JPH05117329A - オレフイン共重合体の製造方法 - Google Patents

オレフイン共重合体の製造方法

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JPH05117329A
JPH05117329A JP28151991A JP28151991A JPH05117329A JP H05117329 A JPH05117329 A JP H05117329A JP 28151991 A JP28151991 A JP 28151991A JP 28151991 A JP28151991 A JP 28151991A JP H05117329 A JPH05117329 A JP H05117329A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温のヒートシール性、剛性、耐ブロッキン
グ性に優れたランダム共重合体を溶媒可溶副生物の生成
量を抑制しながら製造する。 【構成】 チーグラー型オレフィン重合用触媒の存在下
に、プロピレン、エチレン及び1−ブテンをランダム共
重合してオレフィン共重合体を製造する方法において、
前記チーグラー型オレフィン重合用触媒として (A) マグネシウム、チタン、ハロゲン及びR1 2
3−nSi(OR3 (ここで、R1 は分岐鎖状炭化
水素基を、R2 はR1 と同一か若しくは異なる炭化水素
基を、R3 は炭化水素基を、nは2≦n≦3の数を示
す)で表わされる有機珪素化合物を必須成分として含有
する固体触媒成分と、 (B) 有機アルミニウム化合物 とから形成される触媒を用い、前記オレフィンをプロピ
レン含有量80〜96重量%、エチレン含有量1〜5重
量%及び1−ブテン含有量3〜15重量%となる割合で
共重合させることを特徴とするオレフィン共重合体の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温ヒートシール性、
剛性及び耐ブロッキング性の良好なオレフィン共重合体
の工業的に有利な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高結晶性のポリプロピレンの二軸延伸フ
ィルムは透明性、剛性等において優れた包装材料である
が、ヒートシール性に乏しいため、そのままでは自動包
装機にかけて包装することができない。そこで、このよ
うなポリプロピレンフィルムのヒートシール性を改善す
るために、プロピレンに少量のエチレン、1−ブテンな
どを共重合した結晶性α−オレフィン共重合体を上記ポ
リプロピレンフィルムに積層させた複合フィルムが広く
用いられている。そして、これら共重合体中のコモノマ
ーの含有量が多いほどヒートシール温度が低下し、複合
フィルムの製袋速度を上げることができるので経済的に
有利なものとなる。また、プロピレンと1−ブテンと少
量のエチレンとを共重合したプロピレン共重合体は古く
から公知であり、その製造方法についてもいくつかの提
案がなされている(特開昭49−35487号、特開昭
50−79195号、特開昭52−16588号、特開
昭55−748号、特開昭56−143207号、特開
昭63−95208号などの各号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらプロピ
レン共重合体の製造方法では、低温ヒートシール性と剛
性、耐ブロッキング性のバランスが十分に改良されたも
のであるとは言えず、加えて、スラリー重合法により製
造する場合には、得られるプロピレン共重合体製品のヒ
ートシール温度を下げようとすると、溶媒可溶の副生成
物が急増するために生産性が顕著に低下すると言った問
題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]本発明者らは、上記問題点に鑑みて鋭意
研究を重ねた結果、特定の固体触媒を用いて特定の割合
でプロピレン、エチレン及び1−ブテンのランダム共重
合を行なえば、低温のヒートシール性、剛性、耐ブロッ
キング性に優れたランダム共重合体を溶媒可溶副生物の
生成量を抑制しながら製造することができるとの知見に
基づき本発明を完成するに至ったものである。すなわ
ち、本発明のオレフィン共重合体の製造方法は、チーグ
ラー型オレフィン重合用触媒の存在下に、プロピレン、
エチレン及び1−ブテンをランダム共重合してオレフィ
ン共重合体を製造する方法において、前記チーグラー型
