の最
高レベルが保持され、そこで磁束レベルが零まで下降し
、次のシュー３１にいたって負方向に増大する。

この逆極性シューの端面に到達すると、磁束は負の最大
値になり、このシューに沿って進む間はこの値を保つ。

所定空隙部を除く高効率低リラクタンス鉄磁路及びコイ
ル部が、磁束変化を最大化して大きなパルスを発生させ
、とくにこれを主整流器へ継続接続シて、コンデンサ放
電及びエンジン点火の信頼度を高める。

さらに本出願人は、パルス特性を適当に選ぶことにより
、空隙をかなり大きくしても点火装置の作動特性の低下
を防止できることを見出した。

すなわち、空隙の大きさを約１．５ｍｍ（０，０６０イ
ンチ）程度にできる。

軽量大出力内燃エンジンなどにみられる機械的偏倚によ
るこの空隙の大きさの変動は、ピックアップ・コイル信
号に重大な影響を及ぼすことがなく、したがって点火失
敗を生じない。

すなわち、本考案は船外エンジンなどの用途に対してと
くに有用である。

コイル１８に加えられる磁界はほぼ軌跡４２で示され、
正負の両最大磁束レベルの間に曲線状に変化し、零点を
高速度で通過し、接触隣接部付近で最大傾度を示す。

コイル１８内の磁束が変化するごとにパルス信号が生じ
、第４図に４３で示すパルス軌跡が発生し、各パルスの
振幅は回転子速度に比例する。

各パルスの極性は、磁束変化の方向によって定まる。

磁石２８及び２９の軸線方向磁化とその周縁部ｍ接して
コイル装置を取付けることとの組合せにより、コイル装
置内を通過する磁束を最大化することに成功した。

上記構造は船外エンジンの通常のクランク速度において
充分な振幅をもつパルス信号を高信頼度で発生し、被制
御整流器のトリガ操作とくにパイロット整流器と主整流
器との縦続接続を使う場合のそのトリガ操作の信頼度を
著しく向上できることを見出した。

本考案によるコイルを直接に主整流器８に接続すること
、あるいは他の開閉装置に接続することも可能であるこ
とは言うまでもない。

軸線方向に磁化した磁石を含むパルス発生装置を適当に
改造配置して、その接触結合部及びコイル数をスパーク
・プラグ対に合わせて選定するとともにコイルをこれら
のプラグに接続することにより、内燃エンジンの直接点
火も可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の電気回路図、第２図はパルス発生
装置頂部平面図、第３図はパルス発生装置の磁束変化を
示すグラフ、第４図は上記磁束変化により発生するパル
スを示すグラフである。 ２８．２９：磁石、２７：エンジン出力軸（回転軸）、
２６：支持体、１１：パルス信号発生装置、３２．３３
：磁界、１７：ピックアップ・コイル装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 順次、極性が反転するパルスを時間間隔をおいて発生す
   るため、回転磁石装置１６と、”該回転磁石装置と関係
   するコイル・ユニット１７であって、回転磁石装置が回
   転軸の回りを回転する際にパルスを誘起する巻線３７が
   形成されているコイル・ユニットとを備え、前記回転磁
   石装置が複数の磁石２８．２９を有し、各磁石が前記回
   転軸を中心として実質上回転対称な環状リング片をなし
   ているパルス信号発生装置において、前記磁石リング片
   ２８．２９全体により、実真上３６０°の角度にわたる
   周縁が形成され、各磁石リング片は一定のレベルに着磁
   され、その周縁において互に分離した極を有し、回転時
   に前記極はある磁石リング片から隣りのリング片に移る
   際に反転し、磁石リング片より外径位置に磁界ができ、
   この磁界は各磁石リング片の周縁部のほぼ全長にわたっ
   て磁力線が実質上等しく、この磁力線は前記回転軸を含
   む面内に延在し、かつある磁石リング片から隣りの磁石
   リング片に移るところで方向が反転し、以って隣り合う
   ２つの磁石リング片の境界部が前記コイル・ユニット１
   ７を通過する際に前記巻線を通る磁界の方向が急唆に反
   転するようにし、さらに端部が各磁石接合部３４．３５
   において間隔があげられており、かつ前記磁石の縁面よ
   り径方向に突出している磁極シュー３０．３１を前記磁
   石２８．２９の両磁極に固着し、さらに前記コイルユニ
   ット３７に、前記磁極シュー３０．３１と隣接するよう
   に取り付げられた磁心アーム３７．３Ｂを有する磁心３
   ６を設げたことを特徴とするパルス信号発生装置。