JPH05117304A - ヤマブシタケ由来の水不溶性多糖類及び該水不溶性多糖類を主剤とする抗腫瘍剤 - Google Patents

ヤマブシタケ由来の水不溶性多糖類及び該水不溶性多糖類を主剤とする抗腫瘍剤

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JPH05117304A
JPH05117304A JP3306943A JP30694391A JPH05117304A JP H05117304 A JPH05117304 A JP H05117304A JP 3306943 A JP3306943 A JP 3306943A JP 30694391 A JP30694391 A JP 30694391A JP H05117304 A JPH05117304 A JP H05117304A
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water
residue
extraction
extract
yamabushitake
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JP3306943A
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English (en)
Inventor
Taku Mizuno
卓 水野
Hitoshi Ito
均 伊藤
Yoshinobu Mori
啓信 森
Hideki Sakamoto
秀樹 坂本
Chiharu Suzuki
千春 鈴木
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Kagome Co Ltd
Fuji Seito Co Ltd
Original Assignee
Kagome Co Ltd
Fuji Seito Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、従来報告されているヤマブシタケ由
来の水溶性画分に比べ、抗腫瘍活性が高い、ヤマブシタ
ケ由来の水不溶性多糖類及び該水不溶性多糖類を主剤と
する抗腫瘍剤を提供するものである。 【構成】本発明に係る水不溶性多糖類は、ヤマブシタケ
又はその処理物の水系溶媒抽出残渣を結合多糖抽出塩類
溶液で抽出し、その抽出液を分子量分画して得られるガ
ラクトグルコキシラン、又はヤマブシタケ又はその処理
物の水系溶媒抽出残渣をアルカリ溶液で抽出し、その抽
出液を分子量分画して得られるガラクトキシログルカン
蛋白複合体であることを特徴としており、また本発明に
係る抗腫瘍剤は該水不溶性多糖類を主剤とすることを特
徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハリタケ科のきのこであ
るヤマブシタケ( Hericium erinaceum )由来の水不溶性
多糖類及び該水不溶性多糖類を主剤とする抗腫瘍剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、ヤマブシタケ由来の水溶性画分が
抗腫瘍活性を有することが報告されている(1991年
度日本農芸化学会大会講演要旨集364頁)。該水溶性
画分はヤマブシタケ子実体や液体培養菌糸の熱水抽出物
又は培養濾液のアルコール沈澱物として得られるもので
ある。ところが、該水溶性画分には、その抗腫瘍活性が
低いという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来報告されているヤマブシタケ由来の水
溶性画分では、その抗腫瘍活性が低い点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
ヤマブシタケ由来の物質についてそれらの抗腫瘍活性を
追究した結果、その水系溶媒抽出残渣から所定の抽出手
段を経て得られる特定の糖蛋白複合体が高い抗腫瘍活性
を有することを見出した。
【0005】すなわち本発明は、ヤマブシタケ又はその
処理物の水系溶媒抽出残渣を結合多糖抽出塩類溶液で抽
出し、その抽出液を分子量分画して得られるガラクトグ
ルコキシランであることを特徴とする水不溶性多糖類、
ヤマブシタケ又はその処理物の水系溶媒抽出残渣をアル
カリ溶液で抽出し、その抽出液を分子量分画して得られ