オレフィン重合用触媒として (A) マグネシウム、チタン、ハロゲン及びR1 2
3−nSi(OR3 (ここで、R1 は分岐鎖状炭化
水素基を、R2 はR1 と同一か若しくは異なる炭化水素
基を、R3 は炭化水素基を、nは2≦n≦3の数を示
す)で表わされる有機珪素化合物を必須成分として含有
する固体触媒成分と、 (B) 有機アルミニウム化合物 とから形成される触媒を用い、前記プロピレン、エチレ
ン及び1−ブテンを生成共重合体中のプロピレン含有量
が80〜96重量%、エチレン含有量が1〜5重量%及
び1−ブテン含有量が3〜15重量%となるように共重
合させることを特徴とするものである。
【0005】[発明の具体的説明] [I] オレフィン共重合体の製造方法 (1) チーグラー型オレフィン重合用触媒 (a) 固体触媒成分 本発明のオレフィン共重合体の製造方法において使用さ
れる固体触媒成分としては、マグネシウム、チタン、ハ
ロゲン及び有機珪素化合物の各成分を必須成分として含
有するものであるが、これら成分以外に有機酸エステル
を含有させることもできる。上記マグネシウム成分はハ
ロゲン化マグネシウムによって、チタン成分はハロゲン
化チタンによって、ハロゲン成分はこれらの化合物によ
って固体触媒成分中に導入することが一般的である。
【0006】ハロゲン化マグネシウム ハロゲン化マグネシウムとしては、ジハロゲン化マグネ
シウムが好ましく、具体的には塩化マグネシウム、臭化
マグネシウム、沃化マグネシウムを用いることができ
る。更に好ましくはこれは塩化マグネシウムであり、特
に実質的に無水であることが望ましい。また、ハロゲン
化マグネシウムは、酸化マグネシウム、水酸化マグネシ
ウム、ハイドロタルサイト、マグネシウムのカルボン酸
塩、アルコキシマグネシウム、アリロキシマグネシウ
ム、アルコキシマグネシウムハライド、アリロキシマグ
ネシウムハライド、有機マグネシウム化合物を電子供与
体、ハロシラン、アルコキシシラン、シラノール、アル
ミニウム化合物、ハロゲン化チタン化合物、チタンテト
ラアルコキシドなどで処理して得られるハロゲン化マグ
ネシウムであっても良い。
【0007】ハロゲン化チタン ハロゲン化チタンとしては、三価又は四価のチタンのハ
ロゲン化合物が代表的である。好ましいチタンのハロゲ
ン化化合物は 一般式 Ti(OR1 4−n (R1 はC〜C10の炭化水素残基、Xはハロゲン)
で示されるような化合物のうちn=0.1又は2の四価
のハロゲン化チタン化合物である。具体的にはTiCl
、Ti(OBu)Cl、Ti(OBu)Cl
どを例示することができるが、特に好ましいのはTiC
、Ti(OBu)Cl(式中のOBuはブトキシ
基を示す)などのテトラハロゲン化チタンやモノアルコ
キシトリハロゲン化チタン化合物である。
【0008】有機珪素化合物 本発明における固体触媒成分の中で必須成分として用い
られる有機珪素化合物としては、 一般式R1 2 3−nSi(OR3 (ここで、R1 は分岐鎖状炭化水素基を、R2 はR1
同一か若しくは異なる炭化水素基を、R3 は炭化水素基
を、nは2≦n≦3の数を示す)で表わされる化合物で
ある。これら有機珪素化合物の中で、好ましい化合物の
具体例を以下に示す。 (CHCSi(CH)(OCH、 (CHCSi(CH(CH(OC
、 (CHCSi(CH)(OC、 (CCSi(CH)(OCH、 ((CH)CH)Si(OCH、 (CH)(C)CHSi(CH)(OC
、 ((CH)CHCHSi(OCH、 (C)(CHCSi(CH)(OC
、 (C)(CHCSi(CH)(OC
、 (CHCSi(OCH、(CHCS
i(OC (CCSi(OC (CH(C)CHSi(OCH、 (C)(CHCSi(OC これらの有機珪素化合物は、単独で或いは二種以上併用
することができる。
【0009】有機酸エステル 固体触媒成分に含有させることができる任意成分の有機
酸エステルとしては、多価カルボン酸エステルを挙げる
ことができ、これら多価カルボン酸エステルとして好ま
しいものの具体例としては、以下に示す(イ)〜(ニ)
を挙げることができる。 (イ) コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、メチル
コハク酸ジエチル、α−メチルグルタル酸ジイソブチ
ル、メチルマロン酸ジブチル、マロン酸ジエチル、エチ
ルマロン酸ジエチル、イソプロピルマロン酸ジエチル、
ブチルマロン酸ジエチル、フェニルマロン酸ジエチル、