るガラクトキシログルカン蛋白複合体であることを特徴
とする水不溶性多糖類、及びこれらを主剤とする抗腫瘍
剤に係る。
【0006】本発明では先ず、ヤマブシタケ又はその処
理物を水系溶媒で抽出し、その抽出残渣を得る。抽出対
象となるヤマブシタケには子実体、培養菌糸、培養液等
が含まれ、またその処理物には破砕物、摩砕物、濃縮
液、乾燥物等が含まれる。抽出に用いる水系溶媒は水を
主体とする溶媒であり、10〜20%程度のメタノー
ル、エタノール、アセトン等を含んだ水でもよいが、熱
水が好ましい。
【0007】水系溶媒での抽出に先立ち、ヤマブシタケ
又はその処理物を有機溶媒で抽出し、該ヤマブシタケ又
はその処理物に含まれる有機溶媒溶解性の低分子量画分
を除いておくのも有効であり、また更にその有機溶媒抽
出残渣を生理的食塩水で抽出し、該有機溶媒抽出残渣に
含まれる遊離の蛋白画分を除いておくのも有効である。
【0008】次に、水系溶媒による抽出残渣を結合多糖
抽出塩類溶液又はアルカリ溶液で抽出し、その抽出液を
得る。ここに結合多糖抽出塩類溶液は組織に結合してい
る多糖類のうちで比較的穏やかな条件下に抽出可能なも
のを抽出するために用いる塩類溶液の総称であり、これ
には例えば、蓚酸アンモニウム、エチレンジアミン4酢
酸2ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、酢酸
ナトリウム等、酸根が弱酸である塩類溶液が挙げられる
が、合目的的に蓚酸アンモニウム溶液が好ましい。また
アルカリ溶液は、その種類に特に制限はないが、弱アル
カリ溶液が好ましい。
【0009】最後に、結合多糖抽出塩類溶液による抽出
液を例えばゲル濾過で分子量分画することによりガラク
トグルコキシランを得、またアルカリ溶液による抽出液
を同様に分子量分画することによりガラクトキシログル
カン蛋白複合体を得る。分子量分画に先立ち、結合多糖
抽出塩類溶液又はアルカリ溶液による抽出液に例えばエ
タノールを加え、該抽出液に含まれる遊離の多糖類画分
だけを分取しておくのも有効である。
【0010】かくして得られるガラクトグルコキシラン
及びガラクトキシログルカン蛋白複合体が本発明に係る
水不溶性多糖類である。これらの水不溶性多糖類は、従
来報告されているヤマブシタケ由来の水溶性画分に比
べ、高い抗腫瘍活性を示す。
【0011】本発明に係る抗腫瘍剤は、以上説明した水
不溶性多糖類を主剤とするものである。製剤中における
その含有量は、経口投与の場合に10〜1000mg/k
g、また非経口投与の場合に1〜10mg/kg(共に対マ
ウス)となるように決定することができる。
【0012】
【実施例】ヤマブシタケ子実体13kgに99%エタノー
ル30リットルを加え、ホモジナイズ処理し、1日放置
した後、吸引濾過して、その残渣を得た。該残渣に生理
的食塩水を加えて4℃で2時間抽出する操作を3回繰返
し、その残渣741gを得た。
【0013】上記で得た残渣741gに100℃の熱水
3リットルを加え、煮沸しつつ3時間撹拌し、その抽出
液を得た。該抽出液を冷却後、遠心分離したその上澄液
に5倍量の99%エタノールを加え、更に遠心分離し
て、その沈澱物を得た。該沈澱物を透析し、凍結乾燥し
て、水溶性画分(F0)21.6gを得た。
【0014】上記の熱水抽出による残渣402gに1%
蓚酸アンモニウム溶液2リットルを加えて100℃で3
時間抽出する操作を4回繰返し、その抽出液を得た。該
抽出液を冷却後、5倍量の99%エタノールを加え、遠
心分離して、その沈澱物を得た。該沈澱物を透析し、凍
結乾燥して、水不溶性画分(F1)1.7gを得た。
【0015】上記の1%蓚酸アンモニウム溶液による抽
出残渣375gに0.05%ナトリウムボロハイドライ
ド( NaBH4 )を含む5%水酸化ナトリウム溶液2リット
ルを加えて30℃で4時間抽出する操作を4回繰返し、
その抽出液を得た。該抽出液に酢酸を加えてPH5〜6
に調整したその上澄液に5倍量の99%エタノールを加
え、遠心分離して、その沈澱物を得た。該沈澱物を透析
し、凍結乾燥して、水不溶性画分(F2)40.5gを
得た。
【0016】上記で得た水不溶性画分(F1)1.6g
をゲル濾過(トヨパールHW−65F、東ソー社製)に
供し、0.3モル水酸化ナトリウム水溶液で溶出して、
その溶出液からガラクトグルコキシラン(F1−a)2
66mgを得た。同様にして、水不溶性画分(F2)3.
0gをゲル濾過に供し、ガラクトキシログルカン蛋白複
合体(F2−a)501mgを得た。
【0017】かくして得た水溶性画分(F0)、水不溶
性画分(F1)、水不溶性画分(F2)、ガラクトグル
コキシラン(F1−a)、及びガラクトキシログルカン
蛋白複合体(F2−a)の組成を表1にまとめて示し
た。
【0018】
【表1】
【0019】注)表1において、糖含量:比色定量法
(フェノール−硫酸法)、蛋白質含量:比色定量法(ロ
ーリ−改良法)、糖組成:ガスクロマトグラフィー法、
Glc:グルコース、Xyl :キシロース、Man :
マンノース、Gal :ガラクトース
【0020】JCR/SLC系の雌性マウス7匹を1組
とし、これらに移植後7日目のマウスから採取して計数
したサルコーマ( Sarcoma )180腫瘍細胞(6×106
個)を背部皮下に移植した。そして移植1日後から、上
記のF0〜F2−aを、10mg/kgマウス(F0〜F2
−a換算)となるように腹腔内に投与した。投与回数は
1日1回で10日間とした。移植28日後に腫瘍の大き
さ(cm3)を測定し、対照群(未投与群)と比較して腫
瘍抑制率(%)を算出した。また対照群(100)と比
較して生存率(%)を算出し、併せて腫瘍完全消失率
(匹/匹)を求めた。試験の終末として、移植61日後
の死亡率(匹/匹)を求めた。これらの結果を表2にま
とめて示した。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、従来報告されているヤマブシタケ由来の水溶性
画分に比べ、抗腫瘍活性が高いという効果がある。
フロントページの続き (72)発明者 水野 卓 静岡県藤枝市青南町5丁目5番地9 (72)発明者 伊藤 均 三重県津市城山2丁目3番地10 (72)発明者 森 啓信 栃木県那須郡西那須野町三島2丁目10番地 4 相互レジデンス103号 (72)発明者 坂本 秀樹 栃木県那須郡西那須野町井口47番地12 (72)発明者 鈴木 千春 静岡県静岡市大谷3800番地211

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヤマブシタケ又はその処理物の水系溶媒
    抽出残渣を結合多糖抽出塩類溶液で抽出し、その抽出液
    を分子量分画して得られるガラクトグルコキシランであ
    ることを特徴とする水不溶性多糖類。
  2. 【請求項2】 結合多糖抽出塩類溶液が蓚酸アンモニウ
    ム溶液である請求項1記載の水不溶性多糖類。
  3. 【請求項3】 ヤマブシタケ又はその処理物の水系溶媒
    抽出残渣をアルカリ溶液で抽出し、その抽出液を分子量
    分画して得られるガラクトキシログルカン蛋白複合体で
    あることを特徴とする水不溶性多糖類。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の水不溶性多糖
    類を主剤とする抗腫瘍剤。
JP3306943A 1991-10-26 1991-10-26 ヤマブシタケ由来の水不溶性多糖類及び該水不溶性多糖類を主剤とする抗腫瘍剤 Pending JPH05117304A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006117541A (ja) * 2004-10-19 2006-05-11 Metal Color:Kk ヤマブシタケ抽出粉末およびその製造方法
CN102382199A (zh) * 2011-09-02 2012-03-21 广东太阳神集团有限公司 一种高得率节能型猴头菇多糖的制备方法
CN102643359A (zh) * 2012-04-10 2012-08-22 上海市农业科学院 一种猴头菌多糖及其制备方法
CN104403021A (zh) * 2014-11-28 2015-03-11 哈尔滨墨医生物技术有限公司 一种高活性猴头菇多糖的提取方法
JP2020029426A (ja) * 2018-08-23 2020-02-27 株式会社岩出菌学研究所 抗癌剤耐性抑制剤

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