ジエチルマロン酸ジエチル、アリルマロン酸ジエチル、
ジイソブチルマロン酸ジエチル、ジノルマルブチルマロ
ン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノオ
クチル、マレイン酸ジオクチル、マレイン酸ジブチル、
ブチルマレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジエチ
ル、β−メチルグルタル酸ジイソプロピル、エチルコハ
ク酸ジアルリル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル、イ
タコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、シトラコン酸
ジオクチル、シトラコン酸ジメチルなどの脂肪族ポリカ
ルボン酸エステル、(ロ)1,2−シクロヘキサンカル
ボン酸ジエチル、1,2−シクロヘキサンカルボン酸ジ
イソブチル、テトラヒドロフタル酸ジエチル、ナジック
酸ジエチルのような脂肪族ポリカルボン酸エステル、
【0010】(ハ) フタル酸モノエチル、フタル酸ジ
メチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸モノイソブチ
ル、フタル酸モノノルマルブチル、フタル酸ジエチル、
フタル酸エチルイソブチル、フタル酸エチルノルマルブ
チル、フタル酸ジn−プロピル、フタル酸ジイソプロピ
ル、フタル酸ジn−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フ
タル酸ジn−ヘプチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシ
ル、フタル酸ジn−オクチル、フタル酸ジネオペンチ
ル、フタル酸ジデシル、フタル酸ベンジルブチル、フタ
ル酸ジフェニル、ナフタリンジカルボン酸ジエチル、ナ
フタリンジカルボン酸ジブチル、トリメリット酸トリエ
チル、トリメリット酸ジブチルなどの芳香族ポリカルボ
ン酸エステル、(ニ) 3,4−フランジカルボン酸な
どの異炭素ポリカルボン酸エステル、これら多価カルボ
ン酸エステルの中で好ましいものは、フタル酸、マレイ
ン酸、置換マロン酸などと炭素数2以上のアルコールと
のエステルであり、特に好ましいのはフタル酸と炭素数
2以上のアルコールとのジエステルである。これらの有
機酸エステルを固体触媒成分中に含有させるに際して
は、必ずしも出発原料としてこれらの化合物を使用する
必要はなく、固体触媒成分の調製の過程でこれら化合物
に変化させ得る化合物を用いて、該調製の段階でこれら
化合物に変換させても良い。
【0011】固体触媒成分の調製 上記固体触媒成分の調製にあたり、ハロゲン化マグネシ
ウムは予め予備処理されたものであることが望ましい。
該予備処理は従来公知の各種方法により行なうことがで
き、具体的には下記(イ)〜(チ)の方法を例示するこ
とができる。(イ) ジハロゲン化マグネシウムを、或
いはジハロゲン化マグネシウムとチタン、珪素又はアル
ミニウムのハロゲン化合物又はハロゲン化炭化水素化合
物などとを、粉砕する。粉砕は、ボールミル或いは振動
ミルを用いて行なうことができる。
【0012】(ロ) ジハロゲン化マグネシウムを、溶
媒として炭化水素或いはハロゲン化炭化水素を用い、溶
解促進剤にアルコール、燐酸エステル或いはチタンアル
コキシドを用いて溶解させる。次いで、この溶液に、貧
溶媒、無機ハロゲン化物、エステルなどの電子供与体或
いはメチルハイドロジエンポリシロキサンなどのポリマ
ー珪素化合物などを添加して、溶解されたジハロゲン化
マグネシウムを該溶液より析出させる。
【0013】(ハ) マグネシウムのモノ又はジアルコ
レート若しくはマグネシウムカルボキシレートとハロゲ
ン化剤とを接触させる。 (ニ) 酸化マグネシウムと塩素又はAlClとを接
触反応させる。 (ホ) MgX・nHO(式中のXはハロゲンであ
る)とハロゲン化剤又はTiClとを接触反応させ
る。 (ヘ) MgX・nROH(式中のXはハロゲン、R
はアルキル基である)とハロゲン化剤又はTiCl
を接触反応させる。
【0014】(ト) グリニャール試薬、MgR化合
物(式中のRはアルキル基である)、或いは、MgR
化合物とトリアルキルアルミニウム化合物との錯体を、
ハロゲン化剤、例えばAlX、AlR3−m(式
中のXはハロゲン、Rはアルキル基である)、SiCl
又はSiClと接触反応させる。 (チ) グリニャール試薬とシラノールとを或いはポリ
シロキサン、HO又はシラノールとを接触反応させ、
その後ハロゲン化剤又はTiClと接触反応させる。
【0015】前記ハロゲン化マグネシウムの予備処理の
詳細については、特公昭46−611号、特公昭46−
34092号、特公昭51−3514号、特公昭56−
67311号、特公昭53−40632号、特公昭56
−50888号、特公昭57−48565号、特公昭5
2−36786号、特公昭58−449号、特開昭53
−45686号、特開昭50−126590号、特開昭
54−31092号、特開昭55−135102号、特
開昭55−135103号、特開昭56−811号、特
開昭56−11908号、特開昭57−180612
号、特開昭58−5309号、特開昭58−5310
号、特開昭58−5311号各公報を参照することがで
きる。予備処理された塩化マグネシウムとハロゲン化チ
タンと有機珪素化合物との接触は、ハロゲン化チタンと
有機珪素化合物との錯体を形成させてからこの錯体と塩
化マグネシウムとを接触させることによっても、また塩
化マグネシウムとハロゲン化チタンとを接触させてか
ら、有機珪素化合物と接触させることによっても、塩化
マグネシウムと有機珪素化合物を接触させてからハロゲ
ン化チタンと接触させることによっても良い。
【0016】接触の方法としては、ボールミル、振動ミ
ルなどの粉砕接触でも良いし、或いはハロゲン化チタン
の液相中に塩化マグネシウム又は塩化マグネシウムの有
機珪素化合物処理物を添加しても良い。三成分ないし四
成分接触後、或いは各成分接触の中間段階で、不活性溶
媒による洗浄を行なっても良い。このようにして生成し
たチタン含有固体触媒成分のハロゲン化チタン含有量は
1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%、ハロゲン
化マグネシウムの含有量は50〜98重量%、好ましく
は70〜90重量%、有機珪素化合物とハロゲン化チタ
ンのモル比は0.05〜2、好ましくは0.2〜1.5
程度である。
【0017】(b) 有機アルミニウム化合物成分 本発明にて用いられる有機アルミニウム化合物として
は、一般式 AlR3−n(ここで、Rは炭素数1〜12の炭化
水素残基、Xはハロゲン又はアルコキシ基、nは0<n
≦3を示す)で表わされるものが好適である。このよう
な有機アルミニウム化合物は、具体的には、例えば、ト
リエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウ
ム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリイ
ソヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアル
ミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムモノクロ
ライド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエ
チルアルミニウムモノエトキシサイドなどである。勿
論、これらの有機アルミニウム化合物を2種以上併用す
ることもできる。α−オレフィンの重合において用いら
れる有機アルミニウム化合物と固体触媒成分の使用比率
は広範囲に変えることができるが、一般に、固体触媒成
分中に含まれるチタン原子当たり1〜1,000、好ま
しくは10〜500(モル比)、の割合で有機アルミニ
ウム化合物を使用することができる。
【0018】(c) 電子供与化合物 本発明のオレフィン共重合体を2段階の重合で製造する
際に、必要に応じて電子供与化合物を添加することもで
きる。上記電子供与化合物としては、有機珪素化合物が
好ましく用いられる。該有機珪素化合物の具体例は、前
記固体触媒成分に含有されるものと同様である。電子供
与化合物を添加する際の添加量は、有機アルミニウム化
合物に対するモル比で、通常0.01〜1、好ましくは
0.02〜0.5である。
【0019】(2) 重合方法 (a) 重合法 本発明のプロピレン、エチレン、1−ブテンのランダム
共重合は、ヘキサン、ヘプタンなどの不活性溶媒中で行
なうスラリー重合法でも、液相プロピレン中で行なうバ
ルク重合法でも、或いは気相重合法でも実施することが
できる。また、重合様式は回分式でも連続式でも採用し
得る。
【0020】(b) 重合条件 重合反応は、重合温度が通常30〜90℃、好ましくは
50〜70℃、重合圧力が常圧〜50kg/cm2 G、
好ましくは2〜40kg/cm2 Gの条件下で行なわれ
る。オレフィン共重合体の分子量の調節には水素が好ま
しく用いられる。これらプロピレン、エチレン及び1−
ブテンの重合系へのフィードは、得られるオレフィン共
重合体中のプロピレン含有量が80〜96重量%、エチ
レン含有量が1〜5重量%及び1−ブテン含有量が3〜
15重量%となるような割合で共重合されるように行な
われる。
【0021】[II] 生成オレフィン共重合体 前記触媒及び重合方法を採用することによって得られる
オレフィン共重合体は、プロピレン含有量は80〜96
重量%、好ましくは85〜93重量%であり、エチレン
含有量は1〜5重量%、好ましくは1.5〜4重量%で
あり、1−ブテン含有量は3〜15重量%、好ましくは
5〜13重量%である。コモノマー含有量が上記範囲未
満だと、ヒートシール温度の低下が顕著でなく、また、
コモノマー含有量が上記範囲を超えると耐ブロッキング
性が悪化し、更に、溶媒可溶副生物の生成量が急増する
ため生産性が低下する。オレフィン共重合体のMFRは
通常1〜50g/10分、好ましくは2〜20g/10
分である。
【0022】
【実施例】本発明のオレフィン共重合体の製造方法につ
いて、以下にその実施例及び比較例を挙げて具体的に説
明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。下記の実施例及び比較例中のMFR、エ
チレン含有量、1−ブテン含有量、透明性、ヤング率、
ヒートシール温度並びに耐ブロッキング性は以下に示す
評価方法により測定したものである。
【0023】[I] 評価方法 (1) MFR ASTM−D−1238に準拠して求めた。 (2) エチレン含有量、1−ブテン含有量 赤外線吸収により求めた。 (3) 透明性(ヘイズ) ASTM−D−1003に準拠し、フィルムを4枚重ね
にして測定した。 (4) ヤング率 ISO−R1184に準拠してフィルムのMD方向にて
測定した。 (5) ヒートシール温度 5mm×200mmのヒートシールバーを用い、各設定
温度において、ヒートシール圧力2kg/cm2 、ヒー
トシール時間0.5秒のヒートシール条件でヒートシー
ルした試料から15mm幅のサンプルを切り取り、シヨ
ッパー型試験機を用いて引っ張り速度500mm/分に
て引き離し、300gの強度となる温度をヒートシール
温度とした。 (6) 耐ブロッキング性 2枚のフィルムを接触面積が10cm2 となるように重
ねて、2枚のガラス板の間に挟み、50g/cm2 の荷
重をかけて40℃の雰囲気下で7日間放置後、ショッパ
ー型試験機で引き剥がす時の最大荷重を測定した。
【0024】[II] 実験例実施例1 (1) 固体触媒成分の調製 窒素置換した内容積が500ミリリットルのガラス製三
つ口フラスコ(温度計、攪拌棒付き)に75ミリリット
ルの精製ヘプタン、75ミリリットルのチタンテトラブ
トキシド及び10gの無水塩化マグネシウムを加えた。
その後、該フラスコを90℃の温度にまでに昇温し、該
温度で2時間攪拌して塩化マグネシウムを完全に溶解さ
せた。次に、該フラスコを40℃の温度にまで冷却し、
メチルハイドロジエンポリシロキサン15ミリリットル
を添加することにより、塩化マグネシウム・チタンテト
ラブトキシド錯体を析出させた。この析出物を精製ヘプ
タンで洗浄して、灰白色の固体を得た。
【0025】窒素置換した内容積が300ミリリットル
のガラス製三つ口フラスコ(温度計、攪拌棒付き)に、
上記で得た析出固体20gを含むヘプタンスラリー65
ミリリットルを導入した。次いで、四塩化珪素8.7ミ
リリットルを含むヘプタン溶液25ミリリットルを室温
で30分かけて加えて、更に30℃の温度で30分間反
応させた後、更に90℃の温度で1時間反応させた。反
応終了後、該反応生成物を精製ヘプタンで洗浄し、これ
に塩化フタロイル1.6ミリリットルを含むヘプタン溶
液50ミリリットルを加えて、50℃の温度で2時間反
応させた。その後、この生成物を精製ヘプタンで洗浄
し、更に六塩化タングステン1.5gとヘプタン80ミ
リリットルを加えて、90℃の温度で2時間反応させ
た。反応終了後、反応生成物を精製ヘプタンで洗浄し、
更に第三ブチルメチルジメトキシシラン1.6ミリリッ
トル、トリエチルアルミニウム1.7gを加えて30℃
の温度で2時間接触させた。その後、精製ヘプタンで洗
浄してこれを固体触媒成分とした。該固体触媒成分中の
チタン含有量は0.8重量%、有機珪素化合物の含有量
は6.5重量%であった。
【0026】(2) オレフィン共重合体の製造 内容積が200リットルの攪拌式オートクレーブ内をプ
ロピレンで十分に置換した後、精製したヘプタン60リ
ットルを導入し、トリエチルアルミニウム15.0g、
前記固体触媒成分3.0gを60℃の温度でプロピレン
雰囲気下に導入した。更に、気相部水素濃度を3.5容
量%に保ちながら65℃の温度でプロピレンを10.8
kg/時間、エチレンを0.2kg/時間及び1−ブテ
ンを1.2kg/時間のフィード速度で4時間フィード
した後、更に1時間重合を継続した。その後、生成物を
濾過し、乾燥を行なって、39.2kgの粉末状のオレ
フィン共重合体を得た。この共重合体のMFRは5.2
g/10分、エチレン含有量は2.1重量%、1−ブテ
ン含有量は8.4重量%であった。なお、溶媒可溶生成
物は1.52kgであった。得られた共重合体粉末10
0重量部に、平均粒径が3μmのシリカ0.2重量部、
酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ
ール0.15重量部、塩酸捕捉剤としてステアリン酸カ
ルシウム0.05重量部をそれぞれ配合し、スーパーミ
キサーで2分間混合した後、30mm径の単軸押出機に
より250℃で溶融混練してペレット化した。
【0027】(3) フィルムの製造・評価 このペレットを用いて、T型ダイスを有する35mm径
の押出機にて230℃の温度でフィルム厚み25μmの
無延伸フィルムを得た。得られたフィルムのヘイズ、ヤ
ング率、ヒートシール温度、耐ブロッキング性を測定
し、その結果を表2に示した。
【0028】実施例2〜4及び比較例1〜2 実施例1の重合時のモノマー組成を変更した以外は実施
例1と同一の条件で行なった。重合の結果を表1に、フ
ィルムの測定結果を表2に示す。
【0029】比較例3 (1) 固体触媒成分の調製 第三ブチルメチルジメトキシシラン処理を行なわないこ
と以外は、実施例1と同様にして固体触媒成分を調製し
た。得られた固体触媒成分中のチタン含有量は0.8重
量%であった。 (2) オレフィン共重合体の製造 第三成分としてジフェニルジメトキシシラン6.8gを
添加すること以外は実施例1と同様にしてオレフィン共
重合体の製造を行なった。重合の結果を表1に、フィル
ムの測定結果を表2に示す。
【0030】比較例4 固体触媒成分として丸紅ソルベイ社製三塩化チタン触媒
10.5g、有機アルミニウム化合物としてジエチルア
ルミニウムクロライド42gを用いること以外は、実施
例1と同様にしてオレフィン共重合体の製造を行なっ
た。重合の結果を表1に、フィルムの測定結果を表2に
示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】このような本発明のオレフィン共重合体
の製造方法によって得られる共重合体は、低温ヒートシ
ール性、剛性、耐ブロッキング性のバランスに極めて優
れたものであり、更に、製造の際の溶媒可溶副生物の生
成量が極めて少ないため、経済的に極めて有利な製造方
法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水 野 肇 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チーグラー型オレフィン重合用触媒の存在
    下に、プロピレン、エチレン及び1−ブテンをランダム
    共重合してオレフィン共重合体を製造する方法におい
    て、前記チーグラー型オレフィン重合用触媒として (A) マグネシウム、チタン、ハロゲン及びR1 2
    3−nSi(OR3 (ここで、R1 は分岐鎖状炭化
    水素基を、R2 はR1 と同一か若しくは異なる炭化水素
    基を、R3 は炭化水素基を、nは2≦n≦3の数を示
    す)で表わされる有機珪素化合物を必須成分として含有
    する固体触媒成分と、 (B) 有機アルミニウム化合物 とから形成される触媒を用い、前記プロピレン、エチレ
    ン及び1−ブテンを生成共重合体中のプロピレン含有量
    が80〜96重量%、エチレン含有量が1〜5重量%及
    び1−ブテン含有量が3〜15重量%となるように共重
    合させることを特徴とするオレフィン共重合体の製造方
    法。
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